※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第31節はアウェーでのモンテディオ山形戦。
前節はホームでベガルタ仙台を相手にスコアレスドロー。
仙台が大幅にメンバーを入れ替えたこともありやや低迷…という部分はあったものの、「勝ちたかった」「勝っておきたかった」と思わせるゲームをしてくれました。
もはや残留さえも厳しくなってきている状況ではありますが、数字上可能性が残されている以上…欲しいのは勝点3のみ。
今節も強豪の山形が相手になりますが、ここ2試合の良い流れを継続できるか?というのがポイントとなるでしょう。
今回はそんなモンテディオ山形戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
モンテディオ山形
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 後藤雅明 |
DF | 4 | 西村慧祐 |
5 | 安部崇士 | |
6 | 山田拓巳 | |
15 | 川井歩 | |
MF | 7 | 高江麗央 |
8 | 小西雄大 | |
88 | 土居聖真 | |
FW | 25 | 國分伸太郎 |
42 | イサカ ゼイン | |
90 | ディサロ燦シルヴァーノ |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 23 | 藤嶋栄介 |
DF | 40 | 坂本稀吏也 |
MF | 14 | 坂本亘基 |
20 | 松本凪生 | |
24 | 横山塁 | |
FW | 36 | 高橋潤哉 |
41 | 後藤優介 |
山形は前節からスタメンに変更無し。
ベンチを見ても氣田亮真に代わって横山塁が入るという、1枚のみの変更となった。
注目は攻撃の4枚か?
中央のディサロ燦シルヴァーノはもちろんだが、その下でトップ下としてプレーする土居聖真が特に厄介な存在と言えるだろう。
群馬の5-4-1の5と4のライン間で自由に動かれないようにしたいところだが…これを警戒しすぎて5-4のラインが狭くなり過ぎて全体に重く…という形になってしまうことが予想される。
また右のイサカ ゼイン、左の國分伸太郎と強烈なアタッカー陣を相手にWBが押し込まれてしまう…というのも予想されてしまうところ。
山形と言えばシーズン前に岡本一真が、シーズン途中に城和隼颯が移籍しているが…今節はどちらもベンチ外。
岡本に関してはどうにも群馬時代に痛めた腰の状態が良くないようで…ここ5試合出場が無い状態。
その前はスタメンで起用され続けていたので…無理せずしっかりと治してほしいところ。
城和に関しては緊急補強の意味合いも強かったようで、メンバーが揃えばベンチ外…といったところか。
禁断の移籍とは言わないが、賛否のある移籍だったことは本人もわかっているだろうだけに…チャンスが来た時にはしっかりと掴んで後悔の無い移籍だったと言って欲しいところ。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 22 | 高橋勇利也 |
24 | 酒井崇一 | |
34 | 小柳達司 | |
MF | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
6 | 天笠泰輝 | |
17 | 山中惇希 | |
37 | 瀬畠義成 | |
FW | 14 | 川本梨誉 |
32 | 河田篤秀 | |
44 | 仙波大志 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 29 | 田頭亮太 |
MF | 11 | 杉本竜士 |
15 | 風間宏希 | |
FW | 23 | 平松宗 |
28 | 樺山諒乃介 | |
40 | 佐川洸介 |
群馬は前節から2枚を変更。
田頭亮太に代えて小柳達司、風間宏希に代えて川上エドオジョン智慧を起用。
田頭と風間はそのままベンチスタートとなり、ベンチを含めた18人には変更は無い形となった。
田頭の位置にエドが入り、小柳がCBの中央、前節CBを務めた瀬畠義成が風間のいたボランチに入る形となるだろう。
何度か書いているが…瀬畠義成をボランチで使うのが正しいのか、それともCBで使うのが正しいのか…これが非常に悩ましいところとなっている。
瀬畠のプレーだけを見ればボランチの方が合っていると思うが…CBの中央の駒が足りないのである。
秋田から小柳が来てくれ、小柳は良いCBであることは間違いないが…どうにも3CBの中央のプレーヤーではないように思う。
また前線の配置も以前から疑問にしている通り、河田篤秀の1トップにこだわる必要があるのか?というところ。
最近は川本梨誉と2トップに近い形を作り、仙波大志がやや低い位置からプレーすることである程度の形を作れてはいるものの…。
今のサッカーを続けるなら、頂点に置くべきは佐川洸介のようなポストプレーヤーだと思うのである。
この試合で注目したいのは、山中惇希と川上エドオジョン智慧という攻撃的なプレースタイルを持つ両WBの併用。
山形のところでも書いたが、イサカ ゼインと國分伸太郎という強力なウィングを相手にどちらがサイドの主導権を奪うのか…というのが大事になるだろう。
試合経過
【0~15分】入りこそ悪くなかったが…
前半は山形のキックオフでスタート。
なんだかとても芝の状態が悪いように見えるが…。
1分、小西雄大から高江麗央へのパスがズレた(と言うか高江が後方を確認したタイミングでパスが出てしまった)ところを天笠泰輝がカット。
そこからすぐ左を上がる川本梨誉に繋ぐと、やや距離はあったものの積極的に足を振っていく。
無回転気味でゴールキーパーの手前でバウンドする良いシュートだったが、これは後藤雅明がセーブしてコーナーキックとなった。
6分、DF裏のスペースにイサカ ゼインが飛び出すと、ここに高江麗央から良いボールが入る。
イサカが完全にフリーで抜け出した形となったが、このボールには合わせられず…群馬としては助かる形となった。
DAZNでは全体が映らないため…詳細はわからないものの、オフサイドトラップを狙ったがオンサイドで抜け出された…といった印象。
非常に危ないシーンだった。
9分、山田拓巳から浮き球が送られるが…これは前線のディサロ燦シルヴァーノには合わず。
だったのだが、このボールをクリアにいった天笠泰輝が…ボールがやや高かったためかバックヘッドとなりディサロのところに収まってしまう。
ディサロが右サイドの川井歩に大きく展開すると、一つ前に持ち出してからゴール前にクロスを供給。
ここにドンピシャで土居聖真が飛び込んで、早々に先制を許してしまう。
なんだかこの失点に今季の群馬の全てが表されているように思う…。
これは後ほど。
15分、川井歩から縦パスを受けたイサカ ゼインが、背後から高橋勇利也のプレスを受けつつも粘る。
小柳達司と挟まれる形になるが、結果的にディサロ燦シルヴァーノに繋ぎ、更には土居聖真が右サイドのスペースを抜け出していく。
右サイドを駆け上がった土居からゴール前にクロスが送られると、ここに國分伸太郎がフリーで入っていたが…ややボールは國分の後方に。
國分が素晴らしいボディバランスでこの難しいボールを足に当てるが…ここは櫛引政敏が左手一本でファインセーブ。
こぼれ球を川上エドオジョン智慧が回収してピンチを脱する。
土居のクロスがややズレたことが群馬にとってはラッキーであり、ドンピシャだったら櫛引と言えど止められなかっただろう。(それでも櫛引はファインセーブであり、あれに合わせた國分も見事だったが)
【15~30分】上がらない攻撃スピード
17分、國分伸太郎が左サイド裏のスペースに抜け出す。
ここからのクロスはディサロ燦シルヴァーノに合わず、櫛引政敏が直接キャッチしたが…今日はこの3CBの横、WBの裏のスペースを使われるシーンが目立つ。
どうしても3バックだと狙われるポイントではあるが、山形は効果的に長短のパスを織り交ぜてチャンスを作れている印象。
これが繰り返されることでWBが完全に張り付き、攻撃に転じられなくなる…というのは避けたいところだが…。
ただでさえ群馬は5バックで後ろに重いわけで…ロングボールを警戒して更に下がれば…となってしまう。
20分、フリーキックのチャンスを得るとキッカーは仙波大志。
仙波がファーに送ったボールは跳ね返されるも、河田篤秀が回収して再びクロスを送る。
これを酒井崇一が合わせるも…後藤雅明がセーブしてスローインに逃れる。
23分、今度は安部崇士からのロングボール1本に右サイドのイサカ ゼインが抜け出す。
しかしここはトラップ際を戻った高橋勇利也が回収し難を逃れる形に。
相変わらず効果的なロングボールを送られているが…ここは勇気を持ってラインを押し上げ続けたいところ。
【30~45分】櫛引のスーパーセーブも…
35分、山形が左からのコーナーキックを得るとこれをショートで始める。
まず土居聖真がボールを受け、それを後方の國分伸太郎に戻す。
國分がゴール前にクロスを送り込むと、これをイサカ ゼインがフリーで合わせるが…ここは櫛引政敏がファインセーブで阻止。
しかしこぼれ球を西村慧祐に詰められて追加点を許してしまう。
このシーンは天笠泰輝が猛ダッシュで國分にプレッシャーをかけにいったが…間に合わずにクロスを上げられてしまう形に。
しかし…なんでイサカはドフリーだったのか?
画角がやや近く…國分のクロスに対して中がどうなっていたのかわからないのが残念なところ。
また同様に中の動きが見えなかったため、イサカがオフサイドポジションだったのかオンサイドだったのかは不明である。
(しかしイサカのシュートに対して西村はオンサイドで間違いない)
37分、高橋勇利也から斜めのボールが川本梨誉に入る。
やや強引に川本は左足を振っていくが…これはミートせずに枠を大きく外してしまう。
左に山中惇希が上がっていたため使っても面白かったが、これはシュートの選択自体は悪くないか。
打つならもう少し怖さのあるシュートを…とは思うが、全体的にもう少し攻撃の厚みがないと選択肢はシュートとなってしまう。
ちなみにこの斜めのパスは勇利也の持ち味でもあり、怖さのある効果的なパスだけに増やしていきたいところ。
39分、ボールを失ったところからカウンターを浴びる。
土居聖真からの浮き球のパスにイサカ ゼインがDF裏に抜け出すが…ここはイサカよりも先に高橋勇利也が触ってコーナーに逃げる。
ギリギリのところで対応はしているが、今日は再三に渡りこのDF裏に抜け出されている印象である。
45分、瀬畠義成が失ったところからカウンターを受ける。
土居聖真が右に抜け出してクロスを送ると、これをディサロ燦シルヴァーノが胸トラップからシュートを放つが…ここは櫛引政敏がセーブしてピンチを脱する形に。
こうして前半は試合の入りこそ良かったものの…ノープレッシャーのアーリークロスに、コーナーキックと…いつも通りのパターンで2失点する厳しい展開となった。
【45~60分】弱すぎるセットプレー
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでのメンバー交代は無くリスタートとなった。
45分、右サイドの川上エドオジョン智慧から瀬畠義成に送られると、瀬畠は左の山中惇希へのクロスを選択。
しかしこれが合わずに…そのまま流れてしまう。
距離は多少あったが中央でフリーだったため、瀬畠は自分で狙う選択肢で良かったと思うが…。
このシーンの後から気付いたが、どうやら後半は3-5-2になった様子。
河田篤秀と川本梨誉の2トップとなり(更に川本が左から右に移動)、仙波大志は半列下がって右のインサイドハーフに。
瀬畠義成を1アンカーに3ボランチの形となっている。
52分、山形が左サイドでコーナーキックを得ると、キッカーは小西雄大。
ニアで西村慧祐がバックヘッド気味にフリックしてゴールを狙うが、これは櫛引政敏が足に当てて再びコーナーとする。
ニアポスト付近に群馬の選手が誰もいないという…比較的珍しい立ち位置だったように見えるが…その空間を使った形に。
櫛引としても予想していなかったか、ややゴールを空けていたところを戻りながら対応した形となった。
53分、次のコーナーも守ったものの…今度は右サイドから3本目のコーナーとなる。
高江麗央のキックは中央で山中惇希が頭に当てるも、こぼれ球をイサカ ゼインが直接狙う。
ここに川上エドオジョン智慧がブロックに入り、足には当てたものの…ボールは股の間を抜けて後方に流れディサロ燦シルヴァーノが頭で詰めて追加点。
ディサロが完全にフリーで詰めているのは気になるが…群馬から見れば左からボールが上がり右に、右から更に左にと振られているだけにボールウォッチャーになりがちなシーン。
攻撃側が圧倒的に有利なシチュエーションであることは確かだろう。
55分、右サイドからイサカ ゼインがグラウンダーのクロスを送る。
これをダイレクトで國分伸太郎が当てるだけのシュートを放つが、ここは櫛引政敏がファインセーブを見せる。
57分、群馬ベンチが動き、酒井崇一に代えて風間宏希、河田篤秀に代えて佐川洸介、川本梨誉に代えて樺山諒乃介の3枚代え。
これにより最終ラインを4枚に変更し、右から川上エドオジョン智慧、瀬畠義成、小柳達司、高橋勇利也。
中盤は風間を1アンカーに、右に仙波大志、左に天笠泰輝。
前は佐川を1トップに、右に樺山、左に山中惇希という形で4-3-3となる。
59分、交代早々に樺山諒乃介が右サイドで技術を見せる。
粘ってクロスまで持ち込み、これは悪くないクロスだったが…直接キーパーにキャッチされてしまう。
【60~75分】一矢報いるも…
61分に山形ベンチが動く。
土居聖真に代えて高橋潤哉、イサカ ゼインに代えて横山塁を投入する。
65分、群馬の攻撃に素晴らしい連携が見られたものの…シュートは枠外に外れてしまう。
最後は風間宏希から縦位置の山中惇希に送られ、これをスルー気味にそのままボールは縦に抜けると樺山諒乃介が丁寧に落として山中が狙う…という形。
ここはせめて枠内に送りたかったところ。
66分、この直後山形が素早い攻撃で一気にゴール前に迫る。
山田拓巳が上手くDFをかわして國分伸太郎に繋ぐと、國分も対応した瀬畠義成を上手く剥がして右サイドにボールを展開。
ここで横山塁がボールを受けると、冷静に高橋勇利也の股を抜くシュートを放ち…櫛引政敏も足には当てたものの…そのままゴールに吸い込まれていく。
これも勇利也の対応を見ると…距離が遠いように思うところ。
確かに中にはディサロ燦シルヴァーノと高橋潤哉の2枚がいたため、横山がそのままの勢いで縦に突破からクロス…というのは怖いパターンなのは事実。
しかし最初のトラップで速度がグッと落ちたところで、もう少し距離を詰めて簡単に打たせないようにしたいところか。
68分、仙波大志から右サイドの樺山諒乃介にパスを送る。
内側を上がり、更に縦かつワイドの位置で川上エドオジョン智慧がボールを引き出してから、樺山に戻す。
ここで内側を駆け上がりポケットの位置に入り込む仙波に、樺山から空間を使った良いパスが送られると…恐らくファーを狙ったシュートと思われるが…安部崇士に当たりニア側のゴールに吸い込まれていく。
樺山が途中加入ということもあり、意思の疎通という意味ではまだまだエドと合っていないのだが…この2人の右サイドはこの試合を通して面白さを見せてくれた。
そこに仙波が絡むことで技術のある3人となり、これは今後のストロングとしていきたいと思わせるシーンとなった。
この得点の後、リスタート前に山形ベンチが動く。
ディサロ燦シルヴァーノに代えて後藤優介、國分伸太郎に代えて坂本亘基を投入する。
74分には再び樺山諒乃介、仙波大志、川上エドオジョン智慧の3人で右サイドを突破。
最後は抜け出したエドがクロスを送り、佐川洸介に入るものの…トラップがやや流れてしまいキーパーに収まってしまう。
75分、今度は左サイドを深くまで使った後に、一度風間宏希に下げる。
風間からゴール前に長いボールが送られると、ここに佐川洸介がフリーで飛び込み合わせるが…後藤雅明が右手一本でファインセーブを見せコーナーに。
ややコースが甘かったとは言えるが…ここは後藤のファインセーブを誉めるべきだろう。
このシーンも画角が狭く…近いために佐川の動き出しが映っていないのが残念なところ。
なぜあれだけフリーだったのか?
山形としても3点差であり、やや集中が切れてきているだろうか?
【75~90分】良い形は作れているものの…
78分、群馬ベンチが最後の交代枠を使う。
天笠泰輝に代えて杉本竜士、山中惇希に代えて平松宗を投入する。
どうやら杉本はそのまま左側のインサイドハーフに入り、平松もそのまま左のシャドーに入る様子。
とは言え、やや4-4-2気味の形でプレーすることになるだろうか?(樺山諒乃介が右サイドハーフ気味になる)
81分、樺山諒乃介が右サイドで個人技を見せるも、ここは突破できずに一度下げる選択。
仙波大志から再び右サイドに送られるが、ここでボールを受けたのは川上エドオジョン智慧。
早めにクロスを送り込むと、このボールを平松宗が頭で合わせるも…枠の左に外れてしまう。
82分、高橋勇利也から良い縦パスが平松宗に入り、突破を図るも西村慧祐に潰されかけてしまう。
しかし平松はボールを失わず粘って足を伸ばして仙波大志に繋ぎ、仙波がミドルを狙っていくが…これは枠を捉えられず。
85分には左からのコーナーキックのチャンスとなるが、瀬畠義成のヘッドは枠の上に…。
86分、山形が最後の交代を使い、山田拓巳に代えて坂本稀吏也を投入する。
93分、右サイドの川上エドオジョン智慧がクロスを送り込むと…これは中央で触れなかったものの抜けた先で杉本竜士の足元に。
杉本から外を回った高橋勇利也に広げると、勇利也のクロスは安部崇士が競り勝ち右サイドに。
これをエドが回収すると…ループシュートではなくクロスだったと思われるがファーのゴールに向かう良いボールが送られる。
しかし西村慧祐に触られ、ボールはバーに当たり跳ね返ってしまう。
これを勇利也がボレーでゴール前に送るも…これは繋がらずクリアされてしまいチャンスを活かせず。
そしてそのままタイムアップの笛が吹かれることとなった。
試合終了直後に映された渡邉晋監督の表情が印象的だったが、最後は群馬も良い形を作れていた印象。
特に良い縦パスが入るようになったのが大きく、いつもの外外の形だけではなかったのがポイント。
もちろん時間帯や点差というものが大きく影響しており、最初からこれが上手くできないのもあるのだが…。
(個人的には時間帯も点差もあるが、何より土居聖真が退いたのが大きかったと感じている)
今挙げたように試合終盤で3点差があるため前から行かなくて良い…という状況が大きく影響しているのは事実だが…機能しない5バックより、ここしばらく終盤で上手くいっている4-3-3を最初から見たい。
言葉は悪いが…どうせ攻撃の形など無いのだから、これまで積み上げてきた5-4-1にこだわる必要もないだろう。
佐川洸介が入ってから上手く起点を作れているのがここ数試合であり、今節ではエド、樺山、仙波という右サイドでの3人の絡みもストロングとなった。
是非とも次節はこの形をスタートから試すという英断をしてほしいものだが…。
ピックアップポイント
9分の山形の先制点のシーン
試合展開のところで、「この失点に今季の群馬の全てが表されているように思う」と書いたが…その辺りを今回は書きたい。
まず、天笠泰輝がクリアできずにバックヘッドとなりディサロ燦シルヴァーノに入ってしまう…ここはまぁ良い。
そのあとディサロが右サイドの川井歩に展開するのだが、決して良いボールではなく山なりになってしまい時間がかかっている。
にもかかわらず群馬のDFは誰も川井にプレッシャーをかけられていないのが大問題。
このシーンではポジション的には山中惇希が川井に行く形になるだろうが、山中はその前に位置しているイサカ ゼインに対応中。
そのため高橋勇利也にイサカのマークを引き渡して前に出るのか、勇利也が川井に当たりに行くのかを選ばなければならない。
川本梨誉の帰陣して対応…ということもあるが、まぁ一般的ではないかと。
ここがノープレッシャーに対して、酒井崇一が「当たれ」というようなジェスチャーで声掛けしているように見えるが…結局誰も行けずにノープレッシャーでクロスを送られてしまう。
映像を見る限りでは…このクロスに櫛引政敏は飛び出せなかったのか?という思いがあるが、櫛引は出かけて止めるという選択をしている。
飛び出してほしかったところではあるが、クロスの速度とコース…いわゆる質は非常に高かったのは事実である。
このクロスの前に小柳達司が、外に入る土居聖真と中央に入ってくるディサロ燦シルヴァーノのことを指示しているように見えるが…酒井崇一はボールウォッチャーとなり土居が見えていない。
ディサロもいたため…酒井はそちらを見ており土居は見えていなかったのもあるだろうが…中央は枚数もいたためディサロは小柳に任して良い形だっただろう。
また最初土居に対応していた川上エドオジョン智慧は、恐らくあの位置からクロスが上がることを予期していない。
(土居のランを見てから慌てて追いかける形となったために間に合っていない)
今シーズン、このアーリークロスに対して誰も行けずに…ノープレッシャーで良いクロスを送られて失点というパターンを何度繰り返してきたのか?
これだけ同じパターンで失点しつつも、ここに意識が行かないのはなぜなのか?
推論でしかないが…恐らく練習中にこういったプレーが無いのだろう。
群馬の攻撃を見ればわかるが、逆の状態であれば群馬のWBはここからクロスを上げないことが多い。
一度後ろに下げて作り直して…という形で、奪ったあとに速い攻撃で完結するパターンが非常に少ないのである。
(後ろに重くゴール前に人数がいないために、ここからクロスを上げられない…というのはあるが)
そのため、これだけ公式戦でやられ続けながらも…ここから良いクロスが入ってくるという意識が無いと思われる。
いや、無論頭ではわかっていると思うし、チームとしても失点の分析をしているとは思うが…なかなか意識の深いところに根付いていないとなるだろう。(自分達がやらないから)
後ろに重く攻撃が遅い群馬のサッカーでは、攻撃時にここからクロスが入らない。
そのためDF陣としても、ここからのクロス対応を練習中にあまりしていない…というのが自分の推論。
だからクロッサーにプレスがかけられないし、中も入ってくるFWに対して適切なポジションが取れない。
また55分頃にはDAZNの解説の越智隼人さんに「群馬は攻撃の形の共有が無い」とまで言われる始末。
共有していないから速い攻めで完結できずに、一度下げて作り直して…となってしまう。
攻守にドン引きな今シーズンのサッカー…というのが、この失点シーンに表れているように思えてならない。
MOM
この試合のMOMは仙波大志としたい。
意地を見せた1得点はもちろんだが、攻守に渡り大きな貢献をしてくれた。
またあれだけ技術力があり、どちらかと言えば技術で勝負するタイプであると思われるが…かなり走っていたのも印象的。
実際の走行距離はわからないが…群馬は対戦相手に比べて運動量が足りないように見えるだけに、仙波の走力は評価したい。
(他に走っているなと感じるのは天笠泰輝)
仙波と悩みに悩んだのが櫛引政敏。
古巣相手に4失点とかなり悔しい結果になったわけだが…随所にファインセーブを見せてくれた。
櫛引じゃなかったらもっと点を取られた可能性もあるだろう。
惜しむらくは1失点目は本当に出れなかったのか?ということ。
もちろん1つの角度からの映像だけで判断はできないし、クロスの質は抜群に良かったが…キーパーに飛び出してほしいボールに見えた。
逆に悪い意味で名前を出すことになってしまうが、気になったのは山中惇希。
今日は全く縦に仕掛ける気迫が見えず、ボールを受けても後ろに下げてしまうことが多かった印象。
左足しか使えず、あのポジションだと縦への突破しかない…ということで完全に封じ込まれてしまった形と言えるだろうか?
以前に書いた気がするが…決して右足の精度が低いわけではないと思うのだが、違和感というか苦手意識があってタッチ頻度が少ないように見える。
右足も使えるように克服するか、左しかないとわかっていながら止められないアタッカーに成長するのか…。
山中の抜群の縦への突破と、高いスピードからのダブルタッチに魅せられた自分としては…期待を込めてここで苦言を…としたいところ。
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