※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第37節はホームでの松本山雅FC戦です。
前節はアウェーで沼津を相手に、早々に2点をリード。
その後は完全に相手にペースを握られ、1点を返されたものの…逃げ切りに成功するという試合でした。
これで4連勝となっており、今シーズンは残り2試合。
この松本戦がホーム最終節となりますが、このままの勢いでシーズンを終えることができるでしょうか?
今回はそんな松本山雅FC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション

ザスパ群馬
スターティングメンバー
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 21 | キム ジェヒ |
| DF | 3 | 大畑隆也 |
| 22 | 高橋勇利也 | |
| 36 | 安達秀都 | |
| 43 | 野瀬翔也 | |
| MF | 11 | 加々美登生 |
| 27 | 藤村怜 | |
| 37 | 瀬畠義成 | |
| FW | 4 | 船橋勇真 |
| 7 | 西村恭史 | |
| 49 | 小竹知恩 |
ベンチ
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 13 | 近藤壱成 |
| DF | 30 | 小柳達司 |
| MF | 6 | 米原秀亮 |
| 14 | 菊地健太 | |
| 15 | 風間宏希 | |
| 19 | モハマド ファルザン佐名 | |
| FW | 18 | 田中翔太 |
| 38 | 小西宏登 | |
| 48 | 中島大嘉 |
群馬は前節から2枚を変更。
菊地健太と山内陸に代えて、高橋勇利也、安達秀都をスタメン起用する。
健太は再びベンチからとなったが、山内はなぜかベンチ外。
スタメンはともかくとしてもベンチ外になる理由はないので…コンディション不良ではないかと思われるが。
(試合後のセレモニーでもいなかったように思う)
ベンチを見ると山口一真と下川太陽が外れ、米原秀亮と小西宏登がメンバー入り。
山口はレンタル元ということで、契約の関係でこの試合は出場することができない。
米原は実に16節の讃岐戦以来となり、全治約半年…予定通りに?ギリギリシーズン最後に間に合った形となった。
注目は前節でストライカーとして覚醒したかに見える西村恭史。
元々自分は前で使えば面白いんじゃないかと書いてきたが、予想以上のパフォーマンスを見せてくれている。
そして、もう一つの注目は山口一真の代役をどうするか…という部分。
ポジション的には中島大嘉になるのは間違いないが、コンディション的に30分程度使えるのか?
使えないのであれば、違うポジションで山口同様に攻撃のギアを上げられる選手を投入することになるわけだが…。
松本山雅FC
スターティングメンバー
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 1 | 大内一生 |
| DF | 16 | 宮部大己 |
| 24 | 小川大貴 | |
| 40 | 樋口大輝 | |
| 44 | 野々村鷹人 | |
| MF | 18 | 大橋尚志 |
| 36 | 松村厳 | |
| 46 | 安永玲央 | |
| FW | 14 | 安藤翼 |
| 20 | 前田陸王 | |
| 41 | 村越凱光 |
ベンチ
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 35 | 神田渉馬 |
| DF | 7 | 馬渡和彰 |
| 19 | 杉田隼 | |
| MF | 15 | 山本康裕 |
| 22 | 佐相壱明 | |
| 23 | 滝裕太 | |
| 25 | 川上航立 | |
| FW | 42 | 田中想来 |
| 43 | 林誠道 |
松本は前節から1枚を変更。
林誠道に代えて前田陸王をスタメン起用。
林はベンチからということになった。
ベンチを見ると國分龍司が外れ、馬渡和彰がベンチ入りということに。
松本山雅もなかなかに苦しんでいるが…特に直近の成績の悪さは菊井悠介の負傷離脱が痛いか?
注目はやはり村越凱光。
シーズン7ゴールという得点力はもちろんだが、群馬DF的にはこの手の技術のあるドリブラーは苦手な傾向がある気がする。
そういえば前回対戦でPKを奪われたのも村越だった。
ベンチではやはり田中想来か。
今シーズンは7節の讃岐戦でスタメンに抜擢されると、その試合で2ゴール。
そこからスタメンに定着し量産体制に入り9ゴールと、チーム得点ランキングでトップとなっている。
調べたら最後のゴールが群馬戦でのPKというのも…何かの縁な気がしてならないが。
しかしその後は5試合ノーゴールとなり、八戸戦よりスタメンからベンチという形に。
なんとか残り2試合で二桁に乗せたいだろうし、群馬は前回対戦でのゴールと良いイメージもあるだろう。
個人的には…やはり松本の下部組織出身の21歳というのが羨ましくてならない。
田中を見るたびに、是非とも群馬にも下部組織出身で近い将来チームの顔になる!と期待がかかる選手が出てきてほしい。
試合経過
【0~15分】素早い攻守の切り替えから小竹J初ゴール
前半は松本山雅のキックオフでスタート。
サポーター数のヤバい松本であり、近県ということもあり…この試合はアウェーゴール裏だけでなくメインもバックもアウェー側は緑色に。
両チームのサポーターの声援も凄く、本当に松本というチームは興行的にありがたい。
群馬も松本も、この試合は消化試合と言え…来シーズンも松本と試合ができるのは嬉しい限りである。
開始早々の5分、右サイドで船橋勇真が仕掛けるが…ここは突破できず失ってしまう。
しかし素早い攻守の切り替えから安達秀都が奪い返し藤村怜へ。
フジレンのところでも失いかけるが、ここも高橋勇利也が素早く寄せてボールは再びフジレンに。
ドリブルで少し運んでから左サイドの小竹知恩に広げると、カットインからゴール前に低いクロスを送る。
これが誰も触らず、そのままサイドネットに吸い込まれて先制に成功。
シュートではなくクロスだと思っていたのだが…試合後のインタビューでは「シュート」と答えている。
真相は不明だが、ファー側枠内に…ワンタッチで押し込めるようなクロス…という意味ではお手本通りの素晴らしいボールであった。
ちなみにこれが小竹にとって待望のJ初ゴールとなる。
2か所ともに素晴らしい攻守の切り替えではあったが、どちらも松本の選手が痛んでいるのがやや気になるポイント。
本当にノーファールであったのかは不明だが、連勝がスタートした奈良戦から球際が激しく行けるようになったのは間違いない。
さて、今日の群馬の守備だが…どうやら前節同様に3-5-2となっている様子。
少し前は船橋勇真が右SBに降りる4-4-2がハマっていたが、前節からはこの形。
相手に合わせて…の部分もあるので4枚か3枚かは重要ではなく、守備でバランスが取れればどんな形でも良いのではある。
形としては3枚で、引いて守る際には5枚となっているが…やはり船橋が小竹よりもやや守備に重きを置きバランスを取っている状態と言えるだろう。
【15~30分】素晴らしい追加点も…自滅から1点を返される
15分、キム ジェヒからのロングボールを、小竹知恩が後方の高橋勇利也に落とす。
すると勇利也がこれをダイレクトでDFライン裏に放り込む。
ここに藤村怜が抜け出すと、ややマイナスの折り返しを西村恭史がきっちりと沈めて追加点。
フジレンはいつもこの裏への飛び出しを狙っており、これが実った形と言える。
唸らされたのは…やや欲しかったボールよりもマイナスになったであろう折り返しを、足の運びで右足に合わせた西村だろう。
左足だと自分の身体よりも後ろのボールになるため、かなりシュートが難しくなるが…右足であればインサイドで叩くことで、当てるだけでそれなりに威力あるボールが打てる。
頭で考えてではなく本能的に…ではあろうが、西村は完全にストライカーとして覚醒したと言える。
また、ゴール前では加々美登生がDFをしっかり引っ張りスペースを確保。
船橋勇真もファー側をしっかり上がっており、厚みという意味でも素晴らしい攻撃となった。
19分、自陣でビルドアップをしていたが…大畑隆也からのパスを安達秀都が受けたところで安藤翼に奪われてしまう。
ビルドアップのためにキム ジェヒが高い位置を取っていたこともあり、安藤はこの位置からシュートを狙っていくと…これが見事にゴールに吸い込まれて1点を返されてしまう。
安達は自分の右側にボールが欲しかったのだが…大畑は左側にパスを出してしまったのが原因。
これで逆を取られた形となり、バランスが崩れてトラップはできたものの、大橋尚志のプレスを受けて2タッチ目がコントロールできず…ということになってしまった。
沖田サッカーを続けていく以上、毎試合1回程度はこの手のシーンを見ることになるのは避けられない。
どうやら来シーズンも沖田さん続投になりそうであり、これは来年も覚悟する必要があるだろう。
(このサッカーを続ける以上)ミスからの失点は仕方ないが、大事なのは明確にハメられてボールを失う形を続けないことと言える。
20分、西村恭史が倒されてボールを失いかけるが…転がりながらボールを確保。
加々美登生に付けると、加賀美の落としを藤村怜が狙っていく。
ここは大内一生が良い反応を見せ、触ったボールはポストに当たり跳ね返り大内がセーブ。
前節と同じように、幸先よく2点を奪ったところからやや勢いがなくなり…今節はすでに1点を返されている状態。
そのため、ここで再びリードを2点に広げておきたかったが…。
【30~45分】再びビルドアップのミスから、試合は振り出しに
34分、キム ジェヒのパスを瀬畠義成がフリック。
これを高橋勇利也が縦に通そうとするが…野々村鷹人の足に引っかけてしまう。
これが村越凱光に繋がると、そのまま持ち上がりカットインからシュートを狙うも枠を外れてくれる。
なんとなくだが…勇利也の守備対応が気になるんだよなぁ…。
縦を切っており、カットインは瀬畑と挟むスタンスだとは思うのだが…それにしても簡単に切り返されすぎと言うか…軽いと言うか。
シュートに対してブロックに行けていないのが気になるところ。
枠を外れてくれたが…十分に沈められてもおかしくないシーンであった。
35分、安藤翼のパスは村越凱光と意図が合わず…これは瀬畠義成が回収。
一度大畑隆也に渡しリターンを受けた瀬畑だったが、村越に強く身体をぶつけられてロスト(もちろんノーファール)
大畑との間を通されて安藤に繋がれると、ややマイナスに折り返し安永玲央がきっちりと決めて同点に追いつかれてしまう。
村越が強かった…のは事実だが、狭いところで無理に繋ぐ必要があったのか…というのが沖田サッカーの永遠の課題になるだろう。
もちろん繋いでプレスを剥がせればチャンスになるわけだが、どれだけのリスクを背負うのか…という匙加減。
この辺りはだいぶ良くなってきたのだが、まだまだ詰めていく必要があるだろう。
【45~60分】後半も再び群馬がリード
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで松本が動き、前田陸王に代えて滝裕太を投入する。
45分、その後半から入った滝裕太が抜け出したが…なんとノーファールの判定。
対応したのは大畑隆也だったが…その前の選手(ちょっと誰だったかわからない)しか見えていなかったようで、流して後ろで対応しようとしたところに抜け出された形。
後ろから手をかけて倒す形ではあったが、確かに一瞬であり力としても軽度であり…判定は悩ましいところか。
群馬としてはラッキーであったが、笛を吹いたなら少なくともイエローカードは出たであろうシーンであった。
怪我をするような倒れ方ではなかったように見えたが、滝はなかなか立ち上がれず…。
しかし足を痛そうにしつつもゲームに戻ってきたので一安心といったところ。
51分、松村厳のゴールライン際からのクリアを高橋勇利也が頭でインターセプト。
これが加々美登生に繋がると、右足を振っていくが大内一生がセーブ。
加賀美はややオフサイドにも見えたが(見返していないので勘違いかもだが)、ここはノーホイッスルであった。
54分、群馬が右サイドを3人で攻略していく。
船橋勇真、加々美登生、安達秀都の3人だったが、ここに藤村怜も加わる。
最後はフジレンの落としを加賀美がクロスでゴール前に上げると、これは西村恭史のやや上を超えてしまう。
しかしその奥で小竹知恩が大きめのトラップで右に持ち出し、巻いたシュートできっちりと枠内に送り込んで再びリードを広げることに成功。
小竹はプロ初ゴールから一気に2連発ということになった。
57分、西村恭史が後ろから潰される形でボールを失うと、村越凱光がシュートを放つも右に外れてくれる。
これも果たしてノーファールか?というのはあるが、まぁ今日の主審は一貫して甘めということでこの基準で考えるしかない。
基準がブレると選手はやりにくいが、一貫していれば甘いにしろ厳しいにしろそれで対応することができる。
59分、ビルドアップのパスが繋がらずに松本ボールに。
野々村鷹人だろうか?縦パスを入れると、これを安永玲央がフリック。
安藤翼が右にスルーパスを通すと、滝裕太が強烈なシュートを放つがキム ジェヒがしっかり触ってコーナーに。
パスが引っ掛かりピンチを招くというシーンが増えてきたので、しっかりと整理しなおす必要があるだろう。
この試合は後ろ向きでボールを受けるシーンが多くなっており、CBの2枚も前を向いているものの下がりながらボールを受けるシーンが増えている。
要は追い込まれている状態であり、この状態で足下をつないでいくのは難易度が上がるわけで…それでもつなぐのか蹴るのかという判断が大事。
【60~75分】西村の2試合連続2発
61分、群馬がボールを運ぶが、松本も要所要所で引っかける。
しかし今日の群馬は奪われた後の切り替えが早く、すぐに奪い返しに行くシーンが多い。
ここも最後は小竹知恩が引っ掛かったが、藤村怜がすぐに足を出してボールを当てると、これに反応した西村恭史が左ポケットに侵入。
良いトラップから内側に折り返すと、ダイレクトで瀬畠義成が狙うが…これは大内一生がスーパーセーブを見せて止める。
こぼれ球はクリアされてしまい、このチャンスは生かせなかったが…形としては良い攻撃であった。
瀬畑は決めたいところだったが…これはキーパーをほめるべきだろう。
西村の動きが素晴らしかったのだが、フジレンのカットしたボールに抜ける際に一度きっちりと中の状況を確認しているのがポイント。
これにより浮き球をトラップしてすぐに瀬畑にパスを送る…という判断が可能になった。
うーん…これは西村は来シーズンいないかもしれない…。
63分、流れの中では群馬ベンチが先に動く。
藤村怜に代えて菊地健太、加々美登生に代えて小西宏登を投入。
これで小西を右WBにし、船橋勇真がFWに上がる形となる。
健太はそのまま左のインサイドハーフに入るのだが…健太どうこうではなくフジレンを下げるのが相変わらず早すぎる。
66分には松本ベンチも動く。
小川大貴に代えて馬渡和彰、安藤翼に代えて林誠道を投入する。
69分、小西宏登が良い出足でインターセプトを見せると、こぼれ球を自ら追いかけ右の深い位置で残す。
フォローに入った安達秀都を使うと、安達はゴール前の船橋勇真に付ける。
船橋が潰されながらも粘り安達に落とすと、安達は冷静にDF陣の動きを見て西村恭史に。
西村がこれをダイレクトで流し込んで2試合連続の2ゴールとなった。
結果的には松村厳がスライドして安達のシュートコースを消したことで西村がフリーになっており…宮部大己のスライディングブロックが間に合っていそうだったので、松村がスライドする必要はなかった…。
となってしまうが、あの一瞬での判断は難しく…西村のマークを捨ててシュートブロックに行ったのは仕方ないだろう。
安達があの狭いところを冷静に対処したというところと、西村のシュートを褒めるべきである。
西村はこれで今シーズン9得点となり、二桁が見えてきた。
71分、村越凱光が右サイドで粘りを見せて内側へパスを通す。
これをダイレクトで安永玲央が狙っていくが、これは枠の左に外れてくれる。
今のスコアは4-2ではあるが…これは正直松本が決定機を結構外してくれている…という部分も大きい。
【75~90分】圧巻のダメ押し弾
76分、群馬ベンチが動く。
小竹知恩に代えてモハマド ファルザン佐名、西村恭史に代えて中島大嘉を投入する。
小竹をスタメン起用してから連勝が始まっているが、ファルもその時点では負傷離脱中。
戻ってきて良い波に乗れたと言えるが、更に見せ場を作ってスタメンに返り咲きたいところだろう。
かなり良い感じのライバル争いとなってきたが…あと1試合しかないのが残念なところ。
この2人は来シーズンも延長できるだろうか?
交代に時間がかかったか、既に時計は77分を過ぎているが…同じタイミングで松本ベンチも動く。
大橋尚志に代えて山本康裕、松村厳に代えて田中想来を投入する。
84分、大畑隆也からのロングボールにモハマド ファルザン佐名が抜け出すと、ペナルティエリア内から中央に折り返し。
これを中島大嘉が詰めてネットを揺らしたが…これはオフサイドの判定で取り消されてしまう。
大畑の素晴らしいロングフィードであったが、ややファルが前に出ていたようである。
このリスタート前に群馬ベンチが最後の交代を使う。
船橋勇真に代えて米原秀亮を投入すると、ヨネがアンカーに。
アンカーだった瀬畠義成が右のインサイドハーフに入り、安達が船橋のいた最前線に上がる形となった。
87分、瀬畠義成が良い形でペナルティエリア内に侵入。
粘ってから落とすと、これを中島大嘉が狙っていくが…これはキーパー正面となり弾かれてコーナーに。
88分、このコーナーキックは安達秀都がニアを狙う。
ここに高橋勇利也が飛び込むと、きっちりと頭でニアを打ち抜いて追加点。
うーん…松本のゾーンもなかなかにヤバいな…。
勇利也のところもそうだが、中島大嘉もきっちりとDFの前に出ており…もう少し長いボールだったら中島が叩き込んでいただろう。
96分、最後まで攻撃の手を緩めない群馬だったが、小西宏登のクロスはブロックされてしまい松本ボールに。
しかしここも今日の群馬はしっかりとすぐに守備でプレスがかけられるのである。
安永玲央にまずは米原秀亮がチェックに行くと、自陣側からは菊地健太、更には戻りながら高橋勇利也と実に3人でボール奪取。
最後は安永がパスを選択したのか?叩いたボールが勇利也の足に当たり、これがヨネに繋がる。
ヨネが冷静にゴール前に走ったモハマド ファルザン佐名へのスルーパスを選択すると、ファルもきっちりと飛び出したキーパーに対して浮かせたシュートでかわして流し込んで6点目。
最後まで攻撃の姿勢を崩さなかった群馬が、ちょっと記憶にないくらいの大量得点でホーム最終戦を締めくくることとなった。
ピックアップポイント
来シーズンに向けて
こうして一度は追いつかれつつも、その後4得点という圧巻の勝利を見せた群馬。
沖田監督の掲げていた「2点取られても2点取り返すサッカー」がまさにシーズン最終盤で具現化された。
ただ1つ忘れてはいけないのは、松本山雅は決して良い状態ではなかった…ということ。
しかしながら5連勝というのは紛れもなく実力であり、目指していたサッカーができてきたというのも事実であろう。
さてホーム最終節ということで、試合後にセレモニーが行われたわけだが…監督のスピーチを聞く限りでは恐らく来シーズンも沖田監督であろう。
個人的には「懸念点はあるがそれが解消されれば」沖田さんの続投で良いと思っている。
決してベストな選択ではないかもしれないが、現状の群馬の予算や状況を考えると…果して実績のある良い監督というものは招致できるだろうか?
また未経験者や実績の不十分な監督を新たに迎えるくらいならば、シーズン終盤に上向いてきた沖田さんの続投で良いだろう。
懸念点というのは「今のサッカーを沖田さんはどう考えているのか?」ということ。
これが「残留に向けて妥協したサッカー」であるのならば、沖田監督は切った方が良い。
しかし「今までこだわって繋いできた先に、このサッカーがある」のであれば続投で良いだろう。
以前に書いたが、沖田監督は長期的なことを考えて敢えてどんな状況でも全く蹴らないサッカーをしてきた…のだと思っている(いや思いたい)
安易に蹴らずどんなリスクを負ってでも繋ぎ続けてきたことで、今やっと次のフェーズである「長いボールも織り交ぜる」が上手くいきだしたのではないだろうか?
馬鹿の一つ覚えのように足下を繋ぎ続けたわけではなく、最終的には足下もロングボールも…速攻も遅攻も使い分けられるための準備期間だったのだろう。
(いや、そう思い込みたいだけかもしれないが)
監督やフロントとしては予想以上に結果が出るまでに時間がかかった…のかもしれないが、そこまで長期的に考えていたならば3年計画とかでも良いかもしれない。
しかしそうならば、主要選手はしっかりプロテクトし…きっちりと来シーズンの編成を組む必要もあるだろう。
ついでに来シーズンの編成も少し考えてみよう。
今シーズンの穴はCBだと捉えている人が多そうだが、個人的にはここは人の問題ではないと思っている。
もちろん上を見ればキリはないが…群馬が獲得できそうな選手と考えると、決して野瀬翔也と大畑隆也の2枚は悪くないだろう。
野瀬は大卒ルーキーであり、今シーズンかなり起用されたことで成長した。
大畑の方が批判が多い印象があるが…個人的には右利きながらあれだけ左足で正確なロングフィードを蹴れる選手が他にJ3にいるだろうか?と思っている。
左利きのCBは貴重であるため…右利きながらこれだけ左足で蹴れる大畑は現システム(3CBの中央が攻撃時に左側のCBになる)ではかなり重要なピースである。
そして守備に関しては…先ほど書いたように人の問題というよりシステムの問題が大きい。
かなり改善されてきたことで失点も減ってきているが、来シーズンに向けて中盤で守備が(も)計算できる選手が欲しいところ。
この試合では瀬畠義成をアンカーに右に安達秀都、左に藤村怜だったが…この攻撃面の性能を落とさずに、守備が計算できるようになったら安定するだろう。
シーズン前の編成の段階から怪しさはあったが…やや大袈裟に言うと中盤は攻撃に全振りの顔触れなのである。
中盤でボールを刈り取れる選手がいると、かなり安定すると思うのだが…。
理想は全盛期の細貝萌のような、守備が上手いながらも攻撃面でも計算できるタイプだろう。
そして、この連勝の…守備の安定の立役者が実は最前線の2人。
本職FWではないのが良かったか…西村恭史と加々美登生になってから、明らかにファーストDFの強度が上がった。
一言で言ってしまえば守備をサボらないFWであり、本職では青木翔大がその筆頭であろう。
そういう意味では今日の中島大嘉は厳しいと言わざるを得ず…少し前の河田篤秀と同じ匂いがした。
沖田監督がどう捉えているかわからないが…このサッカーでFWが守備をサボると後ろが崩壊する。
ほどほどの守備でも許されるのは、毎試合1ゴールは計算できるレベルのFWでないと厳しいだろう。
(河田の名前が出たので書いておくが、怪我直前の河田は別人のように守備を頑張っていた)
西村や加賀美、青木のように攻撃だけでなく…ボールが来なくても、長い守備に追われることになっても…腐らずサボらずにプレスをかけられるFWが必要である。
そもそも監督がどうなるか?からではあるが、果たしてどれだけの選手が引き抜かれ、どれだけの選手を連れてこれるだろうか。
MOM
この試合のMOMは小竹知恩としたい。
記念すべきJ初ゴールと、2ゴール目。
どちらも貴重な勝ち越し弾という意味でも、大きな意味のあるゴールであった。
小竹は間違いなく完全移籍は無理だろうが…なんとか来シーズンも延長でお願いしたいところ。
U-21リーグが26/27から始まることもあり、果たしてどうなるか?
続いて2試合連続2ゴールとなった西村恭史。
完全にストライカーとして覚醒したと考えていいだろう。
最終節も点を取って、是非とも10ゴールを超えてほしいところである。
あとは藤村怜も重要なピース。
2点目の裏抜けを代表に、こういったところを常に狙えているのはフジレンだけ。
守備が上手い…とは言えないものの、泥臭く走ってくれるので計算はできるのもポイントである。
フジレンがベンチに下がると違うチームになる…と思っている人も多いのではないだろうか?
交代組では得点を取ったモハマド ファルザン佐名はもちろんだが、個人的に名前を挙げたいのが小西宏登。
2試合続けて出番がなく、その前の金沢戦もわずか15分の出場。
奈良戦も出番がなかったので、この連勝に貢献できていないという想いはあっただろう。
そのためか、いつも以上に気持ちを感じさせるプレーを見せてくれた。

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