※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第17節はアウェーでのヴァンラーレ八戸戦です。
前節は幸先よく先制したものの…前半の内に逆転を許し、更に逆転するも同点に追いつかれるという壮絶な打ち合いとなりました。
ここまで負けなしが長く続いているものの、決して勝ててはいないのが気になるところではあります。
今節は上位につける八戸が相手ということで、ここで勝てるかどうかというのが今シーズンを占う形になるのではないかという思いも。
ホームでは抜群の強さを見せ、更にはボールを保持するチームに強い八戸を相手にどこまでやれるのか?
今回はそんなヴァンラーレ八戸戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※通常はホームを左側にしますが、メインスタンド側から見た通りの配置で表記
ヴァンラーレ八戸
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 大西勝俉 |
DF | 11 | 雪江悠人 |
20 | 蓑田広大 | |
22 | 白井達也 | |
MF | 5 | 稲積大介 |
6 | 土井紅貴 | |
7 | 佐藤碧 | |
8 | 音泉翔眞 | |
80 | 永田一真 | |
99 | 中野誠也 | |
FW | 9 | 澤上竜二 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 25 | 谷口裕介 |
DF | 29 | 柳下大樹 |
MF | 14 | 妹尾直哉 |
24 | 栗澤陸 | |
26 | 高橋耕平 | |
27 | 國分将 | |
30 | 井波勇太 | |
47 | 脇坂崚平 | |
FW | 18 | ピーダーセン 世穏 |
八戸は前節からスタメンの変更はなし。
ベンチは速水修平と鏑木瑞生を外し、柳下大樹、栗澤陸、高橋耕平、ピーダーセン 世穏がメンバー入り。
(八戸は前節ベンチに7人しか登録しなかった)
昨シーズンまでJ3をほとんど見ていなかった自分としては、正直語れるほどこのチームについては詳しくない。
申し訳ないが大宮時代に対戦のある中野誠也くらいしかわからない…というのが正直なところ。
データとして見ていくと、ここまで3ゴールで音泉翔眞と佐藤碧がトップスコアラーとなっている。
またどちらも全試合スタメン出場となっており、チームにとって欠かせない存在であろうことが予想される。
全試合スタメン出場と言えば、雪江悠人と稲積大介の2人を除く9人が全試合スタメン出場中というのも特徴となる。
この2人だが、雪江は開幕戦が出場無し、6節が後半頭から…この2試合以外はスタメン出場。
稲積は2戦まで出場がなかったものの、3節4節で途中出場し、5節からはずっとスタメンで起用されている。
石崎監督はここまでメンバーを固定して結果を出している…と言えそうである。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
30 | 小柳達司 | |
35 | 玉城大志 | |
MF | 7 | 西村恭史 |
8 | 山内陸 | |
37 | 瀬畠義成 | |
FW | 10 | 髙澤優也 |
11 | 加々美登生 | |
17 | 山中惇希 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 14 | 菊地健太 |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 2 | 田頭亮太 |
36 | 安達秀都 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
18 | 田中翔太 | |
20 | 下川太陽 | |
23 | 小野関虎之介 |
群馬は前節から3枚を入れ替え。
米原秀亮、藤村怜、下川太陽に代えて山内陸、瀬畠義成、加々美登生を起用。
ヨネとフジレンはそのままベンチ外となっており、特にフジレンは前節負傷交代と…怪我が心配される。
逆に古巣対決となった山内が怪我から復帰したが、その足にはテーピングが巻かれており本調子ではないのだろう。
ベンチは前節初ベンチ入りとなった志賀一允が外れ、近藤壱成が復帰。
そして小野関虎之介が再びベンチ入りとなった。
前節のベンチ外が謎だった近藤だが、この感じだと単純に体調不良など…いわゆるコンディション不良だった可能性が高い。
注目は…申し訳ないが出場する選手ではなく、藤村怜のいないチームがどの程度機能するのか?というところ。
更に言えば米原秀亮もおらず、攻撃が組み立てられるのか?というのが最大の注目となるだろう。
瀬畠義成と山内陸には期待したいところ。
試合経過
【0~15分】早々に感じた荒れそうな予感
前半は八戸のキックオフでスタート。
開始早々の0分、奪ったところから速い攻撃を仕掛けるが…最後は右サイドの加々美登生が縦に突破しようとしたところを対応されてしまう。
最終的には加々美のファールの判定となり八戸ボールに。
このシーンだけでわかるが…このピッチはやけにボールが転がらない印象である。
雨が降っているにもかかわらずこの速度となると、正直群馬のサッカーは非常にやりにくいことが予想される。
単に芝が長いだけではなさそうで、ところどころツギハギのようで…要は整っていない状態。
どれだけ正田醤油スタジアムの芝が優れているのかがわかる…。
2分、大畑隆也が永田一真からボールを奪うが…音泉翔眞に強く身体をぶつけられ、更には永田のタックルでボールを奪われてしまう。
そのまま永田がやや遠めからシュートを放つも、ここはキム ジェヒがセーブ。
こぼれ球を澤上竜二が回収すると、ダイレクトでゴール前に折り返す。
佐藤碧がボレーを合わせるが、これはキムが正面でセーブし、こぼれ球は大畑が西村恭史に繋いでマイボールに。
うーん、永田のタックルはかなり危険だったのではないだろうか?
音泉に身体をぶつけられて体勢を崩していた結果、タックルが身体に当たらなかったようだが…滑らせたスライディングではなく助走を取って宙を飛んだタックルであった。
その前の大畑が永田からボールを奪った際、背を向けてキープした時に大畑の肘が永田の顔に当たっており…見ようによっては報復である。
大畑の肘は不可抗力と判断した可能性はあるが…どちらも審判の目の前で行われており、今日のジャッジに不安が募る結果となった。
3分、山内陸のパスが繋がらずボールを失う。
縦に長いボールを放り込まれ、澤上竜二が頭で落とすと佐藤碧がこれをリターン。
澤上が縦のスペースにパスを送ると、ここに佐藤が抜け出していく。
小柳達司が対応に行きかけるが、中央は誰もまだ戻れておらず…中野誠也がゴール前に入り込んでいるのを見て飛び出すのを止める。
佐藤の突破にも対応でき、更には中野へのパスコースを切る絶妙なポジション取りを見せると、最終的には佐藤の低いクロスを小柳がクリアしてコーナーに逃げる形となった。
数的不利な状況で素晴らしいポジショニングを見せた小柳だったが、さすがのベテランの味と言えるだろう。
10分、山中惇希が左サイドでファールを受けてフリーキックを獲得。
今日は藤村怜がいないため、このフリーキックはそのまま山中が蹴る様子。
ニアに低いボールを入れると、西村恭史がフリックを狙ったのか?
しかしボールは足下に留まり、自らシュートを放つがこれはブロックされてしまう。
【15~30分】相変わらずのセットプレー対応
17分、群馬が左サイドのコーナーキックを得ると、これを蹴るのは西村恭史。
ショートコーナーで加々美登生に繋ぐと、この加々美ゾーンからシュートを狙っていくが…これは枠の上に大きく外してしまう。
ショートが出された後には、ニアサイドにいた高橋勇利也や山中惇希がスクリーンのような形でDFが飛び出すのを阻止。
加々美がなるべくノープレッシャーでシュートを打てるように…となっており、ここ最近のセットプレーはしっかりと相手の特徴を研究していることが伺える。
(もちろん相手を抑え込むプレーなので、度が過ぎるとファールとなる)
24分、ペナルティエリアすぐ外の位置で加々美登生がハンドを取られてしまう。
戻ってDF対応をした際に、不可抗力敵に手に当たってしまったものであり…ハンドの判定は間違っていないが…やや不運と言えるか。
このフリーキックを佐藤碧が直接狙っていくが、やや枠の上に外れたシュートはキム ジェヒがワンタッチでコーナーに逃げる。
25分、このコーナーキックもキッカーは佐藤碧。
ゴールライン際を中野誠也が走りショートを貰いに行くと、佐藤はこれを使う。(当然サインプレーだろうが)
中野から佐藤に再び戻し、佐藤はペナルティエリア外の稲積大介を使う。
稲積から更に横の永田一真を使うと、シュートフェイントから右に持ち出し右サイドの雪江悠人へ送る。
雪江からダイレクトでリターンを受けると、永田がクロスを中央に上げ後ろからフリーで入った白井達也が頭で合わせて先制点を奪われてしまう。
やや後ろから入ってきた白井を誰も見れていないのも問題だが、もっと問題は永田にノープレッシャーでクロスを上げられてしまったことだろう。
映像としては高橋勇利也が中途半端な位置を取り、距離を詰めなかったように見えるが…詰めれば雪江に縦パスを通されてしまう。
そのため勇利也の対応は間違っておらず、ここはフォローに1枚入らないといけないのだが…永田に対応した西村恭史が後ろに下がってしまい、ここに行けなかったことがこの失点の要因である。
相も変わらず、このやや距離のある位置のクロッサーへの対応がこのチームは悪い。
【30~45分】ボールは保持しているものの前進できない群馬
36分、高橋勇利也がファールを取られてフリーキックを与える。
これを稲積大介が低く速いボールを送り、ニアでフリック…という形を狙ったと思うが誰も触れず。
抜けた先で小柳達司に当たり、ゴール右側に外れて…あわやオウンゴールというシーンとなる。
43分、左サイド裏に山中惇希が抜け出してクロスを送る。
これは西村恭史には合わなかったが、その奥で加々美登生がトラップ。
しかしトラップがやや決まらず、時間がかかってしまいシュートはブロックされてしまう。
今日はどうにも…最前線から降りてきてボールを受ける髙澤優也の、捌くパスが雑な印象。
ワンタッチで横に流すパスがことごとくズレており、髙澤だけでなく受け手の問題もあるのだろうが…。
また長めのボールが両WGになかなか通らない印象もある。
裏のスペースが取り切れておらず、ロングボールが出ても八戸のWBがしっかりと付いていて抜け出せない…と言った状況となっている。
ボールは保持できているものの、後ろで繋いでいるだけであり効果的なパスが刺せていない前半となった。
【45~60分】早々に追加点を奪われる
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームハーフタイムでの交代はなくリスタートとなった。
50分、小柳達司のクリアを澤上竜二が引っかける。
足に当たって高く上がったボールを自ら回収すると、キープから永田一真に落とす。
永田がダイレクトの浮き球で裏のスペースに送り込み、ここに稲積大介が入り込む。
これまたダイレクトでクロスを送ると、ファーで音泉翔眞が飛び込んで追加点。
山中惇希もしっかりと音泉が入ってくるのを見てはいたものの…ボールと音泉と両方を見なければならないために不利なのは事実。
また、クロスに対してキーパーが飛び出せたのではないかという思いもあるが…左足のクロスのため画面で見るよりも戻ったのかもしれない。
しかし…キムはクロスへの飛び出しはあまりよくない印象があるのもまた事実。
あまり大きくないようにも見え、それもあって飛び出しを躊躇するのではないだろうか?
と言ってもデータ上は185cmであり、近藤壱成が188cmと3cmしか変わらない。
が、近藤は大きく見えるのにキムは小さく見える。
また高橋勇利也が181cmとなっているが、キムと対して変わらなく見える。
大畑隆也が180cmだが、1cm差とは思えないくらい勇利也の方が大きく見えるので…まぁ身長のデータはアテにはならないのだが。
(勇利也が逆サバの可能性もあるが…)
少し余談が長くなったが、まぁ小柳のクリアや稲積に強くいかなかった玉城大志の対応、山中やキムの対応と気になる点はあるのだが…それ以上に八戸のクロス精度が高い。
1点目も唯一マークの付いていなかった白井達也に正確に合わせており、群馬のクロス精度とは雲泥の差と言える。
52分、山内陸が良い出足で後方からボールを奪うが、音泉翔眞に倒されてしまう。
ファールは取ってもらえたもののノーカードのジャッジに対して、群馬の選手が数名主審に詰め寄る形となる。
映像では起き上がる山内がズームアップされたが、その時の口の動きが「なんでカード出ないの?どこ見てんだよ?」と言っているように見える。
読唇術は体得していないので…正確なところはわからないが、異議で山内にカードが出なくて良かった。
54分、八戸が右サイドのコーナーキックを得ると、キッカーは稲積大介。
ファーに送られたボールを雪江悠人が頭で折り返し、白井達也が頭で合わせるも…これは大畑隆也に当たって再びコーナーに。
大畑のナイスブロックと言えなくはないが…完全にやられた形であった。
56分、群馬ベンチが先に動く。
高橋勇利也に代えて菊地健太、山内陸に代えて青木翔大を投入する。
健太はそのままの位置に入り、青木は前節同様に最前線に入り髙澤優也が1列下がる形となった。
勇利也は1枚カードを貰っており更にはあまり良さを見せられていないし、山内は怪我明けで当初から途中で代える予定だった…ということなのだと思うが、状況的にはWGが機能していないのをなんとかしないといけないのではないだろうか?
もちろん加々美登生と山中惇希だけの問題ではないので、健太と青木の投入により両サイドの活性化が図れる可能性はあるが。
58分、八戸ベンチも動く。
永田一真に代えて妹尾直哉、中野誠也に代えて井波勇太を投入する。
【60~75分】危ういセルフジャッジ
60分、小柳達司からのロングボールをファーサイドで青木翔大が折り返し…というところだったが、先に白井達也が頭に当ててコーナーに逃げられてしまう。
折り返せていれば中には山中惇希だっただろうか?良い形で入れており大きなチャンスだったのだが…。
68分、自陣ゴール前で加々美登生が倒されるが…なぜかノーファールの判定。
誰もがファールだと思ったのであろうが…一瞬プレーが止まり、そのまま井波勇太にシュートまで持ち込まれてしまう。
これはキム ジェヒがセーブするも、足を傷めたようでバツ印が出てしまう。
右足首のようだが、リプレイを見た限りではこのプレーで痛めたようには見えないが…。
今日は明らかにジャッジの基準がおかしいが、とは言えセルフジャッジをしてはいけない。
危うく3点差となり試合が終わるところであった。
70分、治療を受けていたキム ジェヒがそのまま担架でピッチを後にし、近藤壱成が投入される。
このタイミングでもう1枚を代え、髙澤優也に代えて田中翔太を送り出す。
これにより青木翔大投入の際に右から左にポジションを移していた西村恭史が、再び(髙澤のいた)右にポジションを戻す。
(田中は西村のいた左に入るため)
キムは何があったのか正直不明だが…大事無いことを願いたい。
【75~90分】一矢も報いれず
75分、中央を玉城大志がボールを運び、中に絞ってきた山中惇希に送る。
山中から左サイドの菊地健太に広げると、その前のスペースを使って裏に抜けた田中翔太は使わず、アーリーで低いクロスをゴール前に送り込む。
DFとキーパーの間への絶妙なクロスだったが、これは惜しくも飛び込んだ青木翔大が触れず。
そしてどうやらオフサイドでもあったようである。
76分、ボールを受けた佐藤碧を後ろから玉城大志が潰し、西村恭史がボールを奪うも…タッチが長くなってしまう。
これを雪江悠人がダイレクトで一気に左サイド裏のスペースに送り込む。
ここに走り込んだ稲積大介がゴールライン際からクロスを送ると、ファーで澤上竜二が合わせ、更にはそれが瀬畠義成に当たりコースが変わるも…近藤壱成が良いセーブを見せる。
佐藤碧のところもなぜかノーファールであり(プレーオンのジェスチャーがなかった)、やはりこの主審の基準は謎の一言。
またサイドからのクロスの対応は課題であり続けており、澤上のヘディングがジャストミートであれば失点していただろう。
83分、八戸ベンチが動く。
佐藤碧に代えて脇坂崚平を投入する。
佐藤はこの前のプレーでジャンプしたあと、足を攣って倒れたままであった。
86分、山中惇希が外を回った菊地健太を囮に、ボックスに入った田中翔太を使う。
内側に持ち出しながら右サイドの加々美登生に広げると、加々美はカットインから左足を振るも枠の左に外れてしまう。
87分、両チームが交代カードを使い切る。
まずは八戸が、雪江悠人に代えて柳下大樹、澤上竜二に代えてピーターゼン 世穏を投入する。
群馬は玉城大志に代えて下川太陽を投入する。
…個人的にはもっと早く下川を投入するべきだったのではないかと思うのだが。
これによりフォーメーションは変わらないものの、選手の立ち位置は大きく変更される。
玉城のいた左側のボランチに菊地健太が入り、健太のいた左CBには山中惇希が。
山中のいた左WBに田中翔太が入り、田中のいた左シャドーに下川が入る形となった。
92分、攻守が二度入れ替わる展開で、奪われた群馬が奪い返して右サイドに広げる。
加々美登生のクロスは青木翔大の手前で蓑田広大にクリアされてしまうが、流れた先で大畑隆也が回収。
ポケットの位置にいた下川太陽に送ると、下川が上手く時間を作ってからゴール前の青木に転がす。
青木がトラップから反転してシュートを放つも、ミートしなかったか…力なくキーパーの正面となってしまった。
このシーン、青木と動きが重なる形にはなってしまったが…瀬畠義成もポケットを取りに行っていたのが印象的である。
こうしてアディショナルタイムは7分もあったものの、一矢も報いることができず…ゲーム全体を見ても八戸に何もやらせてもらえないまま試合終了となった。
ピックアップポイント
このままやり続ければ良いのか?
(決して良かったとは言わないが)リーグ戦では5月以降負けなしという状況から、一転何もできずに敗戦となったこの試合。
果たしてこのままのサッカーをやり続けていけば良いのだろうか?
とにもかくにも守備の構築は大きな課題であり、ここを立て直さない限りはプレーオフ圏内さえも厳しいであろう。
自分の考えとは異なるものの…クラブの掲げる理想はわからないことはない。
安直にJ3で勝てるサッカー、具体的にはフィジカルを重視し縦に速い…ある意味ではラグビーのようなサッカーを目指さない。
J2に上がり、更にはJ1への昇格を目指す、長期的なチーム作りのための…というのは理解できる。
それにはいわゆる縦ポンではなく、ボールを大切にして自分達のチャンスを多く作っていくという今のサッカーはわからないことはない。
しかし…前にも書いた気がするが、もっと段階を追っていけば良いのではないだろうか?
ここがJ3である以上、優位なのは足下の技術よりも球際の強さだったり走力であったりと…フィジカルな部分なのは明白である。
また(負け惜しみのようでアレではあるが)今日の八戸のようにピッチコンディションが非常に悪いチームが多い。
更には今日のジャッジのように、ファール基準が甘かったりブレブレであったりで、ファールを正しく取ってもらえないことが非常に多いのがJ3である。
ピッチコンディションも、ファールを取ってもらえないのも、どちらも自陣深くからのビルドアップをやる上で非常にネガティブな条件であろう。
最終的に目指すところは間違っていないかもしれないが、もっと現実を直視して、段階を追ってやっていくべきではないだろうか?
また攻撃的サッカーを目指すことと、守備を構築しなくて良いのは同義ではない。
守備を構築してから攻撃…ではないかと思うが、この辺りは理想とするサッカー感の違いもあるだろう。
自分は(現在は観ていないのでわからないが)イタリア代表のサッカー、1-0で勝つ、非常に硬い守備からの高速カウンターが好きな人間であるので…。
とは言え守備をおろそかにしたチームが上に上がれないのは間違っていないだろう。
セットプレーやクロス対応と、せめて同じ形でやられ続けているところを修正してほしいものである。
MOM
この試合のMOMは瀬畠義成としたい。
出場したメンバーの中で抜群に良かったか…と言えばそういうわけでもないが、一言で言うならば群馬で唯一サッカーをやっていたという言い方になるだろうか?
米原秀亮の不在理由がわからないが…この穴は瀬畠で埋まる、と感じさせてくれた試合であった。
(やはりフジレンの離脱が痛い)
そして西村恭史は、今シーズンワーストとも言えるような良くない試合となってしまった印象である。
以前に書いたように、抜群に良いという試合は無いものの…どの試合でも平均して6.5から7.0という高めの評価点を与えられる内容であった。
しかしこの試合は、明らかに悪さが目立った印象となった。
器用な事もあり、今日も右に左にと選手交代のたびにポジションを入れ替えたりと…そういった影響もあるとは思う。
が、次節は今まで通りに高いパフォーマンスの西村を見せてもらいたいところである。
最後に出場時間は短かったものの、田中翔太の名前を挙げたい。
J3を知る選手、そして昨シーズンの得点力を考えると物足りなさはある。
しかし起用法などを考えると致し方なさもあり、そして本人からは「俺が絶対に点を取るんだ」という熱い思いを感じる。
度々書いているが熱さを表に出さず、クールに戦う選手が悪いわけではない。
根性論で上手くいくほどプロが甘くないのも事実。
しかし、田中や青木翔大など、戦う気持ちを押し出している選手は応援したくなるのも事実である。
終盤のバイシクルは…状況を考えると非常に危ないプレーであり、事実イエローカードが出されることとなったが、その気持ちは高く評価したい。
コメント
コメントはありません。