※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
リーグ戦に挟まる形で、水曜開催となった天皇杯の4回戦。
3回戦では前回王者の浦和レッズを破り、世間でもジャイアントキリングとして話題になりました。
このままの勢いで4回戦、サンフレッチェ広島戦といきたいところですが…リーグでは泥沼の5連敗状態。
どちらも大事な試合ではありますが残留に向けてリーグ戦に重きを置く…ということ、更には中2日でリーグ戦が行われることから大幅なメンバー変更が予想されます。
控え組にはチャンスですし、チームとしても再び天皇杯で良い試合を見せて復調のきっかけとしたいところ。
※この試合は観戦せずハイライト視聴のみのため、いつもとは違いプチレビューとなります。
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
5 | 藤井悠太 | |
19 | 岡本一真 | |
22 | 高橋勇利也 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
10 | 田中稔也 | |
27 | 奥村晃司 | |
FW | 11 | 深堀隼平 |
23 | 平松宗 | |
30 | 山根永遠 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
DF | 32 | 渡辺広大 |
MF | 14 | 白石智之 |
17 | 山中惇希 | |
38 | 天笠泰輝 | |
41 | 中山雄登 | |
49 | 田部井悠 |
ある程度は予想していたものの…蓋を開けてみると予想以上となる前リーグ戦からスタメン11枚全てを入れ替えるという状態。
清水慶記は怪我前にはベンチにずっといたものの、出場としてはこれが今シーズン初出場ということに。
また、しばらくメンバーを外れていた藤井悠太、岡本一真、高橋勇利也、平松宗がスタメンに。
ベンチにはいたものの起用が減っていた岩上祐三もスタメン起用ということで、この辺りが怪我ではないことがわかったのも収穫と言える。
そしてベンチには今シーズン初のメンバー入りとなるルーキーの田部井悠ということで、開幕前から怪我情報が出ていたがやっとコンディションが整ったと言えるだろう。
サンフレッチェ広島
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 38 | 大迫敬介 |
DF | 3 | 塩谷司 |
4 | 荒木隼人 | |
19 | 佐々木翔 | |
MF | 7 | 野津田岳人 |
10 | 森島司 | |
17 | 松本泰志 | |
18 | 柏好文 | |
24 | 東俊希 | |
39 | 満田誠 | |
FW | 37 | ジュニオール サントス |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 22 | 川浪吾郎 |
DF | 2 | 野上結貴 |
33 | 今津佑太 | |
MF | 15 | 藤井智也 |
30 | 柴崎晃誠 | |
6 | 青山敏弘 | |
FW | 13 | ナッシム ベン カリファ |
対する広島は前リーグ戦でターンオーバーをしたこともあり、この天皇杯はベストのメンバーと言って良い状態に。
本気で天皇杯の優勝を狙いにきていることが伺える。
先日E-1選手権に向けた日本代表メンバーが発表されたが、なんとこの試合のスタメン6枚が代表選手。
国際Aマッチウィークではないので海外組の招集権限が無いため、国内組がメインとはなるという理由はあるものの…それでもやはり広島はさすがの選手層。
ちなみに6人というのは、大迫敬介、佐々木翔、荒木隼人、野津田岳人、森島司、満田誠となる。
それ以外にも元代表の塩谷司、東京五輪世代で臨んだコパ・アメリカの際に初招集となった松本泰志などの豪華メンバー。
ベンチを見ても元代表の青山敏弘と…レッズ戦の際も思ったが、やはりJ1とJ2は違うと言わざるを得ないメンバーが揃う。
試合経過
前半
※天皇杯はDAZNによる放送が無く、観戦することができなかったのでハイライト映像部分のみレビューします。
メンバー表を見るといつも通りの4-4-2かと思ったが、どうやら試合が始まって見るといつも攻撃時に可変する3-4-3のままの様子。
守備時には両ワイドが低く下がることで、5-4-1とも言えるフォーメーションを採用。
広島に合わせて3バックにしたか、それとも守備固めのために中央を3枚にしたか…その辺りは定かではないものの、個人的には大槻監督は3バックにしたいんじゃないかと思ったりしている。
風の噂では強化部長が4-4-2にこだわっており、そういう契約のためにリーグでは4-4-2を採用。
苦肉の策として攻撃時に3-4-3になる可変システムにしている…なんて噂も。
まぁこれは風の噂レベルで信憑性は不明のため、これ以上は触れないこととする。
(裏事情を知っているとかではなく、自分も何も知らないので真に受けないでください)
前半は群馬のキックオフでスタート。
7分、広島が自陣最終ラインから左サイドを攻略する。
佐々木翔から再外の東俊希に入れ、東からDFラインとボランチのライン間に入り込んだ松本泰志へ。
これを松本が落として満田誠が右足を振り抜くが、清水慶記がキャッチはしきれないもののセーブ。
こぼれ球にジュニオール サントスが詰めるも、それよりも早く高橋勇利也が触る。
まだボールは生きており、サントスがヒールでゴールを狙うも枠の外に。
開始早々に完璧な崩しとも言えるシーンを見せられる…。
9分には佐々木翔か?から左サイドの東俊希に広げ、ペナルティエリアの角までフォローにきた満田誠に付けワンツーを狙う。
しかし満田は東の動きを囮に、カットインから右足を振り抜くも枠の外に。
これは満田に対応した城和隼颯が完全に東の動きに釣られており、危険なシーンではあったが…それでも城和はしっかりリカバリーしたとは思う。
また、その内側にいた岩上祐三も満田の突破に対してフォローに入りシュートブロックで対応と…完璧ではないものの守備が崩れた…というレベルでは無いか。
27分、センターラインを少し超えた右サイドでファールを受けると、キッカーは岩上祐三。
群馬の選手がゴール前に上がり、それに対して広島が守備陣形を作ろうとしているところで意表を突くクイックスタート。
岩上はそのまま縦にグラウンダーのボールを流し、これに抜け出した田中稔也がダイレクトで中央に折り返す。
最前線の中央には平松宗、その後ろには高橋勇利也、その後ろから深堀隼平と3枚が飛び込むなか稔也は深堀を選択。
完璧なクロスとなり深堀が左足でコントロールショットを放つも塩谷司がブロックし、ボールはクロスバー。
こぼれ球は佐々木翔にクリアされてしまう。
深堀に完璧なクロスと言えるが…より得点の可能性が高かったのはゴールキーパーとの間で平松だっただろうか?
リプレイで見ると際どくオンサイドな気はするが…稔也としてはオフサイドを考慮してマイナスに折り返したと思われる。
ちなみにフリーキックを蹴る前に岩上が「トシ!」と呼んでいるようにも聞こえ、稔也の反応を見ても狙っていたプレーというよりは岩上のアイディアに見える。
この辺りはさすがベテランといったところ。
格上の広島ということで、ここで決めることができれば…試合展開はかなり変わっただろう。
43分には群馬左サイドからのフリーキック。
野津田岳人のキックはニアの山を越え、中央でフリーとなった塩谷司にピンポイントで入るも…このヘディングはわずかに枠の外に。
危険なシーンではあったが…多少遅れてはいるものの藤井悠太がしっかりと塩谷とゴールとの間に体を入れて対応はしている。
野津田のキックは素晴らしかったが…低めのボールだっただけに塩谷としても壁を越えた際に見づらくミートしきれなかったか?
こうして前半はスコアレスで折り返すことに。
後半
後半は広島のキックオフでスタート。
ハーフタイムで広島が動き、柏好文に代えて藤井智也を投入。
対する群馬は交代なしとなった。
50分、群馬左サイドの深い位置からフリーキック。
野津田岳人のキックは狙ったのか…はたまたミスキックだったのか…直接ゴールに向かうも清水慶記が触って真下に落としてからキャッチ。
確かに慶記は完全にクロスを考えた位置取りとなっており、もう少しニアサイド寄りに巻いて…というイメージで直接狙った可能性もありそう。
慶記としては予想外だったと思うが、下がりながらなのでゴールラインを割らないように手に当てて真下に落としてから回収と…非常に冷静な対応。(キャッチも出来たと思うが、取ってしまうとラインを割る可能性がある)
簡単にディフレクティングでコーナーに逃げても批判されるようなボールでは無かったと思うが、これをコーナーにするかマイボールで相手の攻撃を終わらせるかは大きな違い。
相手FWとの位置関係も含めて、一度落としてからでも間に合うと判断した慶記を褒めたいところ。
57分、広島の最終ラインから一度右サイドの藤井智也に広げ、再び後方の塩谷司へ下げる。
すると塩谷は自らドリブルで運びバイタルエリアに向けて侵入。
森島司とのワンツーからダイレクトで大外の藤井へ。
これを藤井がダイレクトでクロスを送り、塩谷が飛び込み均衡を破る。
これだけダイレクトでパスが回るとDFがズレてくるのは仕方ないが…入ってくる塩谷に誰も行けていないのが…。
ここは後ほど。
64分、群馬も最初の交代カードを切り、田中稔也に代えて白石智之を投入。
そのまま変えたのかはわからないが…恐らく深堀を右にして白石が左に入ったのではないかと思われる。
68分、左サイドで白石智之と山根永遠のコンビネーションから、山根が1枚剥がして最前線の平松宗に。
平松が身体を張ってこれを収め、山根にというのが理想だったと思うが…さすがに荒木隼人が許さずボールをロスト。
奪ったボールを素早くカウンターに転じようとするが、このパスを岩上祐三が読み切りインターセプト。
そのままミドルシュートを放つが、これは枠を捉えられず。
1失点して厳しい状況に追い込まれているが、広島の攻守の切り替えを上回る切り替えの早さを見せた。
このシュートが枠に飛べば…とは思うが、シュートで終わるという選択肢は良い判断だっただろう。
その前のインターセプトは見事であり、平松が奪われた瞬間にスルスルと前に出てきて森島司の背後にという…まさに試合の状況を見事に読んだプレーと言える。
このシーンで気付いたが岩上が黄色のキャプテンマークを巻いている。
いつも前半が黄色で後半が赤色だったと思うが、この試合では前半が赤色となっていた。
天皇杯は逆にする…とかジンクス的な物かと思ったが…浦和戦は広島戦と同じく逆だが山形戦はリーグと同じ…謎。
77分、広島が2度目の交代枠を使い満田誠に代えて柴崎晃誠、ジュニオール サントスに代えてナッシム ベン カリファを投入。
79分には群馬も2度目の交代を使い、奥村晃司に代えて中山雄登、深堀隼平に代えて田部井悠を投入。
田部井はどこに入ったのか…?そのまま深堀のいた右のシャドーだろうか?
83分、群馬右サイドでのフリーキック。
佐々木翔が頭で合わせるがDFのブロックに合い、こぼれ球を藤井悠太が回収して運ぶ。
しかし出しどころがない状態で藤井が運んでいるところを、佐々木がすぐに攻守を切り替えてノーファールながら激しくショルダーチャージで奪い返す。
このボールを森島司が縦に突破からクロスを上げ、ファーで東俊希が頭で合わせるも枠の上に。
森島のボールが少し高かったか、東の身体が伸び切った状態でのヘディングとなり上に行ってしまったというところ。
しかし…なにより佐々木のプレーは良かった。
まさに、そうかこれがJ1のCBか…という印象。
87分には群馬が最後の交代を使い、岡本一真に代えて天笠泰輝を投入。
恐らく山根が右に回り左に天笠が入ることになると思うが…天笠の投入が残り3分とアディショナルというのが…なんとも。
試合展開を見ていないので批評はできないが、時間と点差だけを見るとカードを切るのが遅いのではないかという思いも。
そして89分には広島も最後の交代を使い、森島司に代えて青山敏弘を投入。
アディショナルタイム3分を過ぎ、このままタイムアップとなった。
ピックアップポイント
57分の失点シーン
57分に失点したことで広島のゲームの進め方も変わった…というところはあるとは思うが、ハイライトを見る限りではこのシーン以外に完全にやられたシーンは無かったと思う。
もちろん失点に繋がりそうなシーンはいくつもあったが、クロスやシュートが少しズレていたりDFがしっかり体を寄せていたりと「完全にやられた」というほどでは無かったかと。
それだけにこの失点が悔やまれるわけで…このシーンを振り返りたい。
まず塩谷司に戻ったボールを、塩谷がドリブルで前のスペースに運ぶ。
理想を言えばここで深堀隼平がもう少しプレッシャーをかけたいところ。
抜かれないのが第一の対応は間違っていないが、少し自由にやらせ過ぎだろう。
岩上祐三が中から、後ろから奥村晃司がきたことで人に任せてしまった感が見える。
そして森島司とワンツーから右サイドの藤井智也に広げるわけだが、気になるのがここの森島への対応。
大外に藤井がいるわけで、中の枚数も足りていないわけではないので…この森島には山根永遠ではなく高橋勇利也が行くべきだったと個人的には考える。
高橋が森島に対応していれば、山根の立ち位置はもう少し外になっていたハズであり、藤井にあれだけノープレッシャーでクロスを上げられることは無かっただろう。
ちなみに塩谷がボールを運んでいる時に森島が中に絞ってボールを引き出そうとするが、その際に高橋は森島に合わせて絞りながら外を指さしている。
これは山根に対して「外に1枚いるから、お前はそっちを見ろ」という意味であろう。
それに呼応するかのように、一度山根も外にポジションを取り直すが森島にボールが入る瞬間に森島に行ってしまう。
ではなぜ山根は森島のマークに行ったのか?
まず塩谷がドリブルで運んだ際に、深堀と岩上のプレッシャーが甘かったことで奥村が前に出てプレッシャーをかける。
この時に奥村が見ていたジュニオール サントスが中に入ることで、高橋の位置取りもより中央に。
そのため森島が少し浮く形に。
森島にパスが出たことで、森島の縦の突破を防ぐべく山根は絞って森島に対応した…と思われる。
しかし…確かに高橋が少し中に絞ったのは事実だが…森島の対応は高橋で良かっただろう。
中央には藤井悠太がいて、その奥には城和隼颯と岡本一真がいて、広島は満田誠かな?とサントスの2枚。
こう考えると満田は城和と岡本で挟むように、サントスには藤井がとなるわけで、やはり高橋が森島を見るべきだろう。
(高橋もそのつもりだったように思われる)
山根は危険察知して潰しにいったのだと思うが、ここは高橋に任せて外の藤井智也をケアしておくべきだった…ということになる。(結果論だが)
しかし塩谷と森島のワンツーから藤井へのパスまでが非常に早く、藤井のクロスもダイレクトということで…これは広島がさすがJ1と褒めるべきポイントかもしれない。
その後の塩谷のゴール前への入り方も上手く、クロスもピンポイントだった。
これも城和隼颯がボールウォッチャー気味にはなっているが、前にはサントスがいたこともあり…入ってくる塩谷まで見るのは難しいだろう。
奥村がもう少し頑張って戻ってスペースを埋めてほしい…という思いもあるが、これもまぁ難しいだろう。
(塩谷に入ったのを見て奥村自身は「あっ、しまった!」とは思っただろうが)
繰り返すがワンツーで塩谷が抜け出して右に広げて、クロスで戻ってくるまでが非常に早かった。
そしてやはり3バックは両脇のCBがいかに攻撃参加できるか?というのを表しているプレーでもあった。
MOM
この試合のMOMは…清水慶記としたい。
90分観戦せずにハイライトのみの観戦であるので、多くは語れないが…今シーズン初出場でありながら全く不安の無いプレーを見せてくれた。
失点自体はキーパーとしては防ぎようが無いだろうし、その他でのミスらしいミスはなかったと思われる。
キーパーだけにミスがあればハイライトで拾われているだろう…。
怪我によりしばらく戦列を離れていた時期もあったし、その前も櫛引政敏の控えとなっていたが…しっかりといつ出てもいいように準備をしてきた結果と言える。
怪我も問題が無いのであれば、今日の試合の出来も考えて1度リーグ戦でも使ってみてほしいところ。
特にこのリーグでの泥沼の状態を脱するために、GKを代えてみるというのはすぐ出来て効果が見込める可能性のあるもの。
勘違いが無いように補足しておくが、ここ最近の試合の失点で櫛引が原因というものは記憶が無い。
逆に櫛引のおかげで防げたシーンばかりが思い浮かび、勝点が取れていた時期には櫛引のおかげで取れた勝点というのも多かった。
そのため櫛引の出来が悪いから代えてみては?という意味ではないことを補足しておきたい。
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