※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第8節は再びのホーム戦となり、日程の妙か…再び九州勢の宮崎が相手となりました。
宮崎と言えば2021年よりJ3に参戦となっており、そのため群馬は初対戦となるでしょうか?
群馬としては2019年に岡村大八を期限付き移籍で貸しており、その次のシーズンに破竹の大活躍を見せたことが記憶に新しいですね。
その大活躍で札幌に移籍してしまいましたが…。
それはさておき、ここまでリーグ戦で2連敗中。
カップ戦も含めると3連敗中となっており、しっかりと修正対応できているのかが問われる試合となるでしょう。
群馬対策のその上に行けるのか?そこに注目したい試合となります。
今回はそんなテゲバジャーロ宮崎戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
4 | 船橋勇真 | |
8 | 山内陸 | |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 7 | 西村恭史 |
15 | 風間宏希 | |
27 | 藤村怜 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
17 | 山中惇希 | |
38 | 小西宏登 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 近藤壱成 |
DF | 2 | 田頭亮太 |
14 | 菊地健太 | |
22 | 高橋勇利也 | |
MF | 36 | 安達秀都 |
FW | 18 | 田中翔太 |
20 | 下川太陽 | |
23 | 小野関虎之介 | |
32 | 河田篤秀 |
群馬は前節から3枚を変更。
キム ジェヒ、高橋勇利也、河田篤秀に代えて、近藤壱成、船橋勇真、藤村怜がスタメン起用となった。
ベンチを見ると、玉城大志、加々美登生が外れ、下川太陽がベンチ入りということに。
これで前節に沖田監督が言っていた「アクシデントがあった」というのが、米原秀亮の怪我離脱…と見て良さそうになったと言える。
また、個人的には加々美登生がベンチ外になったのも気になるポイントであり…こちらも怪我でないと良いのだが…。
注目したいのは初スタメンとなる船橋勇真。
前々節の奈良クラブ戦で群馬デビューとなったわけだが、残り時間10分弱という時間帯で投入されながらもゴリゴリの突破を見せてくれた。
そしてカップ戦でスタメン出場し、能力の高さを見せてくれている。
テゲバジャーロ宮崎
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 32 | イ チュンウォン |
DF | 33 | 黒木謙吾 |
39 | 下川陽太 | |
45 | 田中誠太郎 | |
MF | 24 | 松本雄真 |
34 | 河合駿樹 | |
41 | 坂井駿也 | |
50 | 安田虎士朗 | |
FW | 11 | 橋本啓吾 |
20 | 阿野真拓 | |
47 | 奥村晃司 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 55 | 青木心 |
DF | 25 | 横窪皇太 |
35 | 江川慶城 | |
MF | 5 | 加藤匠人 |
6 | 大熊健太 | |
10 | 井上怜 | |
13 | 中野桂太 | |
FW | 18 | 吉澤柊 |
27 | 渡邉星来 |
宮崎は前節から2枚を変更。
力安祥伍と井上怜が外れ、河合駿樹と坂井駿也がスタメン起用となった。
力安はそのままベンチ外となり、井上はベンチスタート。
ベンチは安藤陸登が外れ、吉澤柊と加藤匠人が入る形となっている。
注目はやはり元群馬の奥村晃司だろう。
元群馬ということはもちろんだが…今シーズンY.S.C.C.横浜から加入すると、リーグでは全試合スタメン。
チームの中枢となっているだけでなく、直近では2試合連続ゴール中と絶好調となっている。
群馬時代から非常に技術力のある選手であり、ある程度チームの中心…王様的な形で自由にやれると輝くのではないかと思っており、そんなことも書いた気がするが…ここまでは良い移籍になったようである。
また元群馬の選手と言えば、武颯や永長鷹虎がいたが…武はFC大阪に、永長はレンタルバックから琉球に移籍となっている。
他には最前線に入る橋本啓吾だろうか。
大卒ルーキーで宮崎に加入し、今シーズンが5年目。
昨シーズンは二桁ゴールを記録と、順調に宮崎のエースとして成長している選手である。
188cmの長身ということもあり、やや高さの足りない感のある群馬最終ラインには脅威になるだろう。
試合経過
【0~15分】春風?普段とは逆の風向き
前半は宮崎のキックオフでスタート。
今節はそれほど強い風ではないものの、普段とは逆向き…宮崎が追い風となる形で風が吹いている。
まずは両チームの並びだが、群馬はどうやら守備時には今節も4-4-2を採用した様子。
西村恭史が最前線で青木翔大と並ぶ形で2枚を構成している。
また、予想とは異なり…右に山内陸、左に船橋勇真が配置されている。
そして攻撃時には両SBがインサイドハーフになる2-5-3の形…かと思ったが、どうやら船橋はその前まで上がっている様子。
代わりに藤村怜が左のインサイドハーフに下りているようである。
(攻撃時の形は下図)
対する宮崎も守備時には4-4-2と言って良いだろうか?
トップ下の奥村晃司が橋本啓吾と共に最終ラインまでプレスをかける形である。
攻撃時には4-2-3-1の形で、奥村と橋本は縦関係になる。
9分、まずは群馬がチャンスを作る。
両CBの間に風間宏希が降りビルドアップに参加。
左に開いた大畑隆也が少しボールを持ち出してから、DFライン裏に抜け出した青木翔大にロングボールを放り込む。
良い形で抜け出したため、そのままシュートまで持ち込みたかったが…田中誠太郎が良い対応を見せ打たせてもらえず。
青木はキープに切り替えて少し時間を作ると、ヒールで後方に流し入ってきた西村恭史がシュートを放つ。
しかしこのシュートは黒木謙吾にブロックされ、こぼれ球を青木がボレーで狙うも…ミートしなかったか、叩き過ぎた形となりキーパーがセーブ。
ここで取り切りたかったところだが…ロングボールから良い形でチャンスを作ったと言える。
またアンカーの風間がCBの間に下りるというのも、ここまであまり見られなかった形と言える。
【15~30分】ボールは保持できるものの
この時間帯は両チームともに攻撃の形を作れない展開となった。
群馬がボールを保持しているものの、決定的なチャンスは作り出せずにシュートまで持ち込むシーンは作れず…。
しかし宮崎としても狙い通りにボールを奪えているわけでもなく、一進一退と言ったところか?
群馬としてもボールを持てていると見るべきか、持たされていると見るべきか…判断が難しい展開となった。
26分に奥村晃司にミドルを打たれるシーンがあったものの、ここは群馬DFもしっかりとブロックを作っておりピンチというほどではなく。
これ以外に両チーム共にシュートシーンはなかったのではないだろうか?
ちなみに宮崎は橋本啓吾と奥村晃司が最終ライン…ゴールキーパーまでプレスにくる形を取っている様子。
全部にプレスにくるわけではないが、スイッチを入れたら最終ラインまで追い回す形を取っている。
これは今までの対戦相手と違うところであり、ある意味ではこうやって食いつかせて剥がして…というのは群馬の狙いと言える。
【30~45分】決定機を作られるも
34分、宮崎が左からのコーナーキックを得ると、キッカーは坂井駿也。
中央の橋本啓吾に送られたが、ここは近藤壱成がパンチングで対応。
しかし遠くには飛ばせず、高く上がったボールを両チームが再び競り合う形となった。
このセカンドがファーにいた田中誠太郎のところに飛び、ダイレクトでシュートを打たれるが…これは枠を大きく外してくれて助かる形に。
西村恭史がしっかりと身体を寄せたため…とも言えるが、ここは正直外れてくれてラッキーである。
38分、群馬が長いことボールを保持し攻撃の糸口を探す時間が続く。
なんどか形を作り掛けるも、クロスを上げても跳ね返され…それを再び拾って攻撃をやり直す…といった展開。
しかし最後はロストから相手ボールになりかけたところを、野瀬翔也が素晴らしい対応で右の小西宏登に展開。
小西がカットインからシュートを放つと、これはキーパーにセーブされてしまうが…一つシュートで終えることに成功した。
ややコースが甘かったこと、青木翔大が入り込んでいたこと…などを考えると、シュートではなく青木に上げたクロスだったのかもしれないが…。
42分、奥村晃司が左のスペースに流すと、ここに抜け出したのは坂井駿也。
しかし対応した野瀬翔也もスピードには乗らせず突破は許さず。
一度奥村に下げると、奥村がドリブルでやや切り込んでから再び左サイドに送る。
これを下川陽太がダイレクトでゴール前に送り込むと、橋本啓吾がフリーで合わせるも枠の上に外れてくれる。
枚数はいたものの…完全に橋本の動きを誰も捉えていないという形で、なかなかこのところが今シーズン修正できないでいるのが気になるところ。
44分、群馬が右からのコーナーキックを得ると、キッカーは小西宏登。
ファーに送られたボールはキーパーにパンチングされてしまうも、セカンドボールを船橋勇真がダイレクトで狙っていく。
やや難しい体勢だったこともあり、これは枠を捉えられず。
こうして終盤は両チームともにチャンスを作り出すも、スコアは動かせずにハーフタイムを迎える。
【45~60分】ややDFのやり方を変えた宮崎
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの選手交代はなくリスタートとなった。
後半の出だしから気になったのが、宮崎がDFのやり方を変えてきたこと。
前半は最終ラインまでプレスにきていたシーンが多かったが、後半からは明確にCBはプレスに行かずに見る形になった。
これはここまで色々なチームがやってきている、いわゆる群馬対策と言える守備の仕方。
GKと両CBにはある程度自由にボールを持たせるが、その先はしっかりとパスコースを切って簡単には出させず。
やや苦しい体勢で受けることが増えるため、そこで…もしくはそこからのパスミスを誘発させて奪い切る…という形と言える。
55分、右サイドに張っている小西宏登から、縦…裏のスペースに良いボールが入る。
ここに西村恭史が入り込んだが…ワンバウンドしたボールが急に伸びた印象もあり…体勢が厳しくシュートは枠の外に外れてしまう。
この時間帯は宮崎が守備の形を変えてきたこともあり、思うように前進できない時間となった。
しかし宮崎もチャンスらしいチャンスは作り出せず、時間だけが進んでいく。
【60~75分】徐々にチャンスは増やすも
66分、両チームが同じタイミングで動く。
まずは宮崎が坂井駿也に代えて井上怜を投入。
そして群馬が山中惇希に代えて田中翔太、青木翔大に代えて河田篤秀を投入する。
両者ともにどうやらそのままのポジションに入るようである。
68分、群馬が左サイドでスローインを得ると、船橋勇真がスローを入れる。
風間宏希からリターンを受けると、そのまま失うことなく前に運び、外に開いている田中翔太にパスを送る。
そして内側を駆け上がり、ワンツーの形でボールを引き出すとライン際からクロスを供給。
ここに西村恭史が入り込んでいたが、これはブロックされてコーナーキックとなる。
船橋は加入当初は上下動に優れたサイドバックと聞いていた気がするが…かなり足元の技術も高い。
70分、こうしてコーナーキックを得ると、1本目は防がれるも再びコーナーとなる。
2本目は風間宏希が中央に入れるも、ここも田中誠太郎に跳ね返されてしまう。
セカンドを西村恭史がシュートしようとするも、先に河合駿樹に触られてしまうが…このこぼれ球が小西宏登のところに。
小西のクロスを河田篤秀が頭で合わせるが、これは威力なくキーパーにセーブされてしまう。
73分には再び左からのコーナーキックを得る。
風間宏希が今度はニアに入れていくと、野瀬翔也が頭で合わせるが…これは枠の外に外れてしまう。
75分、宮崎ベンチが動く。
河合駿樹に代えて大熊健太、奥村晃司に代えて吉澤柊を投入する。
後半からなのか…66分の交代後からなのかは定かではないが、この時間帯で攻撃時の船橋勇真と藤村怜の位置関係が逆な事に気付く。
前半は船橋が前(左のシャドー)で、フジレンがアンカーの左にポジションを取っていたが、ここでは船橋が後ろでフジレンが前にいることが多い気がする。
【75~90分】互いに攻め手を欠きスコアレス
76分、宮崎がチャンスを迎える。
中央で安田虎士朗がボールを受けるも、ここは野瀬翔也がシュートを打たせず。
両者が潰れたところ、ボールが間に挟まったような形となったが…ここからボールは左の井上怜に。
井上がミドルで狙っていくも、これは枠の右に外れていく。
77分、群馬ベンチが動く。
風間宏希に代えて安達秀都、小西宏登に代えて下川太陽を投入する。
ここも人の交代のみで、立ち位置はそのままということに。
82分、群馬が交代カードを使い切る。
藤村怜に代えて小野関虎之介を投入。
この直前にフジレンは足を攣ったのか…両足を伸ばされているシーンがあった。
これにより西村恭史がフジレンのいたボランチに下がり、虎が前線に入る形に変わる。
90分、宮崎ベンチも交代を使い切る。
下川陽太に代えて江川慶城、阿野真拓に代えて中野桂太を投入する。
こうして両チームともに交代カードを切りながら攻撃のチャンスを狙うも、どちらも決定的なチャンスは作り出せずにタイムアップとなった。
内容的には群馬がやや優勢に進めたと言えそうだが、どちらも良さを出せなかった試合とも言えそうな試合となってしまった。
ピックアップポイント
特に見どころの無い試合だったが…
表題の通り、特にどちらのチームも見せ場を作れずに終わった試合と言えそうである。
前節でも書いたが、果たして群馬の首脳陣はどうするのか?
ここが今後のキーポイントと言えるだろう。
あくまでも個人的な意見だが、安直に監督を変えれば良いというものでは無いと思っている。
沖田監督と心中…になってしまうのは困るが、正直今シーズンは降格せずに中位辺りでJ3に残るのが現実的なところだろう。
クラブとしては「1年で優勝・昇格」と言っているが、果たしてどこまで本気で言っているのか?
これを本気で言っており、達成できると考えているならば…シーズン前の補強等を含めて見通しが甘いと言わざるを得ない。
しかしこれは建前であり、本音の部分では複数年単位での強化を考えているのであれば…長い目で見守っていきたいと思っている。
というのも、群馬の最大の弱点は毎年のシーズンオフでのスクラップ&ビルドではないだろうか?
毎年降格の危機に陥るため(昨シーズンは降格したが)、監督や選手が毎年大幅に変わる。
活躍すれば個人昇格、個人残留と引き抜かれ…ある意味では毎年シーズン前になんとか人数を寄せ集める…と言った状況である。
もっと言えば社長を始めとする上層部も変わり過ぎである。
ザスパクサツ群馬として、どういったサッカーを目指し、実現していくのか…という長期目線で物を考えられる状況になかったのではないだろうか?
細貝萌が社長に就任したことで、これから長期体制を取り「これがザスパだ」というチーム哲学を作っていってほしい。
そのためにも短期目線で監督や選手、スタッフや社員をポンポンと変えていくのではなく…10年20年と群馬がJの舞台に居続けられるように長期目線でチームを(会社を)作ってほしいのである。
もちろん、長い目で見過ぎて現実をおろそかにし…今シーズンでJの舞台を去らないようにしなければならないが…。
そして長期に安定したクラブ戦略のためにも、もっともっとユースに力を入れていってほしいものである。
是非ともユース出身の選手がトップチームの中枢に、チームの顔と言えるところまで育ってほしい。
…と書いたが、そういえば細貝社長就任のお知らせは発表されただろうか?
4月の株主総会にて正式発表になる予定と言われていたと思うので、まだ先ということだろうか?
MOM
この試合のMOMは船橋勇真としたい。
「なにアレ?ヤバいだろ…」というのが自分の正直な感想であった。
今となっては言っても仕方ないが、昨シーズン船橋を起用できなかったのは大槻監督にとって本当に大きな誤算だったのではないだろうか?
むしろその穴が最後までどうにもならなかった…とまで言えるかもしれない。
そのくらいのポテンシャルをこの試合では見せてくれた。
右も左もプレーでき、更には中盤でも足下の技術と突破力を見せており、この先良い意味で起用法に悩みそうな存在である。
次に小西宏登と青木翔大の名前を挙げたい。
どちらもこの試合でも持ち味を存分に発揮してくれた。
小西は相変わらず縦にも中にも仕掛けられるところを見せたし、青木も変わらず前線で起点になれるところを証明してみせた。
青木は、悔やまれるのは西村恭史のシュートの跳ね返りを決めきれなかったことか…。
最後に風間宏希の名前を挙げたい。
ハッキリ言って前節の内容は酷かった。
しかし今節は決して悪くなかったと言える。
風間ならば…もっとやれるハズという想いがあるが、怪我もあったしここから上り調子となってくれれば良いのかと。
米原秀亮が怪我で離脱したと思われるだけに、藤村怜と共に風間が攻撃の中心にならないといけない。
(個人的には山内陸を中央で使いたいが)
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