※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第16節はホームでのカマタマーレ讃岐戦です。
前試合は天皇杯の2回戦、鹿島を相手に力の差を見せつけられる形で敗戦となりました。
そこから中3日でリーグ戦を迎えるわけですが、リーグでは今シーズン初となる連勝に期待がかかります。
リーグ戦ではここ5試合負けがないものの、内訳は2勝3分と…決して絶好調というわけではないのも事実でしょうか。
しかし2試合続けて無失点など、徐々に良い形を作れているのも事実です。
ここでしっかりと勝って波に乗りたいところですね。
今回はそんなカマタマーレ讃岐戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
30 | 小柳達司 | |
35 | 玉城大志 | |
MF | 6 | 米原秀亮 |
7 | 西村恭史 | |
27 | 藤村怜 | |
FW | 10 | 髙澤優也 |
17 | 山中惇希 | |
20 | 下川太陽 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 47 | 志賀一允 |
DF | 14 | 菊地健太 |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 2 | 玉城大志 |
36 | 安達秀都 | |
37 | 田頭亮太 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
11 | 加々美登生 | |
18 | 田中翔太 |
群馬は天皇杯からは11人が変更となったが、前節のリーグ戦から見ると1枚を変更。
田頭亮太に代えて、前節オウンゴールを誘発する突破を見せた下川太陽をスタメン起用。
ベンチは3枚が変更され、近藤壱成、中野力瑠、小野関虎之介がベンチ外となり、志賀一允、野瀬翔也、田中翔太がベンチ入りとなった。
まず気になるのが近藤壱成がベンチ外ということ。
水曜開催の天皇杯ではスタメン起用され、4失点こそしたものの…かなり評価は高かった様子。
本人としてもポジションを奪い返すべく、気合いが入っていたと思うが…怪我があっただろうか?
代わって今シーズン初のベンチ入りとなったのが、石井僚の移籍(と真木晃平の怪我)に伴い急遽補強した志賀一允。
柏のユース出身で、東京国際大学から沖縄SVに加入していたゴールキーパー。
キム ジェヒにアクシデントがない限り出番はないだろうが…プロ初のベンチ入りとなった。
また前節、脳震盪により交代となった野瀬翔也であったが、この試合はベンチからのスタート。
直後の天皇杯でフル出場していたため、ドクターストップなどにはならず大事無かったのはわかっていたが…やはり一安心といったところか。
ここもベテランの小柳達司といいライバル関係となり、両者が切磋琢磨してレベルアップすることを期待したい。
また河田篤秀、山内陸、小西宏登の名前は変わらずなく、怪我の可能性が濃厚となってきたか。
カマタマーレ讃岐
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 41 | 飯田雅浩 |
DF | 3 | 井林章 |
35 | 左合修土 | |
99 | 附木雄也 | |
MF | 6 | 長谷川隼 |
15 | 岩本和希 | |
33 | 河上将平 | |
55 | 藤井葉大 | |
FW | 17 | 牧山晃政 |
22 | 大野燿平 | |
90 | 後藤優介 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 今村勇介 |
DF | 2 | 内田瑞己 |
MF | 7 | 江口直生 |
10 | 川西翔太 | |
13 | 前川大河 | |
60 | 森川裕基 | |
96 | 吉田陣平 | |
FW | 23 | 岩岸宗志 |
24 | 上野輝人 |
讃岐は前節から3枚を変更。
内田瑞己、吉田陣平、森川裕基がベンチスタートとなり、左合修土、岩本和希、後藤優介がスタメン起用となった。
注目は2試合ぶりに帰ってきた後藤だろう。
山形からの加入となっているが、群馬サポとしては大分時代の印象が強いのではないだろうか?
また、攻守のキーとなるのはアンカーに入る長谷川隼となるか?
ここまで全試合に出場しており、讃岐の中心と言っていいだろう。
全試合と言えば、この試合はなぜか内田瑞己がベンチスタート。
ここまで全試合でスタメン起用されていたが、ベンチに控えることとなった。
更に注目選手を挙げると、CBながら得点の取れる附木雄也。
ここまで4得点とチームトップスコアラーとなっており、セットプレーに弱い印象のある今期の群馬としては要警戒となるだろう。
試合経過
【0~15分】幸先のいい先制弾
前半は讃岐のキックオフでスタート。
DAZNでは3トップ(1トップ2シャドー)の予想であったが、どうやら大野燿平と後藤優介の2枚で守備をしている様子(3-5-2)
攻撃時にはやや後藤が前に上がり、2シャドー気味にも見えるが…守備は群馬の2CBに対して2枚で行く形を取ったようである。
3分、小柳達司からロングボールで右の裏のスペースを取ると、ここに入り込んだのは下川太陽。
深い位置でしっかりと収めると、1対1は仕掛けれらなかったが後方の西村恭史に落とす。
西村から中央の藤村怜にパスを送ると、フジレンがダイレクトで玉城大志に付ける。
このパスを読んでいた長谷川隼の裏をかく形で、玉城が大きく内側にトラップしてから左足でシュートを放つが…これはキーパーがセーブ。
しかし前にこぼれたボールを山中惇希が詰め込んで、早い時間に先制に成功する。
素晴らしいの一言の先制点。
まずは下川の裏取りと、小柳の精度の高いパスが素晴らしかった。
西村がしっかりと後方にフォローに入り、フジレンが良い位置で引き出してからダイレクトの選択肢が良かった。
そして玉城は長谷川の動きを見て…なのか、左利きのため…なのかは不明だが、結果的に完全に置き去りにするワンタッチとなった。
山中は疑う余地もなくオンサイド。
本職FW顔負けの嗅覚で詰め込んでみせた。
13分、左サイドで受けた山中惇希のクロスは、中央に入り込んだ下川太陽のやや上を超えてしまう。
その奥、ファーに入った西村恭史の足元に入るが…トラップが決まらずやや時間がかかってしまう。
そのためDFが間に合ってしまい、左に持ち出してからのシュートはブロックされてコーナーに。
下川にドンピシャで合えば完璧であり、そうでなくても西村のところで決めきりたかった…。
早い時間に2点目が取れると楽になるのだが…。
【15~30分】かなり形ができてきた沖田サッカー
16分、長谷川隼から縦に付けたボールは、体勢を崩しながらも後藤優介が左の藤井葉大に繋ぐ。
藤井から長谷川に戻すと、長谷川がゴール前に浮き球を送り込む。
これを牧山晃政が頭で合わせるが、これはキム ジェヒが追い切ってセーブ。
こぼれ球を後藤が再びゴール前に送りこむも、高橋勇利也が頭で跳ね返してピンチを脱する。
牧山がドフリーだったのが気になるが…これはDFラインの連携ミスと言えるだろうか?
これは後ほど取り上げたい。
24分、多くの選手が絡み、非常に良い連携で左サイドを崩すが…最後の髙澤優也からのスルーパスに抜け出した山中惇希はオフサイド。
しかしやや出ていたレベルであり、非常に惜しいシーンだったと言えるだろう。
また攻撃の形としても良い形が作れたと言える。
あくまでもこの時間まで…ではあるが、今日は髙澤優也が良い形でボールを受けれている印象。
最近はゼロトップ気味というか…降りてきてボールを受けるシーンも多くなっているが、今日はしっかりと引き出してから左右に捌けている。
一度引き出して受けて左右に捌き、ゴール前に一気に侵入して横からのクロスを合わせる…というのが髙澤の得意パターンでもあり、これは増やしていきたいところ。
歩みはそれほど早くはないかもしれないが、全体としてもここ数試合は段々と沖田監督の目指しているサッカーが体現できるようになってきた印象がある。
【30~45分】まさかの逆転を許す
34分、附木雄也から井林章に戻すと、右サイドに大きく開いた河上将平に長めのパスを付ける。
河上がダイレクトで左合修土に落とすと、距離はあるものの左合が一気にゴール前にボールを入れる。
DF裏に抜け出した後藤優介が素晴らしい胸トラップから、落下前に更に一つタッチして小柳達司のシュートブロックをズラして、見事に右足でゴールを決める。
小柳も、その外の下川太陽も後藤を見れていなかった…というのはあるが、これは素直に後藤の凄さを誉めたいところ。
更に言えば、どちらかというとゴール前よりも、左合に簡単にクロスを送られた方に問題がある。
ここは立ち位置的には藤村怜になるのだろうが…フジレンは牧山晃政へのパスコースを切る対応をした。
横にいた米原秀亮は長谷川隼を見る必要があり、左合に出ることはできず…結果的に左合に時間を与えてしまった…という形になる。
結果論的には牧山へパスが出ても高橋勇利也が対応できる位置を取っていたため、フジレンが左合に行くべきだった…となるのだが、この辺りは一瞬の判断のため難しいのも事実。
しっかりと声を掛け合って連携を高めていきたいところ。
このまま同点で終わるかと思った45分。
井林章からパスを受けた附木雄也が、縦位置の藤井葉大に付ける。
藤井が良いタッチで下川太陽を剥がす形で、更に前の後藤優介に送ると、ワンツーの形でリターンを受け抜け出していく。
緩急で下川を振り切ってクロスを送るが、ここはニアで大畑隆也がブロック。
しかしこのボールが後藤のところに飛び、髙澤優也とのセカンドボール争いを制して右足を振り抜く。
このシュートがキム ジェヒの手を弾きながらゴールに吸い込まれ、前半のうちに逆転を許してしまう。
この前の時間帯から群馬の右サイドは何回かやられるシーンがあり、正直時間の問題かなという印象はあった。
下川はもう少し守備対応が上手くなると更に良い選手になるだろうが…とりあえず現状では攻撃面で大きな期待をしたい選手。
また、セカンドボール争いで…初期の立ち位置の関係上、後藤に髙澤が負けたのは仕方ないが…その後の対応はマズかった。
あれだけ大きく持ち出されてしまうと、髙澤が粘ったところでブロックはできなかった可能性が高いが…あっさり諦めたのは印象が悪い。
髙澤も攻撃の選手であり…というのはわかるが、青木翔大という良いお手本がチームにいるわけで、今後のキャリアのためにも守備強化はしていきたいところ。
そして…キムはDFや相手選手がブラインドになったか?
シュートの威力はあったが、しっかりと手に当てていればコーナーには逃げられたように思う。
抜群の足下の技術とキック精度を買われて試合に出ているが、セービング能力はやや物足りなさがある。
しかし足下は大きな武器であるし、まだ19歳になったばかり。
焦らずじっくりと育てていきたいところ。
(育てると引き抜かれてしまうのだが…)
【45~60分】あわやハットトリック
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームハーフタイムでの交代はなくリスタートとなった。
49分、米原秀亮がボールを奪うが…牧山晃政に奪い返されてしまう。
右を上がった河上将平に送ると、対応した高橋勇利也をかわしてシュートを放つ。
このシュートは左に外れてくれるが、ファーには大野燿平も詰めており危ないシーンだった。
この大野だが…誰が見るのが正しかったのだろうか?
本来の位置関係としては小柳達司になるのだろうが、このシーンでは小柳が中央、右に大畑隆也となっている。
となると大畑か?
しかし小柳が最終ラインから前に出ており、大畑は中央を埋める必要もあるだろう。
となると、WBの下川太陽が戻るべきだったのか?
しかし下川は当初藤井葉大に付いており、最後は藤井がペナ外に残ったために…最終ラインに入ってしまうとこのスペースががら空きになってしまう。
下川の立ち位置も決して間違っていたとは言えない気がする…。
難しいが大畑が大野を気にしながらスペースも埋める…のが正解だっただろうか?
56分、中央で大野燿平がボールを受けると、右に開いた牧山晃政に広げる。
クロスがファーに送られると、なぜかここでフリーの後藤優介が頭で合わせるが…これは枠の外に外れてくれて助かる形になった。
リプレイを見ると…これは小柳達司がマークを見失ったと言えるか。
立ち位置としてはゴール前の中央を埋めるということで間違ってはいないが、ここに讃岐の選手は入り込んでいない。
外に開いた後藤に対応できる位置を取るべきだった。
(右WBの下川太陽は戻れる位置にいないし、藤井葉大の上がりに合わせて戻ってきていた)
あわや後藤にハットトリックを許すところだったが、運も味方したか…ここは1点差のままで済んだ形となる。
しかし前半の終盤からなかなかペースをつかめず、後半になって仕切り直しても讃岐ペースなのは気になるところだろう。
【60~75分】12番目?13番目?の戦士
62分、良い形で攻撃を作っていたが…藤村怜のスルーに誰も反応できずにボールを失ってしまう。
カウンターの形となるが、左合修土へのパスがやや短く…ここで奪い切れるように見えたものの、戻った米原秀亮とこれを狙って飛び出した大畑隆也が交錯。
ボールは前に飛んだものの、これを岩本和希がダイレクトでDFライン裏に放り込む。
大畑隆也が接触で倒れたままであり、小柳達司もその前のところで飛び出しており…広大なスペースに群馬DFはおらず。
下川太陽が必死に追いかけるも追いつけず、抜け出した藤井葉大がシュートまで持ち込む。
しかしこのシュートはポストを叩いて枠の左に外れてくれる。
キーパーと1対1の完全な決定機となり、狙い過ぎた結果…となるか?
とにもかくにも、12番目の…いや13番目の戦士であるゴールポストが失点を防いでくれた。
抜け出した藤井だが、元々最初のカウンターのところで下川が付いていたのだが…ヨネと大畑が跳ね返したところで下川が速度を落としてしまっている。
そこに岩本がダイレクトで速いボールを放り込んだため完全に置いて行かれた形になった。
非常に難しい判断ではあるが、小柳も大畑も飛び出したシーンのため…下川はセーフティに裏を警戒しておくべきだった…となるだろう。
(WGの選手でありWBの選手ではないので、この辺りの判断はいきなりは無理だろう。経験して覚えるしかない)
63分、リードしている讃岐が先に動く。
後藤優介に代えて川西翔太、大野燿平に代えて森川裕基を投入し、2トップを両方変える。
65分には群馬ベンチも動く。
米原秀亮に代えて瀬畠義成、高橋勇利也に代えて菊地健太、下川太陽に代えて加々美登生と、一気に3枚代えを行う。
メンバーを見る限り、それぞれそのままの位置に入るだろう。
67分、ビルドアップで浮き球を髙澤優也に送るが、髙澤の頭での落としがズレてしまう。
川西翔太から、ゴール前に入った牧山晃政に良いパスが入るが、このシュートは枠の外に外れてくれる。
70分、再び讃岐ベンチが動く。
牧山晃政に代えて前川大河を投入する。
【75~90分】劇的な逆転から、劇的な同点
74分、西村恭史が中央でボールを受けると、瀬畠義成に落とす。
瀬畠が髙澤優也に向け縦パスを狙うが、これは井林章にカットされてしまう。
こぼれ球を加々美登生が回収すると、良い動きで瀬畠がポケットに侵入。
加々美からのパスをダイレクトでゴール前に折り返すと、これを髙澤が流し込んで同点に追いつく。
髙澤らしい得点と言えるが、瀬畠の動きとパスも褒めたいところ。
結果的に…となるのかもしれないが、対応した附木雄也の内側を抜き、戻る井林の足が届かない絶妙なコースに通してみせた。
76分、群馬ベンチが交代に動く。
藤村怜に代えて青木翔大を投入するが…プレーが切れたところでフジレンは倒れており、医療スタッフがピッチ内に入っていた状況。
最終的にフジレンは自らの足で歩きながらピッチを後にしているが…負傷の可能性もありそうである。
代えの効かない選手だけに、大きな怪我でないことを祈る限り。
この交代で2トップとなる可能性も考えたが、どうやらフジレンのいた位置に西村恭史が移動(右から左に)
西村のいた右のシャドーに髙澤優也が入り、青木が最前線に入る形を取るようである。
78分には讃岐が交代カードを使い切る。
河上将平に代えて岩岸宗志、藤井葉大に代えて内田瑞己を投入。
79分、讃岐のクリアボールを瀬畠義成が頭で髙澤優也に繋ぐ。
これを髙澤も頭で落とすと、玉城大志がダイレクトで西村恭史にスルーパス。
西村が更に左の山中惇希に送ると、山中がダイレクトでクロスを送る。
ゴール前に入った青木翔大へのクロスだったと思うのだが…やや精度を欠いてしまい、ボールは森川裕基が胸トラップ。
しかしこのトラップ際を加々美登生が狙い、こぼれ球を青木が押し込んで逆転に成功する。
素晴らしい攻撃の形ではあったが…山中のクロスを青木にしっかり合わせたかったところ。
加々美もフリーで待っており、こちらに合わせても良かったが…とにかく山中はクロス精度だろう。
84分、西村恭史から山中惇希にパスを送ると、なぜか山中は西村にリターン…。
ここは自分でシュートに行っていいシーンだっただろう。
西村も自分で打てたと思うが、ここはまぁ山中に送るのは理解出来る。
最終的には失わずに、玉城大志がシュートで終わったので結果オーライではあるが…もっと積極的に足を振って良いと思うのだが…。
86分、群馬ベンチが最後の交代を使う。
山中惇希に代えて田中翔太を投入し、そのまま左のWBに入る。
この田中、本来はストライカーであること、今シーズンのこれまでを考えると結果が欲しいところであり、それがよくわかる積極性を見せる。
チーム全体として、このくらい積極的にシュートを狙う姿勢を見せて良い。
しかしこの田中のプレー、独断でなければ沖田監督からは「4点目を取って試合を決める」という指示で送り込まれているだろう。
それにしては、他の選手が中途半端に時間を使いにいっているのが気になるところ。
この1点を守るのか、もう1点を取るのかハッキリした方が良い。
なんて思っていた91分。
ゴールキーパーの飯田雅浩からのロングフィードに、両チームの選手が触れずにそのまま抜けていく。
左合修土がダイレクトで折り返すが、これは加々美登生の頭に当たってボールは高く上に。
川西翔太がバックヘッドでゴール前に送るも、小柳達司がクリア。
しかし距離は出ずに、再び左合が頭で川西に落とす。
川西がターンからカットインし、対応した玉城大志から逃げるようなボール運びから右足を振り抜くと、これがサイドネットに吸い込まれて再び同点に追いつかれてしまう。
素晴らしいゴールではあったが…やはりクロージングの問題は簡単には解決できずか。
対応した玉城も寄せが甘く、ここから打たれることを意識していない。
(まぁここから打たれて決まる可能性が高いかと言われると…という部分ではあるが)
94分、左サイドから菊地健太がダイレクトでクロスを送ると、髙澤優也がジャンピングボレーで合わせるも…これはやや枠の上に外れてしまう。
これを決めきっていれば今日のヒーローだったのだが…。
(外れたものの、髙澤はこういうのを合わせるのは非常に上手い)
95分、讃岐にフリーキックを与えてしまうが、これを一度後方に下げたためにそのまま試合終了のホイッスル。
讃岐としては、ここからゴール前に放り込むところまではやらせてほしい…というところだっただろう。
しかし直接ゴール前に送らないリスクというのは、考えないといけない時間帯であった。
ピックアップポイント
16分のピンチシーン
今回は16分の、牧山晃政がフリーで頭で合わせたシーンを振り返りたい。
なぜ牧山はフリーだったのだろうか?
このシーンは左サイドであるが、現在の群馬のウイークポイントをよく表しているように思う。
3CBの横のスペース、この試合では特に右サイドをよく使われていた。
さて16分のシーンだが、長谷川隼の縦パスを後藤優介がワンタッチで外の藤井葉大に繋ぐ。
ここは下川太陽が対応しクロスを上げさせなかったわけだが、この段階でゴール前には讃岐の選手が3枚。
そして群馬のDFも3枚がいるのだが…左の大畑隆也が2枚を見るような形になっている。
山中惇希はその外におり、ペナルティエリア外の河上将平か?に対応できる位置を取っているように見える。
藤井がクロスを上げられなかったため、長谷川にリターンすると、長谷川がダイレクトでクロスを送り込む。
これを牧山が頭で合わせる形となった。
藤井がクロスを送っていても、長谷川のクロス同様にファーで1枚余った形になっていたと思う。
これは…山中がもっと絞って対応するべきではないだろうか?
大畑隆也は2回ほど外を指差しながら何か指示を出しており、恐らくは2枚いるので1枚を山中に任せたかったと思われる。
(その外の「河上がいるぞ」という指示ではないと思う)
確かに引いて5枚になってゴール前を固めると、その前のバイタルが足りなくなるのは事実。
しかしペナ外へのクロスであれば対応する時間はある。
河上(だと思う)が更にファーに入ってくるとしても、そこの危険性よりもその手前の牧山に合わせられる方が危険である。
どうにも今シーズンの群馬はこういった連携面が甘く、これが外からのクロスで失点を重ねている要因であろう。
沖田監督がシーズン前に「守備の練習をしていない」とコメントしていたが、まさにその通りの状況となっている。
試合を重ねるごとに守備面も向上はしていっているが、まだまだ連携が取れていないシーンが目立つ。
監督の考えはあるだろうが、もう少し守備の約束事をしっかりと決めていかないといけないのではないだろうか。
MOM
この試合のMOMは青木翔大としたい。
この試合は多くの選手が良さも見せたものの、悪さも見せた印象がある。
(が故に合わせて6点も入ったと言えるかもしれないが)
両チーム、どちらからMOMを選んでも良ければ…あまり悩まず後藤優介とする気がするが、勝手なルールで群馬からMOMを選んでいる。
そのため、途中出場でプレー時間は約15分という短さながら最大の仕事をしてみせた青木としたい。
あまり多くは語らないが…沖田監督の掲げるサッカー通り、比較的どの選手も攻撃面では良さを見せたと思う。
反面悪さを見せたのは守備面が多く、ピックアップポイントでも書いたように守備面の約束事の徹底は絶対に必要なこと。
しかし約束事や連携面よりも、意識の問題のような気もする。
チームとして攻撃を大事にし、守備が二の次三の次となっているため…意識面でも二の次三の次になっている印象が強い。
守備練習よりも攻撃練習を重視し、連携面に課題が残るのは仕方ないとしても…個々の守備対応では球際の強さ、粘り強さを見せてほしい。
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