※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第26節はアウェーでの清水エスパルス戦。
前節、中断期間開けの大事な大事な甲府戦を落としたことで…残留への道はほぼ断たれたと考えて良い状態になってしまいました。
しかし数字上、可能性が残っている以上最後まで全力でのプレーを期待したいところ。
選手は来シーズン以降の自分の未来のために戦い、クラブとしてはいかに短期で再びJ2に戻るのか…というのを考えねばならないのが現実と言えそうです。
そんな今節はアウェーで2位の清水との対戦。
前半戦では0-3という敗北となっており、力の差はあるものの…奇跡の残留に向けて勝点を1でも稼ぎたい試合となるでしょう。
今回はそんな清水エスパルス戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
清水エスパルス
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 57 | 権田修一 |
DF | 3 | 高橋祐治 |
14 | 山原怜音 | |
66 | 住吉ジェラニレショーン | |
70 | 原輝綺 | |
MF | 10 | カルリーニョス ジュニオ |
11 | ルーカス ブラガ | |
13 | 宮本航汰 | |
33 | 乾貴士 | |
36 | 宇野禅斗 | |
FW | 23 | 北川航也 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 沖悠哉 |
DF | 5 | 北爪健吾 |
28 | 吉田豊 | |
19 | 松崎快 | |
MF | 21 | 矢島慎也 |
44 | 西原源樹 | |
FW | 9 | アブドゥル アジズ ヤクブ |
清水は前節から2枚を変更し、両サイドバックが変更となった。
北爪健吾に代えて原輝綺、吉田豊に代えて山原怜音が起用される。
非常に選手層が厚いため注目選手は多岐にわたるが、やはり最大の注目ポイントは乾貴士と言えるだろう。
前回対戦では不在となっていたが、この試合ではスタメン起用となるためトップ下で攻撃のキーマンとなることが予想される。
また、町田から期限付きで加入した宇野禅斗にも注目したいところ。
更には乾をはじめとした、北川航也、ルーカス ブラガ、カルリーニョス ジュニオという強力攻撃陣をどう抑えるか…というのも注目ポイントになるだろう。
更には過去には群馬で選手としてプレーし、監督としてもチームを率いた秋葉監督の存在も触れておきたいところ。
群馬戦ということで、密かにいつも以上に気合いが入っていると思われる。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 大畑隆也 | |
36 | 中塩大貴 | |
50 | 菊地健太 | |
MF | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
6 | 天笠泰輝 | |
37 | 瀬畠義成 | |
44 | 仙波大志 | |
FW | 28 | 樺山諒乃介 |
32 | 河田篤秀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 29 | 田頭亮太 |
MF | 7 | 和田昌士 |
11 | 杉本竜士 | |
15 | 風間宏希 | |
FW | 23 | 平松宗 |
40 | 佐川洸介 |
群馬も前節から2枚を変更。
契約の関係で出場できない川本梨誉に代えて樺山諒乃介、前節の怪我の影響でベンチ外と見られる佐藤亮に代えて天笠泰輝を起用。
この2枚が不在となることは試合前から予想出来ており、それによりどういう起用となるか気になっていたが…どうやら樺山を川本の位置(左のシャドー)に、仙波大志を佐藤の位置(右のシャドー)に起用するようである。
そして天笠が瀬畠義成と並んでボランチとなる。
なるほど仙波は本来トップ下のプレーヤーであるため、シャドーでの起用は面白いかもしれない。
気になるのはやはり河田篤秀の1トップ起用であり、戦術面を含めて良さが活きていないように思うのだが…。
ベンチでは和田昌士が久しぶりのメンバー入りとなった。
前節同様に本職CBが不在というベンチが果たしてどうなるか?
瀬畠、菊地健太、田頭亮太とCBでプレーは可能だが…誰も本職ではないというのは気になるところ。
試合経過
【0~15分】開始早々にピンチを迎える
前半は清水のキックオフでスタート。
今日の清水はリミテッドユニフォームということで、いつものホームユニフォームのオレンジではなくネイビーを着用。
0分、ロングボールにカルリーニョス ジュニオが抜けだすと、シュートフェイントで城和隼颯を滑らせてから左足を振り抜く。
しかしこれは枠の上に外れてくれ、早々に決定機を迎えてしまうも…ここは失点せずという形に。
5分、乾貴士の縦パスを中塩大貴がカットすると、河田篤秀に縦パスを付ける。
これをダイレクトで左を上がる樺山諒乃介に付けようとするが、これは互いの意図が合わなかったかややズレて回収されてしまう。
しかし直後に天笠泰輝が回収し、再び河田に付ける。
前を向いた河田が自ら運び、距離はあったもののサポートも無かったため右足で狙っていくも…このシュートはやや枠を外れてしまう。
左側を天笠が駆け上がったものの、右の仙波大志や左側の樺山諒乃介などの上がりが遅いのが気になるところ。
前に運べず後ろに下げて作り直して…となるだろうという意識が見え隠れするシーンとなった。
10分、右サイドで受けた原輝綺から、グラウンダーのスルーパスが縦に送られる。
するとここに抜け出していたのは北川航也で、受けて更に縦に仕掛けてからゴール前にクロスを供給。
乾貴士が合わせるも、ミートせずにボールは枠を外れてくれ助かる形になった。
北川の素晴らしい裏抜けではあったが…それだけではなく、乾以外にもカルリーニョス ジュニオ、ルーカス ブラガ、更にはやや後方に宮本航汰と合計で4枚がゴール前に入り込むという厚み。
最後は乾がミスキックとなったが、北川のクロスもしっかりと合っており…精度の違いも見せつけられたシーンと言えそうである。
14分、左サイドの菊地健太から一気に右サイドの川上エドオジョン智慧にサイドチェンジ。
エドが縦に仕掛けてクロスを送るが、これはファーの樺山諒乃介にもやや長いボールとなってしまう。
健太のサイドチェンジは素晴らしかったが、彼はここ数試合縦への仕掛けが少ないのが気になるところ。
以前はもっと積極的な攻撃参加を見せていたと思うのだが…。
【15~30分】あっという間の2失点
19分、高橋祐治から宇野禅斗がボールを引き出すと、更に前の乾貴士にパスを付ける。
素晴らしいターンで前を向くと、これまた素晴らしいスルーパスを左に流す。
ここにカルリーニョス ジュニオが抜け出し、冷静にゴールに流し込んで先制を許してしまう。
乾のターンが素晴らしく、それに合わせて素晴らしいタイミングでカルリーニョスが抜け出してはいたが…なぜ誰も見れないのか…というところ。
川上エドオジョン智慧は完全にカルリーニョスに裏を取られており、大畑隆也は北川航也へのスルーパスを予測したか?一瞬身体が逆向きになったのが致命的となってしまった。
更に言えば乾のところのスペースがポッカリと空いており、5-4-1の5と4の間をどちらが見るのか…というのをハッキリさせたいところ。
(まぁ普通の選手なら仙波大志が対応したタイミングで間に合っている…とも言えそうではあるが、このスペースに乾が入り込んでいるシーンは多い)
23分、中央に流れた原輝綺が山原怜音からボールを引き出すと、ダイレクトで空間を使ったパスでカルリーニョス ジュニオに付ける。
カルリーニョスが乾貴士に落とすと、乾は左サイドの山原に広げる。
山原のクロスは跳ね返すことに成功するが、これを回収した原が素晴らしいタッチで樺山諒乃介をかわすと右足でシュートを放つ。
枠を捉えたグラウンダーの良いシュートだったが、櫛引政敏がファインセーブでこれをキャッチング。
ややコースが甘かったとも言えるが、それを差し引いても櫛引のファインセーブと言えるだろう。
25分、ルーカス ブラガが降りてきてボールを引き出すと、DFラインの裏に浮き球を送り込む。
ここに北川航也がオンサイドで抜け出すが…本当にオンサイドなのかというくらいに群馬のDFは誰も付いていけておらず。
右足でニアを狙った強烈なシュートを放つも、角度は厳しく櫛引がしっかりとセーブしてコーナーに逃げる。
ルーカスのところのプレッシャーが皆無なのが気になるところ…。
清水は積極的にDFラインの裏を狙っているわけで、もう少し出し手にプレッシャーを与えないといけない。
26分、これで獲得したコーナーのキッカーは山原怜音。
ここで清水はデザインされたプレーを見せ、ゴール前には上げずにポッカリと空いたペナルティエリア外のスペースにグラウンダーのボールを入れる。
ここに宇野禅斗が入り込むと、力を抜いたようなリラックスしたシュートを放つと…これが群馬DFの間を綺麗に抜けてしまう。
櫛引政敏も必死に足を伸ばし、当てるまではできたものの…そのままゴールに吸い込まれて追加点を許してしまうことに。
大畑隆也のブロックと、その奥の河田篤秀と綺麗に抜けたのは運の部分もあるとは思うが…誰も予想していなかった完全に裏をかかれた素晴らしいセットプレーであった。
こうして清水の猛攻の時間となっていたタイミングで、立て続けに2点を失ってしまうという…かなり痛い展開となってしまう。
【30~45分】相変わらずのクロス対応
ここまでの30分で、常に裏を狙う清水の攻撃というのが1つの特徴として見えている。
清水としても当然全てが上手くいっているわけではなく、パスを出しても受け手が走っていない…パスが合わずに群馬DFにカットされる…なんてシーンも多々あるのは事実。
しかし群馬はボールが出るところまで行っていないというのが大きな違いか?
河田篤秀を筆頭に裏を狙うプレーは見せているものの、合わない…ではなくボールが出ないという状態である。
河田にボールが入るのは、ほぼほぼ河田が後ろ向きで受ける形となっており…これではやはり河田の良さは活きないだろう。
そして後ろ向きで受けさせるのが戦略ならば、河田ではなく佐川洸介を起用するべき…というのがここしばらく書いてきていることである。
河田を使うなら、後方から勇気を持ってもっと裏へボールを出さないとならない。
40分、菊地健太、中塩大貴、城和隼颯とバックパスが続いて、更にはゴールキーパーまでボールが戻る。
ここで櫛引政敏は右に開いた大畑隆也ではなく、中央を降りてきた仙波大志を選択する。
しかし意思疎通が取れておらず、仙波としては自分に来ると思っていなかったか…タイミングが遅れ慌てて戻りスライディングで足を出すも、これを狙っていたカルリーニョス ジュニオに奪われてしまう。
カルリーニョスにそのままシュートを打たれるも、これは櫛引がしっかりとブロックし、こぼれ球をクリアして難を逃れる。
しかしその後に櫛引が首を傾げていたのが印象的で、仙波は新加入ということもあり連携がこれからとなるだろうか?
とは言え仙波うんぬんではなく、チームとして意思疎通が取れていない…特に攻撃面では決まりが無いのか、受けてから出すところを探している印象が強いのが今季の群馬。
見えているところしか出せず、見えていないところからいわゆる「ここに走っているハズ」というスペースにボールが出るシーンがあまりない。
言い方は非常に悪いが、個人フットサルでの初対面の5人で組んだチーム…みたいな印象がずっとあるのである。
44分、ルーカス ブラガの縦パスを瀬畠義成がカットし天笠泰輝へ。
天笠が菊地健太に下げて、抜け出そうとするとここは自身のミスもありルーカスが手をかけて天笠を倒して走らせず。
しかし健太は天笠ではなく瀬畠を使うと、瀬畠から一気に縦パスが河田篤秀に入る。
河田がこれをダイレクトで樺山諒乃介に落とし、樺山が運ぶも…1人では仕掛けられないと判断し、再び河田に。
ややラフなボールとなったが、河田が身体を張って失わずにキープすると、右を駆け上がる川上エドオジョン智慧を使う。
ゴール前がニアに流れた樺山1枚だったためか、エドはクロスでは無くシュートを選択するも…これは権田修一が足でブロック。
攻撃の形としては悪くないのだが…もっと厚みが欲しい。
リスクコントロールという面はあるのだろうが…既に2失点しており失うものなど無いハズ。
天笠は倒された後にも走りペナルティエリア外まで入り込んできたが、仙波大志、瀬畠義成、更には逆サイドの菊地健太ももっと前に出てこないと点は取れない…。
この試合はもとよりリーグ戦を考えても、リスク管理などしている場合ではなく全員で点を取りに行かないといけない段階のハズなのだが…。
そして人数を後ろに残していたにも関わらず、権田のセーブから清水ボールとなったあと、カルリーニョス ジュニオにスペースの良い位置で受けられボールを運ばれてしまう。
更には全くもってラインの揃っていない最終ラインに対し、北川航也に裏抜けされシュートを許しコーナーを奪われてしまうという状態。
今まであまりこういったことは書いてこなかったが…ハッキリ言って「やる気無いのか?もうこのゲーム捨てたのか?」というレベル。
こんなんであれば来季のJ3を見据えて、若手に出場機会を与えてがむしゃらにやらせた方が長期目線で見たら良いのではないだろうか?と思ってしまう。
45分、これで簡単に与えたコーナーキックのキッカーは山原怜音。
2点のリード、更には45分という時間もありゆったりとボールに向かうと、更には給水も取る。
しかしボールをセットしてからは素早く、ショートで乾貴士にボールを送る。
乾がワンタッチで右足に持ち代えると、ゴール前にクロスを送り込み原輝綺が飛び込んで追加点。
立ち位置の関係上距離はかなりあったが…乾に対して仙波大志の寄せがあまりにも遅い。
仙波はこのコーナーを与えた際のカルリーニョスも追っておらず、既に気持ちが切れてしまっているように見える。
更にはゾーンとは言え、原にも誰も付いておらず…。
キッカーの山原の緩急が見事ではあったが、セットプレーで集中がこれほどに切れているプロチームが他にあるだろうか?
47分には、宇野禅斗と北川航也にゆるゆると中央を突破され、最後はルーカス ブラガの落としを北川がシュート。
これを櫛引政敏がセーブしコーナーとなったところで前半終了。
このシーンも人数はいるものの、誰もボールにプレッシャーを与えずにズルズルと下がり、結果としてゆるゆると中央を突破されている。
ガツンと当たれば当然抜かれるリスクが高くなるわけだが…恐れてズルズルと下がるシーンが今シーズンはあまりにも多い。
某掲示板で誰かが書いていた「アリバイ守備」というのが言い得て妙である。
【45~60分】ハーフタイムで動くも…
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで群馬が動き、大畑隆也に代えて風間宏希、樺山諒乃介に代えて和田昌士を投入する。
樺山を下げてしまうのか…という思いと、大畑を下げたことでシステムを変えるか?という2点が気になったところか。
既に何回か書いたように、5-4-1の5-4の間のスペースで乾貴士がボールを受けるシーンが目立つ。
清水の攻撃陣3枚(北川航也、カルリーニョス ジュニオ、ルーカス ブラガ)に対して群馬は5人となっており、2枚余っているのである。
そのため、誰かがやや前に出て乾を見る必要があるのだが…3バックではやりにくいのも事実。
DAZN解説の飯島寿久さんも言っているが、4バックに変えて対応するのではないかと思ったが…フタを開けて見ると瀬畠義成が大畑の位置に。
瀬畠のいた右のボランチに仙波大志が入り、左のボランチに風間宏希、樺山のいた左シャドーに天笠泰輝となった。
そして和田が仙波のいた右のシャドーに入る形となり、フォーメーションとしては3-4-3のまま。
システムは変えないものの…本来はボランチである瀬畠が多少前に入って乾を見るのだろうか?
開始早々の45分、左サイドでのスローインを菊地健太が河田篤秀に入れる。
河田から左の裏のスペースで天笠泰輝がボールを引き出すと、リターンで河田に折り返す。
河田から和田昌士に落とし、ゴール正面で決定機となるも…和田のシュートは権田修一がファインセーブ。
和田のシュートはややコースが甘かったのが悔やまれるが、形としては久しぶりに良い展開であった。
49分、右サイドでフリーキックを与えるとキッカーは山原怜音。
このボールは跳ね返すが、左サイドで乾貴士が回収し再びゴール前にクロスを送り込む。
これにカルリーニョス ジュニオと住吉ジェラニレショーンが飛び込むも、クロスバーを直撃。
跳ね返りを河田篤秀が頭でコーナーに逃げる。
非常に危ないシーンだったが、乾のクロスが見事の一言。
キーパーが飛び出せない絶妙な位置、更にはDFの裏という非常に嫌なところに素晴らしいボールを送ってみせた。
このコーナーキックも、ゴール前に送られたボールは跳ね返すものの…山原怜音のクロスを高橋祐治が落とし、住吉ジェラニレショーンがシュートするも枠の上に。
ファーストは跳ね返せているものの、セカンドボールを回収され続け、その後のクロスでのピンチが続く。
60分、流れの中では清水ベンチが先に動く。
カルリーニョス ジュニオに代えて西原源樹、ルーカス ブラガに代えて松崎快を投入し、両ワイドを同時に代えてくる形となる。
【60~75分】ダメ押しの4点目
65分、原輝綺からの縦パスを裏のスペースに抜け出した松崎快が受ける。
切り返しから左足でゴール前にクロスを送ると、これを北川航也が合わせるも櫛引政敏がブロック。
こぼれ球を回収されるが、最後は松崎がシュートを狙うも枠の左に外れていく。
ここもスライドして対応した中塩大貴の寄せがやや甘く見え、松崎に簡単にクロスを許しているように見える。
北川の動きは見事だったが、城和隼颯が完全に振り切られているのも気になるところか。
67分、菊地健太から中塩大貴に戻すと、中塩から風間宏希へ縦パスが入る。
風間がこれを右アウトサイドでフリックして前方に送ると、和田が受けて前を向く。
少し運んでから左サイドの天笠泰輝に展開すると、天笠からゴール前ではなく後方から上がってきた中央の風間にグラウンダーのパスが入る。
風間がこれをダイレクトで合わせるも、ややコースが甘くなり権田修一が良いセーブを見せコーナーに。
風間であれば最後のシュート精度をもう少し求めたいところではあるが…その前に見せた技ありのフリックでDFを外すシーンなどは彼の持ち味。
そこからゴール前に詰めるところも、本来の風間の持ち味だったが…今シーズンはあまり見られていなかったのが残念なところ。
シーズンももう残りが少ないが、こういった風間本来の攻撃の起点となるプレーをもっと見せてほしいところである。
そして、左サイドに流れてから天笠のプレーが良いのも収穫か?
瀬畠義成と仙波大志とボランチを2枚補強したこともあるので、天笠を左サイドで使うのも面白いかもしれない。
69分、清水ベンチが再び動く。
乾貴士に代えて矢島慎也、北川航也に代えてアブドゥル アジズ ヤクブを投入する。
乾の控えに矢島か…なんて贅沢な…。
71分、天笠泰輝が良い頑張りを見せて、ボールを失わずに左サイドを抜け出した菊地健太に展開。
そこから中央を使い右に広げ…という形を見せるが、最後は風間宏希のクロスが合わずにゴールキックとなってしまう。
健太のところで縦に素早く仕掛けてシュートに持ち込んでも良かったと思うが…本当にここしばらく健太は縦への推進力が見られない。
チーム全体でそうなのだが、良い時期には早い仕掛けからシュートで終わっていたのに、悪い時期はボールを大事にし過ぎてシュートまでいかずに終わってしまう状態になっている。
74分、高橋祐治から縦で宇野禅斗がボールを受けると、前を向いて更に縦パスを矢島慎也に入れる。
瀬畠義成が身体を寄せたことで失いかけるも、見事なボールコントロールを見せキープし、更にはアブドゥル アジズ ヤクブにスルーパスを送り込む。
抜け出したアジズがダイレクトで左足を振り抜くと、これが右隅に吸い込まれて4点差に。
宇野のところでノープレッシャーで簡単に前を向かれたのが全てか…。
悪い時の群馬の特徴でもある、後ろに重い状態であり…中央(ゴール前)は人数がいるもののその外でフリーでボールを持たせて良いパス・クロスを送られてしまう状態である。
アジズに対して身体を寄せきれない城和隼颯も気になるところであり、このシーンだけでなく北川航也相手にも同様のシーンがあった。
同じJ2というカテゴリーながら最下位の群馬と、さすがは2位の清水となり、個人の能力差が如実に出ている試合と言えるか…。
75分、このゴール後のリスタート前に群馬ベンチが動く。
河田篤秀に代えて佐川洸介、中塩大貴に代えて平松宗を投入する。
これにより中塩のいた左CBに菊地健太が入り、天笠が下がってWBに。
平松が天笠のいた左シャドーに入る形となった。
【75~90分】決定力不足により5失点は免れるも…
76分、右サイドに流れた佐川洸介にボールが出ると、ゴール前にクロスを送る。
ファーに平松宗が良いタイミングで入ってきていたが、その前に権田修一がパンチングで対応を見せる。
78分、清水が最後の交代を使い宇野禅斗に代えて北爪健吾を投入する。
これにより後ろが3枚となり、3-4-3でミラーになった。
と思ったのだが…どうやら群馬は4-4-2になっているか?
佐川洸介と平松宗の投入後から、ややこの2人が2トップ気味となり、もう1枚のシャドーであった和田昌士が比較的自由に動き、やや低い位置にいる印象はあった。
しかし後ろは守備時には5枚となっていたが、この辺りからは天笠が1列高く4-4-2のブロックとなっているようにも見える。
82分、北爪健吾からのパスはアブドゥル アジズ ヤクブには合わなかったが、その奥で西原源樹が川上エドオジョン智慧に競り勝つ。
ボールを持ち出した際のタッチがやや長くなり、櫛引政敏も飛び出すが…触れずに西原が櫛引も交わす。
しかし角度が無くなってしまい、シュートは枠の上に外れてくれて助かる形となった。
84分、住吉ジェラニレショーンのロングボールが左サイド裏に送られる。
ここに山原怜音が抜け出すと、コントロールしてからゴール前にグラウンダーのクロスを供給。
ここにアブドゥル アジズ ヤクブがドンピシャで入り込むも、まさかの空振りとなり助かる形に。
当てるだけで1点ものの決定機だったが…アジズは左利きか?あのボールに対して右足ではなく左足を出したことで難しくなった印象である。
86分には佐川洸介がカットインから左足を狙おうとするも、ここは打たせてもらえず。
失ったところからカウンターを浴び、最後はアブドゥル アジズ ヤクブにシュートを許すも、これは櫛引政敏がブロック。
88分、群馬も最後の交代を使い、天笠泰輝に代えて杉本竜士を投入。
これにより最前線に佐川洸介と杉本が並ぶ形に。
平松は4-4-2の左サイドハーフとなったか。
しかし残り2分+アディショナルタイムという短い時間に杉本を入れて何をさせるつもりなのか?
天笠が左にポジションを移してから良いプレーを見せていたのは事実だが…全体的に交代が遅いのが気になるところである。
負けているわけで…もっと早く縦に仕掛けられる攻撃のカードである杉本を入れても良いと思うのだが…。
こうしてこのまま93分が過ぎタイムアップ。
スコア以上に実力の差を見せつけられる試合となった。
ピックアップポイント
何もない。今季最低のゲーム
表題のコメントは秋葉監督の水戸時代の試合後のインタビューでのコメントだが…この後に「戦う気持ち、勝つ執念、相手をねじ伏せる…全く見れない」と続く。
今日の試合はまさにこのコメント通りと言え、全くもって何も見られない試合となった。
2位につけるチームと最下位のチームということで、実力差があるのは仕方ない部分。
しかし気持ちの部分も大きく負けていた試合であった。
DAZNで「球際強く、切り替え早く、戦う」というのが今季の群馬の…と言っていたように思うが、真逆の「球際弱く、切り替え遅く、戦えない」群馬であった。
個の部分としては乾貴士を筆頭に、宇野禅斗、原輝綺などが特に違いを見せたように思う。
予算等々を考えるとそれは仕方のない部分だが…個の力だけでなくチームとしても大きく負けていたのがこの試合。
監督交代もあったので…とは思うものの、シーズンもこの時期になっているにも関わらず、攻撃でも守備でも「何がやりたいのかわからない」という状況は異常と言えるだろう。
MOM
この試合のMOMは櫛引政敏としたい。
4失点したものの、決定機も何本か防いで見せ不甲斐ない守備陣の中で1人気迫を見せてくれたと言える。
他に触れたいのは天笠泰輝。
左サイドにポジションを移してからは特に良さが出ていたように思う。
試合展開の中でも書いたが、ボランチを2枚補強したこともあり左サイドで起用するのもありかもしれない。
結果が全てのプロではあるが…この大敗の試合の中でも交代で退くまで、最後まで気迫溢れるプレーを見せた数少ない選手だったと思う。
最後に和田昌士の名前を挙げたい。
後半頭から投入され、早々に惜しいシュートを1つ。
その後も技術の高さを随所で見せ、昨シーズンJ3での評価の高さがわかる内容だったと言える。
群馬ではどうにもフィットしていないのか、戦術が合わないのか…今一つ活躍できているとは言えなかったが、やっとらしさを見せたか。
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