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【2024 J2第36節】ザスパ群馬 対 徳島ヴォルティス【レビュー】

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※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

第36節はホームでの徳島ヴォルティス戦。

前節はホームで栃木SCを相手にした北関東ダービーでした。

最下位で降格が決まった群馬と、降格圏で苦しむ栃木ということで…なんともどちらも「降格するチームだな」という感想にならざるを得ない試合だったかと。

今節もホーム戦が続く形となり今シーズン残り3試合ではありますが、これがホーム最終戦。

7節にて今シーズン初勝利となった徳島をホームに迎えてのゲームではあるものの、監督交代もありあの頃の徳島とはもはや別のチーム。

ある意味では立て直した徳島と、立て直せなかった群馬という構図かもしれません。

またホーム最終戦ということで、最終戦セレモニーと細貝萌引退セレモニーも行われる試合。

シーズンは終わらないですが、勝って細貝の引退に花を添えたいところ。

 

今回はそんな徳島ヴォルティス戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 34 小柳達司
36 中塩大貴
37 瀬畠義成
MF 5 川上エドオジョン智慧
6 天笠泰輝
33 細貝萌
44 仙波大志
FW 14 川本梨誉
23 平松宗
28 樺山諒乃介

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 42 石井僚
DF 3 大畑隆也
MF 15 風間宏希
17 山中惇希
FW 7 和田昌士
32 河田篤秀
40 佐川洸介

 

群馬は前節から1枚を変更。

和田昌士に代えて細貝萌を起用する。

こういう言い方はリスペクトに欠けるが…細貝引退ということでのスタメン起用にはなるだろう。(もはや消化試合になっているわけだし)

気になるのは細貝が起用されることでポジションがどうなるのか?

試合開始前は細貝を1アンカーにして、その前に天笠泰輝と仙波大志という4-1-4-1を予想するメディアが多い。

が、自分は天笠泰輝と並べる4-4-2を予想。

仙波大志を左側のFWに入れて、前節の和田のようにトップ下気味にプレーさせるのではないだろうか?

武藤監督の今までを見るとこの形になると思うが…個人的には細貝と天笠を並べるのはどうかという思いも。

どちらも守備能力の高い選手であり、中盤から効果的なパスを供給するタイプではないため…仙波が下がってきて平松宗が孤立するパターンとなりそうな予感。

風間宏希と細貝を組ませるか、仙波と組ませて和田を前に入れる方が良いようにも思うが…。

 

ベンチを見ると田頭亮太と齊藤聖七が外れ、河田篤秀が復帰。

聖七は正直もっと見たかったが…前節の監督インタビューで「ほかの選手のコンディションの影響もあって、ひと枠を使える」というものがあった。

恐らく河田をコンディション不良で外すことになったために、聖七を入れた…ということだったのだろう。

徳島ヴォルティス

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 田中颯
DF 4 カイケ
5 森昂大
18 エウシーニョ
26 青木駿人
MF 13 西野太陽
20 児玉駿斗
28 鹿沼直生
88 渡井理己
FW 9 ブラウンノア賢信
16 渡大生

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 29 三井大輝
DF 22 柳澤亘
MF 10 杉本太郎
17 高田颯也
54 永木亮太
FW 7 チアゴ アウベス
30 坪井清志郎

 

徳島は前節快勝した藤枝戦からスタメンの変更は無し。

ベンチも石尾崚雅に代えて永木亮太を入れるという1枚の変更のみとなった。

 

注目は中盤で攻撃の起点となる児玉駿斗。

簡単に前を向かせず、リズムを作らせないようにしたいところか。

他には最前線の渡大生と、右に入るであろうブラウンノア賢信の攻撃力にも要注意。

特に渡は身体の強さを活かして最前線で起点になれるだけでなく、チーム最多の8得点という数字が示すように得点力もある選手。

ベンチではここしばらくは途中投入が多くなっているようだが…杉本太郎や高田颯也辺りが怖いところか?

流れを変えられる選手だけに、投入のタイミングは特に注意したいところだろう。

試合経過

【0~15分】ボール支配率は低いが群馬ペース

前半は徳島のキックオフでスタート。

気になる並びだったが、やはり細貝萌天笠泰輝とでダブルボランチを構成している様子。

しかし4-4-2を予想していたが…守備でも明らかに仙波大志の立ち位置が低く、4-4-1-1という表現が正しいであろう並びとなっている。

そして徳島は並びの通りだが、攻撃時はかなり流動的に動いているのが特徴か。

主としては左の西野太陽が高い位置を取り、空けたスペースに渡井理己が降りてくる。

その分、鹿沼直生がボランチながら前線に顔を出している形が特徴になりそうである。

 

9分、フリーキックのチャンスは活かせなかったが…そのまま続けてコーナーキックを獲得。

この右からのコーナーも続けて仙波大志が放り込むと、中央ではカイケに競り負ける形となるが、このボールが徳島DFに当たってこぼれる形となり平松宗がチャンスを迎える。

しかし平松のシュートは枠外に外れてしまい…ここは決めきりたかったところ…。

 

10分ほど経った辺りで、どうやら守備の立ち位置が4-4-2となった様子。

キックオフ直後は平松宗仙波大志が守備でも縦関係になっていたが、この時間帯は仙波も最前線までプレスをかけに行っており2枚が並ぶ形に。

とは言っても基本的にはまず平松がプレスに行き、仙波は背中で児玉駿斗へのパスコースを消しながら…という形ではあるか。

 

13分、児玉駿斗からのロングボールは川上エドオジョン智慧が頭でインターセプト。

しっかりと頭で細貝萌に繋ぐと、これを小柳達司に落としてから一気に前方にロングフィードする。

平松宗森昂大の競り合いはに軍配が上がるが、セカンドを回収したのは樺山諒乃介

絶妙なタッチで児玉をかわしてドリブル突破を狙うが、ここはの出足の良さと鹿沼直生の戻りの早さで挟まれてしまう。

しかしこぼれ球は天笠泰輝が回収し、ドリブルで持ち上がりミドルシュートを狙っていく。

キーパー手前でワンバウンドする良いシュートだったが、コースが甘くキーパー正面となってしまったのは悔やまれるところか。

 

14分、徳島の攻撃だったが川本梨誉が良いチェイスでボールを奪取。

仙波大志に繋ぐと、ここから一気にDFライン裏へのスルーパスが送られる。

完全に平松宗が抜け出した形となったが…カイケの戻りも早くシュートは打たせてもらえず。

キープから落としを選択し川本が直接狙っていくが、森昂大青木駿人と2枚が身体を投げ出したのが目に入ったか…枠を大きく上に外れてしまう。

仙波から平松にパスが出ることをは読んでいたように見えたが、楔を入れるパスを予想しておりインターセプトしに前に出たところ…その裏をかくようなカイケの間を通す素晴らしいスルーパスだった。

できれば平松にはそのままシュートまで持ち込んで欲しいところだが、足の速いタイプの選手ではないこともあり…これは失わずに綺麗に落としたところを評価するべきか?

裏抜けも上手いタイプではあるが、真骨頂としてはもう少しゴールまで距離が短いところでの裏抜けだろう。

 

こうして試合序盤は徳島がボールを保持して進めるも、群馬としても持たせている形であり想定内。

しっかりと狙い所からボール奪取し攻撃を完結させており、やりたいことができているのは群馬の方…という時間となった。

【15~30分】改善されないコーナーキック

23分、森昂大から良い位置で渡井理己がボールを受ける。

少しドリブルで運んでから左サイドの西野太陽に広げると、西野は縦に勝負しグラウンダーのクロスを供給。

やや合わなかった印象だったが、降りてきた渡大生が丁寧に落として渡井がシュートを放つ。

細貝萌小柳達司がシュートブロックに入るが、小柳の股下を抜く素晴らしいシュートだった。

しかしこのシュートは櫛引政敏がしっかりと面を作ってブロック。

こぼれ球も自ら素早く回収しピンチを脱する。

 

このプレーの後に、どうやらクロスを上げた西野太陽が負傷した様子。

ピッチに座り込むと担架が要請され、メディカルスタッフが入ると早々に×サインが出されてしまう。

リプレイを見ると…川上エドオジョン智慧が飛び込んでいるが、クロスのコースに滑っており接触はしてなさそうな感じ。

西野もプレーで倒れたりはしておらず、クロスを上げた際に足に無理がかかっての…非接触での筋肉系のトラブルと思われる。

長引くパターンが多い怪我の仕方だけに…大事無いことを願いたい。

25分、西野の怪我の処置に時間がかかったこともあり、プレーが再開するまでに交代が成立。

西野太陽に代えて高田颯也が投入される。

 

29分、交代したばかりの高田颯也が左サイドを突破してクロスを供給。

これは渡大生が頭には当てるも、大勢が悪くゴールには送れず…そのままファーサイドへ。

ここは川本梨誉が胸でコーナーキックに逃げる選択をすることになった。

川上エドオジョン智慧はこの短時間で西野太陽高田と完全に守備対応で負けている…。

持ち味が攻撃の選手でもあるので、試合を通していかに守備の時間を減らして攻撃の時間を増やせるか…となるだろう。

 

30分、このコーナーキックを蹴るのは渡井理己

ニアに送られたボールは渡大生が頭でファーに逸らす。

ファーサイドで青木駿人が足で折り返すと、ゴール前で鹿沼直生が太ももで押し込んで先制。

群馬DF陣はハンドをアピールするも、これはゴールの判定となった。

恐らく最後の鹿沼の押し込んだところだと思うが…リプレイで見る限りでは手には当たっていなそうである。

相変わらずコーナーキックの対応が改善されず…ニアに入り込んだ、更には大外で青木とほぼフリーで2回触られている。

群馬のセットプレーの守備対応は完全に攻略されており、どのチームとしても得点チャンスとして事前に準備されているのだが…このまま改善されずにシーズン終了となりそうだ…。

【30~45分】失点から流れは徳島へ

34分、川本梨誉から前線に送られたボールは平松宗には収まらず森昂大に潰されてしまう。

しかしセカンドを細貝萌がダイレクトで仙波大志に繋ぐと、仙波からもダイレクトで右サイドを抜け出した樺山諒乃介にスルーパスが送られる。

先ほどの平松宗が抜け出したシーンほど攻撃有利な状況では無かったが、良い形で抜け出したものの…戻った高田颯也が良いタイミングで身体を寄せて打たせず。

打てなかったためにもう一つ持ち出した形となり、シュートの角度が無くなったこともあってか…右足で放ったシュートは枠の上に大きく外れてしまう。

理想を言えば仙波のスルーパスはもう少し速さがあるか、もう少しプラス方向であれば一気にゴール前に迫れたのだが…。

とは言えこの時間までに決定機を2つ作り出したスルーパスの能力はさすがの一言。

トップ下で水を得た魚のように躍動しているが、前線が平松1枚でやや孤立気味ではある(仙波の位置がやや低い)

そのためこのシーンのように、右は樺山、左なら川本ももっと高い位置を取れるようになれば厚みが出てくるだろう。

 

40分、今度は逆に森昂大からエグい楔の縦パスが送られるが…これは渡大生が収めきれず。

42分には左サイドの高田颯也からのクロスにが飛び込むが枠の外に外れてくれる。

このシーンでも顕著だったが…誰も高田に行けておらず、失点から守備対応に迷いが見られている様子。

徳島が流動的に動いている…という部分は大きいが、ボールホルダーに誰が行くのかが徹底されておらずノープレッシャーでボールを持たれるシーンが目立つ。

念のため…高田には本来川上エドオジョン智慧が行くべきなのだが、このシーンでは外を回った選手がいたためにエドはそちらのカバーで行けず。(エドが悪いということが言いたいわけではない、ということ)

 

47分、細貝萌がスルーパスを狙うが…これはインターセプトされてしまいカウンターを浴びることに。

高田颯也が一気にゴール前まで持ち込み左足を振るが、これは櫛引政敏が良いセーブを見せてコーナーキックに逃れることに成功する。

 

こうして失点から守備に迷いが出たか…序盤とは変わり群馬が後手後手を踏むような形で前半が終了する。

【45~60分】開始早々の失点

後半は群馬のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの交代は無くリスタートとなった。

 

45分、左サイドを高田颯也が深く侵入し、一度児玉駿斗にリターン。

児玉は少し中に運んでから逆サイドのエウシーニョに展開。

エウシーニョがダイレクトでこれをゴール前に送ると、渡大生が競り勝ちブラウンノア賢信に繋ぐ。

ブラウンノア賢信小柳達司を背負ったまま強引に前を向きシュートを放つが、これは小柳がブロック。

こぼれ球を渡井理己が拾い強烈なシュートを放つも、ここは櫛引政敏が足でセーブを見せる。

しかしこのこぼれ球がに当たり、そのこぼれ球をブラウンノア賢信に詰められて追加点を許してしまう。

ハーフタイムで修正案を話し合い、後半に向けてプランを立てたであろうが…全てが無駄となったであろう後半早々の失点となった。

今シーズンはこういったキックオフ直後の失点も目立つ印象がある。

 

50分、左サイドを高田颯也が突破しクロスを供給。

これは小柳達司がブロックするが、こぼれ球を渡井理己が上げ直す。

これが渡井に対応した天笠泰輝の手に当たるがノーハンドの判定。

再び回収した渡井が良いタッチでDFを剥がすと、それを奪うような形で渡大生がシュートに持ち込む。

これは櫛引政敏がセーブするが、こぼれ球をエウシーニョが右足で狙うも…アウトサイドにかけ過ぎて外からサイドネットを揺らす形となった。

かなり疑惑の判定となりそうだが…一応、判断としては至近距離過ぎる…ということなのだろう。

ただし天笠の手はだいぶ開いていたこともあり、これはハンドでPKを取られていても文句は言えないか。

ちなみにこの試合はどうにも笛が群馬寄りであり、徳島の選手やベンチがフラストレーションを抱えているように見える。

 

このプレーの後、ゴールキックでの再開前に群馬ベンチが動く。

細貝萌に代えて和田昌士を投入するが、一旦ゲームが止まり両チームの選手・スタッフでピッチアウトの花道を作るという異例の光景。

海外では割とよく見るがJリーグでは珍しいのではないだろうか?

この辺りは後ほど。

和田が入ったことで仙波大志がボランチに降り、和田はFWに入ることとなる。

 

54分、川上エドオジョン智慧が右サイドを深く侵入しクロスを送る。

高く上がったクロスだったが、これを川本梨誉がDFを背負う難しい形でボレーを放つも上に浮いてしまう。

この試合やっとエドが高い位置を取れたか?

どうしても守備よりも攻撃に持ち味がある選手だけに…この試合は守備で負けるシーンが目立ってしまっていた。

チーム全体で彼の守備負担を減らして攻撃の時間を増やせるようにならないと…右SBでエドを使うのは難しくなってしまう。

和田が投入されてからはエドが高い位置を取れており、どうやら攻撃時は明確に後ろ3枚となった様子。

 

58分、左サイド裏のスペースで和田昌士中塩大貴からボールを引き出す。

縦に仕掛けてクロスモーションからDFを剥がし、右足でファーサイドにクロスを送り込むと、ここに川上エドオジョン智慧が飛び込むも…深く当て過ぎたかこのヘディングは下に飛んでしまい枠も外れてしまう。

このシーンは残念だったが、しかしエドはやはりこういった攻撃参加が持ち味。

何度も繰り返しになるが、いかに攻撃の時間を長く作れるか…が大事になるだろう。

【60~75分】前がかりになったか?裏を取られることが増えた時間

67分、両チームが同じタイミングで交代に動く。

徳島は渡井理己に代えて杉本太郎渡大生に代えて坪井清志郎を投入する。

群馬は樺山諒乃介に代えて山中惇希平松宗に代えて佐川洸介を投入する。

この交代だが、徳島としては群馬ボールのセットプレーが続いたこともあり、準備完了から投入まで長く待った形となった。

これにより山中が左サイドに入り、川本梨誉が右サイドに移ることとなる。

 

69分、杉本太郎のスルーパスに坪井清志郎が抜け出すが…シュートだったか折り返しだったか…とにかくこれがミートせず。

シュートコースに入った櫛引政敏はかわすボールとなったが、これは戻った瀬畠義成が回収して難を逃れる。

 

70分、自陣でボールを回していた徳島だったが、最終ラインに降りた児玉駿斗から右サイド裏にスルーパスが送られる。

ここにエウシーニョが抜け出すと、ゴール前にはブラウンノア賢信が入り込み、対応出来たのは中塩大貴1枚と数的優位を作る。

しかし中塩が絶妙な位置にポジションを取り、ブラウンノア賢信への横パスを切る。

時間を作り味方の戻りを確認してからエウシーニョとの距離を少し詰め、ドリブルとシュートを切るという素晴らしい対応を見せた。

エウシーニョは出せず打てずの状態とされたため、キープからマイナスへの落としを選択。

中央ペナルティエリアやや外で坪井清志郎がシュートを放つも、これはわずかに右に外れていくこととなった。

【75~90分】今一つ気持ちが見えない終盤の時間帯

80分、両チームが再び同じタイミングで動く。

徳島は青木駿人に代えて永木亮太エウシーニョに代えて柳澤亘を投入する。

群馬は川本梨誉に代えて河田篤秀仙波大志に代えて風間宏希を投入する。

これで両チームともに交代を使い切ることとなる。

 

87分、カイケからのロングボールは瀬畠義成がインターセプト。

回収した中塩大貴から小柳達司へのパスがズレてしまい杉本太郎に回収されてしまう。

杉本は右の坪井清志郎、左に流れていくブラウンノア賢信と選択肢があったが…自らのミスを帳消しにするべく中塩が猛ダッシュを見せて坪井へのコースを消す。

それもあってか左にスルーパスを送るが、対応した小柳達司、戻った川上エドオジョン智慧とで挟み回収…かと思ったがブラウンノア賢信がなんとかマイボールに。

これを児玉駿斗に落として、ミドルシュート…と見せかけたところから再びブラウンノア賢信へ。

シュートは枠の上に外れて行ったように見えたが、どうやら櫛引政敏がワンタッチしたようでコーナーの判定となった。

 

92分、群馬のゴールキックは櫛引政敏がロングフィード。

その前が徳島のコーナーキックだったこともあり、素早いリスタートでカウンターに近い形を作る。

左サイドに流れていた河田篤秀が頭で山中惇希に落とすと、山中が頭か肩か?で前方のスペースに大きくトラップして抜け出そうとする。

しかしこれは立ち位置的にも河田の方が近かったこともあり、河田が回収し山中はゴール前に進路を変える。

河田からの浮き球を山中がトラップでコントロールしようとするが、そのトラップ際を見逃さず児玉駿斗がクリア。

こぼれ球は佐川洸介が回収しシュートを打とうとするが、このトラップ際のボールをクリアにいった永木亮太が空振りとなり佐川を蹴ってしまいファールの判定。

PKかとも思ったが、判定はやや外からのフリーキックということに。

リプレイを見てもしっかりと外でありナイスジャッジだったのだが…その後の壁の位置で徳島の選手達とやや揉めてしまう。

壁の位置が遠すぎる…ということと思われ、特にゴールキーパーの田中颯が激しく抗議しているが…9.15mなのでまぁ妥当な位置だろう。

どちらかと言うとこの試合を通してやや群馬寄りのジャッジということで、徳島の選手達に主審に対する信頼が無い…と言った方が正しそうである。

このフリーキックは佐川洸介が直接狙っていくが…壁に当ててしまい、こぼれ球もスローインに逃げられてしまう。

 

最後はゴール前にハイボールを入れたところを跳ね返され、カウンターを浴びるが…なんとかシュートをブロックしてコーナーキックとなったところで試合終了の笛。

選手達は一生懸命やっているのだろうが…どうにも最後の時間帯は1点でも返してやろう、一矢報いてやろうという気概を感じない展開となった。

シーズンを通しての課題も解決されず、まさに今シーズンを象徴しているかのような試合内容となり…細貝のセレモニーマッチを飾ることができなかった。

これによりホームわずか1勝というとんでも記録が確定したわけだが…シーズンはまだ2試合残っている。

少しでも良い形でシーズンを終えたいものである。

ピックアップポイント

細貝萌引退

この試合の前に細貝萌の引退と、佐藤亮の怪我具合がチームからリリースされている。

先に佐藤の怪我に触れるが、右太腿二頭筋損傷の一言のみでありいつの怪我なのか、更には離脱期間も未発表。

しかし恐らく第25節の甲府戦での負傷交代のものと思われ、これまた予想だが…このまま一足先にシーズン終了となるだろう。

果たして来シーズン佐藤は残るのか移籍となるのかわからないが…とにかくしっかりと怪我を治して帰ってきてほしいものである。

 

さて細貝の引退についてだが、ホーム最終戦でセレモニーが行われること、本人のコメントはセレモニーとシーズン公式戦終了後に開催予定の記者会見で語られる…と報道されていた。

当然気になるのは引退後どうするのか?群馬に関わってくれるのか?ということ。

実は試合前に報道された群馬テレビのニュースでは、前橋育英の監督でありザスパの会長でもある山田耕介監督のコメントがあった。

そこに「20年というキャリアで得た経験をザスパのために活かしてほしい」と書かれており、引退後もザスパに関わるのではないかという期待感が。

セレモニーでは今後について明確なことは語られなかったが、ゴール裏で語った話では「大好きな場所で、自分らしく新たな事に挑戦したい」というコメントが。

これは本当に期待してしまう。

 

今節では久々の先発となり、キャプテンマークを巻いてプレー。

今シーズンはリーグではわずか3試合。

どれも終盤に出場しており、トータルでプレー時間も18分となっており…途中出場の難しさもあってか輝きは見られなかった。

しかしこの試合ではしっかりと細貝らしさを見せてくれたように思う。

52分で途中交代となったわけだが、正直この展開でなければもう少し引っ張っただろうと予想。

それは決して記念試合の忖度ではなく、プレー内容を考えても妥当ではないだろうか?

2点差を追う展開となったために、守備に定評のある選手に代えて攻撃的な選手を入れる…という判断となったと言える。

 

この交代では両チームの選手・スタッフ、更には審判団と花道を作ってのセレブレーションとなったが、負けている展開ということもありやや足早にピッチを去った姿が印象的だった。

本当はもっと悠々と、色々な気持ちを噛みしめながらピッチアウトさせてあげたかったところ。

勝っている展開であれば…それはそれで徳島としてはたまったものではなかっただろうが…。

 

ホーム戦がこれで終わりということで、こういったセレモニーがあったわけだが…シーズンはまだ残り2試合。

果たして残り2試合で細貝が起用されるのかはわからないが…少しでも良い形でキャリアの最後を締めてもらいたいところ。

そして引退後もザスパに残ってほしいところである。

 

余談ではあるが…「引退を群馬で」という本人の言葉があったが、それを聞くともっと早く加入させられなかったかと考えてしまう。

そもそも細貝の加入自体が「まさか来てくれると思っていなかった」というものであり、細貝側からの逆オファーだったのは有名な話。

しかし常にザスパのことを気にかけてくれていた細貝であり、群馬で引退したいという強い気持ちがあったと聞くと…柏レイソル退団時にオファーしていれば来てくれたのでは無いかという思いも…。

タラレバではあるが…それであればもっと違う形で、最後のシーズンがJ3降格なんて形ではなく引退させてあげられたかと思ってしまう。

MOM

この試合のMOMは仙波大志としたい。

前半は決定機を演出するスルーパスを2本繰り出し、持ち前のパスセンスを発揮してくれた。

やはり本職はトップ下であろうと思われ、こういったチャンスクリエイトが得意な選手なのだが…どうにも守備に重い群馬だと起用法に疑問は残るのは事実。

仙波本人のプレーだけを見るとトップ下がベストかと思うのだが、この試合でも平松宗が孤立気味であったりと…チーム全体を見るとボランチでの起用がベストになりそうである。

レンタルであり来シーズンはいない可能性が濃厚なだけに、残り2試合でも仙波のセンスを堪能したい。

 

そして途中出場ではあったが、和田昌士もここ数試合ずっと好調が続いている印象。

それだけに…もっと早くフィットしてほしかったが…。

 

最後に今後の期待も込めて山中惇希の名前も挙げたい。

92分のチャンスシーンでは、櫛引政敏のゴールキック時にはほぼ群馬ゴール前にいた。

そこから猛ダッシュで駆け上がり、河田篤秀との関りでゴール前に迫るプレーを見せてくれた。

途中出場であり、スピードを武器にした攻撃的なプレーヤーであるため当たり前に求めたいことではあるが…その当たり前を当たり前にやったことは評価されるべきだろう。

23歳と若手…とは言えなくなってきているかもしれないが、J3ではこのように若くてガンガン仕掛ける選手が活躍している印象がある。

是非とも来シーズンも群馬に残ってもらい、左サイドを無双する姿を見せてほしいところ。

そしてそれを自信に、J2でも活躍できるサイドアタッカーに育ってほしいと思う。

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