※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
第35節はホームでのいわき戦。
前節の長崎戦では先制したものの逆転を許し敗戦…。
引き分けが多かったのは事実ですが、長らく負けなしできていたところに久しぶりの敗戦という形に。
ということで今節最も大事になるのは「連敗しない」ということになるでしょう。
しかし対戦相手であるいわきの順位や、ホームゲームであることを考えると、勝ち点3を取りに行くゲームとも言えるでしょうか。
今回はそんないわきFC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
24 | 酒井崇一 | |
MF | 10 | 佐藤亮 |
15 | 風間宏希 | |
36 | 中塩大貴 | |
38 | 天笠泰輝 | |
47 | 杉本竜士 | |
FW | 7 | 川本梨誉 |
23 | 平松宗 | |
29 | 田頭亮太 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
MF | 6 | 内田達也 |
FW | 9 | 北川柊斗 |
13 | 武颯 | |
14 | 白石智之 | |
39 | 高木彰人 |
群馬は前節から2枚を変更。
再び川本梨誉が先発に戻り、武颯はベンチスタートということに。
そして右サイドバックに初スタメンとなる田頭亮太が入ることに。
川上エドオジョン智慧がベンチにもいないということで、怪我やコンディション不良というアクシデントだとは思うが…これまで少ない時間ながら2試合に出場し可能性を見せていただけに、田頭にとってはチャンスと言えるだろう。
またメンバー外と言えばいつもベンチにいる山中惇希も外れており、高木彰人がベンチ入り。
ここも恐らく何かしらのアクシデントだと思われるが…エドにしろ山中にしろ次節に戻ってくることを祈りたいところ。
いわきFC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 高木和徹 |
DF | 4 | 家泉怜依 |
6 | 宮本英治 | |
8 | 嵯峨理久 | |
35 | 江川慶城 | |
MF | 14 | 山口大輝 |
19 | 岩渕弘人 | |
20 | 永井颯太 | |
24 | 山下優人 | |
33 | 下田栄祐 | |
FW | 11 | 有田稜 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 鹿野修平 |
DF | 2 | 石田侑資 |
16 | 河村匠 | |
MF | 22 | 加藤悠馬 |
FW | 10 | 有馬幸太郎 |
17 | 谷村海那 | |
18 | 吉澤柊 |
いわきは前節から2枚を変更。
予想は3-4-2-1であったが、始まってみると4-1-4-1を採用。
山下優人が左サイドバックに入る形となった。
注目はやはり前回対戦で2得点を挙げている、最前線の有田稜だろう。
いわきは夏にあまり動きがなかったこともあり、顔ぶれとしては前回対戦と大きな変更は無い。
しかしながら監督が変わったこともあり、その辺りの影響がどう出るか…。
試合経過
【0~15分】開始早々にチャンスを作り出す
前半は群馬のキックオフでスタート。
開始早々の0分、右サイドのスローインで田頭亮太がロングスローを前に放り込む。
これは相手に頭でクリアされてしまうが、こぼれ球を天笠泰輝が頭で前線に。
平松宗が頭で後方にフリックすると、杉本竜士が回収しドリブルで前に運ぶ。
川本梨誉が杉本の前を横切る形で左に流れると、杉本からDF裏にスルーパスが通りそれをダイレクトでシュート。
しかしこの左足は枠の左に外れてしまう。
動きは非常に良かっただけに、このシュートは何とか枠内に送りたいところだろう。
4分、平松宗と家泉怜依が接触し家泉が負傷。
コンタクトを見るとファールでは無さそうだが…遅れて笛が吹かれ、リスタートを見るとどうやら平松のファールの判定の様子。
家泉が倒れていたために止めたのかと思ったが、平松のファールか…。
結局この試合は最後まで何となく判定の基準が定まらない印象であった。
10分、左サイドで杉本竜士がファールを受けるとクイックリスタート。
中央を経由して右サイドにボールを広げると、佐藤亮がクロスを送り平松宗がゴールを背負った形で受けて風間宏希に落とす。
受けた風間は左サイドの杉本に広げるが、杉本のシュートは家泉怜依にブロックされてしまう。
佐藤からのクロスということで…ボールの出どころとゴールを背負う形でプレーということを考慮すれば仕方ないが…平松が自身の裏のスペースでフリーになっていた杉本を感じていれば面白かったかもしれない。
風間を経由せずに直接裏に落とせれば…というシーン。
13分には佐藤亮から田頭亮太と右サイドを広げ、田頭から良い縦パスが入る。
これを川本梨誉が相手DFとぶつかり合いながらもマイボールにして抜け出すことに成功。
早めに中に折り返す選択をするが…これは誰にも合わず、非常にもったいない形になってしまう。
しかし開始早々の15分で群馬がこれだけ自分達の時間を作り出したのはいつ以来だろうか?
【15~30分】セットプレーからの先制弾
20分、右からのコーナーキックを獲得するとキッカーは風間宏希。
中央に送られたボールをドンピシャで城和隼颯が合わせるも…これはわずかに枠の左に。
今シーズンはシーズンを通して風間から抜群のボールが入り続けており、セットプレーは本当に期待感が高い。
城和も非常に良い入り方をしており、スタメンが続いているここ数試合で惜しいシーンは作り出しているだけに…得点が欲しいところ。
特にポジション争いのライバルである畑尾大翔が、セットプレーの鬼とも言える存在なだけに…。
22分、群馬のスローインだったが…早いタイミングで奪われてしまう。
一度後方の江川慶城に下げると、プレスにきた川本梨誉を綺麗にいなすと左足でロングフィード。
これは田頭亮太が競り勝つが、こぼれ球を山口大輝に拾われダイレクトで有田稜へ。
有田がワンタッチで右に持ち出し、ペナルティエリアやや外から右足を振り抜くと…このシュートがクロスバーを直撃。
跳ね返りは杉本竜士が回収し難を逃れるが…確実に1点を失っていてもおかしくないシュートであった。
26分には左サイドを深く抉られてクロスを上げられる。
有田稜が頭で合わせるが、これは難なく櫛引政敏が正面でキャッチ。
このシーン自体にはさほど危険度は無いが、開始早々の群馬の時間から徐々に流れが変わってきている印象を受ける。
しかし29分、ファールでフリーキックを獲得すると、このセットプレーは防がれてしまうが左サイドでコーナーキックとチャンスが続く。
左からのコーナーということで、こちらのキッカーは佐藤亮。
ややニアに送られたボールに酒井崇一が飛び込むが触れられず…。
後方に抜けたボールが城和隼颯か山下優人か…どちらも反応できずに当たった形になりボールはやや上方に浮く。
これを中塩大貴が左足ボレーで直接ゴールに叩き込んで先制に成功。
ディフレクションに近いボールと言えるが、いち早く反応しFW顔負けの見事なシュートを中塩が放ってくれた。
【30~45分】スコアが動きやや停滞した時間に
ここ数試合とは違い前半のうちからチャンスを作り出せていた群馬だったが、セットプレーとは言えこの良い流れの時間帯に先制に成功。
それもあり、ややゲームが落ち着き大きな動きが無い時間帯となる。
42分、左サイドでコーナーキックを獲得すると、再びこちらサイドは佐藤亮がキッカーとなる。
ファーに送られたボールを風間宏希が下がりながら合わせるが…これはインサイドで当てるに留まりやや力なくキーパーに収まってしまう。
バックステップかつ左足ということで難しいボールにはなったが、振り切って枠にいけば…というシーンではある。
やや距離はあったが後方には田頭亮太が余っており、もう少し落下点も後方にして田頭が狙うというパターンでも面白かったかもしれない。
46分、いわきが群馬ゴール前まで迫るも、ここはDF陣が各々良い対応をしてシュートは打たせず。
ボールはそのまま抜けて櫛引政敏がキャッチして攻撃を終わらせることに成功。
今シーズンの群馬を象徴するように、硬い守備でしっかりと前半を締めリードしたままハーフタイムを迎えることとなった。
【45~60分】交代カードを使ういわき
後半はいわきのキックオフでスタート。
追う展開となったいわきがハーフタイムで動き、江川慶城に代えて石田侑資を投入する。
とは言えCB同士の交代であり、どちらかと言うとアクシデント的な要素の方が可能性が高いか?
57分、カウンターのチャンスを迎えるが…佐藤亮からのパスを受けた杉本竜士のトラップが少し長くなってしまう。
ここで奪われひっくり返されるとボールは有田稜と山口大輝を経由して、右サイドの嵯峨理久に送られる。
嵯峨のクロスに山口が飛び込み頭で合わせるが、これは枠の外に外れて助かる形となる。
カウンターのチャンスで前がかりになっていたところをひっくり返されただけに、これはなかなか危険なシーンであった。
59分、いわきが交代に動き永井颯太に代えて加藤悠馬、山口大輝に代えて吉澤柊を投入する。
決定機らしいピンチは先ほどのカウンター返しくらいしかないものの…後半の入りはいわきの時間となっている印象。
先制したこともあり、少し重心が後ろに行っているのだろうが…守備でも狙い通りとは言えずに後手後手でなんとか対応しているように見えるのが気になるところか。
【60~75分】攻めるいわき、カウンターの群馬
61分に群馬も交代に動き、佐藤亮に代えて北川柊斗、杉本竜士に代えて白石智之を投入。
個人的に佐藤はもう少し引っ張りたかったが…。
役割は多少異なるものの、両サイドハーフを同時に入れ替えることとなった。
また今節は山中惇希がベンチ外ということもあり、白石が久しぶりにサイドハーフで起用されるとも言える。
66分、左サイドを使って攻撃を組み立てる。
ロングスローを平松宗が引き出すとキープして白石智之へ。
風間宏希もフォローに入り攻撃を組み立てるが、一度後方の中塩大貴に戻す。
中塩から川本梨誉にボールが入るが、ここで川本が奪われてロスト…。
中塩が高い位置を取っていたこともあり、この裏のスペースを岩渕弘人に使われるが城和隼颯が良いスプリントを見せプレッシャーをかける。
結果岩渕のクロスは精度を欠き、これは難なく櫛引政敏がキャッチして攻撃を終了させることに成功。
プレーには関わっていないが、自分のスペースを埋めるために中塩も猛烈なスプリントで戻っているところも評価したい。
69分、いわきが交代カードを使い、岩渕弘人に代えて有馬幸太郎を投入。
71分、群馬右サイドを深く抉られるもグラウンダーのクロスは城和隼颯が跳ね返す。
このこぼれ球を北川柊斗と山下優人が競り合うが、ボールは山下が保持。
一度後方の加藤悠馬に下げると、加藤がミドルシュートを狙う。
強烈なシュートだったが、これは櫛引政敏が正面でパンチングで対応。
こぼれ球を嵯峨理久が回収し、ゴール前に送り込むも…このクロスは櫛引が完全に読み切っておりしっかりとキャッチ。
このシーンでも現れているが…とにもかくにも北川の守備対応が悪い。
山下から加藤に下げられたボールも北川が二度追いするべきで、もっとしっかりとプレスをかけないとダメ。
結局プレスが甘いためにミドルシュートを打たれると判断した天笠泰輝がシュートブロックに飛び出している。
北川は本当にこういったマークの受け渡しが絡むところでの守備対応が悪く、ボールがあるところではこのようにプレスが甘く…ボールが無い側では受け渡したことで飛び出した選手の空けたスペースを埋めていない。
とは言え北川はFWの選手であり、百歩譲ってサイドハーフまでは良いとしても…ウィングバックとして起用されて守備が悪いと言われるのも酷ではある。(今日の5-4-1では右サイドハーフだが)
当然大槻監督を始めとする指導者陣が北川の守備問題を認識していないとは思えず、リスクを分かった上で起用しているのだとは思うが…。
72分には群馬も動き、風間宏希に代えて内田達也、川本梨誉に代えて武颯を投入。
74分、こぼれ球にいち早く天笠泰輝が反応。
嵯峨理久をショルダーtoショルダーで弾き飛ばすとそのまま左サイドを駆け上がっていく。
ニア…と言うかフォローに平松宗が、ゴール前に武颯が入り込むと、天笠は中央の武を選択。
このクロスはわずかに合わず武のところは抜けてしまうが、その奥で北川柊斗が左足ボレー。
しかし抑えが効かずにこのシュートは枠を大きく外してしまう。
天笠は本当に逞しくなったと思うが…武にピンポイントで合っていれば…。
そして北川はFWらしく、こういったところにしっかりと詰めているのはさすがの一言。
特にこのように逆サイドから放り込まれるボールへの入り方が上手く、シュートまでは行くだけに…あとは最後の精度のところ。
75分、先ほどの天笠泰輝との接触で痛めていた嵯峨理久がそのまま負傷交代となり、谷村海那が投入される。
接触自体はノーファールの判定であり、リプレイを見てもノーファールで間違いないと思うが…足を付いた際に痛めたか?
結構痛がっており、抑えている場所を見るとアキレス腱か?
何にせよ谷村が大きな怪我では無いことを願いたい。
【75~90分】守りに入るのが早過ぎる気もするが…逃げ切りに成功
72分に行った交代移行、5-4-1気味にシフトしている群馬。
武颯を頂点に残し平松宗が左サイドに移動といういつものパターン。
これにより2列目は右から北川柊斗、天笠泰輝、風間宏希、平松ということに。
最終ラインは右から田頭亮太、酒井崇一、城和隼颯、中塩大貴の4枚に白石智之が加わっての5枚。
70分を過ぎた辺りから…平松が結構キツそうに見える。
彼は本当に献身的に良いプレスをかけてくれているだけに、そろそろスタミナ面が厳しくなってきているだろう。
またリードしている展開ということもあってか、重心が後ろに重く防戦一方となっている。
クリアボールが前線で全く収まらず、相手ボールとなる時間が続き…攻撃が切れないことも群馬の選手が休めない理由の1つか…。
武颯のところでもう少し収まると楽になるが…さすがに1枚では厳しいところ。
82分、群馬が最後の交代を使い、平松宗に代えて畑尾大翔を投入。
前のように畑尾大作戦かとも思ったが、最前線には武颯がいることもあり最終ラインに。
これで後ろは田頭亮太、酒井崇一、畑尾大翔、城和隼颯、中塩大貴の5枚に。
最終ラインにいた白石智之が1つ上がって平松のいたポジションに入ることとなる。
この5-4-1の役割を考えると、左は平松よりも白石の方が適任ではあるが…今日の白石は気合が空回りか…ちょっとボールロストが多いのが気になるところ。
武をフォローしてボールを受け、個人の力で前に運ぶのが役割なのだが…仕掛けたところで引っ掛かってしまうシーンも。
ここでカウンターの起点となれれば最後までいわきに怖さを与え続けることができたのだが…この辺りは今後の課題と言えるだろう。
こうして6分という長いアディショナルタイムも耐えきり、しっかりと勝ち点3をつかみ取ることに成功した。
ピックアップポイント
結果が全て
プレー面での気になることはだいたい試合展開で書き切ってしまったので、今回は大槻監督のインタビューを取り上げたいと思う。
切り取ると「面白いゲームではなかったが、今日大事なのは勝ち点3」ということ。
これは本当にその通りで、プレーオフが見える位置かつ残り試合数を考えていくと…何よりも結果が大事になってきている。
内容が良い事は大事だが、こういった内容でも勝てるようになったのが今シーズンの大きな成長と言える。
本当に今シーズンは負け試合を引き分けに、分けの試合を勝ちに持っていけるパワーがあり、それが現在の順位に表れていると言えるだろう。
とは言え課題は多く、「割り切って点を取られないように舵を切った」とは言え…完全に狙い通りに守れていたかと言えば疑問も残る。
言い方が適切かはわからないが、いわきの精度不足に救われたシーンも目立ち…上位が相手であれば逃げ切れなかった可能性も高そうである。
そして追加点が取れなかったのも課題と言え、この辺りも監督のインタビューで色々と語られている。
今日のゲームはハッキリ言ってしまえば面白くないゲームだったが、大槻監督の中ではやるべきことはしっかりやった結果となっているであろう。
用意してきた様々なプランの中の1つにはしっかりと収まったことがインタビューでは感じられ、試合直後にもかかわらず良かった点悪かった点が分析されているのも素晴らしいの一言。
ゲームを見返せばしっかりと色々気付くものだが、ゲーム直後に…しかも上からではなくベンチからでと言うのが素晴らしい。
監督のインタビューはいつも面白く、試合後には公式ホームページでも公開されているので是非とも読んでいない方は読んでほしい。
何度も書いている気がするが、来シーズンに向けて最初にやることは…大槻監督の続投を決定させることだろう。
MOM
この試合のMOMは中塩大貴としたい。
値千金の決勝点はもちろん、攻守に渡り良いプレーを見せていたと言って良いだろう。
前節は危険なパスミスが目立ったが、今節はそこも改善されていたのが見える。
そして次点は櫛引政敏だろうか?
神がかったセーブ…というのは今節は無かったが、要所要所で守護神らしさを見せてくれ無失点に大きく貢献したと言える。
そして初スタメンからフル出場となった田頭亮太。
課題は攻撃面にあるように見えるが、試合を通して決して悪くはなく上々の評価と言って良いだろう。
このフル出場という経験から、更に大きく成長することに期待したい選手である。
それと個人的に高く評価したいのが天笠泰輝。
目立つのは74分のカウンターでボールを運びクロスを上げきったことだが、ここ最近の彼は本当に試合終盤まで攻守でスプリントしてくれるのが印象的。
試合経過のところでも書いたが、「逞しくなった」という表現が本当に合っている。
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