※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第10節はアウェーでのレノファ山口戦。
お互いに今いる順位がよくわかるような消極的な北関東ダービーを終え、1週間空いてアウェーの地に乗り込む形になります。
山口と言えば…あまり良い思い出が無いような手ごわい相手ですが、そんな山口もやや苦戦中となるでしょうか?
ホームでは第2節の秋田戦以来勝利が無く、直近の2試合もホームの熊本戦は敗戦、アウェーの栃木戦はドローという結果になっていますね。
とは言っても群馬とは比べるまでもなく…。
なんとかこのアウェー山口戦で良い戦いをして、状況を好転させたいのが群馬となるでしょうか。
今回はそんなレノファ山口戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※普段はホームチームを左側にしますが、メインスタンド側からのアングル通りで表記します。
レノファ山口FC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 関憲太郎 |
DF | 3 | ヘナン |
6 | キム ボムヨン | |
15 | 前貴之 | |
48 | 新保海鈴 | |
MF | 10 | 池上丈二 |
18 | 相田勇樹 | |
20 | 河野孝汰 | |
68 | 野寄和哉 | |
FW | 9 | 若月大和 |
24 | 梅木翼 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | チェ ヒョンチャン |
DF | 13 | 板倉洸 |
MF | 16 | 吉岡雅和 |
28 | 小林成豪 | |
55 | 五十嵐太陽 | |
FW | 19 | 山本駿亮 |
94 | シルビオ ジュニオール |
山口は前節から2枚を変更。
板倉洸に代えてヘナン、五十嵐太陽に代えて河野孝汰が入る形に。
ベンチまで見ると、沼田圭吾と田邉光平、更には田中稔也がベンチ外となり、吉岡雅和、小林成豪がベンチ入りということに。
今シーズンの稔也は出場が少なく…前節チャンスを与えられただけに、今節の古巣群馬戦にも出場したかったところだろう。
注目は梅木翼と若月大和の2トップ。
更には中盤でタクトを振るう池上丈二といったところ。
個人的には38歳という年齢かつ、178cmという身長ながら…抜群のセーブを見せる関憲太郎が再注目の選手である。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
22 | 高橋勇利也 | |
24 | 酒井崇一 | |
36 | 中塩大貴 | |
MF | 6 | 天笠泰輝 |
7 | 和田昌士 | |
29 | 田頭亮太 | |
FW | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
10 | 佐藤亮 | |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
MF | 35 | 玉城大志 |
FW | 8 | 髙澤優也 |
9 | 北川柊斗 | |
17 | 山中惇希 | |
40 | 佐川洸介 |
群馬も前節から2枚を変更。
酒井崇一をスタメンに戻し、大畑隆也がベンチに。
また天笠泰輝もスタメンに復帰し、風間宏希はベンチ外ということに。
それによりベンチには玉城大志が入ることとなった。
そしてベンチと言えば櫛引政敏が復帰し、近藤壱晟がベンチ外に。
永長高虎がベンチ外となり、代わりに北川柊斗が入ることとなった。
酒井の復帰は嬉しいものの…個人的には大畑は次第点以上でプレーできているからそこでは無い…と思っている。
大畑なり酒井なりが中央をできないのかもしれないが…。
注目はスタメン復帰の天笠泰輝となるが…注目の意味が異なるのが悲しいところ。
前節スタメンを外れたことが良い方向に働くと良いのだが…果たして?となる。
風間がベンチ外というのも気になり、ここは怪我やコンディション不良の可能性があるか?
試合経過
【0~15分】開始早々 CKから失点
前半は山口のキックオフでスタート。
この試合は数日前に植木繁晴さんが亡くなったことで、群馬の選手は喪章を巻いてのプレーとなった。
開始早々の3分、山口に右からのコーナーキックを与えてしまう。
新保海鈴の蹴ったボールはニアに向かうと、最もニアに立っていた佐藤亮が頭に当てるも…このボールはやや高かったこともあり後方に。
これがゴールポストを叩き、跳ね返ったボールを河野孝汰が足に当ててゴールに流し込んで先制を許してしまう。
佐藤にはやや苦しいボールだったが…触らないわけにもいかない。
ゴールに向かったボールには田頭亮太が惜しくも触れなかったが、触っていれば逆サイドのコーナーに逃げられただろうし…この失点自体はまぁ事故のようなものか。
とは言え今シーズンはセットプレーの対応が悪い印象がある(主にファーサイドであり、今回はニアだが)
11分、中盤で上に上がったボールをお互いに競り合う中、最終的に高橋勇利也が足を伸ばしたボールが群馬ゴール前に絶妙なスルーパスになってしまう。
ここに若月大和が抜け出すが、石井僚がいち早く飛び出して良いセーブを見せる。
櫛引政敏がベンチに戻っただけに、石井はこの試合でしっかりとアピールしておきたいところ。
【15~30分】遅れがちなプレス
序盤15分が過ぎたが、ここまでは和田昌士が良く髙澤優也の役割をこなしている印象。
前節からスタメンで出場しているが前節に比べて良くなっており、良いタイミングで降りて受けれており、時折ではあるが前を向くシーンも作り出せている。
21分、キム ボムヨンが足を捻ったことでゲームがしばらく止まるが、ドロップボールで再開。
かなり伸びたように見えたが…大事には至らなかったようで何より。
このリスタート後に、ボール奪取から川上エドオジョン智慧が左サイドを仕掛けると横の和田昌士にパスを付ける。
和田もこれを縦に持ち出し、ラインギリギリからクロスを狙うが…これはブロックされてしまいコーナーに。
24分、右サイドを佐藤亮がドリブルで上がるとインナーラップした田頭亮太へパスを送る。
しかし田頭は並走した池上丈二の足に引っかかる形で転倒し、パスは田頭の背中に当たって新保海鈴の足元に。
なぜかファールは取ってもらえなかったが、新保の縦パスに高橋勇利也が滑り込んでインターセプト。
こぼれ球を回収した酒井崇一がダイレクトで横の天笠泰輝に付けると、天笠は前に持ち出してやや距離はあったがミドルシュートを選択。
これは惜しくも枠を捉えられなかったが、ここ最近の積極的なミドルは評価したいところ。
当然枠内に送りたいところではあるが…枠外でもある程度の怖さは見せられたシュートとなっただろう。
27分、山口のビルドアップに対して積極的に前からプレスに行くが…今日はどうにも後ろが連動していない印象。
それが明確になったのがこの27分のシーンだが、キム ボムヨンに平松宗が行き、ヘナンに佐藤亮が行き、新保海鈴に田頭亮太が行くが…どれも楽に受けさせてしまっている。
特に新保へのプレスが遅れたことが致命的となり、前を向いて受けられ縦パスを入れられてしまう。
これを受けたのが河野孝汰だが、ここ(サイドライン際)には当然酒井崇一が釣りだされる形となってしまう。
さすがにここは前を向かせなかったが、河野は相田勇樹に下げ、相田からダイレクトで前方…酒井のスペースにスルーパスを送られる。
これを新保がダイレクトで頭で若月大和に繋ぎ、シュートまで持ち込むも必死に戻った天笠泰輝と中塩大貴でコーナーに逃れることに成功する。
酒井が釣りだされたスペースを使われたことで、新保に城和隼颯がスライドしなくてはならなくなり、そこをダイレクトで剥がされたことで若月にシュートまで持ち込まれる…という形に。
(こう書くと酒井が悪いように見えるが、酒井は当然河野のところはスライドして対応するのが正解で、酒井に責任は一切ない)
オーソドックスと言うか、セオリー通りの攻撃ではあるが…しっかりと連動してDFを動かして空いたスペースを使っている良い攻撃となった。
群馬もやりたいことはこういった形なんだと思うのだが…。
30分、山口が右サイドからのコーナーを獲得すると、池上丈二がファーサイドに送り込む。
これは田頭亮太が競り勝つもこぼれ球を新保海鈴が回収すると、再びファーサイドにクロスを送り込む。
これをヘナンが競り勝ち、石井僚が触るもポストに当たりながら入ったかに見えたが…なんとオフサイドの判定に救われることに。
リプレイを見ても微妙なタイミングとなっており、まだまだ運に見放されていないと言うか…。
現状の群馬では…少なくとも2点目が決まってしまったらこの試合が終わってしまうと言っても良い。
【30~45分】薄い前線と停滞するパスワーク
32分、群馬が佐藤亮と田頭亮太の連携で右サイドを突破すると、田頭がクロスを送り込むが…これは中央で合わず。
ファーサイドで川上エドオジョン智慧が回収するも、その先のチャンスを作り出すことはできずスローインに逃げられてしまう。
前々から書いているが…どうにも群馬はゴール前の人数が足りないと言うか…。
平松宗がサイドに流れてボールを引き出すことが多く(これ自体は問題無い)、その空けたスペースを埋めに逆サイドとボランチが入り込めていないのである。
中央が1枚しかいないということが非常に多く、守備に重心が重過ぎて相手のゴール前に人数をかけられないことが目立つ。
41分にも和田昌士がクロスまで持ち込むも、平松がサイドに流れてボールを引き出していたこともあり中央は誰もおらず…。
ただでさえ中央から攻撃できずにサイドアタックしか無いサッカーをやっているのに、クロスの先に誰もいないとはどういうことなのだろうか…。
46分、右サイドで受けた佐藤がDF裏に抜けた和田昌士に斜めのボールを送り込むが通らず。
逆にここから長いボールでカウンターを受けることに。
ボールを受けた若月大和が少し運んでから、左サイドを上がる河野孝汰に展開。
河野がトラップから内側に持ち出し、ファーサイドを巻いて落とすようなコントロールショットを狙うが…これは曲がり切らず枠の外に。
この佐藤のところも…中塩→城和→酒井→佐藤というボールの流れなのだが、例えば酒井を飛ばして城和から出せないものだろうか?
3CBの距離が近く、各駅停車でパスを出しているからDFもスライドが間に合ってしまうわけで…。
1つ飛ばして中距離を一気に展開するようなパスや、ダイレクトを続けるようなスピードのあるパス回しでスライドを遅らせないといつまでもDFラインは崩れない。
【45~60分】佐藤のカットインが光るも…
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムでリードしている山口が動き、野寄和哉から吉岡雅和に変更する。
特にアクシデント等があったわけではなさそうなので、これは唯一可能性を感じる川上エドオジョン智慧のところを抑えたい…ということになりそう。
48分、高橋勇利也から良いサイドチェンジで左サイドの川上エドオジョン智慧へ。
エドはそのままペナルティエリア内に侵入しようとするが、山口DFが2枚掛かりで対応しにきたことで内側へのパスを選択。
これを佐藤亮がミドル気味で狙うもミートせず、大きくクリアされてタッチラインに逃げられてしまう。
佐藤ならもっと良いシュートを期待したいところではあるが、勇利也のロングボールは非常に良かった。
右サイドに人を集めて一気に長いボールで左に展開することでこのようにチャンスが作れるわけで…これをいつものように最終ラインで横に横に繋いでいるとスライドされてしまうのである。
同48分、このスローインを中塩大貴が縦に投げ込み、川上エドオジョン智慧がキープから再び中塩に落とす。
中塩からニアに入り込んだ高橋勇利也に送り込むと、勇利也はヒールでフリックを狙ったようだが…ミートせずボールは上に。
しかしこのボールも自ら頭で先に触って落とすと、和田昌士がダイレクトで狙っていくもブロックされてしまう。
このこぼれ球がファーに流れ、田頭亮太がダイレクトで狙うも…ここもブロックされてしまいコーナーに。
完全に狙い通りのプレーができているわけではないが、決して悪くない攻撃ではある。
勇利也がペナ内に侵入してボールを引き出しているが、今シーズンの群馬は圧倒的にこういったボランチがペナ内に入り込むシーンが少ない。
攻撃に厚みを持たせるためにも、このプレーは続けていきたいところ。
50分、池上丈二のパスがズレたところを田頭亮太が回収し、自らドリブルで持ち上がってから右サイドに開いた佐藤亮に展開。
佐藤もドリブルで少し運ぶと、インナーラップで右サイド裏に抜けた田頭を囮にカットインからミドルシュートを選択するが…これは枠を捉えられず。
これまた何も変わったことはやっていないセオリー通りの動きだが、佐藤の左足を活かすための田頭のインナーラップが見事。
釣られて中が空いたことで佐藤はカットインから得意の左足を振れたわけであり、釣られなくても田頭を使ってクロスを上げる選択が取れる。
また結果的にはプレーに関与できなかったものの、佐藤のすぐ後ろまで酒井崇一が攻め上がれているのも好ポイントと言える。
惜しむらくは…佐藤なんだからもっと精度の高いシュートを期待したいところか。
51分にも佐藤亮のカットインが見れ、今度はシュートではなくクロスを送り込むが…このボールは関憲太郎がパンチングで対応。
川上エドオジョン智慧が回収し、天笠泰輝に落としてミドルを狙うも枠を大きく外してしまう。
これは天笠が欲しかったところとエドの落としたポイントがズレていたのが要因ではあり、天笠だけを責めるものではないが…やはりもう少し精度を上げていきたいところ。
54分、天笠泰輝、佐藤亮、川上エドオジョン智慧と3人で左サイドを崩しにいくが…エドのところでカットされて高い位置でのスローインとなる。
これを天笠が早く始めるが、佐藤と意思疎通ができずにボールは若月大和が回収。
若月は池上丈二に下げると、ワンツーの形で再びボールを引き出してダイレクトで右サイドに落とす。
右サイドの吉岡雅和もダイレクトで左サイド…だったのだと思うが、ボールが上に上がらずこれは若月に当ててしまう。
しかし若月が自らこぼれたボールを追い、左サイド裏にスルーパスを送り込むことに成功。
抜け出した梅木翼が冷静にキーパーを見てループで流し込んで追加点を許してしまう。
右サイドの吉岡からのボールが若月に当たったことで…中塩大貴の対応が遅れたのが痛かったが…まぁ見事なカウンターであった。
インタビューでは梅木は右足側にトラップしたかったようだが、ミスしたものの…キーパーが飛び出していたからループを狙ったとのこと。
確かにその通り、トラップが流れていなければもっと簡単に決めていただろうシーンだが…これを決めきる辺りがさすが。
さすがと言えば、間に合わなかったものの酒井崇一の対応も見事ではある。
最初は中塩にゴール前に戻ることを指示するが、トラップが流れて外に逃げられた形になった&石井僚が飛び出したために、自分は間に合わないと判断してゴール前を埋めにいくことを選択。
梅木が少しでも迷ったり、もたついてシュートが遅れていれば酒井がゴール前でクリアできたかもしれないという…報われなかったものの素晴らしい判断ではあった。
なんにせよ根本的にはスローインのミスからの失点であり、天笠だけでなく佐藤も含めて…にはなるがつまらないミスから試合を壊したと言えるだろう。
天笠のスローインミスと捉えがちだが、投げたところの狙いは面白く…意思疎通が取れていればチャンスになった可能性は高そうに見えた。
57分、追加点を奪われたこともあり群馬ベンチが先に(ハーフタイムで山口は交代枠を使っているが)動く。
平松宗に代えて髙澤優也、田頭亮太に代えて山中惇希を投入。
これで川上エドオジョン智慧が田頭のいた右サイドに移り、山中がエドのいた左サイドに入ることになる。
【60~75分】ダメ押しの3点目
64分、山口ベンチも交代に動く。
若月大和に代えて山本駿亮を投入する。
65分、前貴之のスローインをダイレクトで池上丈二が縦に放り込む。
これを代わったばかりの山本駿亮が胸トラップから横の梅木翼に落とす。
このボールに天笠泰輝が足を出し、コースが変わったボールが城和隼颯に当たり再び天笠に当たり…結果的に梅木が抜け出す形となってしまう。
抜け出した梅木に酒井崇一が対応に行くが、中央には河野孝汰が…そして梅木の裏を回って右サイドに山本が流れるという完全に数的不利となる。
結果的に山本を囮に中に切り返され、右足から放たれたシュートはポストを直撃してネットに吸い込まれていく。
切り替えされてシュートに持ち込まれる…ということを考えると酒井の対応も良かったとは言えないが…完全に数的不利であり仕方ない部分か。(山本に出すという読みで対応した結果、駆け引きで負けたとは言える)
根本的にはその前の山本に放り込まれたところに城和隼颯がプレッシャーをかけられなかったところが痛い。
69分、群馬ベンチが再び動き、天笠泰輝に代えて佐川洸介、佐藤亮に代えて北川柊斗を投入する。
これで佐川を最前線に、右に髙澤優也、左に北川となり、天笠のいたボランチには和田が入る形になる。
またボランチは位置が左右逆になり、和田が左側、高橋勇利也が右側に変更したようである。
群馬では定番となったボランチの逆足配置も…正直狙いが見えないと言うか…狙いはわかるもののデメリットの方が大きいような気がしているのだが…。
【75~90分】最後まで手を緩めず
71分、左サイドで山中惇希がボールを受けると一度後方の中塩大貴に下げる。
ワントラップからファーにクロスを送り込むと、これを川上エドオジョン智慧が頭で合わせるが…目の前の新保海鈴の背中に当たってしまう。
この跳ね返りを高橋勇利也が頭から飛び込むも…このシュートは関憲太郎がファインセーブを見せる。
いやぁ…それこぼさずに取るか…。
中塩からキーパーが出れない良いクロスが入り、潰されながらもエドが競り勝ち…結果的にブロックされたこぼれ球にボランチの勇利也が飛び込むという厚みを見せられたのだが…。
これも入らない群馬と…簡単とは言えないループシュートとポストを叩きながら決めた山口の2点目3点目の明暗がハッキリと分かれているのがツラい。
73分には池上丈二が左サイド深くに入り込み、クロスを上げる。
これはファーサイドまで抜けていくが、吉岡雅和が回収すると再びクロスをファーに送り込む。
ここに河野孝汰が飛び込んで合わせるが、このシュートは枠外に外れてくれる。
池上のクロスのところはゴールキックを後方から繋ぎにいったところを奪われており、少し前にも同じようなシーンを見たばかり。
ここしばらくゴールキックは長いボールを使っていたのに…なぜ再び上手くいかないビルドアップを選択するのか理解に苦しむところ。
77分、山口が交代枠を使い河野孝汰に代えて五十嵐太陽を投入する。
80分に再び山口が動き、梅木翼に代えてシルビオ ジュニオール、池上丈二に代えて板倉洸を投入し交代枠を使い切る。
この80分のタイミングで群馬も動き、和田昌士に代えて玉城大志を投入。
90分には右サイドを北川柊斗が抜け出してクロスを選択。
これに佐川洸介が飛び込むが、関憲太郎が既にキャッチしているところに突っ込む形となりイエローカードが出される。
ゴール前にはプラス方向に佐川、マイナス方向(PKスポット辺り)に髙澤優也、更にはファーに山中惇希が入り込んでおり、山口DFに対しても数的優位を作れていただけに…北川のクロス精度が悔やまれる。
93分、ワンツーで入れ代わって抜け出そうとした吉岡雅和を山中惇希が倒してしまう形でフリーキックを与えてしまう。
右サイドの深い位置、コーナーキックよりもやや手前からのフリーキックを蹴るのは新保海鈴。
ニアに送られたボールは山本駿亮には合わなかったが、その後方の北川柊斗に当たってこぼれる形に。
これを五十嵐太陽がボレーで狙うが…ミートしなかったのが逆に良い形となりゴールに吸い込まれていく。
こうしてシーズン初の4失点かつ、3試合連続無得点という屈辱的な敗戦となった。
ピックアップポイント
監督解任しか無いのか?
今シーズンの成績…と言うよりは昨シーズン末からの成績を考えると、さすがに監督解任の声も出てくるというもの。
個人的には昨シーズン大槻監督を高く評価し、監督の続投こそが今シーズン最大の補強だと書いた人間だが…さすがに解任やむなしかと考えている。
まず初めに、今シーズンの戦力が昨シーズンより大きく劣っているとは思えない。
キーマンの一人だった岡本一真の移籍は群馬というクラブの現状を考えると仕方なく、それ以外は概ね監督の意向に沿った補強が出来たのではないだろうか?
個人的には畑尾大翔と内田達也の満了など、首を傾げる部分もあるが…それでも昨シーズンより大きく戦力ダウンしたとは思えない。
むしろ監督が3年目かつ、主軸となった選手の多くを残せたことの方が戦力アップに繋がるとみており…シーズン前は今年こそは…という期待感があったものである。
また周囲のクラブを見渡してみると、決して群馬は戦力的に優れているとは言えないのは事実。
予算規模を考えれば仕方の無いことではあるが、とは言え決して大幅に戦力が劣っているとも言えない気がするのである。
(予算規模が増えないことは別の問題なので…今は置いておいて…)
群馬対策を徹底された中、それを打開する次の手が打てていないのが低迷の原因となっている。
監督は次の手を授けており…選手達がそれを実行できていない…ということもあるのだろうが、開幕から10試合を見る限りでは大きく変化をさせられていないのも事実。
個人的な理想を言えば、大槻監督が理想のサッカーを捨て去り残留に向けて全力で勝ち点を稼ぐサッカーをしてくれることを祈りたいが…それが期待できないのであれば解任しか無いだろう。
今までのやり方を全て壊して新しいことをやる必要があるレベルまで来ており…監督がそれをできないのであれば違う監督にするしかない。
例え内部昇格であっても、全く変わらないことはなく何かは変わるだろう。
もちろん好転するとは限らないが…。
しかし今のサッカーが実るのを待つ時間はもうなく、何かを大きく変えないと何も変わらない時期となっている。
当然これから大槻監督がガラッと違うサッカーを始めたとしても、好転するとは限らないが…何も変わらずにこのままズルズルと行くのはファン・サポとしては納得いかないというもの。
個人的には監督交代にこだわらないが、何かを大きく変えて欲しいとは願っている。
MOM
この試合のMOMは川上エドオジョン智慧としたい。
決定的なチャンスを作り出すまでは至らなかったものの…自分で何とかしてやろうという気概が見えた選手の1人である。
そういった意味では、同じように物足りなさはあるものの…佐藤亮も同様に気迫を見せたと言える。
MOMで迷ったのが酒井崇一。
コンディション不良から前節復帰し、今節スタメンに戻ってきたわけだが…やはり彼は外せないプレーヤーだと認識させてくれたと言える。
酒井が復帰したことで大畑隆也を中央で使ってみたいのだが…。
続いては試合を重ねるごとに良くなっている田頭亮太か。
田頭もまだまだ物足りなさがあるものの、急成長を見せているうえに更に伸びしろを感じさせてくれる。
高橋勇利也は…前節の方が良かったものの、これまでの群馬のボランチには無い効果的なプレーを見せてくれたと言える。
効果的なサイドチェンジやゴール前まで顔をしっかり出している辺りは評価したいものの…監督はそれを求めていないようにも見えてしまうのが気になるところ。
最後に石井僚の名前を挙げて終わりにしたい。
4失点したもののGKが原因と言える失点は無く、どれもセーブしていたらスーパーセーブと言って良いだろう。
しかしながら…櫛引政敏なら1つくらいは(特に2点目3点目)止めたかもしれない…という期待感があるのも事実。
残念ながらセーブ能力は櫛引の方が上に思え、石井には非常に申し訳ないが…この大敗によりGKを戻しやすくなったと言える。
ただ繰り返すが石井に失点の責は無く、能力的にも高いものをこの数試合で見せてくれたのも事実。
足元の技術やキック精度は間違いなく櫛引よりも高く、まだ若いことからしっかりと育てて群馬の守護神になってほしい選手である。
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