※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第13節はホームでの高知ユナイテッドSC戦です。
前節は福島を相手に4-2と快勝。
結果も良かったですが、2-0から後半開始早々に1点を返されるも…すぐに再び2点差に広げるという内容が良かったゲームです。
しかしながら試合終了間際に1失点したりと、ゲームの締め方には相変わらず課題の残るゲームとなりました。
そしてリーグ戦の合間に天皇杯の群馬県代表戦が行われ、上武大学を相手に6-0とプロの力を見せつけました。
この良い流れのまま、再びリーグ戦を戦っていきたいところですね。
今回はそんな高知ユナイテッドSC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
35 | 玉城大志 | |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 8 | 山内陸 |
27 | 藤村怜 | |
36 | 安達秀都 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
11 | 加々美登生 | |
38 | 小西宏登 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 2 | 田頭亮太 |
14 | 菊地健太 | |
30 | 小柳達司 | |
MF | 6 | 米原秀亮 |
7 | 西村恭史 | |
FW | 10 | 髙澤優也 |
17 | 山中惇希 | |
20 | 下川太陽 |
群馬は前節のリーグ戦からスタメンに変更はなし。
ベンチでは中野力瑠と河田篤秀が外れ、小柳達司と髙澤優也が入ることとなった。
最近河田がほぼ使われておらず…小さな怪我を抱えている…などではないと良いのだが…。
ちなみに沖田監督の特徴の1つと言えそうだが、「結果を出した選手にはチャンスが与えられる」傾向が非常に強い。
今節も、前試合の天皇杯で結果を出した小柳と髙澤がベンチに入っている。
(とは言え髙澤は怪我明けのため本調子とは言えず、短い時間の起用を繰り返して調子を上げていく形になりそうだが)
個人的に注目したいのは、ここしばらく良い動きを見せ続けている玉城大志。
この試合でも再びスタメンのチャンスを与えられ、ポジション取りに大きく前進しているのではないだろうか?
ゲームのキーマンとしては、いつも通り藤村怜になるだろう。
高知ユナイテッドSC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 大杉啓 |
DF | 25 | 今井那生 |
37 | 深川大輔 | |
38 | 鈴木俊也 | |
10 | 佐々木敦河 | |
MF | 16 | 上月翔聖 |
19 | 水野颯太 | |
26 | 須藤直輝 | |
FW | 88 | 工藤真人 |
9 | 新谷聖基 | |
11 | 小林心 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 黒川雷平 |
DF | 3 | 中田永一 |
5 | 田辺陽太 | |
MF | 7 | 金原朝陽 |
17 | 伊藤綾汰 | |
24 | 岡澤韻生 | |
FW | 66 | 三好麟大 |
18 | 東家聡樹 | |
20 | 杉山伶央 |
高知は前節から4枚を変更。
吉田知樹、小林里駆、岡澤韻生、東家聡樹が外れ、今井那生、佐々木敦河、工藤真人、小林心がスタメン起用となった。
高知は昨シーズンJFLを2位で終え、Y.S.C.C.横浜との入れ替え戦を制してJ3に上がってきたチーム。
そのため群馬とはこれが初対戦…になるかと思う。
申し訳ないが…群馬の試合を中心に観戦している自分にとっては…ほぼ情報の無いクラブで選手もよくわからないというのが正直なところ。
自分の世代としては、やはり気になるのは秋田豊監督。
ちなみに加々美登生がグルージャ盛岡時代に関りがあるようである。
注目選手はここまでほぼフルで出場し(前節のみ後半頭から)、10ゴールでJ3の得点ランキングトップを走る小林心になるだろう。
試合経過
【0~15分】まさかのファンブル
前半は高知のキックオフでスタート。
試合前には雨が激しく振っていたものの、キックオフの頃にはやや弱まった印象も。
とは言え、相変わらず雨が降り続けている状態での開始となった。
1分、左サイドでボールを受けた水野颯太が、カットインのフェイントから縦に抜け出してクロスをゴール前に送る。
このクロスはやや精度を欠き、中で合わずにゴールキーパーに直接向かうが…これをキム ジェヒがまさかのファンブル。
ボールはジェヒの右側に弾かれ、そのままゴールラインを割ってしまう。
プロとしてあるまじき行為…ではあるのだが、ポジションはほぼ正面に入っており悪くはない。
また特に難しいボールでもなく、パンチングではなくキャッチにいった判断も妥当だっただろう。
雨で滑ったのだとは思うが…雨天だということを考慮しても、キャッチの判断で良いボールに見える。
そのため、恐らく本人としてもなぜキャッチできなかったのか理解できないようなシーンとなっただろう。
非常に痛いミスではあるが、救いとしてはまだ開始早々の1分であること。
チーム全体として、一度このミスは忘れて気持ち新たにキックオフを迎えやすい状況ではある。
注目していたフォーメーションだが、今節は守備では3-4-3を採用しているように見える。
前節のレビューで「高知は2トップだから4バックを採用するのでは?」と書いたが、どうやらこれは外れた様子。
しかし高知は3バック(5バック)なので、前線は2トップではなく3トップ気味に当たる形を取っており、ここはやはりマンツーマン志向と言えるだろう。
攻撃時は山内陸をアンカーに、右に玉城大志、左に高橋勇利也が入っていく形が多いが…やはり玉城がやや低めで動き、勇利也が高い位置まで顔を出すのはいつも通り。
そのため守備時には左CBになる、勇利也の運動量は求められることになる。
【15~30分】加々美ゾーン
16分、小西宏登が右サイドを仕掛けるが…このクロスはブロックされてしまう。
しかし玉城大志が回収し、ポケットに向かい斜めにインナーラップした藤村怜にスルーパスを通す。
フジレンが再び小西に広げ、小西がファーにクロスを送ると青木翔大がドンピシャで入っていたが…このボレーは空振り気味に。
こぼれ球を高橋勇利也が狙っていくも、ここは深川大輔が身体を張ってブロックしコーナーに。
青木のところで決めきりたかったが…攻撃の形としては悪くない。
17分、このコーナーキックのキッカーは藤村怜。
ショートコーナーを選択すると、ペナルティエリアやや外で加々美登生がボールを受ける。
飛び出してきた工藤真人を右に持ち出してかわすと、ここから右足を振り抜いてゴールに叩き込んで同点に。
今シーズン初ゴールと同じく、2点目も得意なこのカットインからの右足という形で見事なゴラッソを決めてくれた。
DAZNの実況でも「まさに加々美ゾーン」と言われていたが、かつてのイタリア代表…ユヴェントスのアレッサンドロ・デル・ピエロを彷彿させるシーンであった。
しかし…タイミングが合わなかったか、ややフジレンからのパスに加々美が慌てたように見えたのは気になるところ。
22分、今度は右からのコーナーを獲得すると、こちらのキッカーは安達秀都。
このコーナーも同様にショートを選択すると、小西宏登がこれまた同じように内側に持ち出してミドルシュートを狙っていく。
このシュートもパンチのある良いシュートではあったが、ややコースが甘く…大杉啓の良いセーブもあり再びコーナーとなる。
しかし高知の守備はかなり低く、ほぼ全員がゴールエリアの中に入っている。
外の選手もゴールエリアから数歩外にいるだけで、このペナルティエリア外は空いているのが特徴となる。
これは群馬の監督・コーチ陣がしっかりとスカウティングして、コーナーキックはショートでミドルを狙っていく…というのを事前に指示していそうな感じである。
【30~45分】もう少し勇気を持って攻めたい
36分、ファールのリスタートは高橋勇利也がロングボールを選択。
左サイドから斜めに中央に蹴り込むと、青木翔大の頭の上を超えてしまうが…その先で回収した水野颯太のトラップ際を小西宏登が狙う。
そのまま自分でシュートに持ち込むが、ここは深川大輔がブロック。
こぼれ球を小西自ら回収し、低いクロスをゴール前に送るが…これは合わず。
しかしセカンドボールは玉城大志が回収し、再び小西に。
内側を藤村怜が駆け上がると、小西からスルーパスが出され、フジレンがダイレクトでゴール前に折り返すが…これは直接キーパーに収まってしまう。
この形からゴールが生まれたことが記憶に新しいが、フジレンはポケットに向けて本当に良いランを繰り返している。
42分にはカウンターの形で、加々美登生から青木翔大に。
青木が落として高橋勇利也に繋ぐと、勇利也から右の小西宏登に広げる。
小西からゴール前にクロスが送られるが…これは惜しくも青木に合わず。
43分、左サイドで水野颯太がボールを受けると、そのまま内側にドリブルで運び大きく逆サイドに展開。
このボールを上月翔聖が頭で新谷聖基に繋ぐと、反転して左足を振るが…ここは大畑隆也が足に当ててコーナーに。
群馬側から見ると、右サイドから大きく左に振り、再び中央に戻ってくる形になるのでマークを見失いやすいのだが…元々上月を見ていた勇利也の対応が気になるところ。
後方に隠れた上月を大畑がよくフォローしたと言える。
この試合だけの話ではないが…もう少し勇気を持って攻めたいところ。
この試合でも前半終了間際、高橋勇利也が良い形で抜け出したものの…結局下げる選択をしてそのままタイムアップとなっている。
チームの方針なのか、選手個々の判断なのかはわからないが…もう少しリスクを持ってやりきる、シュートで終わる選択をしても良いのではないだろうか?
奪われてカウンター返し…というリスクはあるが、下げてしまうと相手もしっかりと守備をセットしてしまう。
なかなかしっかりとセットした守備を崩しきるのは難しいので、もう少しだけリスクを取ってやりきる形にした方が良いように思う。
【45~60分】見事な逆転弾
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで両チームが動いたようで、群馬は玉城大志に代えて米原秀亮、安達秀都に代えて西村恭史を投入。
高知は須藤直輝に代えて三好麟大を投入する。
この交代により、恐らく米原が山内陸の役割となり、山内が玉城の役割となるだろう。
西村はそのまま安達のところに入ると思われる。
47分、西村恭史の落としが…やや米原秀亮に合わず、ボールは三好麟大の足元に。
三好がそのままドリブルで運び、やや遠めから強烈なシュートを放つも…これはキム ジェヒの正面で助かる形となった。
ジェヒも前半1分のファンブルがあったが、この強烈なシュートはきっちりと自身の真下に落として危なげなく処理してみせた。
48分、後方でのビルドアップで、キム ジェヒからボールを受けた大畑隆也が長いボールを選択。
これを西村恭史が落とすと、タッチライン際の加々美登生が一気に右サイドに展開。
小西宏登が受けると、跨ぎフェイントで勝負の素振りを見せてから後方に落とす。
これを西村が綺麗にゴール左隅に流し込んで逆転に成功する。
狙いすました見事なシュートだったが、その前の加々美のサイドチェンジが素晴らしかった。
もっと言えば大畑のフィードも良かったし、やはり適度にこういったロングボールを織り交ぜていきたい。
更に、使われなかったし結果的に大きな影響を与えなかったので忘れられがちだが…小西の内側を縦にインナーラップで抜けた山内陸の貢献も見逃してはいけないところ。
ゴール後に西村が小西を指差して、ニヤッと笑いながら何か言っているのが気になる。
「お前絶対自分で打つと思ったよ笑」みたいな感じだろうか?
54分、群馬が良い形で左サイドを攻略する。
最後は高橋勇利也が低く抑えたクロスを送ると、ここに山内陸が入り込んでいたが…このシュートはミートせず。
1点ものの良い形だっただけに、これはしっかりと枠に送りたかった。
57分、流れの中では群馬ベンチが先に動く。
青木翔大に代えて髙澤優也を投入する。
今日の青木はなかなか苦しんだ印象か…。
悪かった…と言うよりは、しっかりとマークされて仕事をさせてもらえなかったという印象を受ける。
【60~75分】チームに迷いが見られるか?
62分、高知ベンチが動く。
水野颯太に代えて金原朝陽、新谷聖基に代えて東家聡樹を投入する。
63分、47分にあったような形…再び米原秀亮へのボールがズレたところからピンチを迎える。
最後は金原朝陽がシュートを狙っていくが、このシュートは枠の外に外れてくれて助かる形となった。
69分、群馬ベンチが動き、藤村怜に代えて下川太陽を投入する。
豊富な運動量で攻守のキーマンとなっていたフジレンが下がると…このチームはやや停滞する印象があるのでどうなるか?
また後半頭から玉城大志が下がっており、こちらも豊富な運動量で…といったところ。
74分、高知ベンチが2回目ながら5人目の交代ということで最後のカードを切る。
小林心に代えて杉山伶央、今井那生に代えて田辺陽太を投入する。
この時間帯、群馬としては危険と言えるほどのシーンは作られていないものの…チャンスの回数も減っている。
特に守備では今までと違い、簡単にボールを蹴りだすシーンも目立つ印象がある。
これまでは足下を繋ぐことを重視し過ぎるが故に、ミスからピンチを招いていたため…大きくクリアすることが悪いことではない。
なのだが、どうにも選手たちにプレーに迷いが見られる気がするのである。
1点差を守りきるのか、もう1点を取りにいくのか…この辺りが選手全体で統一されていない印象となる。
【75~90分】守り切れず…結果はドロー
75分、群馬のゴールキックからのリスタート。
大畑隆也が短くキム ジェヒに繋ぐと、ジェヒのキックをプレスをかけにきた杉山伶央がブロック。
こぼれ球を東家聡樹が直接狙うも、ここは野瀬翔也がスライディングブロックを見せる。
…危なかった。
80分、ビルドアップのミスでピンチを迎える。
上月翔聖が一気に右サイドでボールを運ぶと、最後はクロスを選択するも…これは中で合わずに助かる形に。
対応した米原秀亮が絞ったポジションを取り、それほど上月に対して距離を詰めなかったため…このシーンはシュートを打たれていた方が怖かっただろう。
米原は狙っての対応だったのか…それとも結果オーライだったのか。
81分、群馬の右サイドから放り込まれたクロスは高橋勇利也が頭で跳ね返す。
しかしセカンドボールを上月翔聖に頭で落とされると、三好麟大が大畑隆也を背負う形でキープ。
後ろを向いたままヒールで後方に流すと、杉山伶央がトラップからやや右にズラしてシュートを流し込む。
…相変わらずの守備意識の低さと言うか、危機管理能力の無さと言うか…。
このシーンは後で取り上げることにする。
83分、群馬ベンチもカードを使い切り、加々美登生に代えて山中惇希を投入する。
87分、群馬が3本続けてコーナーのチャンスを得るも…活かしきれず。
逆に最後は高知のカウンターを浴びる形となったが、山内陸が良い対応を見せてブロックし難を逃れることに成功。
そしてアディショナルタイムで選手が倒れて時間が止まっていたものの、結局当初の掲示通りの4分台で試合終了。
両者痛み分けとなった。
ピックアップポイント
81分 同点弾のシーン(というかクロージングに関して)
今回は同点に追いつかれたシーンを振り返りたい。
個別にこのシーンを振り返るが…どちらかと言うとクロージングの問題が解決されない…というのが本題にはなる。
まずは群馬の右サイドからクロスが放り込まれるわけだが、ここは高橋勇利也が競り勝ちクリア。
しかしそれほど距離はでず、また位置もほぼ中央ということで上月翔聖が回収(回収というより頭で落とす)
本来であればもっとクリアの距離を取りたいし、もっと外にクリアしたいところだが…勇利也もしっかりと身体を捻り外(左サイド)に弾こうという意識は見える。
続いて上月が頭で落としたボールを三好麟大が回収するわけだが、ここで群馬は大畑隆也と野瀬翔也が三好に対応しに行く。
より正確に言うと、大畑が対応し、野瀬は行きかけるが大畑が対応したことを見てストップする。
この野瀬の対応は仕方ない…というかこうなるのがわかるが…そのために恐らく背中側からきた杉山伶央に気付いていないと思われる。
三好には大畑がしっかりと対応しており、更には後ろ向きであるため…野瀬は本来であればもっと杉山に寄って良いハズ。
しかし先に書いたように、野瀬は三好の対応に行きかけて止めており…その前のプレーの流れで杉山は野瀬の背後にいるために…野瀬は杉山の存在に気付いていないのではないかと思われる。
この辺りはコーチングで防ぎたいところ。
また、右WBの小西宏登の絞りが甘い。
本来であれば勇利也がクリアしたクロスの段階でもっと絞っているハズ。
最終的に野瀬と挟み込む形で杉山に対応したのは、杉山がフリーなことに気付いて慌てて戻ってきた西村恭史。
本来は西村ではなく小西が対応する形にならないといけないかと思う。
…とは言え、守備時にはWBとなり攻撃時にはWGとなる現システムでは小西(左は加々美)にかかる体力的な負担が非常に大きいのは事実。
81分という時間を考えると…言葉は悪いが小西が守備をサボったのは理解はできる。
(更に言えば小西は攻撃の選手であるため、意識の違いもあるだろう)
また、米原秀亮も気になるところ。
ポジションを考えると最終的にあのスペースを埋めるのは正しく、立ち位置は間違っていないとは思う。
しかしその前のところで杉山を見ていたのはヨネであり、マークの受け渡しで小西に声をかけるなどが欲しかったところか。
とにかくこのチームは試合の終わらせ方が悪い。
攻撃的サッカーを掲げ、守備よりも攻撃適性の高い選手を多く起用していることもあるだろうが…守備意識の低さも気になるところである。
しかしそれ以上に、この試合では60分を過ぎた辺りからチームに迷いが見られたように思う。
1点を守るのか、もう1点取りに行くのか…というところが共有されていなかった、というのは試合展開で書いたが…。
69分にフジレンに代えて下川が投入されたが、この交代だけではベンチの意図はわからない。
(下川に指示が出されており、それをピッチ内で共有したとは思うので…ベンチの意図は選手には伝えたのだろうが)
しかしピッチ内で共有できたようには見えず、失点を避けたいという意識が強く見えた守備陣に対して…3点目を取りたい攻撃陣という構図であったように見えた。
特に交代で入った髙澤や下川は点に絡みたいだろうことは想像に難くなく…選手間で温度差があったように感じる。
あくまでも予想ではあるが、沖田監督としては1点を守るという頭はなかっただろう。
であれば、もっと早いタイミングで山中惇希や田頭亮太を消耗の激しいWGに入れ、明確に「3点目を取りに行く」という姿勢を見せても良かったのかもしれない。
定石としては小柳達司を入れて守備を固める形になるのだろうが、今のやり方を貫くのであればもっと早く山中か田頭を入れてピッチ(そしてサポ)に対してメッセージを発しても良いかと。
そして今のやり方を貫くのであれば、この試合では3点目がマストである。
正直終盤の1点差ではどうなるかわからないサッカーをしているため、確実に勝利を掴むためには常に2点差とできるだけの攻撃を構築する必要があるだろう。
MOM
この試合のMOMは藤村怜としたい。
もはや何も言うことはない。
チームの心臓となっており、フジレンが抜けると攻撃が停滞する。
他には小西宏登と加々美登生の両WGは相変わらず良い動きを見せており、攻撃面では文句なしと言える。
現システムだと体力的に厳しいことが予想されるが…比較的終盤まで引っ張る傾向があり(小西はフル出場だし)、夏場になってからどうなるか?という不安はある。
とは言え、左は山中惇希がおり、下川太陽もここでプレー可能。
右は田頭亮太と、場合によっては安達秀都を入れることも可能だろう。
上手く疲労度を管理して連戦や夏場を乗り切ってほしいところである。
最後の同点弾が無ければ…しっかりと触れようと思っていたのが両CB。
チームとして守備が崩壊した試合もあり、これまで大畑隆也と野瀬翔也を取り上げてはこなかったと思う。
しかしこのコンビが定着してからは、この2人の(守備での)プレーは高く評価している。
失点が多いのはこのCB陣のせいではなく、システム上の問題である。
逆に2CBどころか2バックとも言えるこのシステムで、よく耐えているのはこの2枚がデュエルでほぼ負けていないからと言える。
今後もこのシステムでいく以上は…失点数が減らずにCBには厳しい声がかかることになるだろう。
そして後方からのビルドアップでも、どうしてもミスが起こることで批判の声も上がるだろう。
チームにはGKも含めて、守備陣のケアをしっかりとしてもらいたいところである。
最後に…厳しい評価としなければならないのが髙澤優也か。
青木翔大もこの試合は高知がしっかりと消した印象があったが、それ以上に存在感を出せなかった。
青木が抜けてからは前線で全く収まらなくなったと言える。
元々タイプも違い、横からのクロスを点で合わせるワンタッチゴーラーなところもある髙澤なので…使い方も考えないといけないとは思うが…。
とは言えまだまだ復帰直後。
これから試合勘を取り戻し、ゴールを量産してくれることに期待したい。
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