※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第19節はアウェーでの栃木SC戦。
前節はホームでの山形戦でお互いに決定機を決めきれないなか、スコアレスドローという結果になりました。
もはやとっくに勝点3以外は許されない状況に陥ってはいますが…今までの状況を考えると2試合連続で勝点を取れたのは大きな変化となるでしょうか。
今節は北関東ダービーかつ、最下位とブービーの裏天王山ということで…どちらも勝点3が欲しいものの絶対に負けることは許されない…という展開が予想されます。
昨シーズンの北関東王者として、この1戦を浮上のきっかけにしたいところでしょう。
今回はそんな栃木SC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※通常ホームチームが左側ですが、メイン席側から見た通りの配置で記載
栃木SC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 27 | 丹野研太 |
DF | 2 | 平松航 |
23 | 福島隼斗 | |
33 | ラファエル | |
MF | 7 | 石田凌太郎 |
10 | 森俊貴 | |
15 | 奥田晃也 | |
24 | 神戸康輔 | |
FW | 19 | 大島康樹 |
32 | 宮崎鴻 | |
42 | 南野遥海 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 川田修平 |
DF | 17 | 藤谷匠 |
6 | 大森渚生 | |
MF | 41 | 朴勇志 |
18 | 川名連介 | |
FW | 29 | 矢野貴章 |
38 | 小堀空 |
栃木は前節から1枚を変更。
大森渚生に代えて石田凌太郎をスタメンで起用ということに。
注目はチーム最多得点の5ゴールとなっている南野遥海か?
ガンバ大阪から武者修行で昨シーズンはテゲバジャーロ宮崎、今シーズンから栃木でプレー。
恐らく大島康樹と共に2シャドーでプレーすることになるだろう。
その大島と言えば元群馬ということで気になる選手。
右のサイドバックなどでもプレーしていたが、ここ数シーズンは本職である前線で起用されている印象。
元群馬と言えば…の佐藤祥だが、開幕からスタメン起用されたものの第2節の山形戦で負傷。
当初の発表であればもう復帰していてもおかしくないが、それ以降メンバー外が続いている。
ベンチメンバーは前節から少し入れ替わりがあり、注目したいのはイスマイラに代わって入る矢野貴章か。
大ベテランの域にいるが、途中出場から何か違いを見せそうな…相変わらずそんな怖さがある。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
24 | 酒井崇一 | |
36 | 中塩大貴 | |
50 | 菊地健太 | |
MF | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
6 | 天笠泰輝 | |
7 | 和田昌士 | |
15 | 風間宏希 | |
FW | 8 | 髙澤優也 |
14 | 川本梨誉 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
MF | 10 | 佐藤亮 |
22 | 高橋勇利也 | |
FW | 11 | 杉本竜士 |
23 | 平松宗 | |
40 | 佐川洸介 |
群馬は前節から2枚を変更。
田頭亮太に代えて中塩大貴を起用し、これにより川上エドオジョン智慧が田頭のいた右WBに入ると予想。
それにより菊地健太がエドのいた左WBに入り、中塩が左側のCBという前節の途中からと同じ形を取るだろう。
更には風間宏希が怪我から復帰となり、これにより高橋勇利也がベンチスタートということに。
そのベンチには佐藤亮が復帰しており、怪我の状態は気になるものの…この復帰は大きな戦力となりそうである。
気になるのはスタメンから外れた田頭亮太の名前がベンチに無いこと。
DF1枚ということでCBでもWBでもプレーできる大畑隆也を残した…と考えられるが、怪我でメンバー外でないことを祈りたいところか。
また出番は無かったものの2試合続けてベンチ入りしていた細貝萌がベンチ外となる。
風間が復帰したことで押し出された形と言えるが、ベンチ入りした2試合で勝点が取れたのもまた事実。
精神的支柱とも言えるベテランがまた不在となるが、ベンチ入りした2試合で他のメンバーに大きな影響を与えており皆前を向けていると考えたい。
試合経過
【0~15分】今シーズン初?ロングボールで決定機を演出
この試合は審判交流プログラムにて、主審はドイツのザシャ シュテーゲマンさんということに。
ブンデスリーガやUEFAヨーロッパリーグなどで笛を吹いている方のようだがJリーグは初。
建前上は国が変われどサッカーのルールは変わらないが、やはり現実的には多少基準が異なると言えるだろう。
両チーム条件は同じだが、この辺りは早い時間で笛の基準を掴みたいところ。
前半は群馬のキックオフでスタート。
0分、開始早々に南野遥海が遠目から落とすようなシュートを狙っていくも、これは枠の外に外れていく。
2分、群馬が左サイドでコーナーキックを獲得すると、キッカーは風間宏希と菊地健太が並ぶ形に。
フリーキックではキッカーが並ぶことは珍しく無いが、コーナーキックでは久々に見た気がする。
ここは風間がクロスではなくマイナス方向にグラウンダーで繋ぐことを選択し、受けた天笠泰輝がファーサイドに放り込むというデザインプレーを見せる。
しかし天笠のクロスが精度を欠いてしまい、そのままゴールラインを割りチャンスを活かすことは出来ず。
3分、城和隼颯が高い位置でインターセプトに成功すると、パス&ゴーで左サイド裏に走っていく。
結局ここへのパスは通らなかったものの、良い状況判断から積極的な攻撃参加を見せた。
3CBの中央ということでビルドアップからではなかなか攻撃参加しづらいが、やはり良い形で奪った際などはこういった積極性を見せて欲しいところ。
13分、中塩大貴からロングボールがDF裏に送られると、ここに髙澤優也がオンサイドで飛び出して背後を取ることに成功。
キーパーも飛び出すも、髙澤が先に左足でシュートに持ち込むことに成功するが…このシュートは枠を外れていく。
シュート後に髙澤と丹野研太が接触し、しばらく髙澤が痛むシーンとなったが…ここは大事無さそう。
今シーズン全く見られなかった裏への一本で決定機…というシーンだったが、なんとかあれは枠に飛ばしたいところか。
【15~30分】押し込まれるも固い守備を見せる
16分、ラファエルからの縦パスを受けた石田凌太郎が内側にドリブルで持ち運んでから縦パスを送る。
これを宮崎鴻が腿で右サイドに落とすと、南野遥海に通るも…ここは中塩大貴がシュートを打たせず。
南野がキープして時間を作り、右サイドを上がった森俊貴を使う。
森のクロスに城和隼颯が飛び出すも触れず、その奥で大島康樹がトラップからシュートに持ち込むも酒井崇一がブロック。
しかしボールはゴール前に転がってしまい、ここに宮崎が飛び込むも櫛引政敏も飛び込みブロック。
こぼれ球は宮崎が先にシュートに持ち込んでおり、それを櫛引が止めた形となったが…身体ごと飛び込んだ形となったことで宮崎のファールを取った様子。
当の昔にキーパーチャージというルールは無くなっており、名目上はキーパーもフィールドプレーヤーと同じ基準となったが…現実的にはやはりややキーパーの方が守られていると言える。
とは言え足から突っ込むフィールドプレーヤーと、手…もっと言えば頭から突っ込む形となるキーパーではやはり同じとは言えないわけで…これが正しい在り方ではあるだろう。
20分、栃木が左サイドの石田凌太郎に広げると、良い位置で大島康樹がボールを引き出す。
カットインのモーションで対峙した酒井崇一を剥がすと左足を振り抜くも、これは城和隼颯がブロックしてコーナーに。
21分、このコーナーキックのキッカーは石田凌太郎。
こちらもデザインされたプレーを見せPKスポットやや後方にグラウンダーで入れると、ここに南野遥海が入り込んでシュートを打つが浮かせてしまう。
24分、ラファエルのパスを酒井崇一がカットすることに成功するが、ダイレクトで出したボールは和田昌士と合わず。
再びラファエルの足元に入ると、少しドリブルで運んでから縦位置の南野遥海に付ける。
南野がこれをダイレクトで後ろ足で右に落とすと、神戸康輔が受けて右サイドの森俊貴に広げる。
森がダイレクトでグラウンダーのクロスをニアに送るが、これは南野の手前で天笠泰輝が滑り込んでブロックしコーナーに。
元々は栃木がボールを保持していたが…ある意味でショートカウンターのような形でスピーディな攻撃となり、なかなか危険なシーンであった。
28分、石田凌太郎と大島康樹がワンツーで左サイドを抜け出そうとする。
大島から石田へのリターンに対して和田昌士が滑り込み先に触ることに成功するが…これが宮崎鴻へのナイスパスとなってしまう。
受けた宮崎は少し溜めてから石田へ戻すと、寄せた和田に対して上手く身体を使って失わず更に右に流す。
これを神戸康輔がワントラップで狙うと、櫛引政敏の正面だったものの…手前でバウンドしたことが影響したか、はたまたブラインドとなっていたか…キャッチできずに前にこぼしてしまう。
このボールに櫛引と大島がイーブンで飛び込み、やや櫛引が勝ったか?更にこぼれたボールを城和隼颯がクリアしてピンチを脱する。
先ほどの宮崎と櫛引の接触と同じような形だが、こちらはノーファールとなったものの…櫛引が少し傷んだことでプレーは止まる。
まぁこちらはノーファールで妥当だろう。
しかし櫛引には珍しいファンブルと言え、正面の映像が無いから判断はできないが…ブラインドで見えなかったのだろうか?
こうしてこの時間帯は栃木の猛攻を受けるも、やっと戻ってきた堅守で耐えきることに成功する。
しかし石田凌太郎に良いようにプレーされており…やはり川上エドオジョン智慧の守備では厳しいと言えそう。
エドの持ち味は攻撃面であり、石田も攻撃的な選手だけに逆に押し込めればチャンスにもなるだろうが…。
【30~45分】髙澤優也のリベンジ
31分、右からのコーナーキックを獲得するとキッカーは風間宏希。
中央に送られたボールは跳ね返されるも、回収した菊地健太が再びファーサイドにクロスを上げる。
ここで中塩大貴が競り勝ち逆サイドに折り返すと、こちらでも城和隼颯が競り勝ち折り返すが…その先で跳ね返されてしまう。
このボールを中塩がダイレクトで狙っていくが、これは大きく枠を外れてしまう。
35分、川本梨誉がボールを引き出すと、ワンタッチで平松航の股を抜き前を向こうとする。
しかしここは平松が潰しに行き、一度はプレーオンとしたようだが戻してファールとなった。
ここはファールで潰された形になったが、今日は川本が良い形で前を向けている印象である。
42分、奥田晃也からグラウンダーのスルーパスが縦に入り、ここに宮崎鴻が抜け出して完全に裏を取る。
しかしここには城和隼颯が斜め後ろから滑り込み、櫛引政敏も良い飛び出しを見せて対応。
流れたボールを宮崎が回収してゴール前にクロスを送ると、南野遥海がオーバーヘッドで狙うも枠の外に。
44分、南野遥海に対して菊地健太と髙澤優也でサンドしてボールを奪うことに成功。
奪った髙澤がドリブルで神戸康輔をかわし、更にやや強引に福島隼斗もかわしに行く。
裏街道で福島をかわしたが、このタッチがやや長かったこともあり平松航が飛び出してスライディングでクリアを試みる。
しかしこのボールに対して髙澤がしっかりと追いつき先に触ると、その後平松の足にかかる形で転倒。
主審は迷うことなく笛を吹きPKスポットを指差した。
結果的にはペナルティエリア内で滑った平松が軽率だったと言えるが…映像で見ても飛び出して滑り込んでカットが狙えると判断しても全くおかしくないくらいに長めのタッチだったのは事実。
予想よりも髙澤のスピードが上回ったと言えるか。
46分、前節PKをポストに直撃させてしまった髙澤優也だが、ここでも自らボールを回収しPKスポットに向かう。
そして前節同様にインサイド(今回はややインフロントか?)で丁寧ではあるものの威力はあるボールを、今度は逆サイドである右側にきっちりと決め先制に成功。
前節の失敗が頭をよぎったとは思うが、自らの力でリベンジに成功してみせたと言える。
これをきっかけに量産体制に入りたいところか。
素晴らしい精神力と言えるが、ハッキリ言ってFWという人種は例えここで2試合続けて外してもてへぺろって言えるくらいの鈍感さが必要。
そのくらい精神が太くないと大物ストライカーにはなれないのである…。
47分、PKでのゴールからのリスタート。
平松航から大きく右サイドに展開すると宮崎鴻が競り勝つが、次のボールは中塩大貴が競り勝つ。
このボールは再び栃木が勝つ形で神戸康輔が頭で前に送ると、大島康樹が頭でスペースに流そうとする。
これは酒井崇一のところとなるが…ボールがやや懐深く入り過ぎてしまったか、クリアがミスになり上に上がってしまう形に。
これをダイレクトで南野遥海が狙っていくが、このシュートは枠を外れてくれる。
こうして前半は押し込まれていた群馬がPKにて先制し折り返すこととなった。
【45~60分】PK献上と退場劇
後半は栃木のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの交代は無くリスタートとなった。
45分、左サイドでボールを受けた石田凌太郎から、縦のスペースで南野遥海がボールを引き出す。
南野がダイレクトでゴール前にクロスを送ると、ここはほぼイーブンながらも中塩大貴がやや競り勝つ。
このこぼれ球をラファエルが頭でゴール前に再び送り込み、大島康樹が競るがここは城和隼颯が競り勝つ。
しかし中塩のところも城和のところも完全に競り勝ったとは言えず、クリアボールの飛距離は伸びない。
このセカンドは風間宏希と宮崎鴻が競るもどちらも触れず落ちる形になり、ここに石田と酒井崇一が飛び込むが…酒井が身体を投げ出した形となりファールを取られてしまう。
うーん、気持ちはわかるが…ペナルティエリア内だけに滑ってしまったのは不用意だったと言えるか…。
46分、このPKを大島が冷静に右に流し込んで同点に追いつかれてしまう。
56分、櫛引政敏からやや長めのボールを川上エドオジョン智慧が下がりながら受ける。
するとここに石田凌太郎がショルダーではあったものの、後ろから激しくチャージ。
ファールの笛は鳴ったが…このプレーに対してエドが怒りをあらわに石田に詰め寄る。
すると石田がエドを両手で突き飛ばし、これで完全にキレてしまったか…エドが報復の形で石田を突き飛ばす。
この2人は試合中から激しくぶつかり合っていただけに…お互いにフラストレーションが溜まっている部分もあったか…。
結果的に石田にイエローカード、エドにレッドカードが出されることとなった。
このシーンは後ほど。
59分、この退場もあり群馬ベンチが動く。
髙澤優也に代えて佐藤亮、和田昌士に代えて大畑隆也を投入する。
髙澤を下げたことで前を1枚減らし、どうやら3-5-1にした様子。
エドのいた右WBには大畑が入り、和田の位置に天笠泰輝がスライド、そして天笠のいた左側に佐藤が入るようである。
【60~75分】惜しいシーンを作るも…
上記で書いたように川本梨誉を頂点にした3-5-1となった群馬だが、攻守ともにやや川本が左側でプレーしている印象を受ける。
変わりに佐藤亮が2列目…1.5列目ながら中央寄りにポジションを取っているシーンが多い。
70分、同じタイミングで両チームが動く。
群馬は川本梨誉に代えて佐川洸介、風間宏希に代えて高橋勇利也を投入。
栃木は森俊貴に代えて川名連介、福島隼斗に代えて藤谷匠を投入する。
72分、左サイド高めの位置でスローインを獲得すると、中塩大貴がロングスローを入れる。
これは跳ね返されるも菊地健太が再びゴール前に送り込もうとしたところに、南野遥海が完全にアフターで突っ込む。
これはファールの判定となるが…なぜかノーカード。
日本とドイツの違いなのかもしれないが…この試合はやや不可解な判定が多く、カードの基準も甘い印象である。
74分、このファールで得たセットプレーは跳ね返されてしまう。
しかしセカンドボールを回収し、一度櫛引政敏まで下げて作り直す形を取る。
櫛引からは長いボールが送られ高橋勇利也が競り勝ち、ボールは大畑隆也へ。
大畑から左側の佐川洸介に浮き球が送られると、その外を猛然と佐藤亮が上がる。
佐川が少しドリブルで前に持ち出してから佐藤を使い、佐藤はダイレクトでクロスをニアに送り込む。
ここに菊地健太が入り込み、完全に神戸康輔に走り勝った形を作ったが…ボールの高さが合わなかったか…膝に当たってしまい枠の外に外れていく。
完全に決定機だったが…これを決めきれないのが今の順位ということか…。
【75~90分】お互いに決定的なチャンスを作り出せず
78分、右サイドでボールを受けた川名連介が内側に運びながら逆サイドに大きくサイドチェンジ。
これを受けた石田凌太郎がカットインから、距離はあったものの強烈なシュートを放つ。
しかしこのシュートは櫛引政敏が正面でしっかりとセーブ。
83分、栃木ベンチが動き、宮崎鴻に代えて矢野貴章を投入する。
87分には群馬ベンチが最後の交代カードを切り、菊地健太に代えて平松宗を投入。
健太はここまでかなり走っていたこともあるが、80分を過ぎた辺りからガス欠気味の印象があり…もう少し早く動きたかった。
またこのポジションに杉本竜士を入れても面白かったと思うのだが…1枚少ない状況を考えると守備が計算出来て高さのある平松という選択になるのは理解できる。
が…杉本は前節良い守備対応を見せていたし、もはや引き分けすら許されないチーム状況を考えると…勝利を目指して杉本を入れる方が面白かったと思う。
(もちろんそれで…特に左サイドを崩されて失点して負けたら非難囂々となるのは間違いないが)
この交代によりシステムも5-2-2に変化し、健太のところには佐藤亮が降り、ボランチが天笠泰輝と高橋勇利也の2枚に。
平松は前線に入り佐川洸介と並ぶ形となった。
90分には栃木も最後の交代カードを切り、石田凌太郎に代えて大森渚生、大島康樹に代えて小堀空を投入。
91分、南野遥海からのパスはズレた形となり、佐藤亮がクリアしに行く。
しかしここに神戸康輔が足を出し、結果として高い位置でのスローインを与えてしまう形となる。
うーん、ここもファールを取ってほしいかな…。
このスローインを大森渚生が受けると、ゴール前にクロスを送り込み小堀空が飛び込むもこのヘッドは枠を外れてくれる。
こうして北関東ダービーは1対1のドローとなったが…この試合だけを見れば1枚少なくなった群馬が平松宗を投入し、しっかりと勝点1を守り切ったと言える。
逆に栃木としては10人になった相手を崩しきれずに勝点2を失ったと言えるか。
10人となったチームはやることが明確になるため、ある意味では11人の時より崩すのが難しいのもサッカーの心理であるが。
しかしリーグ戦という全体を見ると…群馬は絶対に勝たないといけない試合で勝点2を取りこぼし、栃木は勝点を詰められることなく次第点と言えるだろうか。
ピックアップポイント
川上エドオジョン智慧の退場シーン
今回は川上エドオジョン智慧の退場シーンを振り返りたい。
まず根本的にエドは退場で間違いなく、不要にして愚かな行為であったと言える。
特に現状のチーム状況を考えると、更に罪は重い…となってしまう。
がしかし、エドの気持ちはわかる部分もあり…サッカー選手は機械ではなく人間であるわけで…仕方ないとは言わないが理解出来る部分は往々にしてあると言える。
このマッチレビューを書いている段階ではまだ処分は決まっていないものの、エドは1試合ではなく3試合の出場停止となる可能性もあるようだ。
Jでは5/25より新懲罰規定を適用しており、今までと規定が多少変更。
退場理由は「乱暴な行為」と記録されており、これが「選手等に対する暴行」と判断されると最低3試合の出場停止となってしまうようである。
「暴行」とまで判断されなければ最低1試合の出場停止となるが…この辺りは今日か明日辺りに決定が下されることになるだろう。
1試合で済めばまだマシだが…3試合以上ともなればエドは後悔してもしきれない愚行だったとなってしまう。
個人的に判定に疑問が残っているのはエドの方ではなく、石田凌太郎のカードの色。
論点は「反スポーツ的行為」だったのか「乱暴な行為」だったのか…となるだろう。
前者ならばイエローカードであり、後者ならばレッドカードとなるのがルールだが…。
時系列を整理すると、櫛引からパスを受けたエドに対して石田が後方からチャージ。
これに対してファールの笛が鳴る。
エドが石田に詰め寄り何か言う。
石田がエドを両手で突き飛ばす。
エドが石田を突き飛ばし返す…となる。
ファールに対しても人により色々な意見があると思うが…個人的にはノーカードで良いと思う。
それに対してエドが口頭で詰め寄るが、これは発言内容により処分が変わる。
一般的には差別的な発言等があると処罰対象となるが、現実的には審判も距離があることから発言内容までは聞き取れていないことも多い。
更には怒りをあらわにしただけ…というパターンが多く、これは基本的にはカードが出ることの方が少ないだろう。
それに対して石田は手を出しており、これは個人的に「乱暴な行為」と判断する。
例えばあの場でエドがやり返さずに倒れて大袈裟に痛がっていたらどうなっただろうか?
果たしてイエローカードで済んだだろうか?
エドがやり返したこと、更には強度が明らかにエドの方が強かったことで心証としてはエドの方が悪いのは事実。
だがどちらもレッドカードの基準点は満たしているのでは無いだろうか?
群馬サポのひいき目があるかもしれないが、個人的にはどちらにもレッドカードが出されるべきシーンだったように思う。
その上で、仮に石田が1試合の出場停止、エドが3試合の出場停止…という差があるとしたら…それは受け入れることは出来る。
先ほど書いたようにJは新しい懲罰規定を発表しており、石田とエドの同じ突き飛ばすという行為にしても明らかに強度差があったことは事実だから。
しかしイエローカードとレッドカードという差が出るのはどうにも納得いかないシーンであった。
仮に「エドがやり返さずに倒れていても石田はイエローカードであった」と言うのであれば納得せざるを得ないが…。
この後は余談のようなものだが…退場となったエドに対しての神戸康輔の対応もよろしくない。
ホームであり裏天王山でありダービーであり、1枚減ったことで逆転に向けてという気持ちはわかるが…あれはまさに火に油。
余計に煽っているようにしか見えないしならないだろう。
逆にそんな神戸に対して南野遥海の対応はありがたく、人柄が出ていると言えるだろうか。
MOM
この試合のMOMは髙澤優也としたい。
前節はPKを外したことで勝てたかもしれない試合を引き分けた…という見方もできた。
それだけに直後の試合でPKを蹴ることには大きなプレッシャーがあっただろう。
しかしそれでもチームのエースとして、再びPKを蹴りに行き今度はしっかりと沈めてみせたことは大いに評価されるべきプレーである。
その1点からMOMとするが、正直なことを言えば髙澤のプレーは物足りないのも事実。
FWまでボールが出てこない…、得意とする形でのクロスが入ってこない…等々あるが、髙澤ならばもっと良いプレーを見せられるハズだという期待値を上回れていない。
このゴールをきっかけに、調子が上向いていくことに期待したい。
次点で櫛引政敏の名前を挙げたい。
らしくないファンブルはあったものの、身体を張って守り切ったシーンは数知れず。
この試合は接触で痛むシーンも多かった。
守備陣全員の頑張りを含めて…ではあるが、昨シーズンのような堅守が戻ってきたと言えるだろう。
失点はPKで仕方ないと言え、これから勝点を積んでいくためにも櫛引をはじめとする守備陣の奮闘が絶対不可欠である。
最後に中塩大貴の名前を挙げて終わりにしたい。
13分のシーンが顕著だったが、やはり精度の高い左足からのフィードは中塩ならでは。
もっと数を増やしていきたいところ。
菊地健太とは身長差10cmということもあり、やはりCBとしては中塩の方が適任と言えるだろう。
健太は豊富な運動量と攻撃参加が持ち味であり、WBの方が良いプレーが期待できる。
2人の連携面も悪くなく、同時に起用できる場合は今後もこの形でいきたいところである。
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