※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
第32節はアウェーでの藤枝戦。
元々は約1ヶ月半前に組まれていたカードですが、試合前に雷により中止となったことでここに組み込まれることになりました。
中止と言えば少し前に第31節の金沢戦が「試合途中からの再開」という形で行われましたが、今節は試合前に中止が決まったためスタメン等の変更が可能という違いが。
シーズン前の目標であった勝ち点50以上というものを達成し、その後チームから「プレーオフを目指す」という表明がありましたが…どうにもそれ以降低迷が続いている印象です。
対する藤枝はJ2昇格1年目ながらなかなか良いサッカーをしており、残留の可能性が高くなっていたところ…前節は長崎に1-5という大敗。
残留を確実にするためにも、藤枝も負けられない試合となりそうです。
今回はそんな藤枝戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
藤枝MYFC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 41 | 北村海チディ |
DF | 2 | 川島將 |
3 | 鈴木翔太 | |
5 | 小笠原佳祐 | |
MF | 7 | 水野泰輔 |
22 | 久富良輔 | |
26 | 西矢健人 | |
27 | 榎本啓吾 | |
FW | 10 | 横山暁之 |
11 | アンデルソン | |
28 | 矢村健 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 上田智輝 |
DF | 24 | 中川創 |
MF | 47 | 田中宏武 |
49 | 永田貫太 | |
50 | 浅倉廉 | |
FW | 8 | 岩渕良太 |
77 | 中川風希 |
藤枝は大敗した前節から1枚を変更。
岩渕良太に代えてアンデルソンがスタメン起用となる。
岩渕はベンチスタートとなり、アンデルソンは前節メンバー外だったため…今節は新井泰貴が外れた他は長崎戦と変更が無い。
藤枝の注目選手と言えば、今シーズンも現時点でチームトップスコアラーである岩渕だったのだが…今節はベンチスタートということに。
となると、代わるアンデルソンはもちろんその横に入り比較的自由に動く横山暁之辺りが注目となりそう。
群馬サポとしては当然、久富良輔と川島將にも注目したいところ。
ドミは2013年にチャレンジャーズでプレー。
トップに昇格してからは2シーズンしかプレーしていないが…その後は藤枝、栃木、再び藤枝と移籍し、群馬時代を含めればJリーガー10年目。
チャレンジャーズの存在意義等々、色々な意見があるとは思うが…数少ないチャレからの成功例となっていると言える。
話が横道に逸れるが、個人的にはチャレを含むユースの強化こそが群馬が強くなっていくために必要なことだと思っているのでドミがこうして長くJでプレーしているのは嬉しいことである。
ノブに関しては現在藤枝で不動のCBであり主将となっている。
前回対戦時にも大きく成長した姿を見せてくれており、群馬に関わってくれた選手という意味では非常に嬉しく思った。
が、この試合は沈黙していてほしいところ。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
5 | 川上エドオジョン智慧 | |
36 | 中塩大貴 | |
38 | 天笠泰輝 | |
MF | 3 | 畑尾大翔 |
10 | 佐藤亮 | |
15 | 風間宏希 | |
47 | 杉本竜士 | |
FW | 13 | 武颯 |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 24 | 酒井崇一 |
MF | 6 | 内田達也 |
FW | 50 | 菊地健太 |
9 | 北川柊斗 | |
19 | 岡本一真 | |
39 | 高木彰人 |
群馬は前節から2枚を変更。
累積により出場停止となった川本梨誉に代わり武颯をスタートから起用する。
更には畑尾大翔がスタメンに復帰したが、外れるのは酒井崇一となりベンチからのスタートに。
川本は累積のため起用できないわけだが…ここ数節明らかに調子を上げてきていただけに残念である。
また酒井に関しても比較的好調であり、ここで敢えてベンチとしたのかは謎が残る。
とは言え脳震盪で離脱していた畑尾の復帰は非常に大きく、得点力不足に悩むチームとしてはセットプレーからの得点力にも期待したいところとなるだろう。
(群馬は比較的いつも登録ポジションが謎だが)なぜか畑尾がMF登録となっており天笠泰輝がDF登録となっているが…立ち位置はいつも通りと予想される。
(もっと言えば岡本一真はこの試合もFW登録だ)
ベンチには酒井崇一が入るために川上優樹が外れる形となり、川上は残念ながらアピールの機会を得ることが出来なかった。
また菊地健太が久しぶりにメンバー入りし、白石智之の代わりに北川柊斗がベンチに復帰ということに。
試合経過
【0~15分】目立つビルドアップでのパスミス
前半は群馬のキックオフでスタート。
メンバーが変わったことで気になる立ち位置だが、やはり畑尾大翔が3CBの中央に入り右に城和隼颯となった。
これは昨シーズンと同じため、ある意味では予想通りと言えるだろう。
また武颯と平松宗の2トップだが、武を頂点にし平松をビルドアップの際に下りる役割、そして杉本竜士を左サイドとしているようである。
4分、小笠原佳祐からのロングボールはそのまま櫛引政敏まで行ってしまい、櫛引から畑尾大翔に送り後方から攻撃を組み立てる。
城和隼颯、川上エドオジョン智慧、佐藤亮とパスを繋ぐが、佐藤が後方に下げたボールが天笠泰輝とズレ…これが直接矢村健に入ってしまう。
少しドリブルで運んでから自らシュートを選択するが、これは畑尾大翔がコースに入りブロックしてコーナーに。
このブロックに対して藤枝はハンドをアピールするも、判定は変わらずコーナーキックでリスタートとなった。
リプレイを見ると…畑尾はしっかりと腕を閉じており、当たったところも腕と言うよりは肩付近に見えるため…これはノーハンドで妥当だろう。
10分には群馬が2本続けてコーナーキックのチャンスとなり、2つ目を畑尾大翔が頭で合わせるも枠の上に。
畑尾の復帰で迫力あるセットプレーが戻ってきた。
13分、櫛引政敏のパスミスからピンチを迎えるが…川上エドオジョン智慧が素晴らしい帰陣を見せ、最終的にはファールをもらいピンチを脱する。
しかしこのリスタートのボールを久富良輔に繋がれると、ボールを受けたアンデルソンが早いタイミングでゴール前の矢村健にクロスを送る。
これを矢村がダイレクトで右足を合わせると、このシュートはポストに当たり枠の外に外れてくれる形に。
誰もが意表を突かれた形であり、あのクロスは絶対にトラップして…だと判断していただろう。
シュートブロックに入った畑尾大翔の股下を抜けたとは言え、J2ではトップクラスのセーブを誇る櫛引も全く反応できなかったのが印象的。
序盤から群馬はビルドアップでミスが目立つ。
本人にミスがあるわけではないが、畑尾大翔が久々に入ったことでDFのメンバーが変わり…微妙な連携面でのズレがあるのだろうか?
繰り返すが畑尾自身がミスをしているわけではないが。
【15~30分】藤枝の見事なゴール
21分、群馬のゴールキックからのリスタート。
短く始めたが櫛引政敏がロングボールを蹴ると、これを藤枝が回収。
ロングボールを収めた川島將が自らドリブルで持ち上がるが、速攻はさせてもらえず一度スローダウン。
溜めを作ってから右サイドを上がる久富良輔を囮に、縦関係になっていたアンデルソンにパスを送る。
アンデルソンがターンしてすぐに左の矢村健に送るが、恐らく矢村は前で欲しかったところ後ろ側で受ける形となり出し手と受け手の意思が合わず。
城和隼颯がスライドしコースを消したこともあり、シュートは打てなかったが…冷静に左を上がる横山暁之にパスを送る。
横山がワントラップから倒れ込むようにシュートを放つと、これがネットを揺らし先制を許してしまう。
トラップが足元に入り過ぎたが、よく倒れ込む形で身体を運ばせてシュートに持ち込んだ。
城和隼颯と櫛引政敏を中心に、ラストパスに対してオフサイドをアピールするが判定はゴールのまま。
リプレイを見ると城和自身か、アンデルソンを追いその後ゴールのカバーに入った畑尾大翔が最終ライン。
どちらにせよ恐らく横山暁之はオンサイドだろう。
ラインがズレていたわけでもなく、横山がよくオンサイドの位置で我慢したと言える。
偶然…と言っては藤枝に失礼だが、運も味方に付けた部分はあるものの素晴らしいビューティフルゴールであった。
ノブのノールックパスが素晴らしい。
【30~45分】コーナーキックのチャンスを活かせず
34分、連続だったわけではないが短時間で3本のコーナーのチャンスを得る。
最後のコーナーを左サイドから風間宏希が入れると、飛び込んだ中塩大貴の頭のわずかに超えていく。
その奥の畑尾大翔に当たる形となり混戦となるが、まずは藤枝がクリア。
しかしこれは短く平松宗の足元に入ってしまうと、平松はこれを横に展開。
ここに川上エドオジョン智慧がワントラップから切り返し、シュートを狙うもブロックされてしまう。
ここは直接狙っていった方が良かっただろう…。
しかしルーズボールを自ら回収すると、エドらしい身体の使い方でボールを失わずプレスを回避して右サイドに開いた佐藤亮へ。
佐藤が切り返しから左足でクロスをゴール前に送るが、これはキーパーに直接キャッチされてしまう。
佐藤と言えば高精度のクロス、キックの質の高さが持ち味のプレーヤーだが…この試合はキックの精度を落としていた印象が強い。
佐藤らしからぬ精度を欠いたキックが多かった気がするので、少し心配なところである。
37分には、中塩大貴から風間宏希がパスを受けると、風間が右足アウトサイドを使ったパスを送る。
しかしこれが恐らく意図したものより弱く短くなってしまい、久富良輔にインターセプトされる。
久富はこれをすぐに縦位置にいた横山暁之にパスを通し、横山からはやや右側のスペースに抜け出した矢村健にスルーパスを送る。
角度はやや無かったものの矢村はシュートを選択すると、強烈なシュートは櫛引政敏も弾くのが精いっぱい。
こぼれ球が榎本啓吾の下に行ってしまうが、このシュートは枠を大きく外してくれて助かる形となった。
この試合は藤枝の前からのプレスが綺麗にハマっており、ビルドアップの際にこういったパスミスが続いている。
ビルドアップにこだわっていること、DFのメンバーが変わったこと、仕方ない部分はあるが…それにしてもこの多さは異常と言える。
気付いたのがこの辺りだが、どうやら武颯と平松宗の立ち位置を変更している様子。
どの時間からかは不明だが、自分が気付いたのが38分頃。
スタートでは武を頂点にしていたが、この時間には平松を頂点にし武がビルドアップに下りていく形となっている。
【45~60分】PK献上
後半は藤枝のキックオフでスタート。
ハーフタイムで群馬が動き、平松宗に代えて岡本一真を投入する。
これにより岡本が右サイドバックに入り、川上エドオジョン智慧が1列前に。
そして佐藤亮がサイドを変えて左サイドに移り、杉本竜士が平松のいたFWの左に入るようである。
ビルドアップが全く上手くいっていないため、足元があり後ろ向きでも前を向ける杉本とエドをシャドーにする…ということだろうか?
45分、藤枝の自陣からのフリーキックは大きく左サイドに送られる。
これは岡本一真が頭で川上エドオジョン智慧に繋ぐが、受けたエドのバックパスがミスとなってしまう。
矢村健に回収されると、ドリブルから低目で巻いたシュートを放たれるが、曲がり切らずに枠の外に。
対応した城和隼颯がしっかりとコースを消していたこと、更には挟みに行った畑尾大翔は「枠を外れる」と判断してシュートに足を出さず、むしろ交わすように逃げたという2CBのナイス対応でもあった。
51分、水野泰輔から縦パスを受けた榎本啓吾がターンして前を向く。
ボールを少し運んでからDF裏に抜け出したアンデルソンにスルーパスを送る。
このボールに櫛引政敏が飛び出すが、アンデルソンも速く…両者が接触してPKの判定になってしまう。
リプレイを見るとアンデルソンが先にボールに触れており、櫛引もボールに触れたかもしれないが…外に向けてタッチしたアンデルソンの足に接触となっているか。
となると櫛引のファールで、カードは無し…という主審のジャッジで正解となりそう。
櫛引の飛び出した判断が悪かったわけではなく、それ以上にアンデルソンが速かった印象だが…このプレーの論点はそこではない。
水野から榎本、榎本からアンデルソンと効果的な縦パスを2本続けて送られているところであり、更に言えば榎本のところで簡単に前を向かせている今日の守備対応の悪さと言える。
(このシーンに限らず、ライン間でボールを受けられ簡単に前を向かれるシーンが多い)
54分、このPKをアンデルソンが自らきっちり決めて2点差に。
櫛引政敏もコースを読んでいたが…それ以上にアンデルソンのキックが良かった。
いわゆる絶対に取れないコースかつボールスピードである。
57分、群馬が交代に動き、杉本竜士に代えて高木彰人、武颯に代えて北川柊斗を投入する。
これにより北川を頂点に高木が左側、つまりは交代選手のそのままの位置に入ることとなる。
確かに北川と高木なら北川がセンターとなるのは理解できるが…北川の頂点もシーズン初か?
そして北川も左側、つまりはシャドーの位置でこそ良いプレーを見せており頂点でCFとしてポストになれるタイプでもないと思うが…。
【60~75分】ミスを突かれるも…それ以上にビューティフルゴール
66分、左サイドで佐藤亮がファールを受けると、このフリーキックを自ら蹴りに行く。
ファーに送られたボールを畑尾大翔が合わせるが、これは西矢健人もしっかりと身体を当てており枠には飛ばせず。
西矢が多少ユニフォームを引っ張っているように見えなくもないが…許容範囲内だろう。
畑尾はさすがのセットプレーの強さを見せているが、枠に飛ばせていないのはやはり多少試合から離れていた影響もあるだろうか?
67分、藤枝も交代に動き横山暁之に代えて中川風希を投入。
横山はこのセットプレーの後に座り込んでしまっており、担架で運ばれてピッチアウトとなっている。
セットプレーの時には特に接触等は無かったと思うだけに、相手チームの事ではあるが…嫌な怪我の仕方に見えるだけに大事では無いことを祈りたい。
69分、交代からわずか2分で中川風希に仕事をされてしまう。
川島將から降りてきた矢村健にパスを通すと、これをダイレクトで西矢健人に落とす。
西矢もこれをダイレクトで前方に送るが、右サイドへの展開であれば短く…中央であればやや右にボールが逸れてしまう形に。
しかしこれを中塩大貴が頭でキーパーに戻そうとしたが、バウンドが合わなかったか短く上に上がってしまう。
このボールの落下点に素早く中川が入ると、ダイレクトでややループ気味のビューティフルゴールを叩き込んで3点差に。
単純に中塩のミスではあるが、手前でバウンドした上バックスピンが強く…思ったような跳ね方をしなかったと予想はできる。
また、中塩のヘディングミスもバックスピンがかかり高く上がったボールとなったが、これをダイレクトでしっかりと枠内に送り込んだ中川の技術も素晴らしい。
致命的なミスではあったが失点に直結したのは中川の能力の高さもあっただろう。
72分、群馬ベンチが動き、風間宏希に代えて内田達也を投入。
これで3回目の交代となるが、1度目はハーフタイムであり交代数も4人となっているのでもう1回交代が可能である。
この交代でどうやら佐藤亮と川上エドオジョン智慧のサイドも入れ方様子。
【75~90分】アディショナルタイムで3点が動く
81分、3点をリードしている藤枝が動き榎本啓吾に代えて永田貫太、川島將に代えて中川創を投入。
85分に両チームが同時に動き、藤枝はアンデルソンに代えて岩渕良太、久富良輔に代えて田中宏武を投入。
群馬は中塩大貴に代えて菊地健太を投入。
健太はこれがJデビュー戦となった。
90分、群馬が左サイドからのコーナーキックを獲得すると、キッカーは佐藤亮。
中央ややファーに高く送られたボールを畑尾大翔が頭で合わせると、叩きつけられたボールは矢村健の足の下を抜け、岩渕良太に当たりつつゴールに吸い込まれていく。
矢村がカット出来ず、ブロックに入った岩渕に当たったためにその後ろでシュートコースに入った西矢健人は対応出来ず…というややラッキーな形ではあるが、畑尾らしい強さのあるヘディングであった。
1点を返しアディショナルタイムはまだ4分以上あるということで、勢いに乗りたい群馬。
勝ち点1を目指してパワープレーに出るために、最前線に畑尾大翔を上げてCBには内田達也がスライドしている。
結果論でありこの判断が間違っていたとは絶対に言わないが、結果としてこれが裏目に出てしまう。
91分、小笠原佳祐からのロングボールは菊地健太が跳ね返すが、これを受けた川上エドオジョン智慧が囲まれてしまいボールロスト。
このボールを岩渕良太が回収すると、中へカットインから丁寧な横パスを中川風希に付ける。
これを中川がダイレクトでフリックし縦に送ると、矢村健が流し込んで再び3点差に…。
中川のパスが対応した内田達也の股下を抜く…という素晴らしい形ではあったが、矢村を完全に見失った城和隼颯の対応はよろしく無かった。
(見失った…というよりも一度オフサイドポジションに置いたことで意識外になったと言うべきか?)
94分には畑尾大翔目掛けてロングボールを内田達也が放り込むが、これを跳ね返される。
こぼれ球を岩渕良太が回収すると、広大に空いた前方のスペースにスルーパスを送り込む。
ここに矢村健が抜け出すと、裏を取られた城和隼颯も追いつき対応するが…右に軽く持ち出され前に出ていた櫛引政敏を嘲笑うかのようなループシュートでネットを揺らす。
簡単に裏を取られ過ぎではあるが、最後の2失点はまぁ勝ち点1を狙いに行ったところをひっくり返されたと言える。
上手くいけば同点に、上手くいかないとこのように点差を広げられるだけであり、形を崩して点を取りにいった結果であり決して悪いことでは無いだろう。
矢村のシュートも簡単そうに蹴っているが、城和との駆け引きかつ櫛引の位置の確認、更には正確なキックの精度と難易度は高め。
枠を外すか一度下げてしまうFWも多いだろう。
こうしてタイムアップとなり、今シーズンワーストとなる5失点。
得失点の部分だけではなく、それ以外の部分でも藤枝のサッカーを褒めたたえるべき内容となった。
ピックアップポイント
5試合勝ち無しをどう捉える?
今回は藤枝のファーストゴールが素晴らしかったので、それを振り返ろうと思ったが試合ではなく全体を見たいと思う。
簡単に藤枝の先制点の解説もしておくと、川島將のノールックパスがアンデルソンに入った時点で数的不利で終了である。
群馬の攻撃を跳ね返される形のため後ろは3枚となっており、右サイドを久富良輔が駆け上がり中塩大貴を釣りだす。
アンデルソンは畑尾大翔が対応し、矢村健が中央に入り込むことで城和隼颯をスライドさせる。
その3人に対して藤枝は更に横山暁之がおり4人であり、大外の横山がフリーになるのは仕方ない。
両WBが上がっており戻れない状態であるため、天笠泰輝がもっとしっかり戻り矢村を見れていれば城和は横山からスライドする必要が無かった…のは事実であるが。
しかしその部分もドミがオーバーラップしたことで、右サイドに広がると予想した部分もあるだろう。
ノブもドミの方を向きながらノールックでアンデルソンに縦パスを通しており、天笠としてはこのタイミングで中に入るとは思っていなかったのだろう。
その後は焦らず、かつ速度を落とさずにフリーの横山まで繋ぎ切り、横山もトラップが深く入り過ぎたものの何とかゴールに流し込んだと。
藤枝は攻撃のチームと言われていたが、その話通りに試合を通して素晴らしい攻撃を構築していた。
「だけ」ではないが、群馬の攻撃とは「効果的な縦パスの数」の違いが大きい。
さて本題であるがいわき戦の勝利で目標であった勝ち点50を超えてから、それ以降の5試合で勝ちが無い状態となっている。
当然良い事だとは思わないが、個人的にはこの先仮に全敗したとしても今シーズンの目標は達成しており、大槻監督を始めとしたスタッフ陣及び選手は今シーズンよくやってくれたと言うつもりである。
もちろんここ最近の試合内容の悪さには思うところがあるが、早く大槻監督の続投を決めて来シーズンに向けてチームを作っていって欲しいと思っている。
ただ1つだけ気になるのは、目標を達成した時点でチームが発表した声明…いわゆるお気持ち表明である。
細部までは忘れたが、あれを見て自分は「プレーオフを目指す」と解釈した。
その声明が出てからこういった内容の戦いが続いているのはあり得ない。
とは言え個人的にはあの表明は「良い位置に付けてるからプレーオフ狙っちゃうよ」くらいの軽い発言だと捉えているため、上記のように例えこの先全敗でも当初の目標以上…期待以上のシーズンと考えている。
言葉は悪いかもしれないがチームの発言に重さが無く、軽はずみで不要な発言だったと思う。
予想以上に調子が良いから…というのであれば大黒柱であった長倉幹樹が移籍した際になぜ補強しなかったという話になるだろう。
あくまでも目標は残留であり、勝ち点50だったからではないだろうか?
であれば、軽はずみにお気持ち表明などせずに「今期の目標は達成したので、1つでも勝ち点を積み重ねられるように今後も戦っていきます」程度で良かったのではないだろうか?
水面下では色々と交渉が始まっているとは思うが、来シーズンの監督がどうなるのかまだわからない。
大槻監督が去るのであればまた違う話になるだろうが、続投であればもはやプレーオフよりも来シーズンに向けた動きにシフトしていっても良いのでは無いかと思う。
個人的には今までのようなスクラップ&ビルドからは脱却したく思っており、目標は達成したかつ監督を慕って選手も集まってきているため続投でお願いしたい。
MOM
この試合のMOMは菊地健太としたい。
これまで4試合(だったか?)ベンチ入りしていたものの出場無し。
天皇杯で公式戦デビューとなっていたものの、この試合で短い時間ではあったがJデビューとなった。
記録としては出場わずか3分…アディショナルタイムを考えても10分弱のプレーだったと思うが難しいゲーム展開の中でのデビューであった。
言い方を変えればあまりにも酷い内容の試合であり、MOMが選べない…という状態だったと言える。
その中で数少ないプレー内容を高く評価したいのが畑尾大翔。
怪我で離脱してからはベンチスタートが続き、更には脳震盪により離脱となっていたが…やはり彼は絶対に必要なプレーヤーだということを証明したと言える。
全選手来シーズンのことはわからないが…残ってくれる前提で話をすれば25歳の城和隼颯、27歳の酒井崇一を使いたいのは事実。
33歳の畑尾は計算できる頼れるバックアッパー…というのが理想のチームと言えそうだが、「まだまだポジションは明け渡さないぞ」という気迫が見えたゲームであった。
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