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【2025 J3第7節】ザスパ群馬 対 ギラヴァンツ北九州【レビュー】

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※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

Jリーグ杯から中3日で、再びリーグ戦となりました。

前節は奈良クラブを相手に1-3の敗戦となり、Jリーグ杯では長崎を相手に1-4の敗戦…。

連敗となっているものの、Jリーグ杯では普段出番の無かった選手の活躍も見られたのが大きな収穫でしょう。

負けはしたものの決して悪くなかったカップ戦を踏まえ、この試合はメンバー選考が楽しみなところ。

ホームでは今シーズン無敗ということもあり、ここで再び上昇気流に乗っていきたいところですね。

 

今回はそんなギラヴァンツ北九州戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 キム ジェヒ
DF 3 大畑隆也
8 山内陸
22 高橋勇利也
43 野瀬翔也
MF 7 西村恭史
15 風間宏希
32 河田篤秀
FW 9 青木翔大
17 山中惇希
38 小西宏登

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 13 近藤壱成
DF 4 船橋勇真
14 菊地健太
MF 35 玉城大志
36 安達秀都
FW 2 田頭亮太
11 加々美登生
18 田中翔太
23 小野関虎之介

 

群馬はJリーグ杯でスタメンとなった選手を5人、そのままリーグ戦でも起用。

キム ジェヒ、大畑隆也、野瀬翔也、山中惇希、小西宏登がスタメンの座をつかみ取った。

とは言え大畑、山中、小西はほぼ主力と考えてよく、いわゆる控え組から一気に序列を上げたと言えるのはキムと野瀬になるだろう。

そして小野関虎之介もカップ戦で評価を上げたと言ってよく、この試合でもベンチ入りとなっている。

 

リーグ戦からを見ると、近藤壱成、安達秀都がベンチスタートとなり、瀬畠義成と米原秀亮がベンチ外となった。

瀬畠は前試合のカップ戦がレンタル元の長崎ということで出場ができなかったわけだが…今節ベンチにもいないとなると怪我の可能性もあるだろうか?

そして良くも悪くもチームのシステムのキモである米原がいないというのも…怪我やコンディション不良の可能性が考えられそうである。

 

また解せないのはカップ戦で途中出場し良いプレーを見せていた、藤村怜が再びベンチ外となっていること。

カップ戦での玉城大志を評価して…という可能性もあるだろうが…。

ギラヴァンツ北九州

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 41 杉本光希
DF 22 山脇樺織
28 木實快斗
44 辻岡佑真
50 杉山耕二
MF 7 平原隆暉
14 井澤春輝
21 牛之濱拓
34 高吉正真
99 樺山諒之介
FW 10 永井龍

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 1 伊藤剛
DF 4 長谷川光基
23 坂本翔
MF 9 河辺駿太郎
11 喜山康平
17 岡野凜平
32 高柳郁弥
FW 18 渡邉颯太
     

 

対する北九州はJリーグ杯が3/20に行われたため、リーグ戦の第6節からちょうど1週間の日程となっている。

前節からは4枚を代え、坂本稀吏也、岡野凜平、河辺駿太郎、高柳郁弥が外れ、木實快斗、平原隆暉、牛之濱拓、高吉正真がスタメン起用となった。

 

注目は昨シーズン群馬でプレーした樺山諒之介。

サガン鳥栖から今シーズンは北九州にレンタルとなっているが、ここまで5試合全ててスタメン起用。

得点こそまだ無いものの、しっかりと主力として活躍している。

ちなみに北九州は「スタジアム確保状況等の影響」により第1節がまだ行われていない(4/26開催)

更に言うと北九州-松本だけでなく、八戸-金沢(4/27開催)も第1節がまだ行われていない。

 

もう一人名前を挙げたいのが、最前線に入るであろう永井龍。

既に33歳となりベテランの域に入っているが、相変わらず怖さがある選手である。

2バックとなりがちな群馬の守備陣で、いかにこの永井を止めるか…というのがポイントになるだろうか?

試合経過

【0~15分】早々にセットプレーから失点

今節は米原秀亮がベンチ外ということで、青木翔大がキャプテンマークを巻いている。

(ちなみに副キャプテンは青木船橋勇真高橋勇利也の3人)

コイントスは群馬が勝ったようで、どうやら青木はエンドを選択し、前半の風上を選んだ様子。

そのため前半は北九州のキックオフでスタートする。

その北九州だが増本浩平監督が体調不良とのことで、この試合の指揮を執るのは勝野洸平コーチとなっている。

 

2分、2本続いたコーナーキックの2本目。

風間宏希のキックは中央に送られ、青木翔大が飛び込んだが触れず…。

その奥で大畑隆也が合わせるも、これは枠の右に外れてしまう。

大畑は完全にDFの前に入れていただけに…ここは決めきりたかったところ。

 

8分、今度は北九州がコーナーキックのチャンスを得る。

ファーに送られたボールは野瀬翔也が競り勝つも、セカンドボールは平原隆暉が回収。

対応した風間宏希を見事な切り返しで振り切り、縦に持ち出してからクロスを供給。

これを杉山耕二が頭で合わせて、早々に先制を許してしまう。

スタメン抜擢となったキム ジェヒはしっかりと反応し手には当てただけに…悔しさが残るところだろうが、あれを止めていたらスーパーセーブである。

平原の突破とクロスが素晴らしかったのは事実だが…風間の対応が軽かったのもまた事実。

そして杉山の動きも素晴らしかった。

平原が縦に突破したことでDFラインが下がるため、そのタイミングでスッと後方に下がって空いたスペースでフリーになる…完璧である。

DF陣が誰も杉山を見れていなかったのは残念だが、あのパターンではボールと選手の両方を見ることは非常に難しいのもまた事実である。

 

11分、高橋勇利也がボールを運ぶとファールを受けるも…置き去りにして抜け出したため主審はプレーオンを宣言。

勇利也から左の河田篤秀に預けると、河田は右サイドに大きく展開。

右サイドで小西宏登がボールを受けると、縦に仕掛けて木實快斗を振り切り低いクロスをゴール前に入れる。

これはニアに入り込んだ山中惇希には合わなかったが、抜けた先で井澤春輝がブロック。

このこぼれ球がナイスパスの形で山中の足元に転がると、ダイレクトで左足で狙っていくも…杉本光希が足でナイスセーブを見せる。

小西は相変わらず仕掛けが良い。

どこからどう見てもボールの持ち方が左利きなのだが…右サイドに置いても縦に仕掛けられるし、右足でクロスを上げきれる。

そして…河田のロングフィードがえげつなかった。

着々と素晴らしいCMFに成長しているように感じられ、もったいない気はするが…今のチーム事情を考えるとここが適任なのかもしれない。

昨シーズンの瀬畠義成も同じような感じがあった。

本来はDMFの選手で、プレー自体はCBよりもボランチでプレーした方が良いのだが…瀬畠以上のCBがいなかった…。

【15~30分】謎のジャッジ

ここまで15分を見ていたが、開始早々にこの試合は4バックであることに気付く。

しかし前線はやや流動的であり、青木翔大河田篤秀が2トップ気味にプレスをかけに行っているのは間違いないが…西村恭史のポジションがイマイチ定まらない感じ。

形としては風間宏希とダブルボランチで並ぶ4-4-2をベースにしつつも、縦関係で4-1-3-2のような形となっているシーンも多い。

この辺りは北九州も守備時には井澤春輝高吉正真がダブルボランチ気味で4-2-3-1…もしくは4-4-2気味であるが、攻撃時には井澤がボールを引き出しに降りがち…というところが関係しているだろう。

井澤に付いて西村が前にいくため、ボランチが縦関係になっているシーンが増える)

 

15分、キム ジェヒからの縦パスが西村恭史に送られるが、これを西村がトラップミス。

ボールはそのまま抜けてしまい井澤春輝のところに向かうと、井澤がダイレクトで樺山諒之介へ送る。

樺山から横の平原隆暉に送ると、ペナルティエリアのすぐ外からシュートを狙っていく。

キーパーの手前でワンバウンドする難しいボールとなったが、ここはキムがしっかりとこぼさずにセーブ。

樺山牛之濱拓が詰めており、こぼしていたら詰め込まれていた可能性が高いだけに…キムはナイスセーブだった。

樺山は間違いなくオフサイドポジションだったが、牛之濱は微妙なところであり…詰め込まれたらゴールが認められただろう。

しかし西村が綺麗にトラップからターンしていればチャンスとなったであろうシーンであり、キムは本当に良く見ている。

 

17分、野瀬翔也永井龍の競り合いのところでファールの笛が鳴る。

そしてなぜか野瀬のファールで、野瀬にイエローカードが提示される。

永井の手が野瀬の顔に入っており逆じゃないかと思うのだが…まぁ野瀬のファールを取ったのなら永井の手よりも野瀬が先であるため理解はできる。

しかし…なぜあの程度の野瀬のチャージでカードが出るのかは理解できない。

この試合はこのシーンだけでなく、やや怪しいジャッジがあったと言える。

【30~45分】チャンスを作り出すも…

38分、野瀬翔也から対角で左サイドにロングボールが送られると、これを河田篤秀が競り勝って青木翔大に。

青木がトラップから後ろ向きでキープし後方に落とすと、西村恭史が丁寧にインサイドでシュートを狙っていくが…これも杉本光希がナイスセーブでコーナーに。

後方からのアングルのリプレイがわかりやすいが…丁寧に行き過ぎたか…ややコースが甘いのが悔やまれるところ。

しかしそれを差し引いても杉本のファインセーブを誉めるべきかもしれない。

 

41分、最後尾にいた風間宏希から右サイドの小西宏登に広げる。

小西がカットインからクロスを送り込むと、これを野瀬翔也が競り、そのセカンドを山中惇希が頭で押し込みネットを揺らすも…オフサイドの判定となった。

ちなみにコーナーキックからの流れのため、キッカーだった風間が後方に戻っており、CBの野瀬が前線に上がったままとなっていた。

野瀬山脇樺織の競り合いで、どちらからボールが山中にこぼれたのか…と言うのが論点にもなりそうだが、仮に最後が山脇だったとしてもあれを「プレー」と言うか…という話になる。

となるとやはり野瀬が触った時点での位置関係となり、山中はオフサイドポジションで間違いないだろう。

群馬としては非常に悔しいところだが、副審のナイスジャッジと言える。

 

45分、河田篤秀が粘ったところから一気に右サイド裏にロングボールを送る。

ここに小西宏登が抜け出すとクロスを送り込むが、山中惇希には合わず…DFに当たってキーパーに向かったボールを杉本光希が大きくクリア。

いやしかし…本当に河田は良いロングフィードを蹴る。

今日は米原秀亮がいないこともあり、中盤から長短を蹴り分ける選手がいないというのもあるが…河田が本当に目立つ。

本来であれば風間宏希がこの役割をしなくてはならないのだと思うのだが…。

また小西の仕掛けが素晴らしい反面、逆サイドの山中が見劣りしてしまっている感も。

山中のところは…中3日で前の試合120分フルに出場していることを考慮する必要はあるが。

 

こうして終盤は何度かゴールに迫るシーンもあり、オフサイドながらもネットは揺らすところまでは持って行けた。

ハーフタイムでビルドアップのところを修正し、早い時間に同点に追いつきたいところ。

【45~60分】ハーフタイムで動く群馬

後半は群馬のキックオフでスタート。

ハーフタイムで群馬ベンチが動き、山中惇希に代えて田頭亮太風間宏希に代えて加々美登生を投入する。

恐らく山中はこのタイミング…かどうかはわからないものの、前の試合で120分使ったこともあり早めの交代は当初から考えていただろう。

風間の方は…正直わからない。

出来があまり良くなかったのも事実だが、鳥取戦でもハーフタイムで下がっている。

奈良戦でも60分しかプレーしておらず、怪我の状況が完全ではない…という部分もあるかもしれない。

 

開始早々にこの交代メンバーが躍動する。

45分、右サイドの田頭亮太に広げると、田頭のクロスは精度をやや欠いてしまうが…ボールはそのままファーまで抜けていく。

これを加々美登生が右足で狙っていくも、このシュートは大きく枠の上に外れてしまう。

 

ハーフタイムで交代があった群馬だが、どうやら加々美登生はそのまま山中惇希のいた左のSMFに。(攻撃時には左のWG)

田頭亮太は右のSB(攻撃時には3ボランチの右と言うのか、右のCMFと言うのか)に入り、ここにいた山内陸風間宏希のいたボランチに入った様子(攻撃時はアンカー)

 

55分、自陣深い位置からのスローインであったが、高橋勇利也山内陸にスロー。

しかしトラップしたところで平原隆暉牛之濱拓に挟まれる形で失い、そのまま牛之濱が1つ2つ運ぶとすぐ横の永井龍にパスを送る。

このパスは大畑隆也が読み切り足を伸ばして防ぐが、こぼれ球をそのまま牛之濱が狙っていく。

これはコースが限られていたこともあり、キム ジェヒの正面となるも…強烈なシュートだったこともありキムは弾く選択を取る。

弾き出したボールを田頭亮太が大きくクリアしピンチを脱することに成功するが…自分達のスローインから簡単にピンチを招いたのは頂けないところ。

【60~75分】大きな2点目は北九州に

61分、辻岡佑真がドリブルでボールを運ぶと…そのままハーフラインを超えてからDF裏にハイボールを送る。

これを永井龍がキープから後方の平原隆暉に落とす。

平原が右の牛之濱拓に広げると、その外を山脇樺織がオーバーラップする。

牛之濱はオーバーラップした山脇にパスを送るがパスが弱くなり合わず。

しかし山脇のオーバーラップと一緒に戻ってきた加々美登生も触れず、牛之濱が自ら回収すると…そのまま切り込んでからグラウンダーで横パスを入れる。

これを永井がダイレクトで合わせて追加点を奪われてしまう。

なんか全体的にフワッとしているのが気になるところ…。

なぜ辻岡にあんなに簡単に距離運ばせたのか?

なぜ永井に簡単に裏を取られて辻岡からパスを送られたのか…?

最後は永井の動きが素晴らしかったが…完全にボールウォッチャーになり永井の動きを見失っている。

 

この得点後のリスタート前に北九州の交代が行われる。

井澤春輝に代えて喜山康平平原隆暉に代えて岡野凜平が投入される。

 

67分、群馬がコーナーキックを2本続けて得る。

キーパーが飛び出して触られるが、このセカンドを河田篤秀がループ気味に狙っていく。

しかしこれも杉本光希が触り、こぼれ球を詰められず…。

河田はキーパーの位置を見て面白いアイディアを見せたが…惜しかった。

 

68分、群馬ベンチが動く。

高橋勇利也に代えて安達秀都を投入する。

 

71分には北九州ベンチが動く。

永井龍に代えて渡邉颯太が投入される。

【75~90分】成す術なく敗戦

79分、再び群馬ベンチが動く。

河田篤秀に代えて田中翔太を投入する。

これで田中を最前線とし、青木翔大河田の位置に下りる形となった。

 

80分、右サイドで小西宏登が裏を取るとクロスを供給。

ファーで加々美登生が落とし、安達秀都がシュートを放つも…これはミートしなかったか?

ブロックされたこぼれ球はクリアされてしまう。

 

82分、杉本光希からのロングボールは群馬が競り勝ったが、そのセカンドを再びハイボールで放り込まれる。

これを安達秀都牛之濱拓が競り合い、牛之濱が倒れながらも縦のスペースにボールを流す。

ここに山脇樺織が入ってきてダイレクトで低いクロスを送ると、渡邉颯太がダイレクトで樺山諒之介にスルーパスを送る。

樺山のトラップがやや長くなった感はあったが、キム ジェヒが素早く距離を詰めてシュートをブロック。

こぼれ球を回収しピンチを脱する。

キムのファインセーブにより追加点は免れたが…守備がザル過ぎる。

安達牛之濱と潰れたため、大畑隆也が外にスライドしてきているわけで…もっと中央はスライドして良いハズ。

ファーに入ってきた選手もいないため、田頭亮太渡邉を見るくらい絞っても良かったかと。

またかわされた形になった安達も、大畑が飛び出してきているのだから戻るのは外ではなく中ではないだろうか?

(ここはSMFの加々美が中に戻ったため、安達加々美のポジションを埋める…という見方はできるが)

山内陸樺山に対してもっと追わないといけないかと。

とにかくDFの約束事をもっとしっかりとしないと成績が上向くことはなさそうである。

 

83分、群馬ベンチが最後の交代カードを切る。

西村恭史に代えて小野関虎之介を投入すると、どうやら小野関はそのまま西村の位置に入った様子。

 

86分、北九州ベンチも最後の交代枠を使い切る。

牛之濱拓に代えて高柳郁弥木實快斗に代えて坂本翔を投入する。

 

88分、青木翔大が下りてボールを引き出してポストプレー。

安達秀都から縦パスで加々美登生が抜け出し、右アウトサイドで中央に折り返す。

これを小西宏登が足を残して田中翔太に落とすと、田中がシュートを狙っていくがブロックされてしまう。

 

こうして最後まで成す術無く…という表現が正しいゲームが終わることとなった。

ピックアップポイント

これからどうするのか?

成す術なく…と書いたが、まさにこの試合は北九州を相手に何もさせてもらえない試合となった。

前試合のルヴァンカップでは、長崎を相手に敗戦したものの…上手くいかないシーンもあったものの、やりたいサッカーは見せられていた。

しかし今節は終始短いパスを組み立てることに囚われており、ボールを保持することが目的となってしまっているように見えた。

ビルドアップにこだわり、短いパスを丁寧に繋ぐというコンセプトは別に構わないのだが…それだけしかしないサッカーは怖くない。

時折有効な長いボールを織り交ぜるからこそ、下で繋ぐサッカーも効果を発揮するというもの。

野瀬翔也河田篤秀から良いロングフィードが送られるシーンもあったが、もっともっと数を増やして良いと思う。

 

また北九州のDFが良かったというのはあるが、ビルドアップでせっかく剥がしかけても…その後のスピードが上がらずに再びセットされてしまうシーンが目立ったようにも思う。

CB3枚(CB2枚+GK)で北九州のファーストプレスをかわしかけた先、その所で一気にスピードアップしていかないとチャンスが生まれない。

ここで出し所が無く、勝負もせずに再び後方に下げる展開があまりにも多すぎる。

無論下げて作り直すことが必要なシーンもあるのだが、もっと積極的に前を狙う回数を増やさないと…守る側は全く怖さを感じないだろう。

後方からビルドアップしていくスタイルのため、「ミス=即失点に繋がる」という怖さがあるのは事実だが…100%安全なパスばかりではなく、もっとリスクを負って怖さのあるパスにトライしてほしい。

 

またこの戦術を貫き通すのであれば、サイドアタッカーはもっと仕掛けられないと厳しいだろう。

今日の小西宏登は非常に良い仕掛けを見せており、縦にも中にも良い突破を見せていたため怖さを見せられていた。

山中惇希はやや物足りなさがあり、加々美登生は縦に仕掛けられなかったのが痛かった。

 

そして日程的な不利はあったものの、圧倒的に運動量が少ないし攻守の切り替えが遅い。

このサッカーを続けるのであれば、もっともっと運動量を上げていかないと厳しいだろう。

技術力を求められるサッカーをしているが、J3の中でも抜群に技術があるチームというわけではないのは事実。

したがってどうしてもビルドアップでミスが出続けることになる。

それをカバーできる攻守の切り替えの早さと、圧倒的な運動量が求められるのではないだろうか?

 

最後に、今シーズンは沖田監督がサッカーを落とし込んで完成させるのが早いか、タイムリミットが先に来るか…という勝負になるであろう。

選手起用を見ても沖田監督は柔軟さが見られるため、個人的にはこだわりを持って貫き通しつつも修正することができることを期待している。

上手くハマれば面白くなりそうなことに挑戦しているため、なんとか攻守共に形になるところまで持っていきたいところ。

大きくやり方を変えるのであれば…それはもう監督を交代させるしかないだろう。

細貝社長を始めとして、チームの首脳陣がどこにタイムリミットを設定しているのか…?

そして沖田サッカーは間に合うのか?

これがこの先の注目ポイントとなるだろう。

MOM

この試合のMOMは河田篤秀としたい。

自分はもしかしたら河田のプレースタイルを勘違いしていたのかもしれない…。

と思わせるほどに、最近の河田はCMFとして素晴らしい仕事をしている。

特にあのロングフィードは素晴らしいの一言であるし、中央でボールを受けて前を向けるのが大きい。

本来であればもっとゴールに近いところでプレーさせたいと思っていたが…チーム事情を考えるとこの役割がベストなのかもしれない(というのは試合展開でも書いたが)

 

続いて小西宏登の名前を挙げたい。

右サイドで素晴らしいプレーを見せてくれた。

左利きながら右サイドで縦にも仕掛けられ、この仕掛けがあるからこそカットインも活きている。

 

他には2失点はしたもののプレーは良かったキム ジェヒ

(ただルヴァンカップの方が長いボールも織り交ぜて良いキックをしていた)

いつも通り安定して良いプレーを見せていた青木翔大などが高評価の選手。

 

逆に気になったのが山内陸

やはり守備でサイドバックをやらせるのは無理があるような気がしてならない。

以前のように中盤でプレーさせてあげた方が良さが活きるように思うのだが…。