※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
第6節は2016年シーズン以来の対戦となる清水エスパルス。
こういう言い方もアレではあるが…再び清水がJ2に落ちてきたことで2度目の(3試合目)対戦ということに。
前回対戦ではアウェーで8失点、ホームで4失点…更にはどちらも得点を取れずというあまりにも大きな力の差を見せつけられた試合でした。
今節はそんな清水がルヴァン杯の関係で日曜日に浦和とゲームをしたことで、水曜開催という変則日程に。
そのため清水は中2日、中9日でゲームを迎えることになりました。
また清水は今期リーグ戦では5戦5分。
負けこそないものの勝ててもいないという状態であり、日程やチーム状況等、良い段階で当たることになったと言えるかもしれません。
今回はそんな清水エスパルス戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
清水エスパルス
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 57 | 権田修一 |
DF | 2 | 山原怜音 |
4 | 高橋祐治 | |
15 | 岸本武流 | |
50 | 鈴木義宜 | |
MF | 3 | ホナウド |
14 | 白崎凌兵 | |
16 | 西澤健太 | |
45 | 北川航也 | |
FW | 9 | チアゴ サンタナ |
29 | ディサロ燦シルヴァーノ |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 大久保択生 |
DF | 28 | 吉田豊 |
38 | 井林章 | |
MF | 10 | カルリーニョス ジュニオ |
11 | 中山克広 | |
13 | 宮本航汰 | |
FW | 17 | ベンジャミン コロリ |
清水はJ2降格となったこともあってか17名が退団し、12名が新加入。
スターティングメンバーとしては前節の磐田戦から変更は無しということに。
注目はやはり日本代表GKである権田修一。
権田と言えば背番号が57番となっており、アレ?と思ったがどうやら今シーズンから50番以上の背番号がOKとなったらしい。
他にも昨シーズンJ1で得点王を獲得したチアゴ サンタナ。
更には北九州や山形時代での対戦が記憶に新しいディサロ燦シルヴァーノの2トップは要注目と言えそうである。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
19 | 岡本一真 | |
24 | 酒井崇一 | |
36 | 中塩大貴 | |
MF | 15 | 風間宏希 |
28 | 長倉幹樹 | |
38 | 天笠泰輝 | |
FW | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
10 | 佐藤亮 | |
13 | 武颯 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
MF | 6 | 内田達也 |
22 | 高橋勇利也 | |
FW | 14 | 白石智之 |
17 | 山中惇希 | |
23 | 平松宗 |
群馬は保有元の清水との対戦ということで、川本梨誉が出場できないことがわかっていたため…まずはここが注目ポイントだった。
個人的には前節途中から天笠泰輝を左に持っていったことから、天笠を左で使うと思っていたが…ここには川上エドオジョン智慧を起用。
そして不動のキャプテンである細貝萌がまさかのベンチ外ということに。
細貝は今シーズン今一つ調子が上がっていないのでベンチ外ということ自体は不思議ではないが、怪我などでの離脱ではないことを祈る限り。
休養を取ってしっかりとコンディションを整え直して、再び昨シーズンのような活躍を見せてほしいところ。
そんな細貝の位置には風間宏希が起用されることに。
ベンチを見ると新たに高橋勇利也と山中惇希が入った。
試合経過
【0~15分】静かな序盤も両チームの持ち味が見える
前半は清水のキックオフでスタート。
群馬はやはり川上エドオジョン智慧が左サイドに入り川本梨誉の位置に。
風間宏希が細貝萌の位置に入り、人は変わったものの基本的なスタイルは同じと見て良いだろう。
6分、CBと風間宏希で後方でパスを回してゲームを作る。
風間から中塩大貴に広げると、中塩が裏のスペースに抜け出した武颯にロングボールを送る。
これを武がしっかりと収めると、やや距離はあるもののカットインから右足を振り抜く。
これは枠を外れるが武はワンタッチをアピール。
しかし残念ながら判定はゴールキックに。
後方からのカメラだとシュート直後に軌道が変わっているようにも見え、高橋祐治の足に当たったようにも見えるが…リプレイで前方からのアングルだと当たってないようにも見える…。
11分、ディサロ燦シルヴァーノが下りてきてボールを引き出すと、そこから縦パスをチアゴ サンタナに付ける。
抜け出したチアゴは角度がないものの、そのままダイレクトで左足を振り抜き強烈なシュートを放つも枠の外に。
昨シーズンのJ1得点王ということだけあって、積極的な打つ姿勢と強烈なシュートは要警戒と言えそう。
ちなみにこの15分は大きな動きはないものの…紹介した「中塩からのフィード」と「ディサロが下りて引き出す」というシーンがゲームを通してずっと見られたのが特徴と言える。
【15~30分】取って取られて取り返して
24分、角度は無いものの…ペナルティエリアすぐ外でフリーキックを獲得。
いつも通りキッカーは佐藤亮となり、このキックはファーサイドへ。
ここに畑尾大翔が入り込むと、ドフリーで頭で合わせて叩き込み先制に成功。
権田修一も体には当てたようにも見えるが…その身体ごとゴールに吸い込まれていくという見事なヘディングであった。
佐藤亮のキックも完璧かつ、畑尾の動き(ニアに入る素振りから開いてファーへ)も良かったし、元々のファー側で中塩大貴がマークを引き付けたことでその外が空く…という見事なゴール。
ではあるが…なんとも清水の今期の不調っぷりも伝わる守備だったのも事実だろうか。
ちなみにハイライトでは映っていないが、このフリーキックは川上エドオジョン智慧が良い仕掛けをしてスローインを獲得。
そこからスローインを受けた長倉幹樹が上手い身のこなしで白崎凌兵との間に身体を入れたことで、ファールを誘い獲得したフリーキックである。
フリーキック自体も見事ではあったが、それを獲得した流れに関しても非常に良い形だったと言える。
しかし28分という先制から短い時間で、嫌な形で失点してしまう。
チアゴ サンタナに入ったところで上手く挟み込んでボール奪取に成功。
そのまま岡本一真が良いドリブルで右サイドを運ぶと、中央の武颯へ。
これを武が逆サイドに広げようとするが…意図したものとキックが合わなかったか…ボールは弱く短くなり岸本武流の足元へ。
これを岸本がダイレクトで縦の北川航也に付けると一気にカウンター返しとなってしまう。
北川から逆サイドのチアゴに広げ、更にその大外を上がる山原怜音に広げると、ダイレクトで強烈な左足を放つ。
これは櫛引政敏も左手で触るのが精いっぱいとなり、こぼれ球をディサロ燦シルヴァーノに押し込まれてしまう。
運悪く…と言ってはダメでありディサロの嗅覚を褒めるべきかもしれないが、櫛引のファインセーブがディサロに当たって入ってしまった…なんて言うのは負け惜しみだろうか。
ともあれ事の発端は武のパスミスであり、本人も出した瞬間に頭を抱えてはいるが…こういったつまらないミスからの失点は改善していきたいところ。
幸先よく先制したものの、わずか4分で追いつかれ…なんとも嫌な空気感となったが…今日の群馬は違った。
30分、一度DFラインまで戻して組み立て直しとなり畑尾大翔から左の中塩大貴へ。
中塩がドリブルで少し運んでから外の川上エドオジョン智慧に広げると、内側で長倉幹樹が引き出す。
これを右足でトラップし左足で縦に持ち出し、挟み込みにきた高橋祐治をかわすと一気にペナルティエリア内に侵入。
鈴木義宜がスライドしてカバーに入ったことで、左足で中央に折り返すとファーで佐藤亮が合わせて再び清水を突き放す。
まさに長倉劇場と言うべきシーンだったが、これエドからパスを受ける前に2回ほど首振って高橋の位置を確認しているのがわかる。
そのためボールを受けた瞬間に潰しにくるのを予想して、その裏をかく形で縦にボールを持ち出しているという…まさに圧巻のプレー。
折り返しは佐藤ではなく武颯だったのかもしれないが…これもペナルティエリア内に侵入する直前に首を振って中の様子をしっかり確認しているのがポイント。
長倉の凄さは技術の高さももちろんだが、やはりこの「見えている」というのが大きいだろう。
【30~45分】集中した守備
33分、ディサロ燦シルヴァーノが中央下りて引き出すと、逆サイドの山原怜音にボールを広げる。
山原はトラップから右足に持ち変えると、ゴール前にクロスを供給しチアゴ サンタナが頭で合わせるも枠の外。
浅い位置ではあり、怖いのは縦への突破の方…というのは事実だったが、ちょっと簡単に佐藤亮がクロスを上げさせてしまったと言えなくもないだろうか。
普段ならば酒井崇一と畑尾大翔の2CBは簡単なクロスは全部跳ね返すという安心感があるが、今日は相手がチアゴということを考えると…もう少しプレッシャーをかけられた方が良いようにも…。
続く35分、再びディサロ燦シルヴァーノが中央でボールを縦に引き出すと、そのまま抜け出そうとするがこれは許さず。
横に動かしてコーナーキックからの流れで右サイドに残っていた山原怜音に落とすと、ワントラップから見事なミドルシュートを放つ。
無回転で落ちる良いシュートだったが、これは櫛引政敏が指先でコースを変えてコーナーキックに。
見事なシュートに見事なセーブだった。
ちなみにリプレイ映像だけ見ると、川上エドオジョン智慧のポジショニングが悪く…「なぜ山原にもっと行かない」と思ってしまうが、画面外の彼の外側に北川航也がいるため…とだけ付け加えておく。
ちなみに先制に成功した直後には川上エドオジョン智慧がDFラインに下がって5-4-1になっているシーンが見られた。
直後に失点したため、意図してシステムを変えたのか流れの中でのイレギュラーだったのかは不明だが…割と点差が開くと後ろ5枚にする傾向があるのが今シーズン。
しかし同点とされ、再び突き放してからは5-4-1ではなく4-4-2で守っているように見える。
ピンチはありつつも、コンパクトに保ってしっかり守れた前半だったと言えるだろう。
【45~60分】突き放す!群馬に追加点
後半は群馬のキックオフでスタート。
なんとハーフタイムで群馬が動き、武颯に代えて平松宗を投入する。
武と言えば前半終了間際の44分頃にファールを受けており、左足首を少し痛そうにしていたが…その後のプレーでは影響は無さそうにも見えたが…。
失点に繋がるパスミスがあったのも事実だが…それだけで代えるとも思えず、1点差かつ清水を相手に…次節のための温存とも考えにくい。
となると、痛みがあって大事を取って交代となるだろうか?
とりあえず無事次節、日曜日の栃木戦に名前があることを祈りたい。
52分、長倉幹樹から受けたパスを岡本一真がリターンで縦に送るが…これは完全に山原怜音に読まれておりカットされてしまう。
ここからショートカウンターを浴びる形となり、裏に抜け出したチアゴ サンタナにボールが入ってしまう。
チアゴから折り返したボールをディサロ燦シルヴァーノがシュートするが、これは残した後ろ足で畑尾大翔がブロック。
なんとかピンチを脱することに成功する。
畑尾がブロックしたボールを中塩大貴が前に蹴りだすと、これが中央をスルスルと抜けていき長倉幹樹が回収に向かう。
ダイレクトで左サイドの川上エドオジョン智慧に広げると、ここからドリブルで運ぶ。
カウンター返しとはならずスローダウンさせられてしまうが、中央の天笠泰輝に出すとそこから逆サイドの岡本一真へ。
岡本は更にその外の佐藤亮まで広げると、プレッシャーが甘かったこともあり左足に持ち変えてファーサイドへクロスを供給する。
これを長倉幹樹が頭で合わせると、このボールが岸本武流の手に当たり…コースが大きく変わったことで権田修一も対応できずにボールはゴールへ吸い込まれていく。
ゴールに入ったことでそのまま流す形となったが、仮に枠を外れたり権田が抑えた場合はPKとなっていただろう。
岸本の手に当たったことで長倉のゴールになるのか、オウンゴールになるのか…と思ったがどうやら記録を見ると長倉のゴールということに。
形としてはあのヘディングもシュートではなく折り返しだった可能性もありそうだが…なんにせよ待望の長倉の今シーズン初ゴールということに。
今まで決定機を外してきただけに、このゴールから一気に波に乗ることに期待したい。
そして…佐藤はなんと1G2Aということに。
とんでもない左足の精度を見せつけている。
53分には右サイドをえぐられて低いクロスをチアゴ サンタナに合わせられるが、このシュートは酒井崇一がブロックしてコーナーに。
このブロック成功に酒井が吠えたのが印象的なシーンであり、今日も守備陣は集中力高く守れていると言える。
55分には群馬が動き、川上エドオジョン智慧に代えて山中惇希を投入する。
清水も準備はしていたようだが…枚数を増やすのか、ここでは代えずに群馬のみの交代となった。
そして56分に清水が交代となり、北川航也に代えて中山克広、西澤健太に代えてカルリーニョス ジュニオを投入する。
【60~75分】安定した守備で攻めあぐねる清水
2点差となったこともあり、今まで以上に清水がボールを保持する展開が続く。
64分には細かくボールを繋がれ、ホナウドがミドルシュートを狙うもこれは枠の外に。
ボールを持たれてはいるが、中央をコンパクトに保ち危ないところには入れさせていないと言える。
清水としてはボールを持てているものの…どう崩して良いか、攻めあぐねているように見える。
結果的に糸口を見つけられずに、放り込んで跳ね返されるか遠くから打たされるか…という状態になっている。
このホナウドのシュートでプレーが切れた64分、清水が2度目の交代を使いディサロ燦シルヴァーノに代えてベンジャミン コロリを投入する。
65分には群馬も動き、ハーフタイムと合わせると3度目の交代を使う。
風間宏希に代えて内田達也を投入し、守備固め…というほどではないが攻撃面よりも中央の守備を厚くしたいという意図が見える。
69分には山原怜音に強烈な右足でのシュートを打たれ、櫛引政敏がこぼしてあわや…というシーンもあったが…これも外から打つしか方法が無いからである。
と強がっておこう。
しかしこのミドルで足を傷めたようで、その後も痛そうな様子でプレーを続けたいたが…プレーが切れた72分に担架が入る。
左足首にも見えるし後ろ側にも見えるし…うーんアキレス腱か?とにもかくにも、すぐにバツが出るということでプレー続行は諦めてそのまま担架で運ばれることに。
この山原、この試合では強烈なミドルを何本も放っただけでなく攻守に効いており非常に良い選手だった。
筋肉系のトラブルに見えるだけに…長引きそうな予感もあるが…軽傷で長引かないことを祈りたい。
74分、ここで清水が最後の交代を使う。
先ほど傷めて既にピッチを離れている山原怜音に代えて吉田豊、更に高橋祐治に代えて宮本航汰を投入する。
【75~90分】両守護神が魅せる
77分、左サイドで山中惇希がボールを受けると自力で左サイドを突破。
ゴールライン際という深い位置まで突破しファーにクロスを送ると、ここに岡本一真が飛び込んでシュートを放つ。
アウトサイドにかけたシュートはキーパー手前でワンバウンドという難しいシュートになったものの…これは権田修一が右手一本で上に弾いてコーナーキックに。
惜しむらくはゴール真ん中…やや権田の正面気味になってしまったことだが…それを差し引いても権田のスーパーセーブと言って良いだろう。
さすがは日本代表のゴールマウスを守る守護神である。
残り20分という時間になり、更には2点差ということで群馬も無理に攻めることは無く。
それもあり清水がボールを保持し攻め続け、群馬が防戦一方という展開が続く。
しかし…さすがにこの時間はしっかりと守れてはいるものの、クリアボールがただ蹴りだすだけになりつつあるのが気になるところ。
時間帯や展開もあり単純に比較はできないが…武颯に代わって入った平松宗にあまり収まらないのが痛い。
88分に群馬が最後の交代を使い、天笠泰輝に代えて高橋勇利也、長倉幹樹に代えて城和隼颯を投入する。
城和は「5」という指示をしながら入ってきており、5バックへ移行し残り時間を逃げ切る意図が見える。
これにより後ろは右から岡本一真、酒井崇一、畑尾大翔、城和隼颯、中塩大貴という5枚に。
その前に同じく右から佐藤亮、内田達也、高橋勇利也、山中惇希の4枚。
最前線に平松宗となるわけだが…唯一収まる長倉が下がってしまうことになり、更にボールは収まらなくなると言える。
ただ…他に選手がいないというのはあるだろうが、高橋をボランチで使うというのは面白いかもしれない。
残り時間も短いので、コンパクトさを保ちしっかりと跳ね返すことが重要。
そして跳ね返したボールを少しでも平松が収めてくれると、かなり後ろは楽になるだろう。
91分、左サイド裏のスペースで受けたカルリーニョス ジュニオが左足でクロスを上げる。
これを中央でベンジャミン コロリが頭で合わせるが、櫛引政敏が触ってクロスバーに当たりつつコーナーキックに。
完璧な形となったが、ここは櫛引がビッグセーブでチームを救う。
しかし…コロリのマークに付いていたのは城和隼颯であり、彼の「落下点に入れない」という悪い部分が見えたのが気になるところ。
昨シーズンも競り負ける…というより、(落下点を読み違えるなどで)そもそも競れていない…というシーンが多く見られ、ここが彼の改善ポイントとなっている。
こうしてアディショナルタイムは5分と長かったが、なんとか守り切り雪辱を晴らすこととなった。
ピックアップポイント
アディショナルタイムの権田修一
今回も相手チームのことではあるが取り上げてみたいことがある。
と言うか…試合展開のところで群馬の気になった点は全て触れてしまったとも言える。
タイトル通り、アディショナルタイムの権田修一のプレーと言うか…態度と言うかについて取り上げたい。
まずは91分、ベンジャミン コロリのヘディングを櫛引政敏がナイスセーブでコーナーに逃れたシーン。
清水から見て左サイドからのコーナーキックとなるわけだが、このコーナーキックに対して権田修一はゴール前に上がってきてパワープレーを選択。
アディショナルタイムが「5分」というのは既に発表されており、残り4分以上を残していることを考えると…早すぎると思った方も多いのでは?
まだ4分以上あるわけで、カウンターを食らえば3点差となることをわかっていて権田はゴール前に上がってきていることになる。
更には93分、清水から見て右サイドからのコーナーキックを獲得したシーン。
ここでも再び権田はゴール前に上がってきているが、91分で上がってきていたことを考えるとこれは当然こうなるだろう。
しかしキッカーである岸本武流に対して、自身の手首を叩きながら「早くしろ」というジェスチャー。
結果としてこのコーナーはカルリーニョスがミドルを狙い、枠を外れてゴールキックになるわけだが…ここでも権田が1つ魅せてくれる。
ボールは後ろの看板に当たって跳ね返り、再びピッチ内に返ってきてしまうのだが…なんとこのボールを拾いに行ったのが権田。
冷静に考えればゴールキーパー不在と言えど、2点差ある群馬が無理に早く始めて点を取りに来るとは考えにくいのは確か。
とは言え1番最初に自陣に返ってなければならない選手がボールを拾いに行き、群馬のリスタートを急かす…というシーンに清水の現状を見た気がしてならない。
ハッキリ言ってしまうと、「ボールを拾いに行くのは権田じゃないだろ!」ということ。
「だけ」とは言わないが、アディショナルタイムで残り2分を切っていて…更には2点差があっても勝負を諦めていなかったのが権田だけだったということと同じである。
もちろんリーグ戦であり、これは42試合のうちの1試合でしかないのは事実。
90分を過ぎて1点差ならいざ知らず、2点差ということで諦めたとは言わないものの…「今日はもうダメだな」とか「早く終わってほしい」と考えていた選手がいてもおかしくない。
無理なプレーして怪我をしたくない気持ちもあるだろう。
だが、サポーターやファンが見たいのは権田のような最後まで諦めない気持ちや戦う闘志じゃないだろうか?
清水はここまで5戦5分と勝ちがなく、この群馬戦で初黒星となった。
自分は群馬サポだが…客観的に考えれば降格候補の群馬を相手にシーズン初勝利どころか、初黒星となり…更には繰り返すように5引き分けという状況。
試合後には大ブーイングとなったが…これは何も成績だけではないように思う。
他の試合は見ていないのでわからないが、少なくともこの試合…特に終盤以降では権田以外からは「何とかしてやろう」という意思は見えなかった。
成績だけではなく、こういった部分にも清水サポの怒りがあるような気がする。
群馬も他人事ではないだろう。
降格候補に予想されてしまうように、残念ながら戦力では劣ると言えるだけに…戦う姿勢を持ち続けたい。
MOM
この試合のMOMは佐藤亮としたい。
別格なプレーを見せた長倉幹樹も考えたが…やはり1G2Aと全ての得点に絡んだ佐藤をMOMにしたい。
これが6試合目なわけだが、徐々にチームにフィットしてきた感があるのも好材料。
岡本一真とのコンビネーションもかなり向上していると言える。
この先も抜群の左足の精度でチームを救ってくれることに期待したい。
個人的にもう一人触れたいのが中塩大貴。
この試合は彼から良いフィードが出ていたのが特徴の1つと言えるだろう。
これまではあまり見られていなかったので、ここもかなりチームとして向上してきた部分。
逆に川上エドオジョン智慧が相変わらずバタバタしている印象があったのが気になるところ。
(彼単独では良いプレーは見られた)
途中交代となった平松宗も…消えていた時間が長いように見え、メンバーが固定気味の弊害なのかという思いも。
途中交代と言えば、山中惇希は気合が入っていた。
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