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【2023 J2第7節】栃木SC 対 ザスパクサツ群馬【レビュー】

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※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

第7節はアウェーの連戦となり、更には中3日でのゲームとなります。

対戦相手の栃木SCも前節同じように水曜に磐田へ行っており、今節はホームの利はあるとは言え群馬としても移動距離の少なくバランスが取れています。

本当に「日程くん」って優秀ですね。

 

少し前までは北関東ダービーと言えば…群馬が最下位で終わる…という状態が続いていましたが、ここ数年はバチバチの熱い戦いを見せています。

強敵である清水に勝った勢いそのままに連勝となるか?

それともここで栃木に屈してブレーキがかかるか?

今回はそんな栃木SC戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

※いつもは左側をホームにしますが、この試合はDAZNのカメラの通りアウェーが左側になっています

栃木SC

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 41 藤田和輝
DF 5 大谷尚輝
6 大森渚生
15 岡崎亮平
MF 7 西谷優希
10 森俊貴
23 福島隼斗
24 神戸康輔
FW 13 植田啓太
19 大島康樹
37 根本凌

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 1 川田修平
DF 3 黒崎隼人
30 福森健太
MF 4 佐藤祥
8 高萩洋次郎
11 ジュニーニョ
FW 29 矢野貴章

 

栃木と言えば…やはり3バックで両サイドのWBがポイントとなるだろう。

右に黒崎隼人、左に森俊貴ということが多いが…今節のメンバー表を見ると右のCBである福島隼斗がWBに入るだろうか。

右のサイドと言えば…WBではないものの群馬では大島康樹がサイドで使われることが多かった気も。

栃木では2シャドーの右に入ることが多く、昨シーズンの対戦時には相当成長したという印象を残してくれた。

また、元群馬と言えばベンチにはボランチの佐藤祥が入る。

そういえばこの中盤と言えば、谷内田哲平が京都にレンタルバックとなったのも痛いのではないだろうか?

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 3 畑尾大翔
24 酒井崇一
MF 15 風間宏希
19 岡本一真
36 中塩大貴
38 天笠泰輝
FW 5 川上エドオジョン智慧
10 佐藤亮
23 平松宗
28 長倉幹樹

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 42 石井僚
DF 2 城和隼颯
MF 6 内田達也
33 細貝萌
FW 7 川本梨誉
9 北川柊斗
17 山中惇希

 

群馬は前節契約上の理由で出場できなかった川本梨誉がどうなるか…というのが試合前の注目ポイント。

川本を戻すのか、前節の清水戦で起用した川上エドオジョン智慧を再び使うのか…。

フタを開けてみると前節同様にエドがこの位置に入ることに。

また前半で退いた武颯はやはり怪我だったようで今節はメンバー外。

代わりにここは平松宗が入ることになった。

武のアクシデントはあるが、基本的に「勝った次の試合は変えない」というパターンが多い大槻監督らしい選出と言える。

 

ベンチを見ると武颯の離脱で代わりにメンバー入りしたのが北川柊斗。

北川は久々のメンバー入りだけに、ここはチャンスをもらってアピールしたいだろう。

そして川本梨誉はベンチスタートということで、外れたのは白石智之…。

更には細貝萌がベンチに復帰したことで高橋勇利也が外れることとなった。

細貝が2試合離れていた理由は定かではないが、少なくとも大きな怪我などではないことで一安心と言える。

試合経過

【0~15分】デザインされたセットプレー

前半は栃木のキックオフでスタート。

センターサークルには長倉幹樹が入り、他の選手を見ても…少なくとも前線の選手はマイボールでのキックオフだと勘違いしていたように見える。

いったいどんなやり取りがあってこうなったのか…。

 

開始早々の2分、天笠泰輝酒井崇一がお互いに譲り合う形で少し危ないシーンを作ってしまう。

天笠は後ろの酒井に任せたが、酒井はそのまま天笠が処理すると判断したのだろうが…キックオフのシーンと言いしっかりと集中したいところ。

 

3分、右からのコーナーキックのこぼれ球を酒井崇一西谷優希が競り合い接触。

これが栃木のファールとなったことから選手・スタッフを含め会場が大騒ぎとなるが…リプレイを見るとどちらの言い分もわかる…。

タイミング的には本来は酒井のファールだろう。

際どいところだが西谷の方が先にボールに触れているように見え、そのまま抜け出せれば…といったところ。

しかし西谷は(悪意はなくボールを触るためにだろうが)肘を出しており、それが頭でボールに行った酒井に入ってしまう形に。

この西谷の肘を、危険なプレーとしてファールで取ったのではないだろうか?

 

5分、右サイドでフリーキックを得るとキッカーは前節2アシストでノッている佐藤亮

この2アシストという現状を逆手に取ったか、横の風間宏希に短く出すと風間は更に横の畑尾大翔に広げる。

畑尾がダイレクトでゴール前に放り込むと、長倉幹樹が頭で折り返すも…中塩大貴は届かず…。

意表を突いたトリックプレーとなったが、これは昨シーズンに数回見せていた形と同じ。

現代サッカーではセットプレーは最大の得点のチャンスでもあるため、どんどんとこういったプレーは増やしていきたい。

【15~30分】ボールは持てているものの…

既にゲームが始まって約20分となり、この試合は群馬がボールを保持し栃木がそれを迎え撃つという形となっている。

栃木のプレスを上手く捌いている…とは言い難いが、落ち着いて細かく細かくパスを繋いでボールを保持。

焦って蹴りだすシーンがほぼ無く、ミスは怖いものの…丁寧に丁寧に繋いでいるのは成長の証か?

昨シーズンはボールを持たされると攻撃の形が作れず、プレスにハマってボールをロストして…というシーンが多かっただけに失わないだけでも成長だろう。

もう少し縦に怖いボールを入れていけると攻撃の形も作れるだろうが…。

 

しかし21分、栃木がCBでボールを繋いでいたところから右サイドへ広げると…かなり早いタイミングで福島隼斗がゴール前に放り込む。

ここに根本凌が飛び出しており一気にピンチとなるも、酒井崇一もしっかりと身体を寄せてシュートはミートさせず。

触ったか触っていないか…というボールとなりこれは櫛引政敏がしっかりと抑える。

 

25分、中塩大貴の縦パスがミスとなったところを大谷尚輝に回収されてしまう。

そのまま右サイドの大島康樹に広げると、距離はあるものの一気にゴール前にクロスを供給。

根本凌植田啓太の2枚がゴール前に入ってきていたものの、このクロスは櫛引政敏がキャッチして難を逃れる。

ボールは持てて回せているものの…スイッチを入れるパスなり、ダイレクトで動かしてDFをズラすなり、受けてから1枚かわすなり、セットした栃木の守備を崩す何かがほしいところ。

 

29分、畑尾大翔のトラップが少し大きくなったところを根本凌に狙われるが…これは左の中塩大貴に繋いで難を逃れる。

しかし根本に手で突き飛ばされる形で畑尾は後方に転倒し、かなり怒り心頭。

受けた中塩は中央下りてきた長倉幹樹に繋ぐと、長倉が相変わらずの上手さでDFを背負ってターン。

しかしここで後方から抱きかかえられる形で倒されファールの判定。

ファールが2つ続いたこと、更にはゲームを通して栃木のプレーが荒く…笛があまり鳴らないことに対して群馬の選手が主審に詰め寄るシーンとなる。

畑尾のところはまぁ…ボールが繋がったので流したとしても、長倉への大谷尚輝のファールは…完全に手で抱えておりカードでも良いだろう。

【30~45分】徐々に群馬が形を作り出す

32分、中塩大貴福島隼斗のトラップが大きくなったところに、良い出足でボールを回収。

そのままドリブルで持ち運ぶと、左の長倉幹樹へ。

長倉から川上エドオジョン智慧と広げると、エドはカットインから右足を振り抜く。

これはちょっと力が入り過ぎたか…全くミートせずにゴールラインを割ってしまうが、非常に良い積極的な仕掛けだった。

ペナルティエリア外、中央の位置で風間宏希が「なんで俺に出さないんだ?」と手を広げていたが…個人的にはエドの積極的な仕掛けを評価したい。

(もちろん風間に良いパスを出していても正解だっただろう)

 

34分、中塩大貴からパスを受けた天笠泰輝がダイレクトで一気に前線に。

これを長倉幹樹が受けると、内側の平松宗へ送る。

ワンツーの形で長倉にパスを戻すと、オンサイドで飛び出していた佐藤亮に向けてグラウンダーのクロスを供給。

佐藤が左足を振り抜くも、これは藤田和輝がセーブ。

非常に良い形の攻撃だったが、起点となったのは天笠のダイレクト。

やはりこういったパスが増えてこないとセットした守備を崩すのは難しい…。

 

35分、酒井崇一からのロングボールを平松宗が足先で落とすと、これが見事にDFの逆を突く形となり入れ替わりに成功。

右の佐藤亮に送ると、このパスが少し短かったこともあり佐藤は時間をかけつつ勝負を狙うが…ここは仕掛けず天笠泰輝に下げることに。

受けた天笠は左足でクロスをゴール前に…と誰もが思っただろう。

しかしその意表を突く形でミドルシュートを狙う。

やっと平松が前線で収めることができたが…この試合もう少し平松に収まると違うのだが…。

更には先ほどの長倉へのパスもそうだし、この佐藤へのパスも弱いし短いのが気になる。

 

36分、下りて受けた平松宗がダイレクトで川上エドオジョン智慧に落とす。

エドが抜け出そうとするも…神戸康輔のタックルを受けてファールということに。

このタックルに対してイエローカードが出されるも…完全に足裏を見せた危険なタックルであり、いわゆる「オレンジ」の領域のファールとも言える。

佐藤亮が鬼の形相で詰め寄り、ベンチでは大槻監督も吼えるという…非常に悪質とも言えるファールであった。

とは言えこの平松のポストプレーと、エドの受け方、その先の形…という部分は非常に良い形と言える。

 

38分には、通らなかったものの…風間宏希がDFの間をスルスルと抜けていく、かなりエグいスルーパスを川上エドオジョン智慧に送る。

昨シーズン群馬に戻ってきた風間だが、どうも以前在籍した時のような怖いパスが減った印象だったが…やっと風間らしいプレーが見れた。

このように少しずつではあるが、硬い栃木の守備ブロックを攻略しかけるシーンも増やしつつ前半は終了となる。

【45~60分】ゲームを動かせるか?両チーム交代で流れを変えたい

後半は群馬のキックオフでスタート。

ハーフタイムで栃木が動き、大谷尚輝に代えて黒崎隼人を投入する。

これにより黒崎がいつもの右のWBになり、福島隼斗が右のCBに下りることになるだろう。

 

52分、長倉幹樹がボールを引き出しターンを狙うと神戸康輔にガツンと当たられてファールの判定。

群馬の選手が…特に畑尾大翔が主審に向かって激しく抗議をし、畑尾はカードを出せというジェスチャーも。

これは主審が毅然とした態度で「そのジェスチャーはダメ」と制したのは評価したい。

このプレー以前にも長倉神戸からのファールを狙っている感があり、1枚もらっているのをわかっていて狙い目としているように見える。

主審としてもまだ52分…ということも考慮したか、カードは出さずに注意に留めるが…違うレフェリーなら2枚目が出ていてもおかしくない。

 

57分には中塩大貴が完全に読み切った、良い出足からのインターセプトを見せるも…黒崎隼人にファールで潰される形となり抜け出せず。

黒崎にイエローカードが出るが、これは黒崎の出した足が中塩の足を踏んでしまっただけであり…カードは仕方ないが悪意はないプレーと言って良いだろう。

この中断中に群馬が交代に動き、平松宗に代えて川本梨誉を投入する。

 

58分、栃木も交代に動き、根本凌に代えて矢野貴章植田啓太に代えて福森健太を投入する。

ん?栃木の時崎監督は何で神戸康輔を残したんだ?

確かに中盤で効いているとは思うが…既に1枚貰っており、更には長倉幹樹へのファールで退場していてもおかしくなかった。

そのプレーで頭が冷えたようにも見えず…ベンチには佐藤祥もいるわけで…代えないのはかなり高いリスクだと思うが…。

【60~75分】まさかの?失点。難しくなるゲーム

神戸康輔を残したのは采配ミスになるかもなぁ…と思っていた矢先とも言える61分。

神戸のトラップが少し大きくなったところを天笠泰輝がかっさらうように回収。

しかし後ろからユニフォームを引っ張られる形でファールを受ける。

このプレーに対して2枚目のイエローカードが提示され、神戸はレッドカードで退場ということに。

もったいないなぁ…。

このシーンだって…確かに天笠が回収して佐藤亮に繋いでカウンターのチャンスではあるけど…退場してまで止めるシーンではないだろう。

しかもコンタクトではなく、恐らくユニフォームを引っ張ったことに対してカードが出ているだろうから…防げたカードだったと言える。

群馬だけでなく栃木にとっても後味の悪い形となったが、まだ23歳ということで血気盛んな面もあるだろう。

この退場を経験として活かして、良い選手になってほしいところ。

 

この退場を受けて62分に栃木が動く。

大島康樹に代えて佐藤祥を投入し、FWを1枚減らして退場となった神戸康輔のところ…ボランチを補充する形に。

66分には群馬も動き、川上エドオジョン智慧に代えて山中惇希天笠泰輝に代えて内田達也を投入する。

エドは試合を重ねるごとに良いプレーが増えてきており、当初のバタバタとした印象は減ってきている。

試合勘やチームへのアジャストが進むと面白い存在になりそうな予感(とは言え個人的には右だと思う)

天笠泰輝はもはや群馬の心臓と言える存在感となっているが、連戦の疲労を考慮して風間宏希ではなく天笠を下げたということになりそう(風間は前節66分で交代しているし)

 

数的優位にはなったものの…これで栃木は今まで以上にしっかりと守って勝ち点1を取りにくるわけで…。

難しいゲームになってきたなと思った矢先の68分だった…。

佐藤祥から西谷優希に繋ぐと、そこから更に大外の黒崎隼人へ繋ぐ。

ここに必死で山中惇希が飛び込みに行くが…やはり距離があったためにほぼフリーでファーにクロスを上げられてしまう。

ここに福森健太が飛び込みまさかの失点。

1人少ない栃木が先制に成功したことで…これで更に難しいゲームとなってしまう。

【75~90分】いつ以来?大槻体制初の逆転劇

この試合は一貫して主審のジャッジが甘めということもあり、この展開になり群馬もイライラするシーンが増えてくるかと予想。

10人のチームが先制して残り20分…これは正直厳しいかなと思ったが、今日の群馬は全く諦めていなかった。

 

76分、畑尾大翔から中塩大貴へと広げると、ここに長倉幹樹が下りてきてボールを引き出す。

長倉に預けるとその外側を山中惇希が回り、DFの間を通すようなパスが出る。

長倉はちょっと厳しめの体勢からのパスとなったために…パスが短いかなと思ったが、ここは山中が強烈なフィジカルで黒崎隼人を弾き飛ばしてマイボールに。

更にドリブルでペナルティエリア内に侵入すると、カバーに入ってきた福島隼斗もいなしてクロスを供給。

これは川本梨誉には合わず、藤田和輝が左手で触るも…こぼれ球を佐藤亮が押し込んで同点に。

山中ってこんなにフィジカル強かったっけ?

先ほどの失点のクロスを上げさせてしまった責任を感じてか(個人的にはタイミング的に厳しかったと思っている)山中が気合いの突破を見せてくれた。

そして佐藤はこれで2試合連続ゴールということに。

佐藤も先ほどの失点では福森健太に最後付いて行かずに、クロスの処理を岡本一真に任せてしまった…という思いがあったかもしれない。

ちなみにこの得点の一連のシーン、山中に目が行きがちだが…クロスが上がるまでの佐藤の動き直しでのポジション取りに注目してほしい。

山中が2枚をかわす間に常に良い位置にポジションを取り直しているからこそ、佐藤の足元にボールがこぼれてきたと言える。

 

こうなると俄然追いついたチームが勢いに乗るわけで…更には数的にも優位である。

80分、群馬が最後の交代を使い佐藤亮に代えて北川柊斗を投入する。

長倉幹樹を前に残したまま、北川はそのまま佐藤のいた右サイドに入るようである。

 

86分、長倉幹樹から大外の山中惇希に広げると、縦に勝負を仕掛けるが…これは抜き切れず。

一度戻りながらも再び勝負を仕掛け、今度は半身抜き出て左足でクロスを供給することに成功する。

これをファーサイドで北川柊斗が頭で落とすと、風間宏希が飛び込んで逆転に成功!

1枚少ないことも影響していると思うが…山中が時間をかけたにもかかわらずフォローが無く1対1で勝負させてしまったのが敗因と言えよう。

この辺りは前半から群馬がボールを回し続け、栃木を走らせてきたというのも影響しているだろう。

風間も一度森俊貴の裏側に入り込み、視界から消えてから飛び込むというFW顔負けのプレーを見せたが…それに加えて栃木の足が止まっているとも言える。

 

90分、山中惇希が前にボールを蹴りだすと、ここに抜け出したのは長倉幹樹

しかし抜け出そうとした長倉岡崎亮平が手で押すような形で倒され、ボールはキーパーに。

なんとこれがノーファールとなり、再び場内が(群馬側が)騒然となる。

今日の主審は基準が甘めなのは確かであり、一貫して甘いので基準はしっかりしているのかもだが…さすがに今のがノーファールは無いだろう…。

コンタクトが無くても長倉より先にキーパーの藤田和輝が回収したとは思うので、DOGSOでレッドというのは無いだろうが…ファールでイエローカードが妥当では?

 

91分、栃木が最後の交代を使い、森俊貴に代えて高萩洋次郎を投入。

最後は4分のアディショナルタイムが5分を過ぎるものの、そのまま群馬が逃げ切ることに成功し今シーズン初の連勝となった。

逆転勝ちはいつ以来だか思い出せないような状態である。

ピックアップポイント

68分の失点シーン

今回は68分の失点シーンを取り上げたい。

サッカーの見方に正解は無く、また自分の意見も正しいとは思っていないが…某掲示板で「山中が簡単にクロスを上げさせた」というものを見たためこのシーンを取り上げたい。

 

まずは佐藤祥から西谷優希にボールが出たところでの位置関係がこの通り。

西谷に対して山中惇希が対応し、黒崎隼人はフリーで右サイドを上がるという構図になっている。

 

全体を少し整理すると、CB3枚(中塩含む)はそのまま下がり中央を固める形に。

内田達也山中が外に開くことで出来るスペース、画像で言うと矢野貴章の前を埋めに。

岡本一真はファーサイドで森俊貴に対応となる。

 

続いて黒崎がボールを受けた際のポジションがこちら。

個人的にはこの距離を山中が行ったために間に合わなかったと考える。

 

チームとしての約束事というのもあるだろうが…ここは中塩が外に出て黒崎の対応。

山中がその後ろに入る形で福島のオーバーラップ(インナーラップ)に対応するのがセオリーだったのではないだろうか?

この形(下記図)であれば黒崎中塩が出ることで遅らせられ、簡単にクロスを上げられることもない。

中央は矢野1枚に対して畑尾酒井の2枚がおり、その外は1対1ではあるがには岡本福森には佐藤と枚数は足りている。

中央は足りており、黒崎の外側に栃木の選手がいるわけでもなく…中塩がカバーに出ることに問題は無かったと思う。

 

結果として簡単にクロスを上げられてしまったが故に高精度のボールが送られたわけだが…この先も実は守れたのではないかと思っている。

流れで見た際には佐藤亮が守備をサボったかなと思ったが、実は黒崎にボールが出た瞬間に福森の位置を確認して猛ダッシュで帰陣しているのである。(これは佐藤を褒めたいので是非リプレイを見てほしい)

に対して酒井が挟み込みにきたこと、更にはクロスボールがその先だったこともあり岡本から離れて落下点に。

そのため佐藤は追うのを止めた…と見えるが、結果的に岡本が落下点に入りきれなかったとなりそうである。

 

ということで岡本が頭に当てていれば防げた失点であり、これはそれほど大事ではないと個人的には考えている。

その前のクロッサーに対して山中が行くべきだったのか、中塩がフォローに出るべきだったのか、こちらの判断の方が失点の要因となったと思う。

 

更に言うと、酒井にいったことで中央に矢野がフリーなのが気になるところ。

セオリー通り…ではあるが矢野畑尾酒井の間にポジションを取っており、酒井に行ったことで更にスペースができている。

本来はここを畑尾が埋めなくてはいけないが、ボールウォッチャーになっており恐らく矢野のポジションは見えていない。(両方見るのは非常に難しいが)

ピンポイントで中央の矢野にクロスが上がっていてもやられたかもしれないシーンである。

 

自分の中での結論としては、黒崎に行くべきは山中ではなく中塩

岡本が落下点に入れれば防げた失点であり、連携という意味ではファーサイド側は問題無し。

どちらかと言えば中央の矢野のマークの受け渡しの方が問題では?

となる。

MOM

この試合のMOMは山中惇希としたい。

逆転劇の立役者として2アシストを記録したことを高く評価。

やはりサイドアタッカーはこのくらい縦に仕掛けられる選手が良い…というのが個人的なサッカー感。

川上エドオジョン智慧も出るたびに良くなっており、この試合では非常に良いプレーを見せていたが…やはり右利きということでやりづらそうに見える。

ただし、山中の圧巻のプレーも「あの時間だったから」「途中出場だから」「展開として栃木は走らされていた」という要因はあるだろう。

ということで、次節は結果を出した山中を最初から使うのか…それとも途中交代だからこそ効果的としてスーパーサブ的にベンチに置くのか大槻監督の采配が気になるところである。

 

他の選手としては、長倉幹樹は今節もやはり高いレベルのプレーを見せてくれた。

佐藤亮も2試合連続ゴールと結果を出し、ゴール以外でも良いプレーを見せている。

天笠泰輝は先ほど書いたが群馬の心臓として機能しており、風間宏希も2試合続けてのスタメンに応える形で良いプレーを見せた。

風間はフル出場ながら最後のあの時間でゴール前にしっかり詰めていたことも評価されるべきだろう。

 

北川柊斗は采配ズバリのアシストとなったが、もう少し見せ場を作りたかったところ。

また川本梨誉は本職であるFWでの起用となったものの、ほぼ消えていたに等しいのが残念なところだろう。

平松宗ももう少し前でボールが収まってほしいという想いが強く、結果的に武颯の離脱が重くのしかかった印象となる。

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