※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
水曜日に天皇杯を挟み、中3日で迎えることとなったリーグ戦。
天皇杯では控え組を中心にリーグ3連敗という嫌な流れを断ち切る勝利をあげただけに、この勢いでリーグ戦も盛り返していきたいところです。
怪我人に苦しむザスパクサツ群馬ですが、天皇杯では多くのメンバーが復帰したのも朗報と言えるでしょう。
今節は同じく下位に沈んでいる山口だけに、残留争いに巻き込まれないためにもここで勝利が欲しいところ。
今回はそんなレノファ山口FC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※普段はホームチームを左側にしますが、メインスタンド側から見た通りの配置で上記になっています
レノファ山口FC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 関憲太郎 |
DF | 3 | ヘナン |
6 | 渡部博文 | |
14 | 橋本健人 | |
22 | 生駒仁 | |
MF | 8 | 佐藤謙介 |
20 | 田中渉 | |
33 | 山瀬功治 | |
13 | 大槻周平 | |
FW | 18 | 高木大輔 |
19 | 沼田駿也 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 寺門陸 |
DF | 4 | 眞鍋旭輝 |
MF | 5 | 佐藤健太郎 |
10 | 池上丈二 | |
11 | 島屋八徳 | |
26 | 神垣陸 | |
FW | 16 | 吉岡雅和 |
山口は前節から1枚代えとなり、大槻周平が復帰し最前線に入ることに。
大槻は前節の横浜FC戦で復帰し、次の天皇杯で90分プレーし延長戦の前半で交代という形。
最前線の頼れる男が帰ってきた…というところだろう。
キーマンとなるのはワンボランチの佐藤謙介か?
またゴールキーパーの関憲太郎はJ通算200試合という記念試合に。
他には大ベテランとなり以前ほどの怖さは無くなったものの、まだまだボールを持てば何をするかわからない山瀬功治なども気になるところだろう。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 畑尾大翔 | |
17 | 山中惇希 | |
25 | 小島雅也 | |
MF | 6 | 内田達也 |
15 | 風間宏希 | |
27 | 奥村晃司 | |
30 | 山根永遠 | |
FW | 7 | 加藤潤也 |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
DF | 4 | 川上優樹 |
MF | 8 | 岩上祐三 |
10 | 田中稔也 | |
38 | 天笠泰輝 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
39 | 高木彰人 |
群馬は前節から1枚代えとなり、岩上祐三に代えて奥村晃司をスタートから起用。
ベンチまでを見れば18人に変更は無しという形となる。
リーグ3連敗中であり、天皇杯で控え組が結果を出しただけに多少は入れ替えるかとも思ったが…やはり怪我からの復帰となる選手も多く、更には中3日で山形→群馬→山口という移動を考えると…といったところか。
次の第21節は1週間空くので、そこに天皇杯組が絡んでこれるかどうかが見どころとなりそうである。
試合経過
珍しく?入りの悪い序盤
前半は山口のキックオフでスタート。
岩上祐三がベンチスタートとなり、内田達也、風間宏希、奥村晃司と3枚がいることで並びがどうなるかと思ったが…どうやら内田と風間のボランチで奥村が右に入っている様子。
序盤10分弱は特に動きもなく、お互いに攻めあぐねている感があるが…山口がボールをキープする時間が徐々に増え、流れはやや山口寄りといったところか。
ここまで見て、システムはいつも通り守備時には4-4-2となり攻撃時には3-5-2になる形を採用している。
気になるのは…今節は風間が最終ラインに下がって受けるシーンが少なく、2CBと山中惇希の3枚でビルドアップをしている。
風間はボランチの位置、山口の最前線の大槻周平とシャドーの田中渉、山瀬功治の間のスペースでボールを引き出している印象。
山中がビルドアップで狙われるシーンが多く、風間が代わりに下りることで良い形を作れていただけに…今節はなぜ今までの形に戻したのか、これは理解に苦しむところ。
11分、山口の最終ラインのヘナンから一気にロングボールが群馬左サイドへ。
これを高木大輔が胸で落とし、生駒仁がペナルティエリア内まで侵入しシュート。
これはシュートと言うよりは中央の大槻周平、ファーの沼田駿也のどちらかが触ってくれれば…という形のキーパーとDFの間を狙ったパスと言った方が正しいだろうか?
ブロックに入った畑尾大翔に当たってコーナーとなるが…生駒のマーカーであった山根永遠が出遅れたのが気になるところ。
本人もわかっているようで、背後を抜けられた瞬間にヤバいと感じてスピードを上げたが…遅れる形となってしまった。
反面、畑尾はナイスフォローと言って良いだろう。
12分、DF裏を狙ったボールは畑尾大翔が頭でカット。
これを風間宏希がダイレクトで横の内田に繋ぎ、内田がこれをダイレクトで縦の加藤潤也に楔となるパスを付ける。
KJはワントラップから前を向き、広大な裏のスペースに抜け出そうとしている平松宗へスルーパスを送る。
平松はヘナンと1対1となるが、ヘナンがしっかりとディレイの対応をしたために仕掛けられず…ボールを運びながら味方の上がりを待つ形に。
右サイドを駆け上がってきた奥村晃司を使うが…このパスが少し長くなったことでシュートは打てず…。
流れた右サイドからクロスを送り、これを平松が頭で合わせるが枠の上に。
風間と内田のパスが素晴らしく、内田もダイレクトでこういった良い縦パスが供給できる能力はあるので…もっと数を増やしていってほしいところ。
KJは相変わらず見事なターンからのスルーパスとなり、悔やまれるのはやはり平松のパス…となるだろう。
バイタルでのプレッシャーの少なさ
15分、距離は少し遠いものの橋本健人がゴール前にクロスを供給。
これに大槻周平が飛び込むも、山中惇希がしっかりと体を寄せてブロックし合わせることはできず。
このシーンで既に2本目か?奥村晃司…に限らないが、ここ数節はこの位置へのプレッシャーがあまりにも少なく簡単にゴール前にクロスを上げられてしまっている。
フリーに近い状態で蹴らせてしまっているので良いボールが入り、特に山中側は高さがないためにウィークポイントとなっているが…改善が見られないのが気になるところ。
群馬右サイドからファーへのクロスで山中を狙う、というのはここ数節対戦相手の定石となってしまっている。
山中のフォローをしておくと、このシーンは非常に良い対応で大槻にプレーさせなかった。
18分、再び橋本健人からゴール前にクロスが入るが…これは城和隼颯が頭でクリア。
このボールを内田達也が頭で平松宗に付けようとするが、ヘナンの対応が上回り平松には通らず。
佐藤謙介が回収し、すぐ横の高木大輔に送ると…距離はあったが高木がミドルシュートを放つ。
これはわずかに枠を外れて助かるが、かなりヒヤッとしたシーン。
これもプレーを辿っていくと、奥村晃司のところでボールへの寄せが甘く簡単にクロスを放り込まれていることに行き着く。
20分、加藤潤也の良いプレスによりパスミスを誘発しこれを内田達也がインターセプト。
流れたボールはKJが回収しドリブルで勝負を仕掛けるが渡部博文に倒される。
しかしルーズボールが内田に通ったことでレフェリーはアドバンテージを取ったか、笛はならず。(画面にレフェリーが映っていないのでノーファールだったのかアドバンテージだったのかは不明)
内田は高木大輔の良い戻りによってクロスを上げられず、一度キープしてKJに戻す形に。
KJがグラウンダー気味のクロスを送るが、これは佐藤謙介にブロックされてしまう。
内田に通ったのでアドバンテージを取ったのだろうが、高木の戻りとコースへのスライディングが素晴らしかったので…良い位置ということもありロールバックでフリーキックにしてくれた方が群馬としてはありがたかったところ。
31分、自陣でのパス回しから山中惇希が良い縦パスを加藤潤也に通す。
KJはこれを左の山根永遠に広げると、ゴールまではかなり距離があったが…平松宗がDFラインの裏に抜け出すのを見てGKとDFの間にスルーパスを送る。
しかしこれは必死に戻ったヘナンが滑り込んでクリア。
ヘナンを抜けていれば確実に1点というシーンだっただけに、これは今後も狙っていきたいところ。
決定機も奪い切れずスコアレス
ここまで見て、比較的いつも前半…その中でも序盤はペースが良い群馬だが、今節はどちらかと言うと山口ペース。
天皇杯はあったが、多くのメンバーが1週間空いたにもかかわらず…なんとなく動きが重い選手が多いのが気になるところ。
またペースがつかめない理由の1つに、今日は平松宗が前線で基点になれていないこともある。
ヘナンに勝てていない印象が強く、ここでボールがキープできずにポストプレーが見せられていない。
39分、沼田駿也のクロスは誰も飛び込めないが…ここも対応した奥村晃司のプレッシャーがほとんどない。
奥村は天皇杯に90分出場しており、中3日ということで疲労もあるとは思うが…。
ちょっと今日は特に守備での対応がよろしくない。
40分、群馬右サイドを突破されるがクロスは誰にも合わず、これを山根永遠が一気に縦パスで加藤潤也に付ける。
KJは見事なワンタッチで寄せてきた渡部博文を交わし、右を上がる平松宗とで数的優位を作り出すことに成功。
左からは山根も上がってきており、KJは右の平松では無く左の山根を使おうとするが…このパスが戻ってきた生駒仁に引っかかる形でロスト。
このシーンは後ほど振り返りたい。
44分、山口のゴールキックを山根永遠が競り勝つ。
このボールを加藤潤也がワンタッチで空中を使うパスで平松宗へ。
ワンツーの形で再びKJにリターンし、シュートフェイントを1つ入れてから右サイドを上がる奥村晃司にパス。
これを奥村がダイレクトで狙うも…狙い過ぎたかファーへのシュートはポストを叩いて枠の外に。
シュートブロックで滑り込んだ生駒仁が、シュート後の奥村を引っかける形となり奥村は転倒。
しばらく起き上がれない状況もあり、立ち上がってからは左腿…お尻の辺りを抑えて痛そうな様子。
大槻監督も残り時間が短いこともあり、怪我の可能性を考慮して守備の負担を減らすためだろうと思われるが「奥村!前入れ!」と指示を出して、KJとポジションを入れ替えた様子。
これが決まっていれば…と悔やまれるシーンとなったが、結局前半にいくつかの決定機を作りつつも点が取れずにハーフタイムとなる。
悪コンディションで水溜りに
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで奥村晃司に代えて田中稔也を投入。
天皇杯でフル出場し中3日ということで、元々決まっていた交代なのか…守備を筆頭にあまり出来が良くなかったことで交代なのか…。
はたまた前半終了間際のプレーで怪我となったか…この交代は判断に迷うところ。
試合後のインタビューを聞く限りでは守備の修正ということで、奥村の出来が良くなかったために下げたと解釈して良いだろうか?
しかし、とにかく怪我ではないことを願いたいところ。
50分、平松宗が収めたボールを右サイドの小島雅也に落とす。
小島は大きく逆サイドへ展開するが…このボールは長くなりラインを割ってしまう。
前半の終盤辺りから雨足も強くなり、雨の影響も強くなってきただろうか?
この時間頃から徐々にピッチには水溜まりと言える場所もできてきており、他の場所でも足を滑らせる選手がチラホラと。
特に山根永遠は前半から数回足を滑らせており…選んだスパイクのピンがピッチコンディションに合っていないか。
55分、群馬左サイドからのスローインを生駒仁が受けるとすぐ左横の佐藤謙介へ。
佐藤はこれをファーサイドへクロスを送るが、入り込んできた沼田駿也の頭にはわずかに合わず。
頭には当たったと言うか…かすったと言うか、雨の影響もあっただろうか?
沼田に対応した小島雅也がしっかりと寄せていたことも影響しただろう。
58分、田中渉のフリーキックは畑尾大翔が頭で跳ね返す。
これを拾った橋本健人が一気にゴール前、ファーサイドへクロスを供給。
山根永遠が頭には当てるが、最奥の高木大輔に通ってしまい…これを中央に折り返し大槻周平が狙うも枠の上に。
大槻に対しては良い判断で城和隼颯が寄せており、これは非常によく見ていたと言える。
59分には群馬が先に動く形となり、山根永遠に代えて天笠泰輝を投入。
このタイミングで山口も交代を用意しているが、コーナーキックのため1つ待つ判断となる。
そして60分に交代となり、大槻周平に代えて吉岡雅和、山瀬功治に代えて池上丈二を投入。
待望のKJ弾も直後のPKで同点に
62分、田中稔也が右サイドをドリブルで運ぶが一度スローダウン。
風間宏希に預けると、風間は再び右サイドの小島雅也へ。
小島がゴール前にクロスを送り平松宗が頭で合わせるも…これは枠の外に。
今日の稔也は天皇杯の1G2Aで自信を取り戻したか、積極的なプレーが目立つ印象。
このまま復活となってもらわないと困るが…。
63分、山口のゴールキックでのリスタート。
受けた渡部博文に一気に加藤潤也がプレスをかけ、そこからパスを受けた池上丈二にも内田達也が一気にプレスをかける。
内田が奪い取りKJへスルーパスを通すと、飛び出してくるキーパーを交わすが…シュートを打つ角度が無くなってしまう。
切り替えして中に戻り、平松宗や風間宏希を使う選択肢もあったが右足を振り切りゴールネットを揺らす。
KJなら平松に通せたとは思うが、ここは多少強引に自分で行ったのが印象的。
そして待望の今期初ゴールということで、ここから更に勢いに乗っていきたいところだろう。
KJはもちろんとして…今日は内田が良い。
このシーンも「らしからぬ」と言ったら失礼だが、良いプレスからボールを奪い取り、更にはスペースに良いパスを通している。
前半にも良いインターセプトを数回と、良い楔のパスを数本通しており、更にはそのプレーのあとに積極的にゴール前まで顔を出すシーンが見られている。
元々ポジショニングの良さで勝負するタイプの選手であるが、今日は強度の高い守備もプラスされ、更には攻撃でも違いを見せていると言って良いだろう。
しかし64分、畑尾大翔がPKを与えてしまう…。
吉岡雅和のクロスにスピードが無く、トラップからクリアしようという判断だったと思うが…斜め後方からこのボールを狩りにきた沼田駿也の足を引っかけてしまう形となりファールの判定。
群馬陣地側はピッチコンディションが悪く、ボールが止まるようなシーンが多く見られていたが…畑尾としてもやや予想外の動きになってしまったか?
トラップが少し大きかったこと、死角である斜め後方から沼田が現れたことと、不運が重なった印象も無くはないが…得点直後だけに非常にもったいないシーン。
結果論ではあるが、ピッチコンディションを考慮して簡単にクリアして処理してしまっても良かっただろう。
65分、このPKを池上丈二が冷静に決めて同点に。
櫛引政敏も右手で触ってはいたが、高さが読みと異なり高かったことで右手を弾き飛ばしてゴールに吸い込まれる形となった。
触っただけに悔しいシーンだろうが…もちろんこの失点は櫛引としては何の落ち度も無い。
67分、左サイドからのスローインを受けた山中惇希がクロスを供給。
これは橋本健人が頭に当てるもクリアとは言えず、ボールはファーサイドの小島雅也のところへ。
小島がトラップからカットインし風間宏希に落とすと、風間がグラウンダー気味の良いシュートを放つ。
しかしこれはキーパーがファインセーブを見せる。
雨もあり風間は敢えてグラウンダー気味のボールを蹴っていったと思われ、更には天笠泰輝が詰めていたが…これは弾かずにキャッチした関憲太郎を褒めるべきだろう。
68分、天笠泰輝が良いカットを見せると一気にゴール前の平松宗へ。
平松のトラップが少し長くなったことで、飛び出してきたキーパーに少し慌てたか…平松のシュートは軸足を滑らせてしまい枠の外に。
勝ち越しの決定機だっただけに…これは決めたいところ。
ピッチコンディションが劣悪であることは事実だが、これが決められないと…ということは平松自身が痛いほど良くわかっているだろう。
70分には畑尾大翔の頭に遅れて飛び込む形となってしまった生駒仁の頭が入り、しばらくプレーが止まる。
畑尾がしばらく立ち上がれず、川上優樹と高木彰人を用意していたが…畑尾の様子を確認するために待つ形に。
とは言っても頭だけに畑尾をピッチの外に出すまでにも時間がかかっておりプレーは再開されず、畑尾は大丈夫と判断し交代を使う。
時間がかかったので73分になったが、平松宗に代えて高木彰人、山中惇希に代えて川上優樹を投入する。
これにより川上が右に、小島雅也が左にポジションを変更。
アディショナルタイムの悲劇
この終盤になるとピッチでは水溜まりが目立つようになり、かなりボールが止まる状態となる。
しかし群馬陣地側はボールが特に止まることに対して、山口陣地側はボールが逆に伸びていく印象がある…。
メインスタンドから見て右側の方が水捌けが悪く、より水溜まりが深いということになるか?
82分、佐藤謙介から良い縦パスが高木大輔に通ってしまう。
このパスを小島雅也はカットできると判断し足を出したが触れなかったため、高木がフリーで抜け出してしまうも畑尾大翔が素晴らしいカバーリングからスライディングでシュートブロック。
先ほどのPKを帳消しにする…とは言えないが、自身のミスで失点してしまっただけに今まで以上の気合を見せている。
84分に群馬は最後の交代を使い、風間宏希に代えて岩上祐三を投入。
ここで岩上を入れるか…。
意図としては、得点を取るため風間とは違う形でボールを入れていきたい…つまりは少し変化を付けたいというところだろうか?
87分には山口も交代枠を使い、佐藤謙介に代えて佐藤健太郎を投入。
この時間でまだ2回、3人ということで山口はまだ交代枠を残している形になる。
89分、内田達也が池上丈二からボールを奪おうとしたところで転倒。
これがファールとなるが…内田が倒れたまま膝を抑えて立ち上がれなくなってしまう。
加藤潤也がすぐに担架を要請しており、プレー続行は不可能な様子。
リプレイを見ると、右足を踏み出して地面に付いた瞬間にガクッと抜ける形になっており…この倒れ方を見ると半月板や靱帯の損傷といった大きな怪我の予感。
内田はこの試合非常に良かっただけに、大きな怪我でないことを祈りたいが…なんとも嫌な予感がしてしまう倒れ方となっている。
交代枠を全て使い切っていることもあり、残り時間は10人で戦うこととなる。
91分には山口の波状攻撃を受けるも、最後のところで体を張って守る。
まだまだ集中して戦う姿勢が見せられていると言えるだろう。
96分、アディショナルタイムも残り少なく左サイドからのスローインを急いだか…。
ロングスロー気味に前方に入れたボールはカットされ、ここからカウンターを浴びてしまう。
吉岡雅和から一気に群馬右サイドの沼田駿也にロングボールが入り、これは川上優樹が対応にいくが…入れ替わる形で交わされてしまう。
そして冷静に右足を振り抜き、逆転ゴールを許すことに…。
川上としては沼田よりも先にボールを触れると判断したと思うが…体を当てられたことで処理を誤ったか、ピッチコンディションが悪く思ったよりボールが止まったか…。
どちらにせよ川上の判断ミスにはなってしまうが、劇的な逆転弾を許すことになってしまった。
そして試合はこのゴールを認めたところでタイムアップ。
10人となったにも関わらず、アウェーにも関わらず最後まで勝点3を狙いにいった姿勢は賛否両論あると思うが…個人的にはこの判断は悪くなかったと思う。
急いだスローインがミスになり、カウンターを許して失点というのは結果論であろう。
しかし結果論とは言え、まさかのリーグ戦4連敗という形になってしまう。
ピックアップポイント
40分のカウンター
今回は40分のカウンターのシーンを振り返りたい。
このシーンに限らず、ちょっとしたミスやズレからチャンスを失ったという試合だったように思う。
負け惜しみになってしまいレノファ山口には失礼な言い方になってしまうが、内容を考えても負ける試合では無く…自滅と言って良いのではないだろうか?
決めるべきところを決める…というのは今シーズンずっと付きまとう問題だが、もう少し…本当にもう少しずつ全てのプレーの精度を上げていきたいところ。
「惜しい」までは作れているだけに、期待感を持たせるプレーは見せられているだけに…。
話を戻してそんな「惜しい」の代表的な、40分のプレーを振り返る。
まずクロスボールを山根永遠がカットし、縦の加藤潤也に付ける。
これをKJが素晴らしいワンタッチで前を向き、一気にドリブル突破の体制に入った辺りの立ち位置がコチラ。
KJが本当に素晴らしいワンタッチで渡部博文を置き去りにしたことで、残りはヘナン1枚と数的優位を作り出す。
しかしこの後のヘナンの対応が上手く、平松宗へのパスコースを見つつもKJのドリブルを止めるコース取りを行いディレイ。
KJが渡部を交わして抜け出した瞬間にそっちのフォローに行きつつも、しっかりと平松をチラ見して位置を確認しているのがポイント。
そしてKJが右サイドを見たところで下がるのを止めてパスコースを消すという対応となる。
ヘナンが上手かったのは事実だが、平松の対応が今一つだったのも事実。
並走する形で走り、縦のスペースを使いたがったために…KJはオフサイドを気にしてパスが出せなかったと思われる。
真っすぐに並走すると、ヘナンがパスの瞬間に止まるとオフサイドとなってしまう可能性が高くなってしまう。
ゴールまでまだかなり距離があり、言い換えるとスペースがかなり残っていたので、一度横に開くように動いてオフサイドを避ける動きが理想となる。
下図では簡略化しているが、×が付いているのが平松の走ったコース。
矢印があるのが理想のコースとなる。
山根永遠の追い越しはKJが感じていたのか、山根がパスを要求したのかは不明だが…恐らくKJからは生駒仁が見えていない。
そのため生駒の存在に気付かずにパスが引っかかってしまう形となってしまったと思われる。
生駒がいたために山根があのタイミングで要求したとは考えにくく、ドリブルしながら右を見た時に左に抜けていく山根が視界に入ったと考える方が妥当だろうか?
何にせよこのシーンは平松の動き方を工夫すれば決定機になっていただろう。
このように途中までは良い展開を見せつつ、最後のシュートであったりラストパスであったり、動きの質であったり…少しずつズレていたり、どこかが少し精度を欠いていたりと惜しいシーンが目立つ。
しかし言い換えればそこまでは作れているので、昨シーズンのような絶望感よりは期待感の方が大きいことは事実である。
MOM
この試合のMOMは…加藤潤也としたい。
これまでも1人レベルの違うプレーを見せるシーンも多かったが、ついに待望の今期初ゴールが生まれたのが大きい。
ハッキリ言ってしまえばKJはこれまで何度もMOMに選んでもおかしくない活躍をしてきたが、自分の中でKJに求めるプレーのラインが高くMOMにしてこなかった経緯がある。
KJならこのくらいのプレーを見せてくれるだろう…という思いが強く、想定以上の活躍をした選手をMOMにしてきたと言える。
そんな経緯があったが、今節のKJは本当に良いプレーを連発してくれた。
得点を取ったことはもちろんだが、今節目立ったのは中盤に下りてきてからのワンタッチの精度。
ワンタッチで誰かにはたくプレーの他、ワンタッチで寄せてきたDFを交わして前を向くプレーが多かった。
元々このプレーができるために左サイドはチャンスが作れ、右サイドが停滞気味…というのは触れてきたが今節は本当にレベルが高かったと言える。
もう一人触れておきたいのが内田達也。
内容に関しては試合展開で書いた通りだが、いつも通り的確なポジショニングを取っていたのが1つ。
そして今日はそこから更に出足の鋭い寄せを見せてインターセプトが数本。
寄せてプレスをかけてボール奪取が数本と、いつも以上に対人に強い守備を見せてくれた。
攻撃時にもボランチの位置から良い縦パスを数本通しており、そこで終わることなく積極的にゴール前まで顔を出すシーンも多く見られたと思う。
それだけに最後の負傷が悔やまれるところであり…これが大きな怪我ではないことを願いたいところ。
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