※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は青木翔大の恩返し弾に沈んだ秋田戦。
残留を争うという意味でも負けてはいけない相手であり、内容的にも非常に悔しい敗戦となりました。
今節は最下位に低迷する大宮ですが、過去の対戦成績を見ると相性は悪いという相手。
また戦力を見てもなぜ低迷しているのか…という状況ではあります。
これまた残留を争う中で6ポイントマッチになる可能性も高く、低迷している今のうちにしっかりと勝って連敗を避けたいところでしょう。
Contents
スタメン・フォーメーション
大宮アルディージャ
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 35 | 南雄太 |
DF | 17 | 新里亮 |
22 | 茂木力也 | |
24 | 西村慧祐 | |
41 | 小野雅史 | |
MF | 6 | 大橋尚志 |
14 | 武田英寿 | |
19 | 矢島慎也 | |
48 | 柴山昌也 | |
FW | 9 | 菊地俊介 |
10 | 河田篤秀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 40 | 志村滉 |
DF | 8 | 田代真一 |
MF | 7 | 三門雄大 |
15 | 大山啓輔 | |
26 | 小島幹敏 | |
FW | 27 | 中野誠也 |
28 | 富山貴光 |
下位に苦しむ大宮ではあるものの、メンバーを見れば戦力的にはむしろJ2でも高いと言えるかと…。
その中でも今期加入した矢島慎也が注目のプレーヤーとなるだろうか。
矢島と言えば岡山時代に対戦があるが、あの時も随分と上手いプレーヤーだと思ったもの。
更には昨シーズン琉球に武者修行に出ていた武田英寿も加入。
武田は…そんなに甘くないと思いつつも大槻監督のコネで浦和から借りられないかと思った事もあるが…。
前線はやはり河田篤秀に注意…となるだろう。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 畑尾大翔 | |
17 | 山中惇希 | |
25 | 小島雅也 | |
MF | 6 | 内田達也 |
8 | 岩上祐三 | |
38 | 天笠泰輝 | |
FW | 7 | 加藤潤也 |
10 | 田中稔也 | |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
DF | 32 | 渡辺広大 |
MF | 27 | 奥村晃司 |
FW | 9 | 北川柊斗 |
11 | 深堀隼平 | |
30 | 山根永遠 | |
39 | 高木彰人 |
対する群馬は前節から1枚を変更。
5連戦の2戦目だけにメンバーを変えてくるかと思ったが、ベンチまで見るとメンバーの変更は無しとなった。
中2日という日程だけに…これが終盤に響かないと良いが…怪我人も多くメンバーを入れ替えたくてもできないといった事情もあるだろうか。
なんと言ってもサイドバックの控えがいないのが気になるところであり、川上優樹や光永祐也の状況はどうなのか?更には藤井悠太や岡本一真、高橋勇利也はどうしているのか?
また攻撃時に3バックとなる現行システム、右の小島雅也が高い位置を取り左の山中惇希が低い位置を取る…というものだが、逆の方が良いのじゃないかとはずっと思っている。
しかし控えのいないサイドバックということもあり、スタミナお化けなところがある小島の運動量を…ということなのかもしれないと最近は思い始めた。
試合経過
疑惑の判定でPKを獲得
前半は群馬のキックオフでスタート。
試合前予想とは異なり、大宮も4-4-2ということでミラーゲームということに。
開始早々の1分、右サイド高い位置で得たスローインを小島雅也が早いリスタート。
受けた岩上祐三が小島にリターンし、小島は田中稔也とのワンツーで一気に縦に抜け出す。
そのままゴールライン際を中にカットインしたところで柴山昌也に倒されPKの判定。
腕を完全に掴みにいっておりファールの判定は妥当だが…これを取るならペナの外。
じゃあ足の方を取ったか?と思いつつリプレイを見ても、足がかかったかどうかは微妙かつ、かかっていたとしてもペナの外だろう。
完全に疑惑のPK判定となったが、長いシーズンこういったラッキーもあるし逆に不運は判定もあるもの。
ワンツーで縦に抜けた小島がすぐにクロスを送らずに、中にドリブルで運んだことで得たPKとも言えるだろう。
3分、このPKを蹴るのは岩上祐三。
冷静に左端に速いボールを蹴りこみ先制。
ゴールキーパーの南雄太は蹴ってから反応したように見えたが、仮に読み切っていたとしてもノーチャンスと言えるサイドネットへの速い球。
疑惑の判定ではあるものの、開始早々に先制できたのは大きいだろう。
9分には群馬の右サイドからの大宮のコーナーキック。
矢島慎也のキックはファーに送られ、これに外から入ってくる新里亮に小島雅也が釣られてしまい…頭の上を超えてしまう。
その外にいた茂木力也が頭で合わせるが、これは幸いにも枠の外に。
コーナーキックの配置はずっと疑問に思っているのだが…ファーが足りなくないだろうか?
怖いニアと中央を高さのある選手で固めるのは良いのだが、ファーに170cmの小島1枚しかいないというのが…。
ちょっとニアに人数をかけ過ぎている印象があるが、どうだろうか?
ポジショニングが光るKJ
17分、右サイドで得たコーナーキックを蹴るのは天笠泰輝。
これが大きく巻きながら戻ってくる左足でのボールがファーに送られ、ここで合わせるのが畑尾大翔!
完全に競り勝ちヘディングシュートは南雄太の上を抜きゴールに向かうが…ゴールの中で守っていた矢島慎也にブロックされてしまう。
こぼれ球を山中惇希が狙うもミートせずに枠の外に。
25分、自陣でボールを回す大宮。
小野雅史から縦に長いボールが送られ、これは小島雅也が頭でカットするも…中に戻りながらかつ下がりながらのヘッドとなったこともあり…クリアは中途半端に。
これを河田篤秀が胸トラップから落とすことなくボレーを放つが、これは櫛引政敏の正面に。
ちょっと距離があったことで助かったが、小島のクリアは良くなかった。
26分、今度は群馬が自陣から攻撃を作る。
左サイドへ展開し、天笠泰輝から斜めの動きで裏を取ろうとした平松宗へ長めのボールが送られる。
これは平松をマークしていた新里亮が良い出足でカットするが、このこぼれ球を加藤潤也が回収。
そのまま一気にペナルティエリア内にドリブルで運び、グラウンダーのクロスを中央の平松へ送る。
これを平松が冷静にゴールに流し込み追加点。
ここまでKJは本当に良いポジショニングでセカンドボールを拾っていたが、それが見事に実った形となった。
平松も自分の手前でカットされたあと、KJが拾うことを確認してからのポジションの取り直しが非常に上手く、真横への動きでゴールに対して角度を無くしフリーの状況を作り出した。
もちろんシュートも完璧だった。
2度目の疑惑の判定も…
30分、こぼれ球を回収した岩上祐三から、左サイドのペナルティエリア内に抜け出す加藤潤也にロングボールが入る。
これを茂木力也がKJに体をぶつけてブロックするが、これがなんとPKの判定。
確かにボールと関係のないところで、KJの進路を潰すように体を入れてブロックしているが…群馬サポの自分から見ても厳しい判定。
ただ主審はかなり自信を持って笛を吹いているので、KJの斜め後ろからショルダーではあるが、過剰な力で押したと見ただろうか?
ちなみにこの時に大橋尚志にイエローカードが出るが、ファールは茂木力也なので恐らく異議へのカードと見られる。
このPKを蹴るのは再び岩上祐三となるが…1試合に2本PKを蹴るというのはよっぽどPKに自信が無いと蹴りづらいが…。
そんな不安が的中し、先ほどと同じ左下のコースを狙ったものの…少しコースが甘くなり、かつ南雄太に完全に読み切られておりセーブされてしまう。
こぼれ球を加藤潤也が詰めようとするが、茂木力也に手をかけられ引き倒されてしまう。
その外の天笠泰輝がシュートを打つがミートせずに枠の外に。
3点目が入っていればかなり有利な展開になっただけにこれは悔やまれるところ。
岩上としては自信があったのかもしれないが、PKを獲得したKJが蹴っても良かったのでは?と思うところ。
そしてこぼれ球のところ、KJへ手をかけた茂木は完全にファールだと思うが…さすがに続けてPKは取れなかったか。
37分、群馬左サイドからの2本目のスローイン。
受けた柴山昌也は一度スローワーだった茂木力也に戻し、そこから再び柴山に戻る。
柴山が左足で良いクロスを送るが、これは飛び出した櫛引政敏がパンチングでクリア。
こぼれ球を再びゴール前に放られるが、これもしっかりとブロックしてクリアして難を逃れる。
柴山のクロスは絶妙な位置で、ゴールキーパーとしては出るか悩むくらいに少し短かったと思うが…櫛引はよく出てしっかりとパンチしたもの。
この際に山中惇希が櫛引に弾き飛ばされる形となり、脳震盪のような感じで倒れたままになってしまう。
こぼれ球を拾われ、再びクロスが上がることに合わせてラインを上げる群馬DF陣だが…山中が倒れたままになっていることに気付いた恐らく平松宗が「(ラインを)上げんな!上げんな!」と指示。
幸いにも大宮のFW陣は山中に気付かなかったか、意識が無かったか…ラインを上げるDFと共に戻っていっていた。
山中も平松の声を聞いて、倒れている自分がオフサイドラインになっていることを認識。
立ち上がるのもツラいだろう倒れ方だったが、すぐに起き上がりラインを上げたのが印象的だった。
小さい部分ではあるが非常に大事なことも事実であり、平松と山中のファインプレーと言えるだろう。
41分には群馬右サイドからのクロスに河田篤秀が頭で合わせる。
完全に山中惇希が競り負ける形になったが、これはヘディングが浮いてしまい逆サイドでクリア。
しかしこのクリアが不完全になり中央ペナルティスポット付近へ…。
ここに矢島慎也が飛び込んでシュートを放つが、岩上祐三が必死にスライディングブロックに入ったのが目に入ったか…枠を外してくれて助かる形に。
この試合だけではないが、山中のところへの対角のクロスはここしばらくずっと狙われている印象。
高さもスピードもあるサイドバック…なんてのは高望みではあるが、あまり競り合いに強い印象のない山中のところは群馬のウィークポイントとして分析されている印象がある。
逆に小島雅也は身長は無いものの身体能力の高さか、ヘディングでの競り合いは比較的強い。
攻撃時に3CBとなることを考えると…山中のところはテコ入れが必要だとはずっと思っているが…。
ちなみにこの時に気付いたが、どうやら天笠が左側最終ラインに加わり5バックに変更している様子。
見返すと、山中と櫛引の接触でプレーが止まっていた37分頃にベンチから指示があったようである。
当初の時間は天笠が最終ラインに入りつつもKJは高い位置を取っており、天笠が左の2ライン広い範囲をカバーしている印象も…。
しかし45分頃からはKJも左ミッドフィールダーの位置に入り、守備時には完全に5-4-1となっている。
早くも守備固め?低過ぎるライン
後半は大宮のキックオフでスタート。
2点を追う展開だけに、ハーフタイムで大宮は動き柴山昌也に代えて富山貴光を投入する。
後半は頭からどうやら5-4-1で守備ブロックを敷く群馬。
しかし…最終ラインは低過ぎるとは言わないものの、2列目が低過ぎないだろうか?
DFのラインとMFのラインが近く、平松宗しか残らないためにボールホルダーへのチェックが全く無い。
ボランチ2枚もサイドの田中稔也と加藤潤也も出て行かないから、ここはある程度自由に持たせても良いという判断なのだろうが…。
中央が厚いから簡単に突破はされないだろうが、あれだけボールホルダーへのチェックが薄いと良いロングボールを入れられそうだが…全部競り勝てるつもりなのだろうか?
5-4-1自体は前半の終了間際から変更しているものの、後半は明らかに重心が更に後ろに移っている。
残り45分しっかり守り切ろうという指示が出ていると思われるが、2-0というのはサッカーでは最も危険なスコアとも…。
56分、自由にボールを持たせてもらえている大宮は中央の矢島慎也から群馬左サイド裏へロングボールを供給。
天笠泰輝が目測を誤ったか…被る形となりその後ろに入り込んだ武田英寿が頭で落とす。
それをダイレクトで河田篤秀がゴール前にクロスを送り、飛び込んだのは菊地俊介。
ゴールに流し込み1点差へと追い上げる。
このシーンは後ほど振り返りたい。
57分、再び大宮が動き大橋尚志に代えて大山啓輔を投入する。
ゴール前から準備はしていたが、2点差だったものが1点差となっただけで追い上げには変わりないのでそのまま投入となる。
58分頃には群馬も3枚代えの準備をしているという情報が入るが、もう少し時間がかかりそうといったところ。
セットプレーからの2失点
60分、群馬左サイドを突破され河田篤秀にクロスを送られる。
これはリフレクションがあったか…バタバタとした対応になりつつも跳ね返す。
しかしこぼれ球を大山啓輔に打たれてしまうが、これは内田達也が体を張ってブロックしコーナーキックに。
群馬は3枚代えの準備が整っているようだが、セットプレーという事でここはどうやら待つ判断。
61分、このコーナーキックのキッカーは武田英寿。
中央の山を越えて少しファー寄りに落ちる完璧なキックとなり、これを頭で合わせたのは西村慧祐。
このヘディングシュートがネットに突き刺さり同点にされてしまう。
少し戻りながらの難しいヘディングとなり、もう一度やれと言っても枠に飛ばない気はするが…それは負け惜しみというもの。
やはりコーナーキックの際のポジション取り…特にファーサイドは再考するべきだろう。
このゴールの後、キックオフの前に群馬が3枚代え。
田中稔也に代えて高木彰人、平松宗に代えて北川柊斗、天笠泰輝に代えて山根永遠を投入。
攻撃のカード3枚だっただけに、ここは同点に追いつかれる前に代えていれば展開も変わっていたか?
67分、群馬右サイドでファールを取られ、フリーキックでのリスタート。
キッカーは再び武田英寿となり、中央への良いボールを供給。
これは城和隼颯が競り勝つも、少しボールが高かったか前にクリアできずに当てるのが精いっぱいとなりファーに流れてしまう。
このこぼれ球を矢島慎也が拾い、ワントラップからニアを撃ち抜くシュートで逆転されてしまう。
これまたもう一度打てと言っても入らなそうな素晴らしいシュートではあるが、矢島はアウトサイドに少しかけて明らかにニアを撃ち抜くことを狙ったシュート。
矢島を褒めるしかないだろう。
悔やまれるのは櫛引政敏がクロスに備えて、ワンステップ右に踏んだタイミングと合ってしまったこと。
あそこでクロスだろうと判断する櫛引の気持ちもわかるし…ニアを抜かれるのはキーパーとして屈辱だろうから…単純に櫛引のミスとは言いにくいものがある。
しかしシュートブロックに入った高木彰人が、ハンドにならないようにしっかりと後ろで手を組んでいたのが印象的。
今回はブロックが実らなかったが、ああいった対応は全員で続けていってほしいところ。
DF陣は比較的しっかりと後ろで手を組んでブロックしているシーンが多い印象があるが、前の選手もこの対応となると…やはり今シーズンはしっかりと守備を練習から徹底しているように思われる。
逆転されてしまった群馬は、69分に加藤潤也に代えて深堀隼平を投入する。
ネットを揺らすもオフサイド
73分、群馬右サイドからのコーナーキックは再びファーへ。
小島雅也と高木彰人が競るも、西村慧祐がその上を行き中央へ折り返す。
菊地俊介がシュートまで持ち込むも枠の上に。
大宮は徹底してこのファーサイドを狙ってきており、明らかに群馬のウィークポイントとして分析されている印象。
76分、足を攣った矢島慎也に代えて三門雄大が投入される。
直後の78分には群馬も動き、内田達也に代えて奥村晃司を投入。
奥村は前節途中からボランチを務めたが、この試合では最初からボランチとして入ることになる。
そうそうこの交代の前、小島雅也が群馬のベンチ前からロングスローを行ったが…山田晃士が違うボールをタオルで拭いていたのが印象的だった。
負けていることもあり、再びこちらサイドにクリアされた時にすぐにロングスローを投げられるように…という配慮だろう。
渡辺広大はコーチか?と思うくらいに積極的にベンチ前から指示をだしているし、今シーズンはチーム一丸となって戦っているのがわかるシーンであった。
85分には大宮が最後の交代を使い、菊地俊介に代えて中野誠也、武田英寿に代えて田代真一を投入。
これはもう守備固めで逃げ切り策となるだろう。
なんとか追いつきたい群馬だったが、88分焦りも出てきたか城和隼颯のコントロールが長くなったところを富山貴光に狙われる。
奪われたらマズいシーンだっただけに城和もスライディングで触りにいくが、これがファールとなり…更にはレッドカードの判定。
赤はちょっと厳しくないかと最初は思ったが…リプレイを見ると完全にスパイクの裏を見せて、しかも富山の膝下辺りという結構な高さに足を出してしまっている。
となると、ボールに全く触れていないこともありレッドでも致し方ないだろう。
91分、ゴールキックから山中惇希がロングボールをゴール前に。
これは大宮にクリアされるが、こぼれ球が高木彰人に当たり、それをコントロールして右足を振り抜くという見事なシュートを見せる。
しかしこの高木のシュートはわずかに枠の外となり…素晴らしいシュートかつ南雄太も反応できなかっただけに悔やまれるところ。
93分には右サイド、岩上祐三からロングスローがゴール前に。
畑尾大翔が競り勝ち、キーパーの手前で北川柊斗が頭でコースを変えてネットを揺らすもオフサイド。
北川は完全にオフサイドポジションにフワッと残っており、正直これは頂けない入り方だった。
そしてアディショナルタイム6分を経過してタイムアップ。
下位に沈んでいるとは言えやはり大宮は鬼門だったか…これで2連敗となってしまった。
ピックアップポイント
勝てる試合を落とした理由
言い方が適切かはわからないし、大宮の関係者やファンには失礼な言い方だが…正直言ってこの試合は勝てる試合を落としたと言える。
確かに疑惑のPK判定などラッキーな部分も大きかったが、前半だけを見れば負ける要素が見られない試合だっただろう。
しかし2点差となっても熱量の下がらない大宮サポ、そしてピッチが近い専用スタジアムということで、サポーターが選手に力を与えるというのも改めてわかった試合でもあった。
もちろん大宮は後半に向けてしっかり修正してきており、3ゴールともにスーパーゴールという素晴らしさだったのも事実。
しかし敗因としては群馬の自滅…というのが正しいだろう。
ちなみにDAZNの実況解説や試合後のサポの意見などを見ると、2本目のPK失敗がターニングポイントとする人が多いようだが個人的な意見は違う。
もちろんこのPKを決めて3点差にしていれば楽な展開になったのは事実だが、33分のPK失敗以後、少なくとも前半は大きく流れが変わったとは言えない気がする。
南のセーブは大宮に勇気を与えたのは事実だろうが、試合展開が大きく変わったのは後半頭から。
試合展開でも書いたように、5-4-1にシステムを変更したこと自体は前半40分頃からであり、それ自体が悪かったわけではない。
しかし後半からは明らかに後ろ重心となり、最終ラインはそれほど下がった印象は無いがMFのライン、2列目が下がった。
これは徹底していたのでハーフタイムで指示があったと思われ、結果論ではあるが采配ミスとなり、だから自滅となる。
まず56分の1失点目、ゴール自体は仕方ないだろう…。
ちょっと長いかと思ったが矢島のフィードも良かったし、何より武田が落としたボールをダイレクトで中央に放り込んだ河田が凄かった。
飛び込んだ菊地に対しても…まぁ城和隼颯の対応も仕方ないと言える。
しかし2列目のラインが距離を置き、ボールホルダーにチェックに行かなかったのがマズかった。
自由に持たせて良い代わりに、中央への侵入を許すなという戦略だったのだろうが…あの位置でノープレッシャーで持たせたら良いボールがゴール前に入るだろう。
そして試合を通して山中のところの高さは狙われており、良いボールを高さで勝る選手に出され続けた。
ロングボールしか大宮の攻撃は無かったわけで、中央を固めて守りにいくのであれば山中に代えて広大を入れる手も取れただろう。
後半頭から広大…というのは早過ぎるというのであれば、奥村を入れて内田をCBにする手も取れた。
何にせよここ数試合を見る限り山中の左CBは無理だろう。
(山中には失礼な言い方ではあるが、そもそも彼は前の選手だろう)
左SBならともかく、3CBの一角に入れるのであればここは狙われ続けるのを覚悟する必要がある。
守備に目をつぶって使い続けるのであれば、もっと積極的に攻撃参加させるようにしなければならない。
SBだけを見れば小島を下げて山中を上げる、逆の形にしたいところだが…他の部分も考えると難しいのも理解はできる。
KJは右サイドでもプレーできることを証明したので良いとするが、稔也にWBの役割を求めても機能しない気がするわけで…。
そして逆にすると天笠がより中に入ることになり、ボランチが本職なのでプレーはできるだろうが…あのクロスを考えると外に置きたいというのも理解できる。
他にも怪我人が多く、台所事情が苦しいというのも理解できる。
理解はできるが、左CBに山中を固定したのが2つ目の采配ミスと言える。
誤解が無いように強調したいが、戦犯探しがしたいわけではない。
選手や監督を批判したいわけでもない。
自分の考えが絶対正しいとも思っていないし、むしろ素人の戯言だとは自覚している。
選手や監督・スタッフへのリスペクトは忘れてはいけないが、戦術面をあれこれ言うのもサッカー観戦の楽しみの1つだろう。
試合後の監督インタビューでは大槻監督としても敗因はわかっているようなので、次の試合に向けてできる範囲で対策をしてくるだろう。
少なくともこの1試合でダメ監督と言うつもりは自分には無い。
むしろ群馬史上最高の名将だと思っているので、次の試合でどういった手を取ってくるのかが楽しみである。
MOM
この試合のMOMは…加藤潤也としたい。
特に言うことはないだろう。
この試合に限らず攻守の貢献度の高さが素晴らしく、更には試合による調子のムラも無い。
2トップの一角ということで願わくばゴールが欲しいところだが、あのスルーパスを見せられるとチャンスメーカーとしてアシストに特化しても良いのかもしれない。
心配なのは代えが効かないが故に酷使して故障すること…。(比較的ケガが多い印象もある)
しかし今シーズンは後半途中で交代となることが多く、その辺りはマネジメントしている印象も。
MOMとは関係ないが、触れておきたいのが城和隼颯。
今シーズンの堅守を支えてきた存在だが、ここしばらく安定してなかった印象もある。
疲労面も大きいと思われるので、出場停止をターンオーバーの良い機会だとしてしっかりと休んでほしいところ。
そして再び畑尾とコンビを組んで堅守の要として戻ってきてもらいたい。
今シーズンの躍進には城和の力が必要だ。
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