※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節の水戸戦では先制するも、逆転負けを喫してしまい…さすがは上位の水戸という試合となりました。
水戸と言えば今期は天皇杯も含めて3試合目となり、どこか過去2試合の勝利から慢心が合った可能性も。
絶対残留に向け、今後しばらくは上位陣との対戦となりますが負けられない戦いが続きます。
そんな中迎える第34節は2位の京都。
前回対戦では引き分けただけに、そして首位の磐田が土曜日に引き分けているだけに、京都としては絶対勝利を目指してくることになるでしょう。
そんな第34節、京都サンガFC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※普段はホームチームを左にしますが、今節は京都がエンドを入れ替えたので、メイン席から見たままの並びになっています。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
5 | 藤井悠太 | |
25 | 小島雅也 | |
32 | 渡辺広大 | |
MF | 6 | 内田達也 |
8 | 岩上祐三 | |
11 | 田中稔也 | |
16 | 久保田和音 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
50 | 大前元紀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 24 | 光永祐也 |
MF | 7 | 加藤潤也 |
15 | 金城ジャスティン俊樹 | |
19 | 白石智之 | |
FW | 10 | 青木翔大 |
18 | 進昂平 |
群馬は前節から2枚代えとなり、大武峻に代わり渡辺広大、青木翔大に代わり北川柊斗が先発に入る。
なんと大武はベンチにもおらず、どうやら前節での負傷交代が結構大きな怪我だった可能性が…。
そのベンチには光永祐也が復帰という形になる。
小島の左サイドはハッキリ言って微妙なだけに、小島を右で、光永を左で使いたいところだが…監督コーチ陣には思うところがあるのだろう。
そして今節も高木彰人と中山雄登は復帰せずということになるので、長期離脱ではないことを願うばかりとなる。
京都サンガFC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 34 | 若原智哉 |
DF | 2 | 飯田貴敬 |
19 | 麻田将吾 | |
23 | ヨルディ バイス | |
41 | 白井康介 | |
MF | 4 | 松田天馬 |
16 | 武田将平 | |
24 | 川崎颯太 | |
31 | 福岡慎平 | |
33 | 三沢直人 | |
FW | 9 | ピーター ウタカ |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 清水圭介 |
DF | 15 | 長井一真 |
28 | 冨田康平 | |
MF | 8 | 荒木大吾 |
29 | 中野克哉 | |
FW | 20 | 李忠成 |
39 | イスマイラ |
対する京都サンガFCは、前節最下位の相模原を相手に勝ったものの思わぬ苦戦を強いられている。
ピーター ウタカの2ゴールで快勝かと思いきや、後半30分に1点返されあわや同点の可能性も見えた試合となってしまった。
その試合から2枚、宮吉拓実と荻原拓也が外れることとなり、どちらもベンチ外となっている。
京都はやはり要注意となるのが前回対戦でもやられているピーター ウタカであろう。
そして最後方からの正確なフィードと積極的な攻撃参加が持ち味のヨルディ バイスも怖い存在となる。
試合経過
トップスコアラー北川
午前中は雨が降っていたものの、試合開始前にはやんでおり風が強い中でのゲームとなった。
コイントスは京都が勝ち、どうやらエンドを入れ替えて風上を選んだ模様。
そのため、群馬のキックオフでの試合開始となった。
現在2位に付けている京都であり、風上を選択してきたということもあり、開始からやはり京都にボールを持たれ支配される展開に。
試合開始から5分までに決定的なピンチは迎えていないものの、ボールを持たれ押し込まれる展開が続く。
しかし7分、小島雅也、大前元紀、更には久保田和音と3人で左サイドを崩し、久保田が中にクロスを供給。
中には北川柊斗1枚であったが、2人のディフェンダーを外す見事な動きでフリーとなり頭で合わせるも…これは枠の上に。
あれだけフリーで、良いクロスが入ったのでこれは枠には飛ばしておきたかったところ。
しかし出場時間が少ない割に、チームトップスコアラーの北川らしい良い動き出しであった。
その北川だが、京都の高いディフェンスラインの裏を積極的に狙う動き出しを継続しているものの…京都のプレスが早く最後尾からなかなかパスが出ない状態である。
また風下ということで、北川を狙ったボールも押し戻されてしまっている感が強い…。
北川の起用目的は京都の高いDFラインの裏狙いなのだろうが、前半は耐える展開になりそうだ。
風上を選んだ京都の猛攻
17分、京都のフリーキックからコーナーキックとなり、これでこの時間までに既に5本目となるコーナーキック。
予想はしていたものの、押し込まれる展開が続き…セットプレーから失点しがちな群馬としてはしっかりと耐えたいところ。
最近はDF陣を中心に粘り強い守備が見せられているが、この試合でも最後のところではやらせない良い守備が見せられている。
そして、特に今日の試合ではボランチの岩上祐三がこの時間までに気迫あふれる良い守備を見せている。
とは言っても…彼の持ち味は攻撃面なので、なんとか守備負担を軽くして攻撃面で活かしたいところ。
19分、群馬右サイドを崩され、中央に入っていた三沢直人にパスが通る。
三沢がワンタッチで落とし、白井康介がペナルティエリア外から右足で狙うもこれは畑尾大翔がブロック。
しかしこのボールが逆サイドに流れ、ダイレクトで飯田貴敬が左足で狙う。
小島雅也がブロックに入っていたこともあってか、シュートはわずかに枠を逸れ助かるというシーン。
なんとシュートを打ったのがどちらもサイドバックと…いかに押し込まれているかがよくわかる状態になってしまった。
22分には群馬も反撃となり、コーナーキックのクリアボールを大前元紀が見事にコントロール。
そして左サイドを上がる久保田和音に預けるが、この久保田の突破を松田天馬がファールで止め、これはタクティカルファールとしてイエローカードが掲示される。
良いカウンターであり、抜けてたら危ないということでカード覚悟で止めた形になった。
これは止められてしまったが、風下の前半は特にこういったしっかり守ってカウンターという展開を見せていきたいところ。
相手のミスを誘い先制
30分を過ぎたところまで、京都に一方的に押し込まれる展開ではあるものの…決定機という決定機は作らせていない。
京都としては崩しきれないといったところか…群馬としては非常に良い守備を見せていると言えるだろう。
そしてこの試合は大前元紀が守備に戻るシーンが多いのも印象的。
大前と言えば運動量が少ないだの守備をしないだのと言われがちであり、実際問題そこはその通りではあるのだが…この試合は非常に良い守備を見せている。
もちろん彼の持ち味ではないので敵から奪い取るような守備はないものの、いつも以上に前線から追っており、更には帰陣の後にパスコースを消すようなポジショニングと、いつになく積極的な守備である。
大前に期待するのは守備ではないとは言え、やはりこのくらい守備でも貢献してくれるとその後ろの選手としてはやりやすいだろう。
37分には良いパスカットから北川柊斗が大前に送り、大前は右サイドを上がる田中稔也を使う。
稔也が突破を図るが、これは白井康介がファールで止める形となりイエローカード。
この時間までに京都の左サイド2人がカードを受けるという展開に。
良い方は悪いが、残り時間は長くこの先群馬としてはこの右サイドを強引に攻略することで10人に減らすことができる可能性もある。
40分、群馬左サイド裏に三沢直人が抜け出し、小島雅也が裏を取られる形になってしまう。
そのため、対応に畑尾大翔が釣りだされてしまい…中が手薄のところにグラウンダーのクロスが入る。
ニアの松田天馬を飛ばし、中央に入ってきたピーター ウタカにシュートは打たれるも藤井悠太が見事なスライディングブロックで止める。
やはり藤井はこういった守備面での能力の高さが持ち味である。
対して小島が裏を取られるシーンはここ数節目立っており、対応が必要ではないだろうか?
今節は3トップとシステムのミスマッチもあるので、ハーフタイムでしっかりと修正したいところだろう。
そして43分、センターライン付近の左側で北川柊斗がボールをキープ。
そして単独で縦に突破を仕掛ける。
この突破は対応した飯田貴敬に阻まれる形になるが、奪った飯田がゴールキーパーの若原智哉へバックパス。
大前元紀がこのバックパスを狙っており、キーパーが先に触るもクリアが大前に当たる。
こぼれ球を大前が冷静に左足でゴールに流し込み先制!
これは見方によっては単純にキーパーのミスに見えるが、どちらかと言うと飯田のパスミスと言えるだろう。
この一瞬に結構複雑な要因が絡まっているので、後で改めて紹介したい。
ウタカ…恐るべし
後半は京都のキックオフでスタート。
両チームともに交代はなしとなった。
47分、開始早々に、内田達也から京都の高いディフェンスライン裏への大きなパスが出る。
左サイドに走りこんだのは久保田和音であり、ゴール前ファーに走りこんだ田中稔也にクロスを合わせるも…このシュートはブロックされコーナーキックに。
そして49分、大きなサイドチェンジから群馬の右サイドにボールが展開される。
ピーター ウタカが受け、サイドを上がる白井康介に一度預ける。
白井からの折り返しを受けたウタカがペナルティエリア外から右足を振りぬき、なんとこれがゴールに吸い込まれてしまう。
岩上祐三がブロックに行っていたのだが股下を抜き、コース・スピード共に完璧なシュートとなり…ペナルティエリア外からと言えど、そして最近好調だった清水慶記と言えど取れないシュートとなった。
田中稔也が藤井悠太のフォローに行ったことで、ウタカが少しフリーになり岩上が詰めるまでに多少の時間を作れた感はあるが…稔也が藤井のフォローに行ったことも間違いではない。
そして岩上の対応も悪いところはなかった。
全ての面でウタカが上回っただけと言えるだろう。
ウタカを褒めるべきであり、決して群馬の対応としては悪くはないと思う。
同点にされた群馬だが、プランは変えずにしっかり守ってカウンターを狙う…という展開が続くだろう。
54分、クリアボールを跳ね返されたところを内田達也が回収。
そして右サイドの田中に預け、ワンツーを貰いに積極的に前線に走りこむ。
田中は内田ではなく、中にいた大前を使い、内田はそのまま最前線の裏を狙う。
最前線にいた北川も内田の走った方とは逆サイドの裏を狙う動きを見せ、ディフェンスがそちらに釣られたのを見て大前は中に切り込み左足でシュートを狙う。
これは枠を外れてしまうが、内田の攻撃参加といい北川の動き出しといい、非常に可能性を感じる攻撃であった。
59分には粘り強く守っていた群馬が、この試合初めて京都に完全に崩されてしまう。
群馬左サイドから運ばれ、一度中央のピーター ウタカに預ける。
ウタカのポストプレーから中央に走りこむ武田将平に渡り、そこは右サイドバックの藤井悠太が対応するも、それを見た武田はダイレクトでフリーの松田天馬へ。
藤井が必死にスライディングでシュートコースに飛び込むも、松田は切り替えして交わし右足で巻くような形でシュート。
清水慶記も触れないシュートであったが、その裏に戻った小島雅也がヘディングでかき出すことに成功し、かろうじて失点は免れる。
特筆すべきは小島の後ろには更に久保田和音も戻ってきており、このシュートに2人が飛び込んで守ったことになる。
完全に崩されはしたものの、最後の最後まで諦めない姿勢が良い形に繋がっていると言えそうである。
攻める京都とカウンターを狙う群馬
62分には群馬にカウンターのチャンスがやってくる。
クリアボールを大前元紀がバックヘッドで北川柊斗に繋ぐ。
北川から久保田和音に送り、久保田のロングボールは大前が見事なコントロールでダイレクトに田中稔也に。
しかしこれは繋がらず相手に奪われてしまう。
繋がらなかったものの良いカウンターであり、大前のダイレクトパスも繋がらなかったとは言えさすがのコントロールであった。
そしてパスが通らなかったことでガックリと下を向く大前に対して、「元紀!切り替え!」の声が何回も出ていたのが印象的だった。
ベンチからの声なのか、選手なのか…誰の声かはわからないが、非常に良い声かけである。
大前はロストすると動きが止まる傾向があり、彼のロストからの失点も目立ってしまっているため、奪われたあとに少し粘れると後ろはかなり楽になるだろう。(反面、守備から攻撃への切り替えは凄く良いのだが…)
63分には群馬が最初の交代カードを切り、北川柊斗に代えて青木翔大を、久保田和音に代えて加藤潤也を投入。
68分には清水慶記がキャッチしたところから、一気に右サイド裏を取った青木にロングキックが入る。
少しファール気味には見えたが、青木がボールをキープし中にクロスを供給。
これは惜しくも中に入り込んだ大前には合わなかったが、青木の持ち味が出た良いプレーとなった。
70分には京都も交代カードを切り、三沢直人に代えて荒木大吾を投入。
74分には武田将平にミドルシュートを打たれる。
距離はあり、威力もそれほどではなかったが…キーパーの手前で落ちる嫌なボールとなり清水もコーナーに逃げるのがやっととなってしまう。
京都にボールを保持される展開が続き、少しディフェンスラインが下がり、ペナルティエリア外辺りが空いてきているのが気になるところ。
今日は守備も頑張っていると言った大前ではあるが、この時間までに運動量は落ちてきており、その他には田中稔也にも疲れが見える。
そろそろこの辺りをテコ入れしないと、バイタルエリアでやられる…という展開になりそうだ。
虎は今日も華麗に舞う
76分にはピーター ウタカにそのバイタルエリアでシュートを打たれるも、これは清水慶記がしっかりとキャッチ。
これまで清水でもキャッチには至らないシュートが続いていたが、しっかりキャッチしたことで流れを変えることができるだろうか?
シュートを弾くと相手の攻撃が続くことになり、キャッチをすることで相手の攻撃を終わらせることになる。
パンチングとキャッチングの差はとてつもなく大きいのである。
81分には群馬左サイドから、中央に折り返され、落としたボールを荒木大吾に打たれる。
これは清水がセーブしコーナーキックへ。
人数は足りているものの、ディフェンスラインにMF陣も吸収されており…いい加減運動量のある選手を入れないと厳しいと思うのだが…。
82分には京都が先に動き、福岡慎平に代えてイスマイラを投入。
京都としては何が何でも勝点3を取りたいところだろう、攻撃のカードを切ることに。
84分にはやっと群馬も動くが、田中稔也に代えて進昂平の1枚のみ。
この交代に文句は全くないが…動くのが遅いのと他は代えなくて良いのかというのが気になるところ。
大前は残しておけば最後まで何かをやってくれる期待感があるのはわかるが、違う形で違いを作れる白石智之をこのタイミングで同時に入れてもいいのではないかと…。
守備は機能しているので疲れは見えるが代えてバランスを崩したくない…というのはまぁわかる。
85分には相手のミスを突き、左サイドの加藤潤也から青木翔大にクロスを送るも…先に触られてコーナーに逃げられてしまう。
しかしここまで守る展開が続きつつも、要所要所では鋭いカウンターを見せて怖さを見せられているのが非常に良い。
サンドバッグ状態であれば怖さがないが、虎視眈々と狙うカウンターにキレがあれば…やはり攻める京都としても怖いと言えるだろう。
91分には両チームともに最後の交代を使い、京都は松田天馬に代えて李忠成を、群馬は大前元紀に代えて白石智之を投入。
93分にはコーナーキックのチャンスを迎え、中に入れたボールは跳ね返されるも再び岩上祐三がクロスボールを供給。
これも跳ね返されたものの、ペナルティエリアすぐ外で回収した白石が1人外してシュートを狙う。
少々強引な体勢からのシュートではあったが、これが惜しくもクロスバーに直撃!
惜しくも勝ち越し弾とはならなかったものの、今日も白石は限られたわずかな時間で見せ場を作っている。
積極的な仕掛けと、積極的なシュートが本当に素晴らしい選手であり、キャッチコピー通りに本当に華麗なる虎である。
95分にはコーナーキックのピンチを迎えるが、なんとか守り切りこのままタイムアップ。
上位相手に、内容的にも見事に勝点1をもぎ取った試合になった。
最後、岩上祐三が倒れこみ…膝を押さえて担架で運ばれていったのだけが気がかりなところ。
清水とぶつかっており、ポストにもぶつかったか、それで傷めた程度なら心配はないだろうが…押さえているのが膝なだけに故障ではないことを祈りたい。
ピックアップポイント
43分 単なるラッキーではない得点シーン。
43分の得点シーンを振り返りたい。
相手のミスを突いた形となったが、どこにミスがあったのかと大前の駆け引きを紹介したいと思う。
まず北川が縦に突破を狙ったところで、飯田が良い対応を見せボールを奪取した時点での立ち位置が下記となる。
この時点でバイスと麻田は飯田からパスを受ける位置に動き直しておらず、選択肢はキーパーへのバックパスかチェックにきた北川を交わして縦に運ぶかの2つ。
通常であれば簡単にバックパスを選ぶだけであり、バイスや麻田が下がって受けられる位置に動かなかったことは間違ってはいないだろう。
しかし選択肢がバックパスしかないことに気付いた大前は、飯田がパスを出す以前にバックパスを狙って動き出していた。
恐らく飯田は大前の動きに気付いていなかったために、パスのスピードが遅く、比較的中央寄りのパスになったと思われる。
単にパスミスかもしれないが…北川のプレッシャーがそれほどかかっていたとは言えず、浮き球でもないので風の影響も大きくはなくパスミスではないだろう。
このシーン、個人的にキーパーのミスと言いたくはなくパスミスと言いたいのが、若原のバックパスを貰いにいった動きである。
若原は前ではなくサイドに開く形でパスを受けに行っており、恐らく下図の丸で囲ったスペースで受けたかったと思われる。
対してパスが中央に入ったことと、先ほど言ったように大前が狙っていたことで、若原は急遽向きを変えスライディングでクリアする対応になった。
このスライディングの時の、大前の駆け引きが見事なので是非ともハイライトを見直して頂きたい。
ボールは大前がしっかりと反応して詰めてはいたものの、先に若原が触れるのは間違いない距離であった。
しかし、しっかりと大前が詰めたことにより、若原は前に蹴りだすことができずに(大前に当たったらゴールに飛ぶかもしれないからね)スライディングで左足で近い方のタッチラインに蹴りだすというプレーを選択している。
大前は接触を避けるためにブレーキをかけているが、同時に左サイドにステップを踏み身体1つから1つ半は左に移動。
この移動はキーパーを避けるためではなく、若原のスライディングの仕方を見て外に蹴りだすことへの対処である。
もちろん体に当たればラッキーくらいの感覚だとは思うが、これにより若原は迷いが出たかミートしたとは言えずに、力なきクリアが大前に当たることになる。
ただのラッキーではなく、バックパスしか選択肢がないことでパス前から狙いに走り出した事が1つ。
パスカットまでは至らなかったが、キーパーの対応が外に蹴りだすことを見越して体の位置を変えた事が2つ。
大前の見事な駆け引きが生んだゴールである。
遡れば、北川が積極的に縦に仕掛けたから生まれたゴールでもあり、やはり後ろ後ろではなく積極的にゴールに向かえば何かが起こると思わせるシーンでもあった。
MOM
この試合のMOMは悩ましいところだが…内田達也としたい。
今日の試合は守ってカウンターというわかりやすい展開もあるだろうが、全ての選手が良いプレーを見せてくれたと思う。
1失点はあったものの、粘り強く守ったゴールキーパーにディフェンス陣の頑張りが光った。
そして攻撃陣も得点を挙げた大前はもちろん、しばしば良いカウンターが光った展開と言える。
その中でも今日の試合、個人的には藤井悠太と内田達也の守備が光ったと思っている。
内田は以前にも触れたように、スペースを埋めるパスコースを切る守備が上手い選手だが、今日は比較的身体を張ったシーンも多かった印象があるが…どうだろうか?
そして時折見せるゴール前へのオーバーラップも良いものがあるが、それもこの試合でも見せられている。
(今節はシュートはないと思うが…ゴール前でのシュートがもう少し良くなればもっと良い選手なのだが…)
ここまでだけならMOMとまでは言わないが、この試合では良い縦パスを何本か供給していたのが印象深い。
内田は比較的セーフティな判断が多く、パスの選択肢が横or後ろということが多い。
中盤の底の選手として、セーフティなプレーというのは決して悪いことではないが、もう少し縦への良いパスが供給できれば怖さが出てくると思っていた。
最近は中山雄登が良い縦パスを供給していたが、今日の内田は同様に良いパスが入っていたように思う。
特に47分、内田がボールを奪ったところから一気に左サイドの久保田へロングボールを供給したようなプレーがもっと出れば攻守にもっと効いてくるだろう。
終了後に岩上祐三に気になるアクシデントがあり、更には中山が負傷離脱中ということで、万一にも岩上が離脱となると内田の役割は更に重くなる。
岩上離脱となればジャスティンか、久保田を中央に入れるかのどちらかになるだろうが、岩上の代わりという意味ではジャスティンか?
久保田だとまた違った形のボランチ像になるだろう。
話が逸れたが、細貝もいつ試合に出れるかという状態のため、内田には今日の活躍を今後も期待したい。
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