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【2023 J2第18節】ザスパクサツ群馬 対 藤枝MYFC【レビュー】

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第18節はホームでの藤枝戦。

J3時代以来の対戦となるが…正直言って藤枝には良い思い出は無く、苦しめられた思いが強いサポーターが多いのではないでしょうか?

前節の岡山戦では3試合続く開始直後の失点もあり敗戦となっており、連敗は絶対に避けたいところ。

今シーズンの藤枝は昇格組ながら、抜群の攻撃力を武器に良いゲームをしているチーム。

まずはそんな相手を無失点に抑えて、以前のような堅守を取り戻したいところです。

 

今回はそんな藤枝MYFC戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 3 畑尾大翔
24 酒井崇一
36 中塩大貴
MF 15 風間宏希
17 山中惇希
19 岡本一真
38 天笠泰輝
FW 10 佐藤亮
13 武颯
39 高木彰人

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 42 石井僚
DF 2 城和隼颯
MF 6 内田達也
FW 7 川本梨誉
9 北川柊斗
14 白石智之
23 平松宗

 

群馬は前節から1枚を変更。

平松宗に代えて武颯をスタメン起用となる。

ベンチを見ると川上エドオジョン智慧が外れて川本梨誉が復帰という形に。

川本はしばらく小さな怪我がありベンチ外となっていたようだが…エドも比較的好調を保っていただけに、このベンチ外は怪我があるか?

単に川本に押し出されたとするならば…SBの控えがベンチにいないことが気になるところである。

怪我と言えば長倉幹樹だが、この試合前の全体練習では別メニューだったという情報もあり…復帰にはもう少し時間がかかるだろうか。

藤枝MYFC

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 31 上田智輝
DF 2 川島將
5 小笠原佳祐
16 山原康太郎
MF 8 岩渕良太
10 横山暁之
17 平尾拳士朗
23 徳永裕大
24 久保藤次郎
27 榎本啓吾
FW 9 渡邉りょう

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 21 菅原大道
DF 19 工藤孝太
22 久富良輔
MF 18 小関陽星
42 金浦真樹
FW 11 アンデルソン
28 矢村健

 

藤枝は15節で清水に5-0という悪夢のような敗戦があったものの、直近の17節では徳島を相手に3-0と快勝。

得点27の失点29と…まさに数字が表しているように浮き沈みがあるのが特徴だろうか?

 

こちらも前節から1枚を変更し、アンデルソンに代えて渡邉りょうが入る。

注目はやはりこの渡邉であり、今シーズンは既に10得点で二桁を達成済みという…藤枝の攻撃力を支えている選手。

他には中盤の底でゲームメイクをする横山暁之のところも、上手く対応して自由にやらせないようにしなければならないところ。

 

そして守備の中心選手は元群馬の川島將。

タイプ的には真ん中の選手だろうと思っていたが、群馬時代は左で使われることも多かったか?

見た目通りのフィジカルが強い選手で、ロングスローも武器の一つだった記憶がある。

そしてベンチには同じく元群馬の久富良輔の姿もあり、こちらは右サイドを主戦場に駆け上がっていた印象が強い。

試合経過

【0~15分】危うく4試合連続の失点劇

前半は藤枝のキックオフでスタート。

3分、縦パスを引き出した榎本啓吾がカットインしてくるも、ここはブロック。

このこぼれ球を平尾拳士朗がミドルで狙うが枠の外に。

序盤は藤枝が圧力の高いプレスをかけ、ファーストシュートも藤枝に…となった。

 

9分、山中惇希がパスを頭で引っ掛けると、こぼれ球を天笠泰輝が回収。

目の前が空いていたこともありミドルシュートを狙っていくも…軸足を滑らせてしまい、シュートは威力が無くキーパーの下へ。

 

10分、山原康太郎から対角線上にロングフィードが送られると、中塩大貴が対応をミス。

本人としてはインターセプトできると思ったのだろうが…届かなかったという形になってしまい、ボールは久保藤次郎にわたってしまう。

すると久保がスピードで中塩を振り切り、スルーパスを送ろうとするが…これはフォローに入った風間宏希がなんとか足に当てる。

しかしこれがリフレクションとなったことで…悪い位置に流れてしまい畑尾大翔が滑り込むも届かず。

岩渕良太櫛引政敏がほぼ同じタイミングでボールに行き櫛引がブロック。

こぼれ球は畑尾のところに転がるも、滑り込んだために寝た体勢であり大きくクリアできず。

このボールを徳永裕大に打たれてしまうが、これは酒井崇一がライン少し手前でブロック。

危うく4試合続けて開始早々に失点を許すところだった。

【15~30分】高木の負傷交代

18分、横山暁之が右足アウトサイドで縦パスを付けると、天笠泰輝岡本一真の間を抜けてしまう。

受けた徳永裕大は反転からクロスを選択し、ニアで岩渕良太が受けるとワントラップで前に持ち出して左足を振り抜く。

これは櫛引政敏が足でセーブするが、こぼれ球を回収されもう一度クロスを上げられてしまうが渡邉りょうのヘッドは枠の上に。

いやぁ…横山のパスはエグいな…。

 

20分、山原康太郎のバックパスを高木彰人が狙っておりインターセプト。

川島將に対応されるも、抜き切らないところでズラして右足を放つも…上田智輝がファインセーブでコーナーに。

ノブの対応も良かったために角度を付けさせられコースが狭まった…というのはあるが、高木は低めで枠内に飛ばすという決して悪くないシュートを放った。

ここは上田のファインセーブを褒めるところだろう。

 

これで得た右からのコーナーキック。

風間宏希のキックを畑尾大翔がドンピシャリで合わせるも、久保藤次郎がライン上でクリア。

畑尾には川島將がマンマークで付いていたが、佐藤亮がブロックして止めてフリーを作り出すという形に。

いわゆるバスケットで言うスクリーンプレーだが、バスケットと違いあからさまにやるとファールとなるので注意は必要。

(ちょっと前に鹿島の鈴木優磨のゴール後のジェスチャーが話題になっていたが、あれの前の得点取り消しがまさに)

ただし昔に比べるとこういったスクリーンプレーは寛容になった印象もあるので、ファールにならない範囲では積極的に取り入れていくべきだろう。

ちなみにこのシーンでもブロックされたノブは主審にファールをアピールしていた。

更に言うと…ここまで主審はファールの基準が甘く、藤枝のプレーが荒目なのが気になるところ。

ラフプレーということではなく、手を使って止めるようなシーンが目立ち…それに対して主審はファールを取らないという状態。

一貫して甘いために基準としては良いのかもしれないが…怪我人が出ないことを祈りたい。

 

なんて思っていたが…高木彰人が接触により右膝を傷めてしまう。

一度はピッチに戻るも、やはりその2分後にはプレーを止め交代となってしまう。

高木彰人に代えて北川柊斗を投入するが、ここで注目したいのは最近の好調な北川の理由。

左側のFWでの起用が良いのか、川上エドオジョン智慧とコンビを組むことが良いのか…というのがエドのいない今節で明らかになるだろう。

また…映像を見ていない方には文章の流れが、藤枝のラフプレーで高木が負傷したように見えてしまうことだけ補足したい。

高木との接触はサッカーでは避けられない至極当然の接触であり…このシーンでは藤枝の選手に非は全くなく、高木が怪我となったのは不運だったと言える。(もちろん元々痛めている…というのも大きい)

【30~45分】チャンスも決めきれず

32分、天笠泰輝のミドルシュートは武颯に当たってしまい、これはクリアされてしまう。

しかしこれを風間宏希が頭で跳ね返すと、岡本一真が回収し縦に抜け出してシュートを放つ。

角度が無かったことでシュートだったかクロスだったか…という形ではあるが、威力といいコースと言いファーのサイドネットを狙ったようなシュートだっただろう。

惜しくも枠を外れてしまうが、良いシュートだった。

 

42分、岡本一真がサイドチェンジをインターセプトするとそのままドリブルで持ち上がる。

横の風間宏希へのパスは狙われていたが、風間が上手いことボールを失わずにいなすことに成功。

そこから逆サイドの山中惇希に広げる。

山中のクロスを中央で武颯がフリーで合わせるも、ドフリーだったが故に狙い過ぎたか…振りにいった頭に上手く当てられず。

ちょっと面白かったのが、小笠原佳祐川島將も…どちらもマイナスの折り返しが北川柊斗に入ると予想してかクロスの瞬間に前に飛び出ていること。

(クロッサーの山中の位置を考えればオフサイドトラップではない)

これによってはフリーになっており、予想が外れた小笠原ノブのどちらにも「あ、やられた」という表情が出ていた。

それだけにここはしっかりと決めきりたかったところである。

 

このように序盤は藤枝ペースで進み、徐々に群馬も自分たちの時間は作れるようになってきたものの…得点は奪えずにハーフタイムを迎えることとなった。

【45~60分】山中がチャンスを演出するも…

後半は群馬のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの交代は無しとなった。

後半も不可解な判定が続き…岩渕良太のファールはノーカード。

オフザボールで佐藤亮が倒されたところはノーファールとなっている。

岩渕と言えば…前半に山中惇希を突き飛ばした際にもカードが出なかったな。

 

54分、山中惇希が何度か左サイドを攻略しクロスまでは上げられるも、中で合わせることはできず。

ここまで山中は再三左サイドを攻略はしているものの…今日はクロスの精度を少し欠いている印象。

サイドでは勝てているので中央の枚数をもう少し増やしたいところでもあるが…。

 

55分、左サイドで榎本啓吾がボールを受けると、右アウトサイドで群馬の選手4人の間を通すような形で徳永裕大にパスを通す。

天笠泰輝がフォローにきたところで、カットインで中にコースを変え右足を振り抜くも櫛引政敏がブロックしてコーナーに。

櫛引はオフサイドポジションにいた渡邉りょうが視界を遮っていたことでプレーへの関与をアピールするも…これは認められず。

確かにキャッチにいったと言うよりは身体でブロックを作った変な形であり、ボールの軌道が見えなかった可能性が高そうである。

 

60分には両チーム同時に交代に動く。

群馬は天笠泰輝に代えて内田達也佐藤亮に代えて白石智之を投入。

藤枝は岩渕良太に代えてアンデルソンを投入する。

これにより北川柊斗が右サイドハーフに廻り、白石がFWの位置に入る。

北川と言えばここまで色々なところに顔を出してボールを引き出しており、やはり左側のFWというのはやりやすそうに見える。

川上エドオジョン智慧がいなかったことが関係しているか…特別目立ったプレーは見せられていないが、やはり適性ポジションとしてはココになるだろう。

【60~75分】櫛引の神セーブ

62分、アンデルソンが抜け出すと良い切り返しから畑尾大翔を振り切る。

しかし左足に苦手意識があるのか、シュートは打たずにもう一度右に持ち直し時間がかかったところで群馬DFも対応する時間が作れることに。

最終的には再び左に持ち直して左足でシュートを打つのだが…最初のところで左足を振られていたら危険なシーンだった。

 

63分には山中惇希が左サイドを抜け出してクロスを送ると、武颯が頭で合わせるも枠の外。

は良い形で中央に入れてはいるだけに…そろそろ決めたいところ。

しかし70分も過ぎると…そんなにも疲れの色が見え始めている。

引っ張りたい気持ちはわかるが…代えとなる平松宗は短時間で結果を残せるタイプでは無く、どちらかと言うとスタートから使った方が良い選手。

早めに動いて平松がゲームに入り込める時間を残してあげた方が良いだろう。

 

71分、藤枝がだいぶ時間をかけて攻撃を組み立てる。

それだけ群馬の中央が硬いとも言えるが、最終的には横山暁之がミドルシュートを放つ。

これは櫛引政敏が胸に当てる形でコーナーキックとなるが…無回転気味だったのでもう少し落ちると予想したのか?

それとも想像よりも伸びたのか…良いシュートだったのは事実だが、ちょっとヒヤリとするシーンか。

 

これで藤枝は左からのコーナーキックを得ると、ショートコーナーで始めリターンをゴール前に放り込むと川島將が頭で合わせる。

これは櫛引政敏が左手一本でスーパーセーブを見せ、こぼれ球は岡本一真がクリア。

 

73分に藤枝が動き、徳永裕大に代えて矢村健を投入。

74分には群馬も動き、武颯に代えて平松宗山中惇希に代えて川本梨誉を投入する。

どうやら川本はそのまま左サイドに入るようである。

ここも…正直適性ポジションなのかという疑問はあり、白石智之と場所を入れ替えても良いのではないだろうか?

【75~90分】上田も魅せ痛み分け

79分、相手のクリアボールを中塩大貴が回収すると風間宏希へ。

風間からダイレクトで内田達也に入れると、ナイストラップで前に持ち出してから平松宗をポストに使う。

平松がDFを背負ってキープから右サイドに広げると、岡本一真が飛び込んでくるが…入ってくる勢いが良すぎたかトラップが長くなってしまい上田智輝が飛び出す時間を作ってしまう。

なんとかシュートは打てるも、トラップが長くなり距離を詰められてしまい上田が身体に当ててコーナーキックとなる。

 

84分には右からのコーナーキックを畑尾大翔が頭で合わせるも、これも上田智輝がナイスセーブを見せ再びコーナーに。

珍しく?畑尾にはマンマークがなかったため、ここは決めきりたかったところではある。

しかし再三に渡りコーナーキックを頭で合わせて枠には送っているわけで…畑尾のせいではなく藤枝守備陣の粘りを褒めるべきだろう。

 

91分にはスローインからのリスタートを中央で北川柊斗が引き出す。

ここはファール気味に潰されるも、こぼれ球を風間宏希が回収し左サイドの白石智之に広げる。

白石が縦には仕掛けられず、ゆっくりと内側に戻ってきながら一気に逆サイドにサイドチェンジ。

これを…今度は岡本一真が素晴らしいワンタッチ目で前に持ち出してシュートを放つも…これも上田智輝が右手一本触れてコーナーキックに。

 

こうして最後は形は作れてはいるものの…ゴールをこじ開けることができずにスコアレスドローとなった。

ピックアップポイント

マリーシア?それとも?

今回はちょっと荒れた試合になった印象もあるだけに、これをテーマにしてみたい。

とは言え根本としては今節は主審のファール基準が甘すぎた印象があり、荒れてきてから少し多めに笛を鳴らす形になり…あまり良いレフェリングではなかったことがある。

 

さて今節の藤枝だが比較的荒いプレーが多い印象はあるが、少なくともこの試合に関しては悪質なファールは一つも無かったと思う。

あ、プレーが切れたところで岩渕良太山中惇希を突き飛ばした1件だけは頂けないものではあったか。

それ以外では足の裏を見せたようなタックルや、削りに行くようなプレーもなく、荒かった…とは言ってもホールディング系の手で掴んで相手を止めるというものが多かった印象。

そのため、この文章が藤枝のプレーを咎めたり批判するものではないことを最初に付け加えておきたい。

 

この辺りの評価はそれぞれのサッカー感だと思う。

個人的な考えとしては「相手をケガさせるようなプレーはいけない」が「ずる賢いプレーはOK」だと思っている。

もちろん個人の考えであり、正しいと主張することもなければ強要するつもりもなく、1つの意見として読んで頂けたらと思う。

 

今節の藤枝に話を戻すが、実にずる賢いプレーが多かった。

特に今日の主審はあまり笛を吹かず、ファールの判定が非常に甘めということを理解して、それを利用していたように思う。

また主審が見ていないところでの小競り合いも多かった。

もちろん「そんなのサッカーじゃない」という人もいるだろうし、いて当然だろう。

個人的にはサッカーは綺麗ごとだけじゃないし、グレーゾーンをいかに上手く使うか…というところに1つの魅力があると思っているが。

 

そんな中、群馬の選手であからさまにこれを利用したのが風間宏希

あからさまにユニフォームを掴んで止めたシーンがあったが、通常であればイエローカードが出るようなプレーであり、状況的にもそこまでする必要があったか…というのは疑問。

しかし今日の主審であれば間違いなくカードは出さないであろうことが予想されたため、多少強引にでも止めてピンチを招かないというのはナイス判断だっただろう。

風間はわかっていてやったように見えた。

これをマリーシアとしてアリとするのか、綺麗なサッカーこそが至高なのかは各々の考えがあると思うが…個人的にはこういったずる賢さを身につけないと上に行けないと思っている。

 

今節とは関係無いが、例えば個人的にはファールは何回しても良い物だと考えている。

バスケットであれば5回のファールで退場というルールがあるが、サッカーには無い。

もっと言えばバスケットでも「4回まではファールして良い」と考えるタイプである。

サッカーで言えば「イエローカードは1枚なら貰っても良い」と考えている。

もちろん次で退場のリスクを背負うことになるので、不要なファールやカードも許すと言いたいわけではないことは強調したい。

相手を怪我させない(怪我のリスクが低い)方法であれば、カード覚悟で止めるというのはサッカーの戦術の1つではないだろうか?

MOM

この試合のMOMは櫛引政敏としたい。

まずは川島將の恩返しを防いだスーパーセーブは本当に見事の一言。

それ以外にも良いセーブを見せ続けてくれた。

ファン・サポーターからは「キックの精度が…」という声が出ており、個人的にもここは改善ポイントだとは思っているが…。

しかしキックの精度「も」高いGKなんてJ2レベルには早々いないのも事実。

過去の群馬を振り返ると…むしろ櫛引のキック精度は良い方になるのではないだろうか?

吉田舜という、特にパントキックがスーパーな選手はいたが。

 

続いては白石智之か?

途中出場から主に左サイドでキレッキレのプレーを見せてくれた。

プレーの中で左に流れて…というシーンが多く、やはりFW起用ではなく左サイド起用で良いのではないかという思いはある。

 

最後にはなるが高木彰人の怪我が軽いこと、そして早期に復帰できることを祈りたい。

大怪我からの復帰直後となり、本人としてもツラい状況だろうが…また一段と強くなって帰ってきてほしい。

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