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【2022 J2第19節】ザスパクサツ群馬 対 大分トリニータ【レビュー】

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※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。

前節は熊本を相手に前後半ともに早い時間に失点。

更にはダメ押しの3点目が入るも、試合終盤で2点を返すという追い上げを見せたゲーム。

自分達でゲームを難しくした…とも言える展開でしたが、終盤の勢いは好材料。

90分を通して終盤のような戦い方ができないものかと思わされるゲームとなりました。

ホーム2連戦となる今節は、怪我人に苦しみ超過密日程となっている大分トリニータ。

3連敗を避けるためにも、ここはしっかりと勝っておきたい試合となるでしょう。

今回はそんな大分トリニータ戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 2 城和隼颯
3 畑尾大翔
6 内田達也
MF 8 岩上祐三
15 風間宏希
17 山中惇希
25 小島雅也
FW 7 加藤潤也
23 平松宗
30 山根永遠

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 44 山田晃士
DF 4 川上優樹
MF 10 田中稔也
27 奥村晃司
FW 38 天笠泰輝
9 山根永遠
39 高木彰人

 

群馬は前節から2枚代えとなり、岩上祐三がスタメンに復帰。

内田達也と風間宏希と併用となり、DF登録3枚ということで3バックも予想されるが…恐らく4バックとなるだろう。

山根永遠をスタメンに戻し、天笠泰輝がベンチからのスタートとなる。

ベンチと言えば川上優樹が怪我から復帰したことで渡辺広大と入れ替え。

珍しく?深堀隼平がベンチ外となり、北川柊斗がベンチ入りとなっている。

大分トリニータ

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 1 高木駿
DF 3 三竿雄斗
14 伊東幸敏
31 ペレイラ
49 羽田健人
MF 7 松本怜
17 井上健太
43 弓場将輝
FW 16 渡邉新太
18 藤本一輝
22 サムエル

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 24 西川幸之介
DF 19 上夷克典
MF 10 野村直輝
11 下田北斗
27 梅崎司
FW 29 宇津元伸弥
33 呉屋大翔

 

対する大分も前節から2枚代え。

松本怜と渡邉新太がスタートからの起用となり、上夷克典と野村直輝がベンチからのスタートという事に。

ベンチに目をやると、梅崎司と宇津元伸弥が前節からは変更点となっている。

ルヴァンカップもあるために現在5連戦中となっており、天皇杯もあることから7連戦という超過密日程。

更には情報は公開されていないものの…怪我人も多く出ているという話。

こちらも3バックの可能性も4バックの可能性もあり、攻守で立ち位置が変わったり試合中にもシステムが変わったりとするチームのため、マーカーのズレが出ないように徹底したいところ。

キープレーヤーとなりそうなのはCBに入るかボランチに入るかわからないが、後ろからビルドアップの起点となる羽田健人だろうか。

試合経過

試合の入りはいつも良い

前半は大分のキックオフでスタート。

3バックも予想された群馬だったが、試合が始まって見れば風間宏希を右サイドハーフとした4-4-2でのスタート。

攻撃時には小島雅也が高く位置取り、風間が中に絞り3-4-3気味になるのも変わらず。

対する大分は4-2-3-1を基本とし、攻撃時には弓場将輝が2CBの間に下りて3バックを作るという形と見える。

 

4分、フリーキックでのリスタート。

岩上祐三からのロングボールが一気に左サイド奥まで抜け、ここに入り込んできた山根永遠がすぐ横の加藤潤也に折り返す。

KJのシュートはペレイラにブロックされるがゴール前にこぼれ、これを平松宗が詰めるも高木駿にブロックされてしまう。

理想を言えば山根の折り返しがもう少しプラス方向なら、KJがダイレクトでシュートが打てたのだが…。

マイナスに入ったことでワンタッチで前に持ち出した分時間がかかり、シュートブロックに入られたと言える。

 

7分、岩上祐三のプレスによりボールをロストさせることに成功。

このこぼれ球を風間宏希がダイレクトで平松宗に当てる。

ワンツーの形で右サイドを上がる風間に戻し、風間は中央の内田達也を使う。

内田は逆サイドの山根永遠に広げ、ここからクロスをファーに送るも平松の手前でゴールキーパーが触りコーナーキックへ。

ワンツーで受けた風間の横を平松が更にオーバーラップしたことで、中央にスペースを作り出すことに成功。

山根は恐らくクロスだと思うが、最外にオーバーラップした平松が再びファーに入ってくるという両サイドを広く使った良い攻撃となった。

 

序盤はいつも通り群馬の良いプレスが機能し、自分達の時間帯を作り出すことができているが…なかなか得点とまでは至らないところ。

この早い時間帯で1点取れると楽になるのだが…。

 

14分、群馬左サイドからのコーナーキック。

このキックは両チーム競り合った頭の上を少し超える形となり、その奥にいた羽田健人に当たり後方にこぼれる。

これを井上健太が狙うが、これは櫛引政敏がセーブ。

抑えの効いた、かつコースを狙った非常に良いシュートだったが櫛引も完璧なタイミングでセービングとなり、これはファインセーブ。

確かにコースを狙ったコントロールショット気味で威力はそれほどでは無かったとはいえ、これを弾かずにキャッチングして攻撃を終わらせた櫛引のこのプレーは高く評価されるべきだろう。

不運?それとも?

15分、櫛引政敏が左サイドに大きく蹴りだし、これに山根永遠が追いつく。

加藤潤也に預け、KJはDF裏とゴールキーパーの間にスルーパスを出すが…これにはわずかに平松宗が届かずボールはキーパーへ。

KJらしいスルーパスであり平松も反応していただけに惜しいシーン。

 

続く16分には畑尾大翔から右サイドの裏にロングボールが出る。

これに小島雅也が抜け出し、ペナルティエリア内に向けてドリブル突破。

切り替えしから左足を振り抜くが、これはキーパーの高木駿がファインセーブ。

こぼれ球は残念ながら平松宗の前にはこぼれずクリアされてしまう。

小島は切り返しで足を滑らせたことにより時間がかかり折り返せなくなってシュートの選択となった可能性はあるが、結果的には積極的な仕掛けからのシュートと素晴らしい結果。

あれだけ高い位置に張っていることを考えると、サイドの突破からクロスだけではなくカットインも見たいところ。

 

21分、群馬右サイド深くまで持ち込まれると一度ボールを下げ、弓場将輝から羽田健人へ。

再び弓場に戻し、ゴール前に放り込むが…これがブロックに入った岩上祐三の足に当たってコースが変わってしまう。

コースが変わったのが大きく影響したか、風の影響もあったか…変化したボールに対応できない形で城和隼颯が被ってしまい渡邉新太に頭で合わせられて失点。

櫛引政敏も出かけて止めており、城和も頭の上を越してしまうという…岩上にリフレクションがあったことで難しいボールとなったと思われるが…不運ではあるがやけにあっさりと失点してしまった印象である。

ペナの外からクロスを放り込まれて競り負ける…そういったシーンがここ数試合よく見られているのが気になるところ。

 

27分、畑尾大翔からのロングボールに山根永遠が抜け出す。

DFも対応しており縦への突破は許してもらえず、一度内田達也に戻す形に。

内田はこれを右サイドの小島雅也まで一気に広げ、小島の折り返しを風間宏希が合わせるが…ペレイラがブロック。

もしかしたらペレイラの前でキーパーがブロックしていたかもしれないが…GKとDF2枚にコースに入られてしまう。

CBからのロングボールで裏を取り、逆サイドまで大きく使って…という完璧な崩しだったが…。

押し込むもゴールは遠く

しかしこの試合は大分の高いDFライン、更には攻撃時にボランチが下りて3CB状態を作ることによりSBが高い位置を取るというシステムの裏をよく狙えている印象。

3バックの弱点とも言われるWBの裏のスペースを、走る方も蹴る方もしっかりと狙えている印象が強い。

この辺りは大槻監督を始めとするスタッフ陣のスカウティング能力といったところか。

左は山根永遠加藤潤也が裏に抜け出しており、右は平松宗小島雅也が裏を狙っている。

大分のプレスがCBまで強烈にかからないという部分もあるだろうが、畑尾大翔を中心にキッカーもよく裏を狙えているように見える。

クリアボールをどこに蹴るのか、前線はどこに走るのか、そういった部分が共有されているように見えるのは大きな成果だろう。

 

37分には山中惇希が自陣からドリブルで前に運ぼうとするが…これを後ろから引っ張って倒す形で渡邉新太がファール。

まだハーフラインの手前ではあったが、あのまま運ばれたら危険という判断だろうが…これには当然カードが出ることに。

山中はこれができるだけに、本来はもっと前で使いたい選手なのだが…なぜか左サイドバックに固定。

監督としても本当は前で使いたいが、怪我人も多く左SBに他に人材がいない…ということかもしれないが。

 

44分には群馬左サイド、渡邉新太から更に外の松本怜にボールが入る。

松本はこれを中央ニアの藤本一輝に通すと、藤本城和隼颯の股を抜く形で突破。

しかしこれは岩上祐三がナイスフォローで足を出しボールを突き、こぼれたボールは櫛引政敏の下に。

藤本が上手かったとは言えるが…ペナの中で股を抜かれて突破されてしまうとかなり厳しいことに。

前節のレビューでも書いたが、城和が最近元気がないのが気になるところ。

出場時間も長く疲労の蓄積も大きいだろうが…。

 

そんなこんなで良い形が作れていないわけではないものの…最後の部分の精度の問題だったりでゴール前には迫れず。

風上ということもあり、前半のうちに追いついておきたいところだったがネットを揺らせずハーフタイムとなった。

立ちはだかる壁

後半は群馬のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの交代は無しとなった。

 

47分、内田達也からのロングボールを平松宗が競り、こぼれ球を山根永遠がシュートを狙うも少し力なくキーパーに収まる。

48分には内田が体の動きでフェイントを入れる形で、後ろからのボールをノータッチで前を向く。

左の山根に広げ、ここからDF裏にクロスを送るも…これはキーパーが良い判断で出てきて処理。

 

54分、先に大分が動く形となりサムエルに代えて呉屋大翔井上健太に代えて宇津元伸弥を投入。

井上はこの前のタイミングで山中惇希のドリブルを止める際に右腕を負傷。

それほど大きな接触ではなかったように見えたが…かなり痛がっており脱臼という声も。

しかしハマったのか、脱臼ではなかったのか…再びプレーに戻ろうとしていたが交代となった。

相手チームの選手ではあるが、痛がり方から心配だったが大事には至らなかったようで何より。

ちなみにこのシーンでも山中は止まらず、J2では屈指のドリブル力を持っていると言える気がするのだが…。

 

55分、井上健太の負傷により止まっていたためドロップボールでの再開。

選手交代もあったことで大分のDFの集中が切れていたか…岩上祐三からの早いリスタートを山根永遠が持ち出しゴール前にクロス。

これを平松宗が完璧に頭で合わせるも、高木駿がブロックして上に弾いたボールをそのままキャッチ。

画面からだとハッキリと断言はできないが…平松のヘッドはキーパーの顔の横という非常に取りにくいコース。

足元に叩きつけられれば最高だったが、次点でセオリー通りのコースとも言えるが…これを高木は取るか。

今日はかなり当たっている印象があり、高木からゴールを奪うのは苦労しそうな予感。

前線からのプレス復活

67分、高木駿のクリアボールを小島雅也が良い出足でカット。

風間宏希が拾い、縦の加藤潤也に送り、そのままオーバーラップする小島にリターン。

縦に突破した小島からファーにクロスが上がり、内田達也が入り込んでいたが…トラップが大きくなり高木駿に抑えられてしまう。

非常に良い形だっただけに最後の部分、もう少し…本当にもう少しだけ精度を上げられればゴールになるというシーンが前節から目立つ。

これも内田のトラップミスと言えばその通りなのだが、見方を少し変えるとボールがマイナス過ぎたとも言える。

内田が入り込んだ位置に対してマイナスであるために右足でのトラップとなり、入り込んだ速度を落とせなかったためにトラップが長くなったと言えるだろう。

小島のクロスも、内田の入り方も、内田のトラップも…本当にもう少しの違いなのだが…。

後半に入ってからは良い形で前線からプレスが連動しており、前半とは違って蹴らせて回収という形が作れているのがポイント。

 

68分には群馬も動き、岩上祐三に代えて天笠泰輝を投入。

これにより風間宏希がボランチに入り、天笠が左に、山根永遠が右に移るかと思ったが…加藤潤也を右に。

KJのいた位置に山根が入ることとなるが…少し見ているとどうも4-2-3-1に近い。

平松宗が1トップ気味になっており、山根はトップ下に近く縦の関係に見える。

守備でも平松が1トップ気味の動きをしている。

 

69分には右サイドからのコーナーキック。

風間宏希のキックは跳ね返されるが、加藤潤也が回収し再び風間に。

風間はこれを再びゴール前に上げると見せかけ、少しアウトにかけてゴールを狙うがキーパーがキャッチ。

最初のコーナーキックでキーパーが飛び出しており、空いたゴールを狙う良い判断だったが…高木駿の安定感が凄い。

 

71分には大分が2度目の交代枠を使い、松本怜に代えて上夷克典藤本一輝に代えて梅崎司を投入。

この交代直後、左サイドからのスローインを受けた天笠泰輝が寄せてきた2枚のDFの間を通す形で山中惇希にリターン。

山中のクロスは跳ね返されるが、こぼれ球を小島雅也風間宏希に落とし、風間はシュートフェイントから再び小島に広げる。

小島のクロスに平松宗が飛び込むが…これは枠の外に。

良い形だっただけにこれが枠にいかないか…と思ったが、ゴール裏からのカメラを見るに…これはペレイラのクリアでコーナーキックだったな…。

ノーマルスピードと他の角度のカメラでは平松のヘッドが枠にいかなかったように見え、これはレフェリーもゴールキックにしても仕方ないだろうが…。

ミスの目立つ終盤

77分、自陣でパスを回していたが内田達也のパスミスから呉屋大翔に奪われピンチを迎える。

そのままペナルティエリア内に侵入されシュートを打たれるが、これは櫛引政敏がセーブしてコーナーに。

最初の内田山根永遠に付けた縦パスが短く、そのリターンを山中惇希に送ろうとしたところをカットされる…という形で、根本は最初の縦パスだろう。

内田はミスが2つ続いたのが気になるところ。

 

78分には群馬も2度目の交代枠を使い、風間宏希に代えて奥村晃司小島雅也に代えて川上優樹を投入。

81分には自陣左サイド深い位置での大分のスローインを、良い連動からミスを誘い奪うことに成功。

しかし内田達也のパスが引っかかる形になり奪われ、間を流れるようなパスで通され伊東幸敏のミドルシュートを浴びる形に。

これはわずかに枠を逸れて助かるが…ミスから嫌な失い方が続く。

これも内田と言えば内田のミスであり、終盤疲れが出てきたか…ミスが目立つ。

今日は比較的良いと思っていた内田だが…この時間でガス欠となり細かなミスが連発となっているだろうか。

 

82分には奥村晃司が良い寄せを見せ、内田達也と2人でボール奪取。

これを回収した加藤潤也が縦のスペースに抜ける平松宗へ送る。

再びKJを使い、ワンツーで戻ったボールを平松は逆サイドの山根永遠に。

オーバーラップする山中惇希をデコイに使い、一つカットインで中に持ち出すとミドルシュートを狙う。

前節のイメージがあったのだろうが、これは高木駿が触ってコーナーに。

 

85分、群馬が最後の交代枠を使い加藤潤也に代えて北川柊斗平松宗に代えて高木彰人を投入。

正直この交代は遅いと思うが…KJ平松の出来を考えると代えるに代えられなかったといったところか。

それだけ北川高木の評価が低いとも言い換えられるだけに、ここは2人の奮起に期待したいところだろう。

この直後のフリーキック、山根永遠のボールは跳ね返されるが内田達也が回収。

しかし内田から奥村晃司へのボールが短く、これを奪われカウンターのピンチ。

奥村がファールで止める形になり、これにはカードが提示される。

この交代によりパワープレーに出ているためポジションも何もない気もするが…川上優樹が前に残り北川と2トップ気味に。

川上のいた右サイドには奥村が入り、ボランチに山根永遠が入るような形になっているだろうか。

 

89分には大分も最後の交代を使い、渡邉新太に代えて野村直輝を投入。

直後の91分、大分のクリアボールを城和隼颯がタッチに逃げると…そこから早いリスタートを受ける。

抜け出した野村櫛引政敏が飛び出し、野村を掴む形で倒してしまいイエローカードを受けてしまう。

レッドカードではないかという抗議もあったが、コントロールできていたとは言えず、城和も戻っておりゴール前には山中惇希といたことでDOGSOとは言えないだろうか。

城和はフリーだったので簡単にタッチに出さずにトラップしてコントロールする時間はあったハズ。

終盤になって焦りからかつまらないミスが目立つ。

 

93分には自陣からのスローインから早い攻めを見せるが、天笠泰輝のクロスはキーパーが出て抑える。

この試合を通じて高木駿のクロス対応の良さが目立ち、サイドに広げたらクロスが来ることがわかっているかのような対応が印象的。

意外性が無いというか、クロスしかないためにキーパーも自信を持って飛び出していけるように見える。

このまま1点が遠くタイムアップとなり、3連敗という結果になった。

ピックアップポイント

21分の失点シーン

今回は失点シーンを振り返りたい。

弓場将輝のクロスが、ブロックにいった岩上祐三の足に当たりリフレクションとなったことで…落下点を読み違えた城和隼颯の頭を超えてしまう…といったシーン。

更に今日は上空の風も比較的強く、それも含めてDFとしては対応が難しいボールだったことは事実だろう。

リフレクションということで不運とも言えるが…不運だけでは片付けられないポイントがある。

 

まずは弓場のクロスが上がる瞬間の立ち位置がこちら。

 

弓場には岩上が、三竿からのリターンだったため三竿には内田が対応。

まずここのボランチ2枚のプレスが甘いのがここ数節のポイントとなる。

ボランチだけでなく山中惇希小島雅也といったサイドも比較的甘く、チームとしてクロッサーに対してそれほど寄せない…という対応の可能性もある。

確かに寄せればドリブルで抜かれる可能性が上がり、どちらが正しいというものでもないが…比較的簡単にノープレッシャーに近い形でクロスを放り込まれている印象がないだろうか?

バイタルエリアではもう少し寄せて、簡単にクロスやシュートを打たせない対応をしていきたいところ。

 

そしてペナルティエリア内に目を移すが、ニアから風間宏希松本怜に、小島雅也藤本一輝を見つつ弓場が縦に仕掛けた際に風間から松本のマークをスイッチできる形を取っている。

城和隼颯藤本を見ており、畑尾大翔サムエルのマーク。

山中惇希渡邉新太のマークに付き、山根永遠は大外から入ってくる井上健太に対応できる位置を取っている。

つまりこの段階では全く何も問題が無いが故に、リフレクションしたボールを城和が対応を誤っただけ…に見えてしまう。

しかし渡邉がフリーだったのはリフレクションがあったからだろうか?

城和がクリアしてれば問題無かったという事もできるが、畑尾山中渡邉をフリーにしてしまっている…という問題点も見える。

 

関係のある選手以外を消した並びがこちら。

 

渡邉がファーから中央に入り込んでおり、サムエルは縦に抜ける形になっている。

これに対して山中は縦に抜けるサムエルに付き、渡邉のマークを外すことに。

畑尾は自身の後ろ側から飛び出してくる渡邉は視界に入らず、恐らくサムエルへの対応を意識しながらクロスボールに対して下がったと思われる。

そのため、城和畑尾の間にポッカリとスペースが生まれてしまった。

 

ゾーンで守っていることもあり、山中は自分のスペースに入り込んでくるサムエルに対応し、スペースから出ていく渡邉のマークをスイッチすることは間違っていない。

しかし畑尾との意思疎通が取れておらず、声掛けは行っているかもしれないが…マークの受け渡しに失敗している。

畑尾としても自身がマークしているサムエルの裏に渡邉がいるわけで、背後からスペースに入り込んでくるのはFWのセオリー通りとなることから頭の片隅に渡邉を残しておかないといけない。

城和が少し下がりながらクリアするために、畑尾はプレースペースを残したのかもしれないが…マークの受け渡しの失敗し渡邉の動きに気付いていなかったように見える。

こう考えると、リフレクションが無かったとしても失点していた可能性も考えられる。

リフレクションが無ければボールは渡邉ではなくサムエルの方に見えるため、畑尾山中が競り勝ちクリアして失点していない可能性ももちろんあるが…。

MOM

この試合のMOMは…小島雅也としたい。

シーズンを通してどころか、ここ数シーズン監督が変われど重用されている印象のある小島だが、今日は抜群の出来だったと言える。

いつも通り豊富な運動量で上下動を繰り返し、攻守の局面に顔を出しており…これがどの監督でも使われ続ける理由だと納得させてくれる活躍だったと思う。

 

16分の惜しいシーンを筆頭に、攻撃面でも今日は1対1で負けていない。

守備面でも1対1で負けた記憶は無く、こちらのサイドは小島が制圧したと言って良いのではないだろうか?

求められる役割が違い単純に比較はできないが、山中惇希は守備面で1対1は負けていた印象がある。

これは右サイドの相方が田中稔也から風間宏希に代わったこともあり、対戦相手も異なることからこちらも単純に比較は難しいが…今シーズンこれまででベストの出来と言えるだろう。

 

今日のプレーが見られるのであれば、今シーズン小島を高い位置に置いている理由もわかるというもの。

山中は前でプレーさせたいし守備面で不安があるが…前に出したら小島のような運動量はないために戻り切れないシーンが増えると思われる。

攻撃面では小島よりも期待できるだろうが、ただでさえ守備面に不安があるものを戻りながらの守備となることを考えると…。

小島はスタミナお化けなところがあるため、適材適所とは言い切れないが…今のチーム状況を考えればベターな状態なのかもしれないと思い始めている。

 

他に触れたいのは山根永遠

前節同様に自分が何とかするという気持ちが見え、積極的なプレーが好印象。

試合終了後には整列の際にガックリと肩を落とし、大の字にぶっ倒れていたのが印象的だった。

悔しそうにすれば良いものでもないし、表情に出さないからと言って他の選手が悔しくないわけではない。

プロたるもの負け試合でもファンへの挨拶やファンサービスといったものも義務の1つであり、顔に笑顔を張り付けないといけないこともある。

そのため他の選手に対して「やる気が見えない」とか「悔しくないのか」というつもりは全くないが、プレーを通しても1番気持ちが見えたのが山根であることは間違いない。

その山根と言えば、観客席への挨拶にいなかった気がするが…DAZNに映っていないだけだろうか?

怪我などで先にロッカールームに引き上げたのでなければいいが…。

 

次の試合はリーグ戦から離れ天皇杯となる。

今シーズンは2回戦からとなり、対戦相手も同カテゴリーの山形ではあるが…ここは控え選手主体で行ってほしいところ。

過密日程であることや残留争いに向けて天皇杯を捨てろということではなく、ここで新たな選手がチャンスを掴むことに期待したい。

練習試合と公式戦はやはり違うのか天皇杯をきっかけにブレイクする選手も多く、次の試合から救世主が生まれることに期待したいところである。

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