※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前回対戦では2-6という惨敗を喫した、ヴァンフォーレ甲府相手の第29節。
監督交代からリーグ戦負けなしでしたがそれも前節で止まり、ここからは上位陣との対戦が続く厳しいところ。
熾烈な残留争いに生き残るためにも、厳しい戦いになるのは間違いないですがこの甲府戦は勝って終わりたい!
そんな第29節、ヴァンフォーレ甲府戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
25 | 小島雅也 | |
36 | 吉永昇偉 | |
40 | 大武峻 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
10 | 青木翔大 | |
16 | 久保田和音 | |
41 | 中山雄登 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
18 | 進昂平 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 22 | 高橋勇利也 |
24 | 光永祐也 | |
MF | 6 | 内田達也 |
15 | 金城ジャスティン俊樹 | |
19 | 白石智之 | |
FW | 10 | 青木翔大 |
今節は5試合ぶりにゴールキーパーは清水慶記を起用。
松原修平としてはファインセーブもあり、良い守備を見せていただけに前節の最後の最後での失点が悔やまれるところか。
確かにキャッチしていれば失点は防げたものの、個人的にはキーパーを責める失点ではないと思うが…。
負けた試合の後にキーパーを代えるというセオリーと、僅差ではあるが小島コーチの中でのファーストチョイスは清水なのかなということを感じる。
そして吉永昇偉、北川柊斗が2試合ぶりのスタメンとなる。
ベンチメンバーまでの18人で見れば変更はなく、現時点でのチョイスはこの18人となっており、あとは大前元紀や田中稔也、渡辺広大あたりが復帰した際にどうなるか。
そして怪我で離脱している加藤潤也が復帰すれば入ってくるだろうか。
他には久藤監督に交代前に負傷離脱した、藤井悠太や城和隼颯あたりが絡んでこれるか?
とにもかくにも現状は離脱者だらけで、メンバーも固定気味になっている。
ヴァンフォーレ甲府
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 河田晃兵 |
DF | 2 | 須貝英大 |
17 | 荒木翔 | |
30 | 浦上仁騎 | |
40 | メンデス | |
MF | 8 | 新井涼平 |
16 | 野津田岳人 | |
24 | 山田陸 | |
FW | 10 | ウィリアン リラ |
19 | 宮崎純真 | |
41 | 長谷川元希 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 小泉勇人 |
DF | 4 | 山本英臣 |
13 | 北谷史孝 | |
MF | 6 | 野澤英之 |
15 | 中村亮太朗 | |
FW | 9 | 三平和司 |
11 | 有田充希 |
対するヴァンフォーレ甲府は前節からメンバーの変更はなし。
京都を3-0で降した勢いそのままに…といったところだろうか?
前回対戦で脅威となった泉澤仁は負傷により離脱中。
ザスパ的には小泉勇人がベンチに入っており、元気にやっているようなのが嬉しいところ。
しかし残念ながら小柳達司は前節同様にベンチ外となっているようである。
試合経過
開始早々の失点
前半は群馬のキックオフでスタート。
今節は真っ赤なスペシャルユニフォームなので、一瞬どちらかわからなくなる。
とは言えザスパのスペシャルユニフォームはいつも赤ではあるが…。
開始早々に進昂平が積極的にボールを運び、左サイド深い位置でフリーキックを獲得。
このFKは岩上祐三が直接狙ったか、ニアのサイドネットに。
畑尾大翔がファーでフリーではあったが、誰もが予想していなかったのでもう少し良いコースにいけば面白くなっていたかもしれない。
2分には小島雅也がグラウンダーのクロスを供給し、北川柊斗が上手く足元に収めシュートを放つもディフェンダーに当たりコーナーキックへ。
非常に良い形で試合に入れており、これは良い試合になるかなと期待させる展開である。
しかし5分、甲府の右サイド(群馬の左サイド)からのコーナーキックを直接決められてしまう。
野津田岳人の供給したボールも良かったし、浦上仁騎の入り方も非常に上手かった。
相手を褒めるべきプレーだったかもしれないが、前節といい今節といいセットプレーから、ゾーンの弱点をしっかりと狙われて失点しているのが気になるところ。
ゾーンが悪いわけでもマンツーマンが優れているわけでもないが、ゾーンを続けるのであればニアとファーの穴の部分は対策していかなければならないだろう。
8分には自陣深いところから岩上が右サイドの吉永昇偉へ。
吉永は(トラップミスにも見えなくもないが)ダイレクトで青木翔大に出し、ワンツーを貰う形で中に。
そのまま再びダイレクトで中の進に出し、進が少し運んだところでオフサイドラインと駆け引きをしていた北川柊斗へスルーパス。
ちょっとパスが長かったか時間がかかったか、シュートを打つには角度が無くなっており…北川は止めて中に折り返すことを選択。
これはDFにブロックされるもこぼれ球を青木が詰め、そのクリアボールも中山雄登が拾い、久保田和音、進と波状攻撃に。
ゴールにはならなかったが、ダイレクトが続いた組み立ても素晴らしく、その後のセカンドボールも広い二次攻撃三次攻撃と非常に良い形の攻撃であった。
ネットを揺らすもオフサイド
13分、岩上祐三が縦にグラウンダーで入れたボールを北川柊斗がフリック?
もしくはDFに当たった形で更に後ろに流れ、そこに走りこんでいた進昂平がキーパーとの1対1を冷静に決めてネットを揺らす。
しかしこれは残念ながらオフサイドであり、リプレイを見る前から「オフサイドかな?」というくらいのタイミングであった。
オフサイドになったものの、進のシュートは相変わらずストライカーのセンスを感じさせるもので…やはりこの選手はサイドではなくFWで使いたい。
16分にはピンチを迎え、ウィリアン リアが抜け出しシュートを放つもこれは枠の上に。
これはその前のパスを出した山田陸へのチェックが甘いのが気になるところ。
岩上祐三と小島雅也と2枚いたにも関わらず、ほぼノープレッシャーのままパスを出されてしまっている。
19分には自陣深い位置から岩上が右サイドの吉永に大きなサイドチェンジ。
これを吉永はダイレクトで前の青木に出し、距離感は8分のシーンよりも長いものの…似たようなワンツーから今度は吉永自身が持ち上がる。
ニアに進、ファーに北川と入ってきている中、吉永はファーを選択したようだがクロスはDFのクリアに合いコーナーキックへ。
今日は吉永と青木の右サイドは良い形の攻撃を見せられている。
このコーナーキック、事前に準備していたのか低く早いグラウンダーのキックを選択。
ニアで進が後方にフリックし、それを久保田がドフリーでシュートを放つもこれは枠を外れる。
ファーに大武峻を始めとして高い選手を集めていたので、裏をかいたトリックプレーが決まっただけに…久保田のシュートは枠にいってほしかったところ。
ファーでボールが来なかった大武はボールを見ており、久保田のシュートが自分の方へ飛んできたことで頭を抱える。
確かにファーに大武が詰めていれば一点ものではあったが…これはボールを見てしまうよなぁ…。
お互いに決定力を欠く展開
30分には浦上仁騎からの縦パス一本、群馬の右サイドに通され折り返されるも、野津田とリラが被ってシュートは打てず。
即座に野津田は自身の右(群馬左サイド)を選択し、そこに走りこんだ荒木翔がシュートを打つも枠の上に。
33分には同じく右サイドを使われ、野津田岳人のニアへのクロスを長谷川元希が胸でマイナスに落とし、宮崎純真がシュートを打つも枠をわずかに外れる。
立て続けに決定機を迎えており、ハッキリ言って甲府の決定力不足に救われている形。
しかし39分には群馬も反撃に出て、畑尾大翔の良い縦パスから久保田和音がミドルシュートを選択。
これはゴールキーパーが処理を誤ったか、嫌な落とし方をしたところを青木が詰めるが…詰めた青木は決めきれず。
恐らくシュートだったのだと思うが、これがファーへのクロスといった形になり進が中の北川に折り返す。
北川も胸でしっかりコントロールし左足を振りぬくも甲府のDFのブロックに合い、こぼれ球を進が再び詰めるも枠を外れゴールならず…。
北川のトラップは見事に収めたのだが…少し足元に入り過ぎたのとバウンドに振り足を合わせるのにタイムラグがあったことが敗因か。
ドンピシャに落として転がせればゴールになっただろうが…これは甲府のDF、メンデスと須貝英大のプレーを褒めるべきであろう。
この試合は裏を狙うロングボールはもちろん、それ以外にもグラウンダーでの良い楔の縦パスが入っているのが印象的。
横パスばかりでは怖さがないので、いかに縦パスを効果的に入れられるか…というのが大事なわけだが、今日は非常に良い形を作れている。
北川が積極的に裏を狙い、対して進が適度に下りてきて縦パスを引き出すという、2トップが良い縦関係を作れているのが要因だろうか。
攻めの形はできているだけに、なんとか前半に1点取りたかったが…残念ながらゴールを割ることはできずにタイムアップ。
集中力?後半開始早々の失点
後半は甲府のキックオフでスタート。
両チーム交代は無し。
開始早々、群馬の右サイドをえぐられ…そこからクロスを上げられる。
ニアで1人潰れたことでDFもそちらにいってしまい、ボールは後方に抜け中央のリラに。
リラは冷静に自分で打たず、更にファーにフリーでいた荒木翔を使い、荒木がそのままシュートを叩き込み追加点。
リラに入った時点で小島雅也しかおらず2対1であるので、リラに入った時点では既に終わっていたが…荒木のシュートは素晴らしかった。
前節でも書いたが、比較的近距離でゴールキーパーが取れないのは上と下。
中途半端な高さ、具体的には肩から膝くらいの高さというのは意外とセーブしやすいものである。
荒木のシュートはきっちりと上を狙い、清水が手を伸ばすも触れないコースであった。
非常に痛い2失点目となったが、47分には群馬にもチャンスが訪れる。
左サイドから攻め、中央の岩上祐三が縦への楔のパスを入れるもこれはDFに引っかかる。
しかしこのボールを進が回収し裏に抜け出した北川柊斗に送る…もこれもDFに当たってしまうが、左サイドにこぼれ小島が回収。
小島が技ありの股抜きのパスで、走りこんできた久保田を使う。
久保田はマイナスのクロスを選択し、逆サイド走りこんできた吉永昇偉がフィニッシュ…も枠を捉えきれず。
両サイドバックが絡んだ厚みのある攻撃だっただけに…これは決めておきたかったところ。
結果論でしかないが、これが決まって1-2になっていればまだわからないゲームになったと思う。
どことなく他人事?気持ちが見えない群馬
55分、群馬が最初の交代を使う。
北川柊斗に代えて高木彰人を投入し、もちろんポジションはそのまま。
63分には2回目の交代を使い、吉永昇偉に代えて内田達也を、青木翔大に代えて高橋勇利也を投入。
高橋が左サイドバックに入り小島が右に行くのは予想ができたが、さてダブルボランチに内田を加えてどうするか?
ワンアンカーのトリプルボランチかとも思ったが、どうやら内田がボランチに入り岩上が右に入るようである。
ある程度左右は使えているので、クロスの精度を上げていきたい…といったところだろうか?
65分、中央で長谷川元希が持ったところから群馬左サイドの荒木へ良いスルーパスが入る。
荒木は中にグラウンダーで折り返し、ニアの宮崎純真は触れなかったがファーのリラが詰めて3点目。
ニアに宮崎が詰めたことで清水慶記もそこに対応したため、結果的に清水もクロスに触ることができなかったのが運の尽きか。
一瞬、宮崎はオフサイドかとも思ったが…多分ボールの方が前にあったように思う。
ちなみにこのシーンは気になることがあるので、あとで振り返りたい。
後半は特に顕著だが、この試合どこかつまらないミスが多過ぎる印象。
パスカットにしろデュエルにしろ、ボールを奪うことはできているのにその後が繋がらない。
奪い切れないとでも言うのだろうか?足は出してボールを触るのに、その後のボールがチェックに行く人間もフォローに行く人間も他人任せ…。
ルーズボールはそのまま甲府に拾われるというシーンが多い。
岩上FWの奇策
68分には甲府も最初の交代を行い、野津田岳人に代えて中村亮太朗を、長谷川元希に代えて三平和司を投入。
この試合非常に野津田が効いており、ゲームの組み立てはもちろん攻守で嫌なところに必ず顔を出すという…やはりレベルが高いなと感じさせるシーンが多かった。
甲府は守備時のシステムは3-4-2-1(引く時はもちろん5-4-1になる)だが、攻撃時は野津田が比較的自由に動き回る。
その代わりに、3CBの中央である新井涼平が一列上がってボランチの位置に。
後ろは2バックとなるのが特徴であった。
そのため野津田は時にはサイドハーフのようにサイドに流れ、時にはフォワードのように前線に走り込み、時にはトップ下やボランチのように中盤でゲームの組み立てに参加するといった形で…捉えにくかったのも確かであろう。
76分には甲府が2回目の交代を使い、リラに代えて山本英臣を、宮崎純真に代えて野澤英之を投入。
既に3点差となっていることもあり、守備をしっかりと固めてあわよくばカウンターで追加点…といったところ。
80分には群馬最後の交代枠を使い、進昂平に代えて白石智之を、小島雅也に代えて金城ジャスティン俊樹を投入。
素人目にはもっと白石を長い時間使ってほしいところだが、きっと監督としては何か思うところがあるのだろう。
ここ数試合、10分程度の時間しか与えられておらず…ドリブル突破で流れを変えられる存在だけに少なくとも20分くらいはプレーさせてあげたいところ。
白石はドリブルを得意とするが故に、周囲を使わず自ら突破を試みて奪われる…なんてシーンがあることは事実であり、それがスタメンに使われない理由かとも思うが。
しかし負けている状況で流れを変える一手としては、彼以上に適任は現在の群馬にはおらず…2失点目、遅くても3失点してからすぐに投入しても良かったのではないだろうか?
ちなみにこの交代でFWが高木彰人1人になるわけで、選手の並びに注目してみたのだが…なんと代わりにFWに入ったのは岩上であった。
恐らく守備時は4-4-2の最前列に行くだろうが、攻撃時はトップ下的な4-2-3-1気味になるのだと思われる。
白石は左サイドハーフに入り、久保田が右に移ることに。
87分、左サイドの深い位置で高橋がボールを受け、ファーに良いクロスを供給。
これを久保田が頭で合わせるが…なんとポスト直撃。
運にも見放され、これで3試合続けて無得点という得点力不足となってしまう。
しかしこう言っては申し訳ないが…久々に高橋から良いクロスが上がった印象。
彼も良いクロスの際の球質は良さそうなので、クロスの精度を上げていけばかなり良いサイドバックになりそうだが…まだ若いので経験を積んで成長してほしいところ。
89分には甲府最後の交代、山田陸に代えて有田光希を投入。
そして95分には低い位置から高橋がクロスを上げ、大武が頭で落としたボールをジャスティンがダイレクトボレーで叩くも枠の上に。
枠は大きく外したが、ジャスティンの技術の高さを感じられるボレーであった。
彼も技術力は高いのだからもっと自信を持ってプレーしてほしいのだが、どことなく自身の無さというか…気持ちが見えない時が多い。
このシュートは自信を持って足を振り切ったように見えたのが嬉しい。
根性論は好きではないが、彼に限らず全体的に負け癖が付いているように見えるのが気になるところ。
このシュートが外れたことでタイムアップとなり、甲府には2試合続けて惨敗という結果になった。
試合終了後の話だが甲府の選手達は自分達のサポーター(アウェーゴール裏)へ挨拶に行った後、センターライン辺りまで戻ってきて群馬サポーターたちにも挨拶をしていた。
敵チームではあるが敵ではなくライバルであり、同じJリーグの仲間として相手チームながら素晴らしいシーンだったように思う。
全ての試合でやっているのか、アウェーの試合だけやっているのか、詳しいことはわからないが…相手チームのサポーターにまで挨拶するというのは素晴らしいスポーツマンシップであろう。
これは群馬も取り入れていったら良いんじゃないかと思うのだが、いかがだろうか?
ピックアップポイント
監督交代ブースト終了?以前の悪い時に戻りつつある
久藤監督就任後、しばらく負けなし状態が続いていた。
そして点も取れるようになり監督交代ブーストが効いていた印象が強かったと思う。
しかしここ数試合は点が取れていなかったり、2試合連敗といった状況もあり…だんだんと以前の悪かった時に戻りつつあるように思う。
もちろんこの試合も3-0ではあったが、群馬としても攻撃の形は作れており、甲府をしっかりスカウティングしているであろうことも感じられ、奥野監督時代とは違いを見せてはいる。
だが本文内でも書いたように、どこか自信なさそうにプレーしているのが目立つのが気になるところ。
そして自分が試合を決めるという気概が見える選手が少なく、どこか人任せに見えるのが気になる。
これはDAZNの解説の松原良香さんも触れていた。
それが故に試合を決めてやろうという気持ちが見える白石をもっと長く使ってほしいのだが…。
個人技が持ち味の選手だけに、チームとしてのバランスが崩れるのが嫌なのかなとは思うが…もう少しスーパーサブ的な使い方でもプレー時間が欲しいところ。
若い選手も多く経験も少ないので、逆に言えば勝ち始めればノッていく可能性もあるかとは思う。
この試合も何度も言うように攻撃の形は度々作れており、決定機を決めていればわからない試合になった可能性も。
もちろん甲府もかなり外してくれたので、逆に更にひどい0-6なんて結果になっていた可能性もあるが…。
65分 クロッサーに行くべきは誰だったか?
65分、3失点目のシーンを振り返っていきたい。
まず長谷川元希にボールが入り、中のリラに預けもう一度リターンを受けた時点での立ち位置が下記の通り。
画像内に解説を入れ忘れたが、この時に19番の宮崎純真は中に入り込む動きをしている。
そしてマーカーである高橋勇利也も当然中に入っていく。
となると、その外を駆け上がる荒木翔に付くのは…久保田和音になるはずである。
しかし久保田は何故か中に絞りつつ戻ってきている。
中に絞ること自体は間違いではないが、外を使われた際に出れる位置を保つ必要はあっただろう。
もう1つの案としては、中に入る宮崎に対して高橋は途中でマークを畑尾大翔に受け渡し、自身は外をケアするというもの。
相手FWはリラ1人であり、ここには大武峻がマークに付いていた。
大外は須貝がいたが、これは小島雅也がケアしていたため、畑尾にマークを受け渡すというのはアリだっただろう。(そして最終的にはこの形に近くなった)
野津田岳人も中にいるが、中山雄登と内田達也と2人戻ってきておりケアできたと思われる。
しかし結果的に高橋が付いていったので、外をケアするのは左サイドハーフである久保田の仕事になる。
長谷川から荒木にパスが通った時点での立ち位置がこちら。
久保田は外に出ることなく中に戻り続け、高橋がマークを捨てて荒木のケアに行っている。
高橋がマークを捨てたことで宮崎はフリーになり、結果触れなかったものの飛び込んだことでキーパーもクロスに触れず。
大武が宮崎をケアしにいったことで、その外のリラがフリーで詰められたということになる。
左サイド深い位置へパスが通った時点での畑尾の対応も良かったとは言えず、宮崎が裏に抜けているのでそこをケアする必要があったのは事実。
間に合ったかは別問題だが、ケアしに行っていれば大武はリラに付いたままであっただろうことから、少なくとも枚数は足りていた。
繰り返すが畑尾が間に合ったかどうかはかなり微妙ではある。
しかし根本的には左サイド、フリーでクロスを上げられてしまったことが敗因であり、ここをケアするのは久保田の仕事だったハズである。
個人的には久保田のサイドハーフ起用は疑問視しており、特にこういった守備面での難が大き過ぎるように思う。
本職ではないので久保田を責めるのも酷なのだが、攻撃面でも良さが活きるのは中央に絞ってきている時が多い。
彼はセンターのプレーヤーであり、サイドのプレーヤーではないだろう。
現チームの4-4-2であればボランチが適職だと思う。
そろそろ大前元紀、田中稔也が帰ってくるだろうから、大前が入ることで進をサイドで使うのか?
それとも田中をサイドに入れるのか、はたまた久保田にこだわるのか?
怪我から加藤潤也が復帰したらどうなるのか?
久藤監督の考えが気になるところである。
MOM
この試合のMOMは…進昂平としたい。
大前離脱に伴いキャプテンマークを巻く機会が多い彼だが、数少ない気持ちが見える選手。
キャプテンマークも責任感に役立っているのかもしれない。
13分のオフサイドではあったがネットを揺らしたシーンを代表に、やはり本職であるFWで起用されていることで良さが出ているように思う。
個人的にはシュートセンスはチームで1番良いんじゃないかと思っており、キーパーとの1対1を決めきる力が彼の魅力。
奥野監督時代にはサイド起用が多かったが、やはり最前線で使ってほしいプレーヤーである。
またこの試合では頻繁にボールを受けに下りてくるシーンが目立ち、裏を狙う北川柊斗との相性の良さも目立った。
ボールを受けに下りてくる…とは言え大前ほど後ろに下りて組み立てに参加するわけではなく、楔の縦パスを引き出しにくる…ということ。
前節はDFラインで出しどころを探すシーンが多かったが、この試合は裏にバイタルにと良い縦パスが入っていたのは進と北川の動きが重ならなかったのが大きいと思う。
もちろん甲府のシステムと秋田のシステムの違いもあるが。
他にも39分のシーンは北川に折り返すまでは完璧な仕事をやってのけた。
こぼれ球を枠に送れれば…また試合の展開も変わっていたかもしれない。
大前が戻ってくると進は控えに回る可能性が高く、併用するとしてもサイドに回されるかと思うが…今日の試合を見る限り進と北川の2トップは面白いと思うのだが…。
大前も離脱前は連戦の疲労か、精彩を欠くシーンも目立ち…代えたいが代えがいない…という印象が強かった。
今日の進は大前の代わりといったプレーも見せており、焦れて下がってきてしまう大前よりも良い受け方が多かったように思う。
進は生粋のストライカーだと思っていたが、こういったプレーもできるのであれば相手チームに合わせて、そしてコンディションによって大前と使い分けることができる。
そうなればチームの層の厚さは更に増すことになるだろう。
「大前の控え」みたいな書き方になってしまい、ファンの方や進選手本人には申し訳ないが…。
大前の控えができて安心という意味ではなく、こういったプレーもできるならばチームとして戦術が広がるのではないだろうか?という意味である。
そしてこの試合では素晴らしい活躍を見せてくれており、私としてはザスパクサツ群馬のMOMとしたい。
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