※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は金沢を相手にスコアレスドローで、リーグ戦無敗は継続となったものの…色々と課題も見えたゲームでした。
怪我人が続出している中、更にはコロナウイルスの関係で離脱するという…非常に選手層が厳しいゲームが続きます。
28節は秋田ということで、勝てば順位が入れ替わり残留に大きく前進する、いわゆる6ポイントマッチ。
同じく6ポイントマッチの金沢戦が1で終わっただけに、そしてこの後は上位との対戦になるが故に勝っておきたい試合です。
そんな第28節、ブラウブリッツ秋田戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ブラウブリッツ秋田
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | オビ パウエル オビンナ |
DF | 5 | 千田海人 |
6 | 輪笠祐士 | |
32 | 増田繁人 | |
33 | 飯尾竜太朗 | |
MF | 8 | 茂平 |
22 | 沖野将基 | |
23 | 稲葉修土 | |
25 | 藤山智史 | |
FW | 18 | 吉田伊吹 |
19 | 武颯 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 新井栄聡 |
DF | 24 | 山田尚幸 |
MF | 7 | 普光院誠 |
FW | 9 | 中村亮太 |
14 | 三上陽輔 | |
16 | 井上直輝 | |
29 | 齋藤恵太 |
連敗が続いている秋田としても、なんとかここで踏みとどまりたい一戦。
FWを両方とも前節のベンチスタート組を入れてきており、これは強プレスを狙ったザスパ対策だろうか?
他には普光院誠がベンチに入り、輪笠祐士がスタートとなる。
秋田と言えば吉田監督であり、そして沼津時代からの教え子である中村亮太も怖い存在。
そして、ザスパ的には秋田と言えば…高瀬優孝だが、最近はベンチにすら入らないという状況が続いている。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
24 | 光永祐也 | |
25 | 小島雅也 | |
40 | 大武峻 | |
MF | 6 | 内田達也 |
8 | 岩上祐三 | |
16 | 久保田和音 | |
18 | 進昂平 | |
FW | 10 | 青木翔大 |
39 | 高木彰人 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 22 | 高橋勇利也 |
36 | 吉永昇偉 | |
MF | 15 | 金城ジャスティン俊樹 |
19 | 白石智之 | |
41 | 中山雄登 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
群馬は4連戦を終え、やっと1週間空いてのゲームとなり…これである程度久藤監督の考えが見えるかもしれない。
が、離脱者が多いのは変わらないので…理想の形が見えるのはもっと先になるだろうか。
光永祐也が久々のスタメンとなり、進昂平がFWに入り青木翔大が右SMFに入る。
ボランチは絶対軸の岩上祐三であり、相方は試合によって使い分けているが…今日はフィジカルと高さでくる秋田相手ということもあり内田達也の起用となるのだろうか?
試合経過
立ち上がりロングボールからチャンスを作る
前半は群馬のキックオフでスタート。
DAZNの予想では青木翔大が前だったが、どうやら進昂平がFWに入っている。
対する秋田は予想通りの並びとなっているようである。
4分、早々に右からのコーナーキックのチャンスを得る。
キッカーは岩上祐三だが、ゾーンで守る秋田を相手に低く速いボールを入れる。
そこに後ろから飛び込んだ大武峻が頭でドンピシャリと合わせるも、これは田中雄大が弾いてコーナーに逃れる。
形としては完璧だったが、ちょっとシュートがキーパーの正面過ぎたか…。
12分には自陣からのビルドアップ時に、右サイドの小島雅也が少し出しどころを探したか…時間がかかったところに茂平のプレス。
蹴ったボールは茂に当たり、そのまま茂に右サイドを突破される。
マイナス気味の折り返しを武颯が合わせるも、これはわずかに枠を逸れて助かるというシーン。
これは完全に1点ものの危ないシーンだった。
直後の13分には、右サイドで青木が粘ったところから小島、岩上と中にボールが入る。
岩上はプレスにきたDFをシュートフェイントでかわし、右足でミドルシュートを打つがこれは枠を捉えられず。
非常に良い形の惜しいシーンだった。
出しどころが無い!ボールは支配するも…
27分にはボールを失ったところからカウンターを食らう。
大きなボールが群馬左サイドに流れた武颯に入り、後ろに落としたところから決定的なスルーパスが稲葉修士に入る。
稲葉がワンタッチで、フリーの茂平に送るも合わずに…群馬としてはゴールキーパーとの1対1になったであろうピンチを乗り越える。
31分には自陣で進昂平から青木翔大に入り、カウンターのチャンス。
青木が持ち上がり、中を上がってきた内田達也を使い、再び進に。
進はワンタッチで左サイドに送り、久保田和音が持ち上がるという流れるような見事なカウンターを発動。
しかし久保田の最後の内田へのラストパスが少し長くなり…外に流れながらになった内田はクロスを選択するも精度を欠く形に。
もしや飛び出したゴールキーパーを見てループシュートの選択だったのかもしれないが、戻ったDFに跳ね返されることに。
右サイドでは高木彰人もオフサイドラインギリギリの駆け引きをしており、ここを使ってもオフサイドはなかったハズである。
選択肢が多かったことが久保田のラストパスを狂わせたか…?
この辺りから群馬は自陣でCBとボランチ、更にはSBとでボールを回すシーンが目立ち前に運べない展開へとなっていく。
序盤は裏に良いロングボールも見せていたが、出しどころがないようで…出しあぐねて後ろでこねくり回すパターンに。
これは秋田の両FWがCBまで強いプレスをかけずに、両ボランチを見ているのが要因だろうか。
あまり高くまでプレスにいかないことで、DFラインもそれほど高くないわけで裏のスペースは消える。
となると、FWと両SMFは中央の…秋田のDFとMFの間のラインでボールを受けたいところだが…。
取り切れずにスコアレスで前半終了
40分には内田達也から左サイドの光永祐也を走らせるボールが出るも、少し長くなりそのままラインを割ることに。
しかし随分とこういったシーンを作れておらず、群馬の形であるサイドアタックはしっかりと消されている。
戦術的な部分もあるので一概に右が左が…とは言えないが、光永は上がれはするものの勝負までは行けず、小島雅也は高い位置でボールが持てないといった印象。
44分にはフリーキックのチャンスから、一度は跳ね返されるも高い位置でのスローインを獲得。
早いリスタートから岩上祐三が中に放り、高木彰人が上手くトラップで収めるもシュートまでは持っていけず。
続く46分には再び右サイドのスローインとなり、小島のロングスローを高木が収め今度は反転してシュートまで持っていく。
しかしこれは枠を大きく外れることに。
前半の前半は良い形を作れていたが、終盤はボールを持てているものの…持たされているという状況で前半は終了となる。
後半も変わらず決め手に欠く展開へ
後半は秋田のキックオフ。
両チームハーフタイムでの交代はなし。
48分には左サイドからのクロスを田中雄大が取りこぼすというシーンがあったが、詰めるより先にクリアされゴールとはならず。
入ったとしても単純にGKのミスである(それでも1点は1点だが)
54分、秋田は最初の交代枠を使い一気に両FWを交代。
吉田伊吹に代えて斎藤恵太を、武颯に代えて中村亮太を投入。
60分、久々にオーバーラップを見せた小島雅也を岩上祐三が見逃さず、良いロングボールを入れる。
中は2対2の状況で、小島はファーの久保田和音を選択し低いクロスを送る。
ワントラップから狙いすましたシュートを放つも、これは必死に戻ったDFのクリアにあうことに。
少しトラップが足元に入り過ぎてしまったか…。
攻めあぐねている印象があっただけに、こういったチャンスは活かしたかったところ。
交代カードで流れを取り戻せるか?
62分群馬も最初の交代カードを切り、高木彰人に代えて北川柊斗を投入。
高木は今日もらしさを見せており、悪くはなかったと思う。
以前は守備であまり追わない印象もあったが、久藤監督になってからはファーストディフェンダーとしてよく追っている印象である。
直後の63分には秋田が2回目の交代を使い、芝平に代えて三上陽輔、沖野将基に代えて井上直輝を投入。
これで前線の4枚を丸々変えたことに…。
それだけ前線からのプレスが重要で運動量が必要なのだろうが、なかなか思い切った交代である。
とは言えベンチにFW登録4人というところから、事前にこのくらいの時間では代えるつもりの事前から準備している作戦なのだろうが…。
68分には畑尾大翔が良いプレスをかけたことで、相手のキックミスを誘い(当たったかな?)そのボールを進昂平が頭でダイレクトで縦の北川柊斗に。
北川はそのままは打てなかったものの、青木翔大と入れ替わると見せかけ自らターンしてシュートを打つ。
枠を捉えることはできなかったが、ここで自分で行くのが北川である。
青木は両手を広げて、入れ替わる際になぜ出さなかったとアピールするが…どちらが良かったかは結果論だろう。
良い悪いはわからないが、逆の立場だったら青木はパスをしていただろうなと思わせるシーンでもあった。
70分には光永祐也に代えて、金城ジャスティン俊樹を投入。
これで小島が左に、ジャスティンが右に入ることに。
光永にとっては久々のチャンスを掴んだ形だったが、残念ながらこれといった大きな見せ場は作れなかったか。
もちろん彼だけの問題ではなく、秋田がきっちりと対策を立ててサイドアタックを潰していたと言えるが。
しかしこの交代1枚で良いのだろうか?
アディショナルタイムの悲劇
80分、進昂平から早めのクロスでコーナーキックを獲得するなど…決定的ではないものの押す展開ではあるが…秋田の守りをこじ開けるには至らない。
やはりさっきの70分にもう1枚代えても良かったような…少し走り負けている感があるというか…。
82分には波状攻撃を見せるも、最後の部分がかみ合わず…。
攻めてはいるものの、得点が入りそうではない…という展開が続く。
直後に両チーム最後の交代枠を使う。
群馬は進に代えて白石智之を投入。
秋田は藤山智史に代えて普光院誠を投入。
結局3枚しか使わず、2枚余らせた形か…。
確かにベンチを見ると流れを変える選手は白石しかおらず、あとは現状のバランスを崩したくない…といったところか。
だとすると白石の投入が10分遅い気も…。
ジャスティンと同時投入で、最後にバランスを取れば良いような気もするが…。
その後もザスパは猛攻を見せるが、最後のジャスティンのシュートが大きく枠を外れたり、小島のパスが合わなかったりとチャンスを活かせない。
そして94分、右サイドからのコーナーキックを押し込まれて…まさかのアディショナルタイムでの失点となってしまう。
このコーナーキックとなったシーン、中村亮太はタッチが少し長くなったところで諦めていたように見える。
結果論でしかないが…大武峻はクリアに行くフリだけしてゴールラインに逃れていればコーナーキックは無かったのだが…。
当然、咄嗟にその判断はできないだろう。
クロスを上げられないために必死でスライディングで飛び込み、それが中村に当たり跳ね返りが不運にも自分に当たりCKとなったと言える。
それよりも問題なのはこのコーナーキック、ファーサイドがドフリーなこと。
大外は小島なのだが、その小島でさえもだいぶ内側にいるように見える。
要はニアに人数をかけ過ぎなわけである。
決めたのが大外の飯尾竜太朗というのは偶然であり、その前に入っていてもおかしくはなかったが、明らかにファーの人数が足りてないのは事実。
キックを頭で落とした千田海人がフリーだったのもなんとも…。
ちょうど大武と畑尾大翔の間に入られる形になり、そこにドンピシャのボールが入ってしまった。
千田が逸らしたボールはその後敵味方と当たっており、松原修平としてもキャッチは難しかっただろう。
その後は混戦の中で体をぶつけられているので、まぁ仕方ないところ。
結局話を戻せば、ファーにもう1枚回していればここにDFがもう一人いたという話である。
ピックアップポイント
31分 お手本のようなカウンター
31分のカウンターは本当にお手本のような見事なカウンターであった。
高木がプレスをかけこぼれ球を進が回収、ダイレクトで右サイドの青木へ。
青木が運んだところを秋田もプレスに行き、少し遅らせられるも中の内田を経由。
少し長くなったこともあり、内田はダイレクトで進へ。
それをダイレクトで左を上がる久保田へ。
と、ダイレクトパスが連続したことで速度を落とさず一気に持ち上がることができた。
久保田に入った時の状態がこちら。
高木は自陣で奪ったところから、一気に右サイドを駆け上がっており…実は内田から進に入った段階で進が右を見れていればドフリーであった。
しかしパスが浮いたこともあり、右まで見るのは難しかっただろう。
なんとなく大前なら右の高木を使ったような気もするが…どうだろうか?
話は戻して、久保田がドリブルで運び、左右が使える状態で真ん中に切り込んでいく。
自分でシュートに行くと見せかけたこともあり、千田は下がるのを止める。
その瞬間に左の内田を使ったわけだが…このパスが長くなったのが悔やまれる。
しかし使われなかったものの、高木の走り込みとオフサイドラインの駆け引きは見事だった。
ちゃんとどのタイミングでもオフサイドにならないように、スピードの緩急で調整しているのが素晴らしい。
ボールが出た左サイドの内田の方に目がいった方が多いと思うが、是非ともこのシーンはハイライトで見直して頂きたい。
94分 コーナーキックの立ち位置
悔やまれる最後の失点シーンだが、随分と立ち位置がニアに寄っていたように思う。
ごちゃっとしているが、蹴る前の立ち位置がこれである。
小島が16番の井上直輝を見ていることもあり、大外の33番飯尾龍太朗はこの段階で既に誰も見ていない状況である。
マンマークではなくゾーンなので、持ち場を守るわけで…誰が付くというものではないが…。
ゾーンであるが故に、ファーのスペースが空き過ぎであろう。
5番の千田が頭で合わせたシーンがこちら。
もっと拡大して立ち位置を細かくしたいところだが…。
小島は井上に抱えられており、大外の飯尾には対応できていない。
近くのジャスティンは自分の持ち場に入ってきた9番の中村に付いており、外の対応はできない。
つまり…根本的にファーの人数が足りていない。
ちなみに74分にも同サイドからコーナーキックがあったが、群馬の立ち位置はほぼ同じである。
時間的なこともあり、秋田はアディショナルタイムの時に比べると後ろに残した人数が多く、ファーは小島1人で対応できている。
恐らくスカウティングにより、ニアへのボールが多い…なんてことで対策を立てていたのだろうが…それが裏目に出ただろうか?
それとも秋田はニアに寄っているのを見て、最後はファーを増やしてきたのだろうか…。
MOM
この試合のMOMは悩ましいが青木翔大を選びたい。
負け試合だけに秋田から選ぶのが正しいだろうが、このブログはザスパクサツ群馬を応援するブログなので、群馬のMOMと思ってもらえれば。
青木はやはり右サイドに置いた方が活躍できる印象が強い。
ボールが収まり、足元もあるのでキープも可能。
更にはスピードは無いがテクニックがあるので、自ら運ぶことも可能である。
最前線だとどうしてもマークが厳しく、競り合いも難しくボールが収まらないシーンもあるが…サイドであればほぼ確実に収めてくれる存在である。
今日は技術の高い個人技もかなり見せてくれており、時間を作ってSBの上がりを待つだけでなく自ら積極的に運ぶシーンも目立った。
68分の北川とスイッチするシーン(しなかったが)、本文内でも触れたが…恐らく逆に青木がボールを持っていたら北川に出した可能性が高い。
と思わせるように、ここ数シーズンの青木はストライカーらしく自ら強引にシュートに行くシーンが少ないのである。
もちろんそれが悪いわけではなく、可能性の高い方を選択するべきであり、評価は結果論でしかない。
ゴールに繋がったプレーであれば強引にシュートしようが、パスを選択しようが褒められるわけである。
だが、自ら積極的にシュートにいかないFWに怖さが少ないのも事実であり…であれば持ち前のキープ力と技術を活かしてサイドハーフをファーストチョイスにするのも良いのではないだろうか?
逆に今日はゴール前での見せ場があまり無かった進であるが、彼はシュート技術の高さもありゴール前で勝負させたいところ。
この2人は今日の立ち位置の方が機能するような気がする。
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