※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
天皇杯のラウンド16からの4連戦を締めくくる、第27節ツエーゲン金沢戦です。
試合前には15位16位と、どちらも残留争いから一歩リードしたい直接対決なだけに…厳しい戦いが予想されますね。
特に金沢としては7試合勝ちがない…という状態であり、降格圏に巻き込まれないためにも大事なゲームとなるでしょう。
熾烈な残留争いから離脱するためにも、群馬としても勝ち点3がほしいゲームとなります。
4連戦という厳しい中ですが、今期初の3連勝もかかっており好調なチームだけに良い形で乗り越えたいところ。
そんな第27節、ツエーゲン金沢戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
15 | 金城ジャスティン俊樹 | |
25 | 小島雅也 | |
40 | 大武峻 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
16 | 久保田和音 | |
18 | 進昂平 | |
41 | 中山雄登 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
39 | 高木彰人 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 22 | 高橋勇利也 |
24 | 光永祐也 | |
36 | 吉永昇偉 | |
MF | 6 | 内田達也 |
19 | 白石智之 | |
FW | 10 | 青木翔大 |
前節からは4人の入れ替えとなっているが、メンバーとしてはその前のレノファ山口戦と全く同じ。
控えに目を移してみても、清水慶記が戻ってきただけで他のメンバーはレノファ山口と同じです。
清水に代わりチャンスを掴んでいた山田晃士ですが、声掛けが話題になり非常に応援したくなる選手。
しかし守護神であった清水をいきなりベンチ外にする…というのは不可解であり、コンディション不良などが原因だったと思われる。
情報では天皇杯でも清水は姿を見せていたようで、今回のコロナ騒動とは関係がなさそうだが…もしかしたらワクチン接種の副反応などが原因なのかもしれない(いわゆるコンディション不良)
不在の間に松原が良い活躍を見せているので、次節も松原の起用となるのか、清水が戻るのか、ここは注目したいところである。
※こんなご時世なので補足するが、コロナの感染は仕方がないことだと思っているし感染者を糾弾するつもりもない。感覚的には怪我による離脱と同じである。
ツエーゲン金沢
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 後藤雅明 |
DF | 5 | 松田陸 |
15 | 渡邊泰基 | |
27 | 廣井友信 | |
39 | 庄司朋乃也 | |
MF | 7 | 嶋田慎太郎 |
8 | 藤村慶太 | |
14 | 金子昌広 | |
22 | 力安祥伍 | |
FW | 9 | 丹羽詩温 |
11 | 杉浦恭平 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 23 | 白井裕人 |
DF | 4 | 石尾崚雅 |
42 | 長峰祐斗 | |
MF | 6 | 大橋尚志 |
13 | 大石竜平 | |
17 | 平松昇 | |
FW | 10 | 瀬沼優司 |
対するツエーゲン金沢はGK含む5人を入れ替えてきた。
とは言ってもベンチまで含めると大きな変更はないと言っていいだろう。
しばらくスタメンを張っていたルーキーの稲葉楽がベンチからも外れ、そこにベテランの前橋育英出身である廣井友信が入った。
右の松田陸、左の渡邊泰基と、4バックのうち3人が前橋育英高校出身というのも面白いところ。
またルーキーと言えば、力安祥伍は初スタメンとなるようである。
試合経過
開始早々の決定機
前半は群馬のキックオフでスタート。
並びはDAZNの予想通り、お互いに4-4-2同士の展開となるようだ。
0分、開始早々に裏に抜け出した高木彰人に、岩上祐三から良いロングボールが入る。
これは少し長くなりゴールキーパーが抑えるも、早々に高木の良いところが出た。
この直後には左サイドの進昂平からピンポイントクロスが入り、距離は多少あったが高木彰人が頭で捉える!
これはポストを直撃し、ゴールラインを割る形に…。
キーパーも間に合っていなかったし、あとボール1個…いや半分でもズレていればゴールとなったであろう非常に惜しいシーン。
早々に高木の良さが2つ続けて出た形になったが、本人としても前節はベンチスタートだっただけにやる気十分といったところか?
続く6分にはピンチを迎えることに。
群馬の右サイドからのコーナーキックはファーに伸び、まさかの小島雅也の頭を超え後ろにいた丹羽詩温がヘディングシュート。
これは枠をわずかに逸れ命拾いとなるが、小島が被ったシーンはまさかであった…。
14分には中央で岩上が挟まれボールを失ったところから、丹羽詩温がワンツーで抜け出すも…これは松原修平が一歩速く回収。
画面越しでは結構危なく見えたが、丹羽に付いた畑尾大翔は焦ることなく松原に「出てきて処理しろ」と指示を出しており、画面で見るほどピンチではなかったようである。
15分には岩上が良いサイドチェンジを見せ、小島が低い位置からクロスを供給。
北川柊斗には少し高く、なんとか合わせるも体が伸びきっておりボールは枠の上に。
あとわずか合わなかったが、ここ数試合見せているサイドチェンジから早いタイミングでのクロスという良い形。
このように一進一退のままゲームは進むことに。
ネットは揺れるもファールの判定
その直後の16分、群馬の右サイドに流れた金子昌広がダイレクトでファーへ高いクロスを供給。
待っていた杉浦恭平が頭で合わせネットを揺らすも、これはファールの判定。
リプレイを見るまでもなく、競り合った小島雅也を手で押しており…レフェリーもヘディングシュートの時には既に笛を吹いている状態。
続く19分には大武峻からの良いロングボールが裏に抜け出した北川柊斗に入る。
これはDFにクリアされるも、セカンドボールを高木彰人が回収しダイレクトで左サイドの進昂平へ。
右サイドからは久保田和音が中央に入り込み、パスを出した高木は進を回り込むように外へ。
対峙したディフェンスとの距離もあったことから、進はミドルシュートを選択したが…これはゴールキーパーのセーブに合いコーナーキックへ。
ゴールにはならなかったが、人数をかけた非常に良い形であった。
このシュートで得た右からのコーナーキック、蹴るのはもちろん岩上祐三。
このセットプレーはどうやらデザインされていたようで、ファーサイドからペナルティスポットに下りてきた小島が頭でゴール前に。
そのボールを高木が頭で合わせるも…これまた後藤雅明のファインセーブで再びコーナーキックに。
31分には中盤で岩上から久保田和音に縦パスが入り、少しタメを作ったあとに右サイドに流れた北川にスペースを活かした良いスルーパスが入る。
中には高木、進、久保田と3枚が入ってきたものの、北川はカットインして左足のシュートを選択。
これは枠を捉えることができなかったが、北川もストライカーだということだろう。
早いタイミングで久保田に送れれば…もしくは、進がポジションを取り直したところで足元に出せれば…と思わなくもないが。
とは言え連続ゴール中であり、ノッているであろうFWに打つなというのも無理があるというもの。
お互いにゲームが作れない展開に
36分には群馬の右サイドで金子昌広がボールを持ち、少し時間を作ったところで中に入り込む選手を待つ。
低く短いグラウンダーのクロスは飛び込んだ丹羽詩温にドンピシャだったが、ここは中山雄登が身体を張って阻止。
しかしそのままこぼれたボールは、後ろから走りこんだ嶋田慎太郎がダイレクトでシュートを放つ。
低く抑えた良いシュートだったが、コースが甘く松原が弾いたもののしっかりとセーブ。
前半の早い時間は明らかに群馬ペースで試合が進んでいたものの、この辺りの時間帯から一進一退…どちらかと言うと群馬の方が上手くゲームを作れなくなってきた印象。
金沢も上手くいっているわけではないが、運動量のあるプレスで守備面はしっかりと修正してきたようである。
42分には岩上がミドルシュートを、47分には北川がシュートを放つも決定機にはならず。
このまま前半はタイムアップとなり、なんとか前半のうちに1点が欲しかった展開となってしまった。
一転 押し込まれる群馬
後半は金沢のキックオフでスタート。
ハーフタイムで金沢は動き、金子昌広に代えて大石竜平を投入。
そのまま左サイドハーフに入るようだが、群馬は数回こちら側からやられており、金子も良い働きを見せていたと思うが…?
開始早々の46分、群馬左サイドからのコーナーキックはニアに飛び込んだ杉浦恭平が合わせるも、松原がファインセーブでバーの上に逃げる。
ゾーンディフェンスの間を付く形で、完全にフリーの状態だったが…これは誰が付いていくべきだったのだろうか?
映像を見る感じでは久保田和音が足を途中で止めず、最後までフォローするべきだったような気もするが…。
ピンチらしいシーンはこの1シーンのみだが、群馬はボールが前に運べなくなり…チャンスが作れない状態に。
金沢のプレッシャーのかけ方が効いており、奪われはしないものの完全にパスコースを消されて横・後ろのパスしか選択できない状態を作られている。
高木彰人と北川柊斗の足も止まってきたのか、最終ラインから一気に裏を取るようなロングボールも出せないでいる。
苦しい時間帯 粘り強く戦う守備陣
62分にはこの状況を打開すべく、群馬ベンチが動く。
北川柊斗に代えて青木翔大を、中山雄登に代えて内田達也を投入。
65分、左サイドを久保田和音、小島雅也、進昂平で崩し、小島から少し低い位置の岩上祐三へ。
進が良い抜け出しでバイタルエリアを突き、岩上から良い縦パスが入るも…トラップが少し流れたか、シュートはミートせず。
しかし攻めあぐねていた中で、久々に良い形で攻撃を作ることができた。
66分には金沢も動き、杉浦恭平に代えて瀬沼優司を投入。
同じタイミングで群馬は吉永昇偉を用意していたが、セットプレーということもあり交代は待つことに。
セットプレー後にジャスティンに代えて吉永を投入、ジャスティンは疲労が見えたか…スピードのある大石竜平への対応に手を焼いていた印象も。
また右サイドを使われるシーンも目立ったので、良いところにテコ入れをしてきた。
直後の68分、群馬左サイドのスローインから松田陸、嶋田慎太郎、藤村慶太の3人でボールを動かし、松田が裏に抜け出す。
ゴールライン際からクロスを上げ、丹羽詩温が飛び込むも…ここは大武・畑尾のCBコンビが集中して守る。
松田の抜け方も上手かったが、これは完全に進がマークを見失ったと言えるだろう。
大武がきっちり丹羽をマークしたから助かったが、かなり危ないシーンだった。
最後にチャンス到来!
75分、両チーム同時に交代枠を使う。
群馬は高木彰人に代えて白石智之を投入し、金沢は嶋田慎太郎に代えて平松昇を投入。
これで群馬は進昂平をFWに上げ、白石が左サイドハーフに入ることに。
82分には群馬の右サイドを攻撃されるが、吉永昇偉が良い対応を見せ回収。
しかしクリアが相手に当たり、次のクリアも相手に当たりペナルティエリアの中にこぼれることに…。
大武峻が早い反応を見せ簡単にクリアに行くが、これが瀬沼優司の手に当たり真下にこぼれたボールをそのまま反転した瀬沼がシュート!
これは松原修平が右足一本、ファインセーブ!
角度はなかったとはいえ、低く抑えて速いシュートだったのでナイスセーブ松原である。
当然群馬の選手はハンドをアピールし主審に抗議するも、これまた当然判定は覆ることなくコーナーキックへ。
近年ハンドに関するルールは目まぐるしく変わっているが…これはハンドだと思うがどうだろうか?
ちなみにもしゴールになっていれば、攻撃側の手に当たった直後にゴールということでハンドは確定しゴールは取り消されるのが現行ルールである(そもそもハンドでゴールにならないので「取り消される」という表現は間違っているが…この表現がわかりやすい)
続くコーナーキックもファーサイドで合わせられるが、これまた松原がファインセーブ。
キャッチできずに弾いたボールを詰められるも、これも松原が身体を張りブロックする。
今日はDF陣の頑張りが目立つ試合になったが、松原のファインセーブでかなり救われているところがある。
84分には金沢も最後の交代枠を使い、力安祥伍に代えて大橋尚志を投入。
直後のリスタート、交代で集中が一瞬切れていた金沢のDF陣の裏を青木翔大が狙う。
完全に抜け出しゴールキーパーと1対1を作るが、トラップが流れ角度がなくなったのが悔やまれる…。
シュートはコースがなくなりゴールキーパーに防がれコーナーキックへ。
91分には岩上のロングスローの流れから久保田和音がミドルを狙うも枠を大きく外す。
94分にはカウンターから白石智之が運び、左サイドに流れた青木翔大がピンポイントクロスを上げ、ファーで構えていた内田達也に通るも…トラップの間にDFに詰められシュートはブロックされる。
ここはダイレクトで…とも思ったが、これをダイレクトで枠に送れるのは群馬では大前元紀くらいだろう。
事実、その前の久保田のシュートは大きく枠を外れている。
少しタイミングが違えば頭でダイレクトで叩き込めたかもしれないが…。
そして95分にはコーナーキックからの流れで、白石が反転しながらシュートを放つも…完璧にミートしきれずGKの正面に。
こういった試合展開、こういった時間帯に決めてくれるのが白石ではあるが…さすがに今回は決めきれず。
最後には猛攻を見せたが結局、両チームともに1点が遠い試合となった。
ピックアップポイント
19分 高木のフリーランニングの効果
今回は19分の進昂平のシュートのシーンを取り上げたい。
まずは自陣から大武峻の良いロングフィードが北川柊斗に向けて入る。
大武は本当に良いキックを持っており、裏抜けが得意な高木、北川と今後も攻撃バリエーションの1つになるだろう。
このフィードは廣井が競り勝つが、セカンドボールを高木が回収した時の状態が下記。
(北川が競り合わなかったことでファールになっていた可能性もあったか?)
高木は左サイドに流れた進にパスを出す。
その後、高木は進の後方から左サイドのスペースを使うべく流れる。
力安が必死に戻り高木のマークに行くが、このタイミングでは間に合っていないので…松田は進のカットインと高木へのパスの両方へ備える必要がある。
結果、ボールへの距離を詰めることができずに進はミドルシュートを打つことができた。
もちろんここから打たれるよりも、高木に抜け出される方が危険なので松田の対応は間違ってはいない。
が、力安が戻っているのでもう少し早いタイミングで、あと一歩でも詰めていれば進も簡単に打てなかったであろう。
ペナルティすぐ外にしては少しボールへの距離があり過ぎたようには思う。
68分 進の対応はどうするべきだったか
今度は逆に68分のピンチシーン。
群馬の左サイドからのスローインが嶋田に入り、それを折り返して松田が受けたシーンが下記。
(青木が抜けているが、実際には藤村の後方辺りに青木が戻ってきている)
松田はフォローにきている藤村に預け、自身は中に入っていく。
ボールを受けた藤村には内田が付き、進は松田を見つつ中に絞る。
藤村はワントラップしたあとに嶋田へ。
後方から藤村に当たりにいった青木はそのまま嶋田へ付く。
青木が行った事もあってか、松田が中に入ったこともあってか、小島の位置が少し内側過ぎる気もする。
松田は進が見ていたのだから、もう少しボールホルダーである嶋田に寄せても良かったのかもしれないが…どうだろうか?
進は松田を気にしてはいるものの、ボールウォッチャーになったところで裏のスペースに入られる。
進がマークを外したのが全て…ではあるが、見返してみると小島もあのスペースは気にして位置取りをしておくべきだった…かもしれない。
MOM
この試合のMOMは…松原修平としたい。
結果的にこのゲームはお互いに守備陣の奮闘が光った試合になったと思う。
特に群馬は後半押し込まれる時間が長かったものの、大武と畑尾の両CBを中心に粘り強い守備を見せた。
そして松原もファインセーブがいくつあっただろうか?
今節は清水慶記が戻ってきたこともポイントとなっており、今までの起用をみていると今シーズンの1stチョイスは慶記なのだと思われる。
しかし両者に対する評価は微差であり、負けが続いたりしたときに入れ替える…という起用が多かった。
今節も勝てなかったものの負けてはおらず、松原自身もファインセーブを連発したことから、何もなければ次節も松原の起用になるだろうか。
それぞれスタイルが違うので比較は難しいが、どちらも良いキーパーなので今後も良いライバル関係で切磋琢磨していってほしいものである。
そして山田晃士の成長も楽しみである。
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