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【2022 J2第30節】ザスパクサツ群馬 対 ジェフユナイテッド千葉【レビュー】

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※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。

前節は先制し逃げ切りを図るも…逃げ切れなかったという展開で勝ち点1となった甲府戦。

その前には久々の勝利があったということで、比較的相性の良い千葉を相手にまた良い流れを取り戻したいところ。

そんな千葉はここ3試合勝ちが無いという状態のため、そんな千葉の現状を考えてもしっかりと勝ち点を奪いたいところです。

今回はそんなジェフユナイテッド千葉戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 2 城和隼颯
3 畑尾大翔
25 小島雅也
MF 8 岩上祐三
15 風間宏希
19 岡本一真
33 細貝萌
42 高木友也
FW 7 加藤潤也
23 平松宗

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 1 清水慶記
DF 32 渡辺広大
MF 14 白石智之
17 山中惇希
27 奥村晃司
38 天笠泰輝
FW 11 深堀隼平

 

群馬はこの試合を前に山根永遠の横浜FCへの移籍が発表される。

入れ替わる形で高木友也がレンタルで加入となり、早速先発での起用。

他にも清水エスパルス所属であり、ファジアーノ岡山にレンタル中であった川本梨誉の加入も発表されたが…こちらはコンディションが整っていないのかベンチ外となった。

そして朗報と言うべきか…しばらくベンチ外となっていた加藤潤也がスタメンに復帰したことで、移籍の可能性は低くなり単に怪我等の理由で離れていたとなりそうである。

ジェフユナイテッド千葉

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 1 新井章太
DF 6 新井一耀
15 チャン ミンギュ
30 田邉秀斗
MF 4 田口泰士
5 小林祐介
8 風間宏矢
17 福満隆貴
25 末吉塁
FW 27 チアゴ デ レオンソ
37 ブワニカ啓太

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 31 松原颯汰
DF 11 米倉恒貴
22 佐々木翔悟
33 ダニエル アウベス
MF 32 高橋壱晟
FW 40 櫻川ソロモン
47 新明龍太

 

対する千葉は前節から2枚を変更し、秋山陽介に代えて末吉塁を…高木俊幸に代えてブワニカ啓太が先発起用となった。

注目はやはり名古屋グランパスで活躍した田口泰士となるだろう。

ベテランの域には入っているが…まだ31歳でありJ2では間違いなくトップクラスのボランチである。

そして3月に中国リーグから加入した、最前線に入るチアゴ デ レオンソも気になるところ。

今シーズンはまだ2ゴールと数字の上では結果が出ているとは言えないものの、得点以外のプレーでは評価も高くコンスタントに出場機会を得ている印象となる。

更に、ベンチを見るとそのチアゴとポジション争いとなっている櫻川ソロモンが途中投入となるであろうことも予想される。

試合経過

ゲームプランぶち壊し 開始早々の失点

前半は群馬のキックオフでスタート。

移籍から早々にスタメン起用となった高木友也のポジションが楽しみであったが、やはり予想通りに左サイドハーフに入ることとなった。

 

開始早々の1分、千葉のゴールキーパー新井章太からのロングボールが予想以上に伸びたか…競り合ったチアゴ デ レオンソは被ってしまい、岩上祐三は下がりながら足に当てるのが精いっぱいという形に。

このボールが高く舞い上がり、ブワニカ啓太城和隼颯が競り合うが…ポジション取りが激しく落下点にお互いに入れないという状態。

一度バウンドして再び上がったボールを城和が頭でバックパスとするが…このボールがキーパーに戻すには短く、後ろに入っていた畑尾大翔に戻すには長く…中途半端となってしまう。

畑尾がなんとか頭に当てるも…ほぼコースは変わらず、飛び出した櫛引政敏よりも早くバックパスを狙っていた風間宏矢に回収されてしまう。

そのまま櫛引を交わして無人のゴールに流し込まれ、わずか2分足らずで…しかも自分たちのミスからという痛い失点となってしまう。

ちなみにワンバウンド後の城和の動きを見た瞬間に、風間は前方に走りだしておりこのバックパスを完全に狙っていたことがわかる。

とは言え…もう少し短く出していれば畑尾がクリアできたわけであり、逆にもう少し長ければ十分に櫛引が処理できたタイミングである。

開始早々に自分たちのミスから失点し、この千葉戦に向けて準備してきたゲームプランが全てぶち壊しとなったと言って良いだろう。

そのくらい手痛い失点となってしまった。

 

4分、群馬が左サイドで得たコーナーキックはファーの小島雅也が頭で合わせるも…叩き切れずに枠の外に。

ここ数節セットプレーに可能性を感じさせるシーンが増えてきており、ここはシーズンを通しての成果が見られる部分。

 

14分には岩上祐三からのパスを受けた高木友也がアーリークロスを選択。

これをゴール前に飛び込んだ平松宗が頭で合わせるも…枠の上。

ゴール前に入り込んだのは平松1人であり、対する千葉は2枚だったにもかかわらず…ピンポイントのクロスで早速高木は持ち味を見せたと言えるだろう。

ペースを落とす千葉 膠着状態に

開始早々に千葉が先制点を奪ったという事もあり、少しペースを落とした印象も。

群馬がボールを持ち、千葉がしっかりと守って…という展開になっていくも千葉の守備が固く攻めあぐね膠着状態に。

 

19分には千葉が奪ったところからカウンターを仕掛けるも、クロスは精度を欠き直接櫛引政敏がキャッチして処理。

22分には風間宏希田口泰士に潰されたところからカウンターを受けるが、福満隆貴のシュートは枠を外れ助かる。

30分には群馬も良い形を見せ、岡本一真が右サイドから仕掛け中央の細貝萌へ。

細貝は出しどころを少し悩んだ感があったが…ゴール前にスルーパスを通すも誰も反応できずに流れてしまう。

前半終了間際の追加点

この後も膠着状態は続くが…群馬としても中央の守備は固く崩されてはいない状態。

サイドからのクロスに対してもほぼ完璧に櫛引政敏が対応しており、単純なハイボールでは攻略されなさそうな安心感を見せる。

しかし攻撃面でも…群馬も点が取れる気配が無く、新加入となった高木友也は良い攻撃参加と良いクロスを見せてはいるものの…同サイドでかかわる加藤潤也との連携が今一つ。

加入直後のため連携が今一つなのは仕方ないのだが…どちらかと言えば今日のKJはいつにもましてパスが雑な印象が強い。

怪我かコロナか…しばらく離脱していた影響が出ているのだろうか。

そのためにパスが通らず高木との連携も悪く見えている。

 

そして前半終了間際となる45分、千葉が後方でのパス回しから一気に群馬左サイドを突破する。

まずは最終ラインに下りてボールを受けた小林祐介から、右サイドの新井一耀にパスが出ると対応にいった高木友也を交わして縦の福満隆貴にパスを通す。

福満の内側をインナーラップの形で上がる風間宏矢にパスを通され、群馬左サイド深くまでえぐられる形となり…ここにCBの畑尾大翔が引っ張り出される形となってしまう。

そして風間のクロスをブワニカ啓太が頭で合わせて追加点…。

あまりに簡単に失点している印象だが…思うことも色々とあるので、このシーンは後で振り返りたい。

後半開始早々のピンチは…

後半は千葉のキックオフでスタート。

2点を追う展開ということもあり、ハーフタイムで小島雅也に代えて山中惇希を投入。

掲示板などでは「懲罰交代」なんて書き込みも見られたが…個人的には2失点とも小島としては対応のしようが無いように思うが…。

(確かに前半に小島が光ったシーンも無かったとは思うが…それはどの選手も大差ないようにも)

山中がどこに入るのかが注目と言えたが…どうやらそのまま小島のいた左サイドバックに。

ここ数節見せた山中の破壊力と、重用されていた時期の守備対応を考えると…高木友也と位置を入れ替えた方が良かったのではないだろうか?

横浜FCサポーターからの声を見ると、高木もそれほど守備力のあるタイプではないようではあるが…。

 

46分、風間宏希のファーへのクロスは新井一耀に頭でクリアされてしまう。

このボールを風間宏矢が回収すると、右サイドの福満隆貴へ広げ、福満はこれをダイレクトで裏へ抜け出すチアゴ デ レオンソへロングボールを送る。

畑尾大翔はこのロングボールをカットはできず、チアゴ城和隼颯が1対1の形となるが…チアゴの見事なシュートフェイントに城和が滑り込んでしまい交わされてしまう。

しかしここは畑尾が必死に戻って、シュートされるよりも先に触りピンチを逃れる。

畑尾が先に触ったことで、シュートにいったチアゴの足がアフターとなり畑尾を蹴ってしまい…これにカードが出されるもチアゴとしては城和に引っ張られたことをアピール。

城和は確かに少し引っ張っており、これがあったことで畑尾が先に触れたのも事実だとは思うが…これをPKとするのは難しいのも事実。

ただ、そういった状況を考えるとチアゴのイエローカードは少し可哀そうにも思われる。

このシーンはまぁ仕方ないとしても、今日の主審は「あっちがカードで、なぜこっちがノーカード」というシーンも目立ち…ジャッジに一貫性が無いように見えるのも事実である。

 

49分、細貝萌が良いパスで左サイドを大きく広げて高木友也へ。

その外を山中惇希がオーバーラップすると、それを囮に下りてきた加藤潤也へパスを通す。

KJとのワンツーで再び高木がボールを受けると、中央の岩上祐三へ落とす。

これを岩上が右サイド裏に抜け出した岡本一真にサイドチェンジ。

岡本が頭で落として風間宏希がミドルシュートを放つも…新井章太がわずかに触れてコーナーキックへ。

当初はゴールキックの判定だったが、風間はキーパーのワンタッチを猛アピール。

結局副審はワンタッチを確認していたようで、判定はコーナーキックへ変更される。

ロングカウンターに沈む

63分、岩上祐三から平松宗に縦の楔のボールが入ると、これを平松風間宏希に落とす。

風間はダイレクトでミドルシュートを狙うが…コースがやや甘く新井章太がキャッチングして抑えられてしまう。

とは言え、この試合…に限らずあまり見られない縦への良い楔のパスを通し平松がポストプレー。

そして風間も今日2本目となる積極的なミドルシュートと、プレーとしては悪くない形。

これは続けていきたいところ。

 

66分には右サイドでコーナーキックを獲得すると、キッカーは風間宏希

前節にも似たようなプレーがあったと思うが、ニア側のポスト付近から岩上祐三が一気にスピードを上げてフリーの状態を作ると…そこに低く速いボールを供給。

このボールは読まれたか、岩上の手前で田口泰士にカットされてしまうも…こぼれ球を細貝萌が直接左足で狙う。

コースはやや甘かったものの…威力充分なシュートとなり新井章太もキャッチしきれずにこぼしてしまうが、平松宗が詰めるより先に風間宏矢がクリア。

結果的には平松がオフサイドポジションだったことで、オフサイドを取り千葉ボールでの再開となる。

今シーズンはセットプレーからなかなか点が取れていなかったし、改善が見られるとは言えまだ3ゴールか?

少ないままなのは事実ではあるが、ここ数節は可能性を感じさせるセットプレーが増えてきているので更に練っていってほしいところ。

 

69分には千葉が最初の交代枠を使い、風間宏矢に代えて高橋壱晟チアゴ デ レオンソに代えて櫻川ソロモンを投入する。

すると74分、左サイドで受けた高木友也の右足でのクロスがミスキックとなり…誰もいないファーサイドへ。

これを末吉塁がダイレクトでブワニカ啓太へ。

岡本一真がすぐにプレスに行ったことで再び末吉に返すが…再びワンツーの形でブワニカ啓太が受けると一気に左サイドを突破する。

前方には櫻川ソロモン1枚であり出しどころがなくドリブルをスローダウンさせ、後ろから上がってくる味方を待つかと思ったが…対峙した城和隼颯のプレスが甘いことを見ると、チョンと右にボールを動かしてロングシュートを狙う。

これが非常に良いシュートとなり、櫛引政敏も弾くのが精いっぱい…。

こぼれ球を櫻川ソロモンに詰められ、試合を決するとも言える3点目を献上してしまう。

このシーンも後ほど振り返りたい。

白石が気を吐くも…

77分、群馬が2度目の交代を使い岩上祐三に代えて白石智之を投入。

個人的にはこの交代は非常に遅いと思い、結果論となるかもしれないが2点差の段階で攻撃のカードを切りたかったところ。

1点差であれば…追加点を許さないことを第一に…ということでこの時間まで攻撃のカードを切らないのも理解はできるが。

試合を見るだけでは理由はわからないが…この交代を見るに白石はまだまだ監督の信頼を得られていないと言えそうである。

この交代で白石加藤潤也のいた最前線に入り、KJが右サイドに移動。

右サイドの風間宏希がボランチに移ることとなった。

 

79分には千葉も2回目の交代を使い、新井一耀に代えて佐々木翔悟福満隆貴に代えて米倉恒貴を投入。

83分に群馬が3回目の交代を使い、平松宗に代えて深堀隼平加藤潤也に代えて奥村晃司を投入する。

 

85分、白石智之高木友也の左サイドコンビでコーナーキックを獲得。

するとこのコーナーキックを風間宏希は直接狙ったか?

確かにキーパーの位置が随分とファーポスト寄りであり、クロスボール対応に向けて前寄りではあった。

もう少しニアポストギリギリくらいを巻ければ可能性はあったが、このボールは戻りながら新井章太がパンチングで対応。

対応されたものの、狙いとしては面白いボールではあったと思う。

 

88分、千葉が最後の交代を使い末吉塁に代えてダニエル アウベスを投入。

92分には白石智之の突破からフリーキックを獲得すると、風間宏希のキックを城和隼颯が頭で合わせるも枠の上に。

サイドに追いやられており、それ単体で見れば有効とは言い切れないものの…結果としてはこうしてファールからフリーキックを獲得しており、交代で入った白石は1人気を吐いている状態。

サッカーは気持ちだけでどうにかなるものではないが…やはり白石は「俺がなんとかしてやる」という姿が見えて応援したくなる選手。

気持ちが見えないことが悪いわけではないし、戦っていないわけではないことは理解しているが…現状の群馬では他に気持ちが見えているのは細貝萌くらいだろうか。

 

こうしてアディショナルタイムの5分を経過し、得点が奪えないままにタイムアップとなった。

ピックアップポイント

45分の失点シーン

今回は45分の2点目のシーンを振り返りたい。

まず千葉の後方でのパス回しから右サイドの新井一耀にボールが入る。

ここで高木友也が対応に行くが、フェイントから交わされてしまったことが始まりとなる。

 

そこから前方の福満隆貴にパスが入るが、ここでは既に福満風間宏矢の2枚に対して群馬は小島雅也の1枚と数的不利の状態。

風間のランに対して付いて行かないといけないのは…ポジション的に言えば細貝萌になるだろう。

しかしその前のプレーで田口泰士を見ていたこと、高木が抜かれかけたことでフォローに入っていること…等々の理由からスタート位置が風間とはかなり差があり…対応は難しかったとも言える。

結果的にはここは頑張って風間を追って遅らせることで、畑尾を中に残せた方が良かったのだが…。

前半終了間際の時間帯、細貝の年齢、更には怪我明けということで…走りたくても走れないというところだろう。

 

福満小島が対応したことで、インナーラップで抜け出す風間にはCBである畑尾大翔が釣りだされる形になる。

中には中央浅めの位置にチアゴ、中央ちょっと外の深い位置にブワニカ啓太、そしてファーの浅い位置に末吉塁が入る状況。

対して群馬は城和隼颯岡本一真の2枚が残っており、大外の末吉は置いておけば決して枚数が足りない状態ではない。

 

しかしクロスはブワニカ啓太がフリー気味に頭で合わせて失点となってしまう。

ではなぜ枚数が足りているのに簡単に失点したのか。

ポイントは3つ。

1つは畑尾風間への対応が距離があり過ぎる事。

2つ目は城和岡本の意思疎通の問題。

3つ目は2つ目とも関係するが、岡本のポジション不良となる。

 

1つ目、畑尾はなぜあれだけクロッサーに対して距離を空けたのか?

これは正直わからないが、中の人数が足りていたことを考えるともう少し風間に対して距離を詰めて簡単にボールを上げさせない対応の方が良かったと思われる。

あの瞬間に一瞬中を見て全ての状況を完璧に把握するのは不可能なため、岡本の姿が見えずにブワニカ啓太城和に任せ…風間の対応をしつつチアゴへのコースも消す…という意図があった…のかもしれない。

失点後の畑尾城和へのジェスチャー(なぜブワニカがフリーなんだ…という態度)を見ると…この可能性が考えられる。

 

2つ目、城和岡本の意思疎通の問題だが、恐らく城和ブワニカ啓太のマークを捨てて…中央で止まって前方にスペースを作り出したチアゴの対応に切り替えたと思われる。

これは風間がボールを受けた瞬間の各ポジション(下図)を見てほしい。

 

ただし岩上祐三が必死に戻ってきてスペースを少し埋めにいったこと、風間が更に深く入り込んだことで一歩下がりチアゴとは距離もあることで…中途半端なポジショニングになったことは否めない。

その中途半端なポジショニングというのが、風間のクロスを上げる瞬間の各ポジション(下図)となる。

 

これが3つ目と繋がるわけで、3つ目の岡本のポジショニングだが…城和ブワニカ啓太へのマークを受け渡しチアゴに対応するのであれば…岡本ブワニカの前方に入らなければならない。

少なくともブワニカの左側(ゴール側)には入り、クロスに対して競れる位置を取らないとダメだろう。

ブワニカの後ろ側にいては失点シーンからも明らかだが…ブワニカへのクロスに対して一切の対応ができないこととなる。

 

ではなぜ岡本ブワニカの前方にポジションを取り直す素振りを見せなかったのか。

岡本としてはサイドバックということもあり、大外へのボールへの対応も意識の中にあるだろう。

結果として絡んではいないものの大外には末吉も入ってきており…ファーへのクロスとなれば頭を超えた段階でボールの先に行くのはポジション的に岡本の仕事となる。

また、先ほど書いたように城和のポジショニングが中途半端となったことでマークを受け渡されたと思っていない可能性もある。

風間にゴールライン際までえぐられており、オフサイドも取りづらいところを考えると…岡本のポジショニングはここでは無かったことは明らかだろう。

以前にも少し書いたが、岡本はこの辺りの組織的な守備でまだまだ改善の余地があり…これが天皇杯まで出場が無かった理由の1つだと考えている。

74分の失点シーン

続いて74分の3点目のシーン。

高木友也のクロスがミスとなり、末吉塁に回収されたところからカウンターが始まる。

ブワニカ啓太末吉とのワンツーで抜け出すわけだが…理想を言えば一度プレスにいった岡本一真がしっかりとブワニカに付いていってほしかった。

しかしここは結果論と言え、まぁ位置を考えても岡本が必死に追わなかったのは理解できる。

 

岡本が遅れたことでブワニカがドリブルで運んでいくわけだが、すぐ横を戻る岩上祐三も全く対応する素振りを見せずにゆっくりと帰陣。

確かにまだまだハーフウェーラインであり、前方は櫻川ソロモン1枚に対して群馬は枚数もいる状態。

時間帯を考えると体力的にも厳しくなってきており、ここでプレスに行かなかった…行けなかったというのも理解はできるが…結果的にこれが判断ミスとなる。

年齢を考えても体力的に厳しいのだと思うが…ここはガツっと行く必要はなくともブワニカのドリブルを遅らせるだけでも対応してほしいところ。

 

続いてドリブルで運んだブワニカに対して城和隼颯が対応する形となるが…結果的には距離を空け過ぎたが故にシュートを打たれてしまう。

が…個人的にはこれは結果論だと思う。

ペナルティエリアよりも遥かに外であり、ここからのシュートを最重視するDFはいないだろう。(意識の中にはあってほしいが)

まずは縦への突破を許さないことを第一に、ブワニカのドリブルを送らせて帰陣してくる岩上岡本と挟み込む対応を取る…ということで城和の判断は間違っていない。

再び岩上岡本の帰陣の遅さが悔やまれる形となってしまう。

 

続いてブワニカのシュートであるが…ノーマルスピードの画面では櫛引政敏にはキャッチしてほしいところ…と思ってしまうが、最後のブワニカの後方からのリプレイを見てほしい。

かなり良いコースに飛んでおり、これをキャッチするのは難しいだろう。

であれば最初からキャッチを諦めて、大きく弾く選択をするべき…という意味では櫛引の判断ミスと言えるかもしれない。

しかし…あの位置から打ってくるというのは予想外だった部分もあり、櫛引としてはあれだけ(3枚)いたのだから簡単に打たせるなと言いたい部分もあるだろう。

また高木は自身のミスからということもあるだろうが…唯一必死に戻った選手であり、最終ラインまで戻り櫻川ソロモンに対応…したところまでは良かった。

しかしシュートの際にボールウォッチャーとなり、セカンドボールへの対応が櫻川より遅れたことが悔やまれる。

が、かなり長めの距離からのシュートということもあり…J1や代表クラスでもボールウォッチャーになりがちなシーンとも言えるかもしれない。

 

ちなみに、ブワニカのシュートの際の櫻川のポジションは際どく…厳密に言えばオフサイドだった可能性もある。

(最終ラインは畑尾であり、ほぼ横一列か…少し櫻川が前か…といった状態)

仮にオフサイドポジションだったとしても、ロングシュートだったこともありこれを正確に見られる副審の方が珍しいだろう。

MOM

この試合のMOMは…高木友也としたい。

かなり悩ましいところだが…今後の期待も込めての選出となる。

いきなりのスタメン起用ということで、連携面の難も見られたが…それでも左サイドから良いクロスを何本も供給していたと言える。

右足の精度の問題なども感じさせたが…やはりシーズン途中のレンタルということで即戦力であることを見せつけたと思う。

また自身のミスから失点…ということもあるだろうが、3失点目の際の帰陣やその後の積極的な仕掛けなどで気持ちも見えた。

(もちろんこの時期のレンタル移籍ということで、自身としても後が無いという思いもあるだろう)

単独での突破力があるタイプでは無さそうで、敵陣突破するのであれば左のFWやボランチ、更にはサイドバックとの連携面の向上が必要。

しかしその後のクロスは非常に良いものを持っていそうであり、群馬の既存選手であれば天笠泰輝に近いタイプと言えるだろうか?(もっと言えば光永祐也に近いタイプかもしれない)

特に終盤の白石智之とのコンビは面白そうな予感を感じさせ、山中惇希も絡めばかなり左サイドは活性化するように思われる。

守備面は不安もあり実現はしないだろうが…。

 

そして1つ触れておきたいと思ったのが、52分の岩上祐三のロングスローのシーン。

タオルでボールを拭いてからのロングスローとなったが…ビニール袋からタオルを取り出し、そのビニール袋を後方に置いて…といったシーン。

言葉は悪いが誤解を恐れず言い切るならば、ボールを拭いたあとのビニール袋もタオルも邪魔である。

しかしタオルはともかくビニール袋は風でも吹けば飛んでしまい、それがピッチに入ったら…ということを考えると適当に放っておくわけにもいかないだろう。

岩上も一度後方に投げたものの、助走を取る際に踏んでしまい再び拾って後方へ…。

その時にすぐに走ってきてビニール袋とタオルを回収したのが渡辺広大である。

こういった貢献性を見せたのは今はベンチ外となっているが、山田晃士も同じであり…特にチームがこういった状況の際には大事な存在と言えるだろう。

広大としても選手の1人であり、試合に出てプレーしたい思いは強いハズ。

しかし今の状況では控えとなっており、もっと言ってしまえば川上優樹藤井悠太との序列も下の可能性も。

失礼な言い方ではあるが、彼らが戻ってくればベンチ外というのも十分に考えられる状況と言える。

そんな苦しい状況の中でも、負け試合の後でもファン・サポーターに率先して対応してくれていたりと…本当に頭が下がる選手である。

これまた現役の選手に対しては大変失礼なことだとは思いつつも…広大にはこのままコーチ兼任のような立場で長く残ってほしいところ。

個人的には、引退後もコーチなどの形で長く関わってほしいと思っている。

もちろん、まだその時期ではないのでベテランの味というものを今後もまだまだ見せてほしい。

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