紺色と共に

紺色と共に【ザスパクサツ群馬を応援するブログ】

Home » マッチレビュー 2025 » 【2025 J3第26節】FC琉球 対 ザスパ群馬【レビュー】

【2025 J3第26節】FC琉球 対 ザスパ群馬【レビュー】

calendar

※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

第26節はアウェーでのFC琉球戦です。

前節はカマタマーレ讃岐をシーズン最低とも言える前半をしてしまい、後半に盛り返したものの…得点直後の失点という悪癖を見せてしまいました。

日程の関係でアウェーゲームが4つ続きますが、今節はその2試合目。

香川から群馬に戻り、次は沖縄ということで移動の影響はあるとは思いますが…それも含めてリーグ戦です。

むしろFC琉球は全アウェー飛行機移動ですし…。

試合前のプレビューでは沖田監督より「讃岐戦の後半のような戦い方ができれば、13連勝も夢ではない」というような話があったようです。

前提条件に疑問がありますが…確かに後半は非常に良かったのは事実です。

問題は前提条件である「その戦い方ができるのか?」というところでしょう。

 

今回はそんなFC琉球戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

FC琉球

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 16 佐藤久弥
DF 3 菊地脩太
14 鈴木順也
15 荒木遼太
28 津覇実樹
MF 10 富所悠
11 石浦大雅
18 平松昇
20 永井颯太
FW 55 幸喜祐心
89 高木大輔

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 50 川島康暉
DF 22 大和優槻
37 後藤田亘輝
MF 7 茂木駿佑
8 岩渕良太
13 岩本翔
FW 9 浅川隼人
23 曽田一騎
39 庵原篤人

 

琉球は前節から2枚を変更。

岩本翔、曽田一騎がベンチスタートとなり、代わって石浦大雅と幸喜祐心がスタメン起用となった。

ベンチを含めての20人には変更はない。

 

やはり琉球と言えば…元群馬の鈴木順也だろう。

前回対戦の開幕戦では怪我で離脱していたため不在となっていたが、5節から復帰。

その後は全ての試合でフル出場しており、キャプテンマークも巻く中心的な存在となっている。

あくまでも個人的な意見ではあるが…今でも同期の岡村大八と同様に、2019年にどこかにレンタルに出すべきだったと考えている。

(とは言え大八もレンタル先の宮崎で9試合しか出ていないようだが…)

結局、2020年は武者修行から帰ってきた大八が守備の中心的な存在になったのに対し、順也はわずか出場7試合。

その後は鳥取に完全移籍となり、初年度から出場数を増やして現在に至る…となる。

2021年時点ではザスパ群馬はJ2であり、J2では通用しないと判断して放出した…ことになるのだろうが、なぜ育成型レンタルにせずに完全移籍にしてしまったのかと…。

(もちろんチームの意向だけでなく、鈴木順也本人の希望もあるので…そちらが要因かもしれないが)

長くなるのでこの辺りで終わりにするが、とにもかくにも琉球の中心選手として活躍していて嬉しい限りである。

 

注目は琉球と言えばの富所悠。

そしてサイドを切り裂く荒木遼太。

小柄ながらも最前線で身体を張れる高木大輔。

そして夏に愛媛から加入した石浦大雅と、ベンチに座る松本から加入した浅川隼人といったところ。

 

互いに似たようなスタイルを持つチームであるため、両WBの裏のスペースを上手く使えたチームが優位にゲームを進めるだろうか?

ザスパ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 13 近藤壱成
DF 3 大畑隆也
22 高橋勇利也
36 安達秀都
43 野瀬翔也
MF 7 西村恭史
27 藤村怜
37 瀬畠義成
FW 4 船橋勇真
10 髙澤優也
20 下川太陽

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 21 キム ジェヒ
DF 14 菊地健太
30 小柳達司
MF 8 山内陸
35 玉城大志
49 小竹知恩
FW 9 青木翔大
32 河田篤秀
38 小西宏登

 

群馬は前節から5枚を入れ替え。

前半のうちに3枚を交代させるという、まさかの展開となった前節だけに…大幅な変更は予想できた。

小柳達司、風間宏希、田中翔太、河田篤秀、小西宏登が外れ、野瀬翔也、藤村怜、船橋勇真、髙澤優也、下川太陽がスタメンとなった。

気になるのは…ある意味で懲罰交代とも言える前節の前半交代組の3人がベンチスタートとなり、風間と田中がベンチ外となったこと。

チームの雰囲気を変えるべく入れ替えたのか、それとも怪我やコンディション面の問題があるのか?

 

風間と田中がベンチ外となったことで、菊地健太と玉城大志がベンチ入り。

久々にチャンスが廻ってくるだろうか?

 

注目は前節途中出場で良さを見せた、髙澤優也と下川太陽だろう。

また藤村怜も戻ってきており、選手の顔触れを見ると左側シャドーで使われそうなので期待大。

以前も書いたが、フジレンをアンカーで使うのはもったいないが…残念ながら瀬畠義成がいなくなると他にできる選手がいないのも事実か。

 

更に気になるのはスタメンのチャンスが廻ってきた船橋勇真。

前節は途中出場で、4バックに変更して右SBに入っていた。

この時は下川太陽がワイドに張り出しWGとなっていたため、船橋はアンカーのフジレンの横に入るような動きを求められていた様子。

シーズン序盤に起用された時は左側だったが、同様に今の高橋勇利也のような動きをやっていた。

しかし今日のメンバーを見る限り、起用は恐らく左のWBである。

となると、攻撃時にはWGのような役割となるわけで…右も左も外も中もと、本当に器用な選手である。

まぁあの走力と身体の強さを考えると、SBやWBで縦に上下動するタイプで…今日の起用法が本職なのかもしれないが。

試合経過

【0~15分】序盤は積極的に仕掛ける群馬

前半は群馬のキックオフでスタート。

どうやら選手の配置は予想通りとなり、メンバーは変わったもののやることは変わらず。

田中翔太の代わりに船橋勇真が、風間宏希の代わりに藤村怜が入っている形となっている。

いつも通り高橋勇利也が高めのポジションを取り、アンカーの瀬畠義成の左横にはフジレンが下りてくるシーンが多い。

琉球の方も攻撃時には左側のCBである津覇実樹が高めのポジションを取っており、さすがに勇利也ほどではないものの…最終ラインではなく中盤でプレー。

鈴木順也菊地脩太が広がり、その間にボランチの平松昇が下りてくるような形を取っている様子である。

 

2分、髙澤優也の良いフリックから藤村怜船橋勇真と繋ぐ。

船橋がカットインからシュートを狙っていくが、これはしっかりミートせずにブロックされてしまう。

こぼれ球は群馬が回収すると、最後は右に広げて下川太陽がカットインからシュートを放ちコーナーキックを獲得する。

決定的なチャンスとまではいかなかったが、早速複数の選手がスタメン起用に応える形で積極性を見せたと言える。

 

11分、瀬畠義成からの縦パスを船橋勇真がペナルティエリアすぐ外で収めると、背中でDFを背負ったままキープ。

落としたボールを西村恭史が受けると、ワンタッチでペナルティエリア内に侵入。

ツータッチ目で中央の髙澤優也に折り返すと、これを髙澤がダイレクトで合わせていくが…浮いてしまう。

ここは髙澤としては利き足でもある左であり、枠には送りたかったところ。

しかしこのシーンは流れの中で船橋が内側に、高橋勇利也が外に開いており普段とは逆の形になっていた。

船橋の身体の強さを活かすにも、外にこだわらずに中に入っていくのも面白そうである。

【15~30分】起用に応えるゴール

16分、中盤で幸喜祐心にこぼれ球を回収されると、カウンター気味に一気に中央突破を許す。

琉球は右に2枚、左に1枚と合計4枚に対し、群馬は数的不利の状態に…。

左の永井颯太を使うと、野瀬翔也がかわされ万事休す…に見えたが、野瀬が粘りを見せスライディングでシュートは打たせず。

こぼれ球も群馬が先に触ってピンチを脱する。

画面上ではかなり危ういシーンに見えたが、実際のところは野瀬が良い対応を見せたとなるのだろう。

 

17分、石浦大雅から良いパスが富所悠に入ると、富所が少し運んでから左の永井颯太へ。

永井が縦に突破からクロスを上げるが、これは高木大輔には合わず。

 

19分、ハーフライン上から大畑隆也が良いフィードで右の下川太陽にサイドチェンジを見せる。

これを下川が良いトラップで収めると、内側を縦に走った瀬畠義成を使わずゴール前にクロスを送り込む。

これを髙澤優也が綺麗に左足で合わせて先制に成功。

大畑の素晴らしいサイドチェンジに、下川のトラップから抜群のクロスと完璧であった。

他にもポイントがあるので、このシーンは後ほど。

 

23分、良い形で船橋勇真が縦に抜け出したものの…ややクロスの質が足りなかったか?

ここに髙澤優也が詰めたものの、触れたか触れていないかという微妙な形となり、ボールはキーパーが抑えることに。

 

30分、再び船橋勇真が左サイドから、今度はハイボールのクロスを送ると、これまた髙澤優也が頭で合わせるも枠の右に外れてしまう。

ペナルティエリア内ではあるが、ヘディングが得意な髙澤としてもややゴールまで距離があったような印象もある。

 

同30分、琉球のパスミスを高い位置でカットすると、髙澤優也が低く抑えたミドルシュートを狙っていくが…わずかに枠の右側に外れてしまう。

映像ではワンタッチあったように見えたが、判定はゴールキック。

この判定に納得できない髙澤を始めとする群馬の数選手が抗議したものの、判定は覆らずゴールキックとなった。

【30~45分】PK献上から逆転弾

33分、荒木遼太石浦大雅とのワンツーでポケットに侵入。

やや長めに自身の左側にボールを止め、手で船橋勇真を抑え込んだ完璧な形でシュートを放つも…ややコースが甘かったこともあり近藤壱成がファインセーブでコーナーに逃げる。

これは船橋は絶対にやってはいけないプレー。

外からならともかく、内側からこんなに簡単にワンツーで侵入されてはいけない。

また石浦についていた高橋勇利也の対応も悪く、完全にボールウォッチャーになっている。

石浦に裏を取られ、ワンツースリーの形で再び石浦に戻るプレーもあり得たし、あのままでも荒木にもっと寄せてシュートコースを狭めることもできたかもしれない。

近藤のファインセーブに間違いはないが、もう少しコースがよく…外から巻かれたら多分届いていない。

逆に言えば勇利也が寄せていればそのコースは防げ、近藤が止めた今回のコースしか打てなかった可能性がある。

(間に合ったかは定かではないが)

責任の多くは船橋にあると言えるが、船橋勇利也もこれは近藤に感謝しなければならないシーンとなった。

ちなみに、荒木に対して抜群のロングボールを放り込んだ平松昇のことも忘れてはいけない。

 

35分、ゴールキックは珍しく近藤壱成が長いボールを蹴っていく。

しかしこれが合わずにカウンター気味に左サイドを運ばれてしまう。

最後は平松昇の斜めのパスに対し、富所悠がスルーしてその裏の石浦大雅に。

石浦がダイレクトで、スルー後に抜け出した富所に送ると、富所もダイレクトで高木大輔に折り返す。

この高木のところを後ろから高橋勇利也がスライディングで潰してしまい、これがPKの判定となった。

富所の折り返しは高木にはマイナス気味となり合っておらず、結果論ではあるが勇利也のタックルは軽率であった。

勇利也としては先に触れると思って足を出したのだろうが…)

結果的に勇利也のミスとなってしまったPK献上ではあるが…まぁどちらかと言えばその前の綺麗に崩されたシーンが全て。

富所のスルーが素晴らしかったが…あれだけダイレクトでボールが廻ればDFは後手後手になってしまいついていけないのも仕方ない。

よくボールウォッチャーボールウォッチャーと言われるが、人体の構造上ボールウォッチャーになるのはある程度仕方ない部分もあり、このシーンは素晴らしいパスワークの方を誉めるべきだろう。

 

37分、このPKを富所悠がきっちりと決めて同点に追いつかれる。

元日本代表でガンバ大阪の遠藤保仁のような、キーパーの動きを最後までよく見て蹴るコースを決めるようなPKであった。

近藤壱成も最後の最後まで動かなかったものの、そのため富所は右サイド際という素晴らしいコースに速いボールを蹴り込んでみせた。

近藤も反応はしたものの…(ボールスピードさえあれば)絶対に取れないコースと言われているだけに、これを防ぐことはできず。

 

47分、石浦大雅が縦パスを刺すと、これを永井颯太がダイレクトで富所悠に落とす。

富所が少し前に持ち出すと、やや遠目ながらも強烈なシュートを叩き込んで逆転を許してしまう。

石浦の縦パスと永井の落としが素晴らしかったが、そもそもなんでこの2ライン間がこんなに間延びしていたのだろうか?

PKで同点に追いつかれてから浮足立って…というか、どうにも落ち着かないのが負けが込んでいるチームと言える。

結果論では高橋勇利也がもう少し早く寄せるべきだったが、元々見ていた幸喜祐心の存在もあり…まぁ仕方ないと言えるだろう。

逆側の大畑隆也高木大輔を見る必要があり、DFの対応が間違っていた…というレベルの話ではなく結果論の話。

問題は2ラインが間延びしており、そこを綺麗にダイレクトで突破されたこと。

その後はDFとしては及第点以上の対応はしており、富所のシュートを誉めるべきだろう。

【45~60分】ビルドアップのミスを突き同点に

後半は琉球のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの交代はなくリスタートとなった。

 

46分、良いフィードが下川太陽に入ると、その内側を瀬畠義成が上がっていく。

この瀬畠を使うと、下川が更に縦のスペースに流れて折り返しを受ける。

ダイレクトでゴール前に送り返すが…これは髙澤優也が感じておらず。

下川髙澤の意思疎通が合わなかったが、この試合も下川が非常に良い存在感を見せている。

特に前半が顕著だったが、琉球は左CBの津覇実樹が攻撃時に高めのポジションを取るため、下川は常に群馬がボールを奪った瞬間にはこの裏のスペースを狙っていた。

この辺りは監督・コーチ陣からスカウティングにより指示が出ているのだと思うが、そうであればしっかり準備ができていると言える。

下川のクロスはDFがコーナーに逃げたため、このコーナーキックを藤村怜が上げる。

これを高橋勇利也が頭でバッチリと合わせたものの…なんとクロスバーに直撃してしまう。

このタイミングで同点に追い付けていれば大きかったのだが…。

 

48分、下川太陽のクロスは合わなかったものの、これを競り合った船橋勇真が身体の強さを活かしてなんとかマイボールに。

船橋が縦に突破して折り返すと、これはキーパーの佐藤久弥がパンチングで対応。

このセカンドボールは富所悠が頭に当てたものの…髙澤優也が身体をぶつけており恐らく意図したクリアは出来なかった様子。

このボールが西村恭史のところに飛ぶと、西村が直接狙っていくがこれも佐藤が良いセーブでコーナーに逃げる。

佐藤のセーブは良かったのは確かだが、西村のシュートもややコースが甘かった。

 

55分、琉球ベンチが先に動く。

石浦大雅に代えて曽田一騎幸喜祐心に代えて岩本翔高木大輔に代えて浅川隼人と3枚代えを行う。

 

59分、鈴木順也から菊地脩太に広げると、菊地が縦パスを送るが…これを狙っていた高橋勇利也がインターセプト。

ダイレクトで縦に長めのボールを送ると、ここには最前線までプレスをかけに行き前に残っていた安達秀都が抜け出していく。

飛び出してきたキーパーを冷静にかわすと、角度は厳しかったと思われるが、丁寧に左足でゴールに流し込んで同点に追いつくことに成功する。

自虐的だが…なんだか群馬のビルドアップミスからの失点を見ているかのようなシーンであった。

とにもかくにも勇利也の狙いすましたパスカットと、ダイレクトでの絶妙なスルーパスが素晴らしかった。

その後もゴール前に駆け上がっており、安達から折り返しを受けられる位置に入り込んでいるのもポイントが高い。

勇利也の左CBはハマってはいるものの…システムの穴と言うか脆さもあるため、ボックスtoボックス型のボランチとして勇利也を置くのも面白そうである。

そこそこ守備力が期待でき、これだけゴール前に顔を出せるボランチとなれば面白いと思うのだが…。

【60~75分】二度目のバー直撃

62分、曽田一騎瀬畠義成をかわして縦に突破。

折り返しを永井颯太が狙っていくも、これは近藤壱成が正面でセーブ。

 

63分、群馬ベンチが動く。

藤村怜に代えて小西宏登を投入する。

これで小西はいつも通りの右WBに入り、ここにいた下川太陽フジレンのいた左のシャドーに入る。

正直この交代はよくわからない…。

特別良かったとは言えないのは事実かもしれないが、フジレンも悪かったと言うほどではなかっただろう。

抜群に効いている下川の位置を変える必要もないだろうし、前節今一つだった小西をここで使う必要もあるのだろうか?

讃岐戦後の練習で、小西が本来のパフォーマンスを取り戻していたのか…それともフジレンがまだ完全なコンディションではなく長く使えないのか…。

 

67分、DFとGKの間に良い浮き球が送られ、ここに永井颯太が飛び出すが…ややボールが長く先に近藤壱成が飛び込んで対応。

永井も止まれず、そのまま近藤と接触してしまい…悪意はなくアクシデントの類ではあるものの非常に危険なプレーとなってしまう。

当然永井にはイエローカードが出され、近藤の治療のために少し時間が止まることに。

この際に永井が見せた態度が非常に紳士だった。

カードを受けた後に群馬サポ側に向かって手を合わせて頭を下げて謝るようなシーンを見せ、その後は近藤のところに向かい(恐らく)謝罪の言葉をかけていた様子。

 

69分には機材トラブルなのか、中継が一瞬止まるという非常に珍しいシーンがあった。

ネット配信のため最初は自分のところの問題かと思ったが、ネット接続は保たれており中継側の問題。

後から聞いた話ではDAZNとleminoのどちらも同じだったようなので、大元の中継トラブルだったようである。

 

70分、群馬ベンチが再び動く。

下川太陽に代えて山内陸髙澤優也に代えて河田篤秀を投入する。

うーん、7分の間に交代2回で3枚か…。

なんか使い方がもったいないというか、最初の交代が1枚である必要があったのだろうか?と思ってしまう。

72分には琉球も動き、永井颯太に代えて茂木駿佑を投入する。

 

73分、安達秀都が良い形でDF裏を取ると、粘ってから西村恭史に落とすが…これが合わず。

合っていれば完璧な決定機となっていただろう。

安達がこの位置にいるということで、よく見てみるとどうやら安達下川太陽のいた左のシャドーに入っている様子。

そのため交代で入った山内陸が右側のボランチに入っている。

 

74分、自陣でフリーキックを得ると、野瀬翔也が一気に長いボールをDFライン裏に入れる。

ここに船橋勇真が抜け出すと、良いトラップからシュートを放つもクロスバーに当たってゴールキックとなってしまう。

斜め後ろからの難しいボールを綺麗に収めてみせたが、やや足下に収まり過ぎた…と言えるだろうか。

これが決まっていればこの試合は違った形になっていたかもしれない。

【75~90分】アディショナルタイムの悲劇再び

80分、琉球が猛攻を見せる。

最後は富所悠が狙いすましてファーへシュートを放つも、わずかに枠を外れてくれる。

ゴール前に迫られたシーンも含めて、完全に琉球に崩されたシーンと言える。

 

81分、平松昇が右サイドに広げると、これを受けた荒木遼太がクロスを送りこむ。

これを富所悠が合わせるも、近藤壱成が左手一本でファインセーブを見せる。

こぼれ球を浅川隼人が詰めるも、これまた近藤が触る。

しかしそのこぼれ球を曽田一騎が詰め込んでネットを揺らすが、これはオフサイドの判定。

リプレイを見ると曽田は間違いなくオフサイドだが、浅川は正直微妙なところ。

となると近藤のファインセーブ2つと見て良いだろう。

浅川で決めきっていたらゴールが認められていたかもしれない(それでもオフサイドだったかもしれないが)

もっと言えば富所に綺麗に合わせられた時点でやられていると言え、先ほどの80分のシーンと言い琉球の攻撃を後手後手で受けるシーンが続いている。

 

82分、群馬ベンチが動く。

船橋勇真に代えて小竹知恩瀬畠義成に代えて青木翔大を投入する。

相変わらず2回目の交代が遅い…と思っていたが、実はこれが最後の交代枠。

やはり1回目と2回目の交代を分ける必要があったのか…と思ってしまう。

1回目と2回目をまとめて3枚そのままでも良いし、2枚でも良かったかもしれない。

そうすれば琉球に崩され始めた75分頃に2回目が使えたのになぁ…と思ってしまうが結果論だろうか?

ちなみにこの交代で小竹はそのまま船橋のいた左のWBに入り、青木は最前線に。

そのため最前線にいた河田篤秀が左のシャドー、ここにいた安達秀都瀬畠のいたアンカーに入ることになる。

 

83分、早速交代で入った小竹知恩がクロスを送り込み、青木翔大が頭で合わせるも枠の外に外れてしまう。

青木の奥で小西宏登が詰めており、触らなかったら小西の右足にドンピシャだったようにも見えるが…まぁ触るなという方が無理である。

89分、小西宏登が左足に持ち替えてクロスを送り込むと、河田篤秀がファーで合わせるも…これはキーパーの正面に。

完全に琉球に崩されている時間帯ではあったものの、群馬もこのようにチャンスは作れていた。

 

しかし90分、群馬のファールでフリーキックを与えると平松昇が短く菊地脩太に繋げてリスタート。

曽田一騎に縦パスを入れると、ダイレクトでリターンを受ける。

再び曽田にリターン…かと思ったが、その前に浅川隼人が入っており、ワンタッチで曽田に落とす。

これを曽田がきっちりと決めて再びリードを許してしまう。

流れるような見事なパスワークであった。

 

94分、琉球ベンチが使い切り。

足を攣ったのか…倒れていてプレーが止まったところで津覇実樹大和優槻を交代。

津覇は担架が入ったものの乗らずに自力で歩いて外に出る態度を見せたため、これが時間稼ぎと取られたかイエローカードが提示される。

 

98分、群馬が左サイドでコーナーキックを得ると、キッカーは河田篤秀

アディショナルタイムは6分だったが、津覇の負傷で時間がかかったこともありまだプレーは続いている。

とは言え、恐らくこれが最後のプレーになるだろう。

近藤壱成もゴール前に上がったが、河田のキックは飛び出した佐藤久弥がパンチング。

これを山内陸がダイレクトで狙っていくが…アウトサイドにかかってしまい大きく枠を外れたところでタイムアップ。

 

あまり他のチームのことを悪く言いたくないが、正直言ってこの出来の琉球に勝てないようだとこの先どこにも勝てないだろう。

クロスバー2本直撃という不運もあったが、琉球かて決定機をいくつか外してくれている。

攻撃はだいぶ形になってきたと言えるが、それでも今日の琉球のようなダイレクトが2つ3つと続いてDFを崩すシーンは皆無。

守備は決め事が見られず完全に崩壊しており、もはやどうにもならなそうである。

システムを変えて守備を強化することはできるかもしれないが…一朝一夕で守備が良くなるというのも難しいだろう。

形が見えてきた攻撃の精度を上げ、今日の琉球のように最後の最後まで走力を落とさない…という方向しかないだろうか…。

 

細貝萌社長兼GMがどう考えているのか…次第ではあるが、目標としていた勝点の達成も無理になったこともあり、今後の動向に注目したい。

残留のために沖田監督の解任…解任しないまでも現実的な戦術に舵を取るのか?

それともこのまま理想を追うのか?

守備を固め縦ポンのJ3で勝てるサッカーに舵を切るとなると、残留に成功したところで来年も厳しい戦いが予想される。

かと言ってこのまま理想を追って降格となってしまえば元も子もないだろう。

ピックアップポイント

19分、先制点のシーン

今回は久しぶりにプレーを振り返りたい。

19分の群馬の先制点だが、下川太陽のクロスに髙澤優也が合わせるという、まさに先発起用に応えた二人という形になった。

 

このシーンだが、まずは大畑隆也の左足での素晴らしいサイドチェンジがポイントだろう。

今シーズンの大畑はやや批判の方が比率が高い印象があるが…個人的にはシステムの関係上、やや同情する部分がある。

右利きながらビルドアップでは左側というのもプレーを難しくさせており、この辺りは編制の時点での問題と言える。

そんな中、この2CBの左側が務まるのは現状大畑しかいないと言える。

秋元琉星なども楽しみな存在だが、やはりこのシステムだと右利きというのが足枷となってしまうだろう。

高橋勇利也が左利きのCBであり、この位置で使うのも面白いだろうが…。

 

さて話がプレーとは関係ない方向に行ったので、話を戻すことにする。

大畑の素晴らしいサイドチェンジが下川太陽に送られたわけだが、ここでの下川のトラップも良かった。

津覇実樹がインターセプトできないと判断し、距離を空けたこともあって、余裕を持ってしっかりと足下に収められた部分もあるだろう。

 

さて、この時津覇が距離を詰められなかった理由は瀬畠義成が大きい。

永井颯太が完全に間に合っておらず、下川から瀬畠に対するパスコースを切る必要があったため津覇下川にチャレンジできなかった。

とは言え中央は髙澤優也1枚であったため、瀬畠がポケットに侵入した場合には鈴木順也と戻ってくる永井に任せればよかった…とは言えるが、それは結果論だろう。

何にせよこの瀬畠のポジションにより、津覇が距離を詰めることができずに、下川はドフリーでクロスを上げられたために良いボールを供給できた。

(余談だがこの辺りも群馬の失点シーンでよく見た展開だなぁと思う)

 

そしてこのクロスを髙澤優也が左足で綺麗に流し込んだわけだが…やはり髙澤はこういったボールが非常に上手い。

というのも、恐らく髙澤菊地脩太の背中に隠れてニアに飛び出したところでボールが欲しかったと思われる。

しかし下川のクロスがニアではなくファーに上がったため、それを見てからファーに動き直しているのである。

更に言えば鈴木順也の頭に少し当たりコースが変わっており、目の前には菊地がいるためにブラインドにはなっていないかもだが…やや見づらいシーンではある。

これをきっちりと決める辺りが髙澤である。

 

11分の西村の折り返しを合わせる方が遥かに簡単かと思うのだが…髙澤はボールが浮いていた方が合わせるのが上手い印象もある。

また左からのクロスよりも右からのクロスが得意な印象もあるのだが…それは吉田将也とのコンビの印象が強いだけだろうか?

 

このように誉めるところがたくさんある素晴らしいゴールだったが、もう少し言うと西村恭史藤村怜、更には船橋勇真のポジション取りも悪くない。

船橋はセオリー通りにしっかりとファーに1枚入り込む形を取っている。

西村フジレンは、髙澤の動きで下げたDFラインの間にフリーで入ってきており、下川太陽はこちらを使うという選択肢も取れた。

 

こうして素晴らしいゴールで先制に成功したにもかかわらず、PK献上から一気に逆転を許してしまったのが悔やまれる試合であった。

MOM

この試合のMOMは髙澤優也としたい。

正直悩ましく、髙澤も諸手を挙げてMOMとするには物足りなさがあるのは事実。

髙澤ならば決めきって欲しかったシーンもあった。

とは言え2試合連続ゴールでスタメン起用に応えたことを評価したい。

 

同じく船橋勇真も良さを見せたものの、悪い部分も見られた試合と言える。

身体の強さ、運動量を活かしたプレーは素晴らしく、更にはどこでもプレーできるユーティリティ性も大きなポイントになるだろう。

しかし…試合展開でも書いたが、33分に荒木遼太に簡単にワンツーで侵入を許したのはDFとしてあってはならないプレーである。

 

大きなミスもなく、安定して高い水準でプレーしてくれたのが下川太陽

小西宏登がやや低迷気味なこともあり、アシスト1つとともにこのまま一気にポジション奪回となりそうである。

 

他には待望の群馬での初ゴールを挙げた安達秀都

データを見る限り岩手でもゴールは無かったようなので、もしかしたらプロ初ゴールか?

瀬畠義成とボランチコンビに定着してから、かなりよくなってきており…なんとか神戸に返却せずに延長できないものか…。

守備対応はだいぶうまくなったが、もう少し守備強度が上がると更に良いボランチになるだろう。

とは言え、これは安達に限らずかもしれない。

今のチームには潰すべき時にガツっと潰せる、強度の高いDFをできる選手がいない印象が強い。

 

最後に近藤壱成の名前も挙げよう。

3失点したもののキーパーとしてはどれもノーチャンス。

逆にファインセーブがあれだけありながらも、この失点数というのは…選手データという意味で同情したくなる。