※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第5節は再びホームに戻り、ガイナーレ鳥取との対戦となります。
前節までのアウェー2連戦は…まさかの2連敗という形に終わり、それを踏まえてしっかりと修正できたかどうかが問われる試合となるでしょう。
特に前節は5失点、前々節は3失点と、早急に守備を立て直す必要があると言える状況です。
攻撃面では課題も多いものの2試合とも2得点を挙げており、「点は取れている」というのは救いであるかもしれません。
今節は下位同士の対戦となることもあり、ここで再び上昇気流に乗りたいところでしょう。
今回はそんなガイナーレ鳥取戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 8 | 山内陸 |
22 | 高橋勇利也 | |
27 | 藤村怜 | |
37 | 瀬畠義成 | |
MF | 6 | 米原秀亮 |
7 | 西村恭史 | |
15 | 風間宏希 | |
FW | 2 | 田頭亮太 |
11 | 加々美登生 | |
32 | 河田篤秀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 石井僚 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
14 | 菊地健太 | |
30 | 小柳達司 | |
MF | 17 | 山中惇希 |
35 | 玉城大志 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
18 | 田中翔太 | |
36 | 小西宏登 |
群馬は前節から5枚を変更。
大畑隆也、安達秀都、青木翔大、山中惇希、小西宏登に代えて高橋勇利也、藤村怜、風間宏希、田頭亮太、加々美登生がスタメン起用となった。
安達はベンチ外となったが、残りの4人はベンチからのスタートということで…起用された5人の調子が良いということだろうか。
特に青木と山中に関しては「代えがいない」というレベルの活躍を見せていただけに、怪我でメンバーを外れたわけではないことで一安心と言える。
ベンチを見ると、菊地健太と玉城大志がベンチ入り。
代わって野瀬翔也と下川太陽が外れることとなった。
さて、気になるのは下川太陽、小西宏登のいない右のウイングが誰になるのか…というところ。
前節は右SBで西村恭史が起用されており、その西村、藤村怜、田頭亮太のうちの2人が右WGと右SBを務める形になるだろう。
(何をもってして普通と言うかはわからないが…)普通に考えると、田頭がSBに入り、西村かフジレンのどちらかがWGの位置に入ることになるか。
しかし西村もフジレンも突破力があるタイプではないので、田頭をWGで使う方が面白いかもしれない。
現システムではSBは攻撃時にはインサイドハーフであるため、多少守備に目をつぶって西村かフジレンをSBにするというのもあり得る。
他は、今節が初出場となる風間宏希にも期待。
怪我で出遅れた分、ここでしっかりと存在をアピールしたいところだろう。
更に言うと玉城大志と田中翔太は昨シーズン鳥取に在籍していたため、この試合にかける想いが強いかもしれない。
ガイナーレ鳥取
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 高麗稜太 |
DF | 3 | 永野修都 |
4 | 二階堂正哉 | |
8 | 田中恵太 | |
16 | 丸山壮大 | |
MF | 7 | 小澤秀充 |
14 | 普光院誠 | |
19 | 三木直土 | |
42 | 金浦真樹 | |
FW | 10 | 富樫佑太 |
18 | 半田航也 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 寺沢優太 |
DF | 21 | 河村匠 |
MF | 11 | 東條敦輝 |
32 | 伊川拓 | |
34 | 曽我大地 | |
FW | 9 | 棚田遼 |
22 | 吉田伊吹 | |
鳥取は前節から4枚を変更。
温井駿斗、伊川拓、東條敦輝、曽我大地に代わり二階堂正哉、田中恵太、丸山壮大、三木直土が起用された。
ベンチは藤田一途とダッジィが外れ、棚田遼が入ることとなった。
九州という遠方からの遠征ということもあってか、鳥取はこの試合はベンチが7人という布陣となっている。
注目はやはり秋田から加入した半田航也だろうか?
秋田と言えば吉田伊吹もそうであり、鳥取は秋田からFWを2枚引き抜いた形となっている。
(半田は期限付きだが)
選手よりも気になるのは…今シーズンの鳥取の得点の少なさ。
ここまで4節が終わってわずかに1得点しか取れていない。
失点数は5失点であり、そのうちの3つを開幕戦の沼津で失っているため…守備は悪くはないようだが。
(とは言えGKの高麗の活躍も大きいようである)
試合経過
【0~15分】電光石火の先制ゴール
前半は鳥取のキックオフでスタート。
すると開始からわずか1分だった。
山内陸がファールを受け、フリーキックでのリスタート。
藤村怜からリターンを受けた米原秀亮が、ゴール前の河田篤秀にクロスを送り込む。
これをペナルティエリア内で河田が丸山壮大をしっかりと背負った状態で胸で落とす。
河田が身体を張ってポストとなったところで、西村恭史が左足インサイドで丁寧に流し込んで先制に成功。
素晴らしいシュートに素晴らしいポストプレーだった。
米原から河田にボールが上がった瞬間に、西村は右に流れていた動きを変えて河田の後方に…。
恐らくしっかりと練習中からこのパターンをやっているんだろうな、と感じさせるプレーだった。
こうして開始早々に群馬が先制に成功するが、時間帯を考えると…鳥取としては交通事故に遭ったようなところとも言えるか?
まだまだ85分以上あるので、慌てずにしっかりと当初のプラン通りのサッカーをしてくるだろう。
メンバー発表時から気になっていた右サイドの立ち位置だが…どうやら田頭亮太が高い位置を取っているようである。
しかし守備の際には右SBの位置に降りてきており…ポジションとしては右SBか?
左はどうかと見てみると、山内陸ではなく加々美登生がSBに入っているようである。
しかし加々美も攻撃時には高い位置を取り、この試合は今までと違いSBが攻撃時にはWGとなる形。
今までWGとして張り付いていたところ(この試合だと西村恭史と風間宏希)が降りてきてシャドー気味の動きをしている。
そして米原秀亮のアンカーは変わらず、インサイドハーフの2枚(山内陸と藤村怜)とで3ボランチのような形を構成しているようである。
なるほどなるほど、それでWGの位置に西村と風間を配置したわけか…などと思っていたが、単純にそれだけではなかったことにこの時点では気付いていなかった。
気付いたのは20分頃なので、そのタイミングで改めて書くこととする。
10分、鳥取が右サイドに大きく広げると、三木直土から半田航也に折り返す。
これを半田がシュートするが、ここは群馬も必死のブロックでゴールラインを割ることに。
どうやらブロック後に再び半田に当たった…という判定のようで、これはゴールキックとなった。
【15~30分】ロングボールからの追加点
18分、鳥取が上手く群馬のプレスを剥がすと左サイドに小澤秀充が抜け出す。
小澤から半田航也にスルーパスを送り込むも、これはオフサイドの判定となった。
半田に対して米原秀亮もしっかりと対応しており、全く危なげなくオフサイドを取ったと言える。
ん?なんでここに米原がいるんだ?
21分、鳥取が今度は右サイドを崩していく。
普光院誠から右サイド裏のスペースに浮き球が送られると、ここに抜け出した田中恵太がダイレクトで折り返す。
これを半田航也が合わせるが、ここは近藤壱成ががしっかりと手に当ててコーナーキックとなった。
シュートブロックに入った高橋勇利也の足に当たって上に跳ねたようにも見えるだけに、近藤はナイスセーブと言えるだろう。
加々美登生がやや簡単に田中に裏を取られたようにも見えるが…この辺りがやはり本職SBではない弊害となりそうである。
さて18分の半田航也のオフサイドシーンで、半田に対応したのが米原秀亮だったことに違和感を感じたわけだが…米原に注目して見てみると守備時にはCBの左側に入っているようである。
となると…これは守備の際には3バックということだろう。
最初は流れの中での動きかと思ったが、間違いなく3バックの左側は米原だ。
これはなるほどと思ったので、選手交代後のシステム変更も含めて、後ほどピックアップポイントにてまとめることとする。
23分、ビルドアップで一度ゴールキーパーの近藤壱成までボールを下げる。
すると近藤がロングボールを選択し、最前線の河田篤秀に放り込む。
このボールを河田が競り勝つも…前方に選手はおらず、自ら二度追いの形でプレッシャーをかけにいく。
このプレスが効いたか…セカンドを頭で繋ぎにいった丸山壮大のパスがやや短く。
まぁ…パスが短く…と言うよりは小澤秀充の死角から田頭亮太が狙ったという表現が正しいだろうか?
田頭がインターセプトすると、そのまま自らゴール前にドリブルで突き進んでいく。
ほぼ横位置で中央に西村恭史、ファーには河田が入り込んだが、田頭は自ら足を振り抜き…まさにゴラッソと言えるスーパーゴールを叩き込んだ。
やはり田頭は中央に絞らせてインサイドハーフのようにプレーさせるよりも、ワイドを縦に動かした方が良いように思う。
このゴールは近藤からのロングボールで生まれたわけだが、やはりこういったロングボールを組み入れていった方が良いだろう。
足下を丁寧に繋ぐコンセプトは構わないが…足下にこだわり過ぎてはいけない。
こうして時折でもロングボールを混ぜることで、DFラインを下げる効果も生まれ中盤にスペースも生まれてくる。
より効果的に足下で繋いで崩すためにも、時折ロングボールを混ぜていくのは大事な要素である。
プレッシャーに屈してむやみやたらに前方に大きく蹴りだす…のは自分達のスタイルではないためやらない、というのは理解できる。
しかし足元を大切に、丁寧にビルドアップするためにロングボールを織り交ぜるのはスタイルを曲げたわけではないだろう。
もっともっと、意図したロングボールも多用するべきである。
【30~45分】追加点を狙うも…
33分、普光院誠からのパスを藤村怜がスライディングでカット。
これを山内陸が頭で前方に送ると、西村恭史が落とし、ダイレクトで河田篤秀がシュートを放つも…力んだか枠の上に外してしまう。
高い位置からプレスをかけてショートカウンター…という完璧な形だっただけに、ここは決めきって試合を決める3点目が欲しかったところ。
42分、河田篤秀が左サイドを抜け出すと、西村恭史に落とす。
これを西村がシュートに持ち込むが…ここはブロックされてコーナーキックとなってしまう。
3点目が取れれば完璧な形と言えたが…押し込みつつも点は奪えずに前半を終える形となった。
しかし終盤は危ないシーンもなく、しっかりと自分達のペースでゲームを進められているとは言えるだろう。
【45~60分】ハーフタイムで動く群馬
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで2点をリードしている群馬ベンチが動き、風間宏希に代えて青木翔大を投入する。
確かに右の西村恭史に比べて風間は存在感が薄かったが…。
風間がやや降りて西村が上がることで、河田篤秀と2トップ気味の関係性を作り出していた…と見ることはできる。
しかし風間は初スタメンというチャンスをもらったが、慣れないポジションということもあり活かすことができなかった…となっただろうか。
青木が投入されるということで恐らく最前線は青木になり、河田が風間のいた左側にポジションを移すと思われる。
立ち位置はその通りとなったが、後半はいつもの4バックになったようにも見える。
48分、田頭亮太が右サイドを抜け出し、ここに良い浮き球のパスが入ったものの…田頭の折り返しは合わず。
51分、今度は加々美登生が左サイド深くまで抜け出し、1トラップで切り返して右足で低く折り返す。
河田篤秀が潰され、その奥で青木翔大がシュートを放つもブロックされてしまう。
このシーンがファールだったか…というのは微妙なところだが、この試合はややノーファールとなるシーンが多く感じる。
55分には半田航也にシュートを打たれるも、ここは山内陸がしっかりとブロック。
山内と言えば…今日は本職の中盤ということで、特に攻撃時には効いている印象を受ける。
【60~75分】ポスト直撃のピンチも…
60分、左サイドを抜け出した抜け出した加々美登生に、藤村怜から素晴らしいパスが送られる。
完全に前に入り込んだ加々美が抜け出すかと思ったが…ここは田中恵太がファールで止める。
このファールに対してイエローカードが提示され、田中はこれが2枚目となり退場。
本人としても覚悟していたようで、一切判定に抗議することなく素早くピッチを後にしていった。
確かに抜け出されていたらGKと1対1になっていただろうから、カード覚悟で止めることは間違っていないシーンである。
(2枚目と考えると…賛否はわかれるだろうが、1枚目であればカード覚悟で止めるだろう)
この直後、両チームのベンチが同じタイミングで交代となった。
鳥取は田中恵太の退場もありややゴタゴタしたが…半田航也に代えて吉田伊吹、富樫佑太に代えて棚田遼、金浦真樹に代えて曽我大地と3枚代え。
元々3枚準備はしていたが…田中の退場で当初とは違う交代となったか、それとも予定通りに代えたのかは不明である。
群馬は加々美登生に代えて山中惇希を投入する。
加々美は今日はポジションの関係もあり、やや守備に追われる展開となってしまったか?
特に田頭亮太が良い攻撃参加をしていただけに、バランスを考えてやや守備寄りのポジションを取らざるを得なかった…とも言えるかもしれない。
そして山中投入から、再び前半同様に3バック色が強くなったように見える。
64分、永野修都からの縦パスを藤村怜がスライディングでカット。
ややファール気味かとも思ったが…今日は判定が甘めで統一はされており、ノーファールでプレーは続行。
フジレンのカットしたボールは田頭亮太が回収し、横位置にいた山内陸に預ける。
山内から縦のスペースに抜け出した西村恭史にスルーパスが送られると、これをダイレクトで低くニアに折り返す。
ここに入り込んでいた河田篤秀がシュートを放つも…これも枠の上に大きく外してしまう。
どうした河田?これで2本目だぞ…。
前々節の長野戦で待望の群馬での初ゴールから、一気にケチャドバの展開を期待していたが…。
とは言え昨シーズンと違い決定機は作り出せているので、そのうち量産体制に入ってくれるだろう。
67分、鳥取ベンチが動く。
普光院誠に代えて河村匠を投入。
68分、永野修都からの縦パスを山内陸がカット。
しかしやや持ち出しが長くなり、小澤秀充に奪われてしまうも…山内は素早く身体を入れて小澤をブロック。
このこぼれ球を藤村怜が直接狙っていく。
低く抑えキーパーの手前でバウンドする良いシュートだったが、高麗稜太が一度は前にこぼすもしっかりと飛び込んで抑える。
今日はフジレンが活き活きとしている印象が強い。
難しいことさせずに、しっかりと本職であるボランチでプレーしているというのも大きいか?
71分、高橋勇利也からの縦パスを河田篤秀が米原秀亮に落とす。
米原がこれをダイレクトで藤村怜に繋ごうとするが、このパスを曽我大地に当ててしまう。
こぼれ球を吉田伊吹が回収すると、左の河村匠に広げる。
河村から縦位置の小澤秀充に送られるも、ここに米原が対応し奪い切れるかと思ったが…。
フォローに入った山内陸と田頭亮太の間を通し河村にリターンされ、ゴール前の吉田にパスを通される。
吉田がこれをダイレクトで後方に落とすと、曽我がダイレクトで狙っていく。
完全に崩された形となったが、曽我のシュートはポストの右に当たり助かる形となった。
セカンドも鳥取に回収されるが、ここは何とか集中して守り切ることに成功する。
【75~90分】クリーンシートで終えるも…
76分、群馬ベンチが動く。
田頭亮太に代えて小西宏登、河田篤秀に代えて玉城大志が投入される。
やや遅れた形となったが、プレー再開前に鳥取の交代も認められる。
鳥取は三木直土に代えて伊川拓を投入した。
この交代で河田のいた左側には西村恭史が移り、玉城は西村のいた右側に入ったようである。
81分、群馬が後方でボールを回す。
高橋勇利也から玉城大志が縦パスを受けると、そのまま前を向いて左サイド裏のスペースに長めのボールを送る。
ここに山中惇希が抜け出すとそのままゴールに切り込み、折り返しを狙うが…このパスを山中に対応した丸山壮大に当ててしまう。
ボールはスライディングでブロックに入った丸山に当たり、その直後に丸山の手にも当たったが…これはハンドは取れないだろう。
こぼれ球を山中が詰めに行くが、高麗稜太がしっかりと正面で面を作ってブロック。
青木はもうワンテンポ早いタイミングで速く低いクロスが欲しかったようで…このプレーに対して怒りを露わにしていたのが印象的。
山中としてはオフサイドを意識したか、タイミング的に出せなかったか…青木ではなくその後ろから入ってきた小西宏登を選択したように見えた。
82分、群馬ベンチが最後の交代に動く。
西村恭史に代えて田中翔太を投入し、田中としてはこれが古巣対決ということに。
その前に投入された玉城大志も古巣ではあるが、群馬からの育成型移籍だった玉城と、鳥取から完全で加入した田中は少し心情が違うか?
田中が投入されたことで並びも変わり、青木翔大と2トップを形成することとなった。
85分、棚田遼がDF裏に抜け出すと…これはオンサイドの判定。
米原秀亮が対応したが、やや振り切られてペナルティエリアに入ったところ辺りから右足でのシュートを許す。
しかしこれは枠の左に外れてくれて助かる形に。
米原は前節もそうだが…この試合でもこの前辺りで足を伸ばしていた。
既に体力的に限界に近く、足も攣っているのだろう。
2試合続けてとなっており…この時間まで引っ張るのはやや怖さもあるか。
(特にこの2試合はCBというポジションということも考えると…)
87分、青木翔大からのクロスを玉城大志がワントラップからシュート。
しかしこれは高麗稜太がナイスセーブでコーナーキックとなってしまう。
玉城としても恩返し弾をしたいところだろうが…この試合は高麗も当たっている。
91分には山中惇希からのクロスを青木翔大が合わせるが…これも高麗稜太がナイスセーブを見せる。
93分、山内陸がドリブルで運んでから山中惇希に送る。
山中は恐らく…ファーへのシュートを選択したのだと思うが、ミートしなかったか枠を大きく外してしまう。
こうして追加点が欲しかったものの…なかなか3点目が奪えない試合となったが、とりあえず連敗をストップ。
サッカーではあるあるだが…相手に退場者を出してから逆に難しくなった…と言えるゲームだっただろうか。
相手チームを悪く言うのは気が引けるが…鳥取があまりにも内容が良くなく、勝ったからといって浮かれて良い内容ではなかったと言える。
しかしまずは連敗を止め、新しいシステムを見せて結果を出したということを前向きに捉えたい。
ピックアップポイント
システム変更?
この試合は守備時に3バックを採用したのが最大のトピックスではないだろうか?
あくまでも持論だが、フォーメーションとは守備時の基本立ち位置のことだと考えているので、冒頭のフォーメーション図も3バックとしている。
しかし攻撃時には大きく形が変わるのがこの試合の特徴であった。
まずは守備時のフォーメーションを見ていこう。
下記図のように、米原秀亮が左側のCBに降りることで3バックを形成している。
形としては5-4-1というのが適切だろうか。
(実際には鳥取が3バックということもあり、風間と西村が両CBにプレッシャーをかけにいくため下図ほどサイドに開いていたようには見えないが)
これが攻撃の時には4-3-3となるが、両WBが高い位置をとるため2-3-5とも言える形となる。
(下図参照)
この攻撃時の形、形だけを見ると前節と変わらないのだが…守備時からの可変の仕方がこれまでと違うのが特徴。
具体的には、これまでは両サイドに大きく開くのはWGの仕事だった。
SBは内側に入ってインサイドハーフと言うべきか、アンカーを含めて3ボランチと言うべきか…という動きである。
守備時の立ち位置を記載した図が下記である。(前節までの攻撃時の立ち位置)
これがこの試合では、立ち位置が同じながらも今節は下図のように変わった。
米原秀亮がCBに下りて3バックとなるのは鳥取対策だったのだと思うので、この部分はやや例外的なものと言えるかもしれない。
しかしいつもの4-3-3(守備では4-5-1と言った方が良いか?)からでも同様の形は取れるわけで、今後はこのシステムも併用されるだろうか?
このシステムはまさに2点目を挙げた田頭亮太に最適であり、山内陸や藤村怜など本来中盤の選手も活きる形と言える。
西村恭史は(恐らく不慣れな位置だろうが)上手く対応していたように見えるが、風間宏希はやや苦しんだだろうか。
同様に加々美登生も守備に追われた印象があり、今日はベンチスタートだったものの山中惇希でも恐らく同様に守備に苦しむ形となるだろう。
特に今日は5バックで両サイドがWBだったにも関わらず…となっており、4バックでSBをあの位置まで上げるとなると相当の守備負担を求められることになる。
更には運動量も増えるため消耗も激しく、今シーズン攻撃に大活躍している山中惇希を左SB(左WB)にしてしまうのは勿体ないというのもあるだろう。
この辺りは起用する選手に合わせて柔軟に対応していく形になるだろうか?
柔軟に…と言えば、今シーズンは選手交代でシステムを調整することも多いように思う。
この試合も振り返ってみよう。
先ほど書いたように、まずは守備時に5-4-1で攻撃時には2-3-5となる可変システムでスタート。
ハーフタイムで風間宏希と青木翔大を入れ替えてからは、前節同様の4-3-3をベースにしていたように見えた。
(変わらず守備時には米原がCBに下りていたのかもしれないが…)
61分に加々美登生に代えて山中惇希が投入されると、明らかに米原秀亮がCBに下りる頻度が増えたように見える。
試合開始時と同様に、守備時には5-4-1で攻撃時には2-3-5である。
継続だったのか戻したのかはわからないが…。
76分に小西宏登と玉城大志が投入されたが、ここはシステムは変えていないように思われる。
次の交代までわずか6分だったため、よくわからないというのが正直なところだが…。
82分に田中翔太が投入されてからは、田中と青木翔大を最前線に残して2トップとなった。
中盤を1枚減らして5-3-2と言えるだろう。
ここの意図はわからないが…田中を活かすなら2トップになるのはわかる。
田中を入れて3点目を取りに行くため…となるだろうか?
自分達のスタイルは大事にしつつも、起用される選手や対戦相手に合わせて柔軟に対応していけるというのは大事なことだろう。
今回は鳥取があまり良くなかった…という部分はあるが、新しいシステムが上手くいったことも事実。
次節はこのシステムもスカウティングされていることになるわけだが、果たして奈良クラブを相手にどんな戦術を用意するのか?
課題はまだまだ多いし、「J3だから…」という声もあるかもしれない。
しかし自分はここまで今シーズンの沖田サッカーは面白いと感じている。
MOM
この試合のMOMは河田篤秀としたい。
かなり悩ましいところだったが…この試合は河田としたい。
2つ3つあった決定機のうち、どれか1つでも決めきっていれば文句なしだったのだが…。
とは言え先制点はもちろん、追加点も実質河田のアシストのようなもの。
それ以外のプレーでも献身的に攻守に渡り活躍したと言って良いだろう。
正直言って今節はこれまでの河田とは違った印象を感じた。
前節だかに青木翔大の代わりがいない…と書いたが、今節くらい河田がポストプレーや守備をできるならば十分に青木の代わりとなるだろう。
「青木の代わり」…という言い方は適切ではないかもしれないが、青木と併用でどちらかを休ませることが可能なのは大きい。
もちろんどちらも調子が良ければ併用できるわけで、決して河田が青木に劣る…という意味ではないことは声を大にして言っておきたい。
今節は非常に素晴らしいプレーを数多く見せてくれたので、あとは何かがハマって得点を量産してくれることに期待したい。
続いては田頭亮太に触れないわけにもいかないか。
見事なゴラッソだったが、やはり彼は攻撃参加で持ち味が活きる。
大槻監督の頃からだが…サイドバックで内側に入るというスタイルより、ワイドに張って上下させた方が活きるように思う。
この辺りは今後沖田監督がシステムをどうするか…にもかかってきそうである。
他には藤村怜、山内陸の両名はさすが本職と言える輝きを見せてくれた。
やはり守備時にサイドバックとなるのは負担も大きく、この試合では攻守で真ん中に入れたことで良いプレーを連発してくれたのではないだろうか?と思ってしまう。
特にフジレンは顕著だったように思う。
最後に西村恭史に触れて終わりにしたい。
本職はボランチのようだが、北九州や長野時代にはFWとしても起用されていたようで…実にFWらしいMFというのがここまでの印象。
なるべくゴールに近い位置でプレーさせたいと思わせる存在で、この試合は河田篤秀との関係性が良かった。
(ゴールは河田のアシストであり、河田の決定機を2つ作ったのは西村である)
今節までに青木翔大や山中惇希とも連動したプレーを見せており、あまり相手を選ばない印象もある。
今日の3トップ(河田、西村、風間)が良い例だが、西村を2トップ気味に上げて1枚(風間)がやや落ちてMFとの間を取り持つ…というのが合ってそうに思う。
特にボランチには米原秀亮、藤村怜、山内陸と選手が揃っているため、1列前で勝負するのが面白そうな気がする。
河田篤秀、青木翔大、田中翔太、更にはしばらくベンチ外が続いているが(また怪我したか?)髙澤優也もおり、このチームは2トップにしても面白いと思うのだが…。
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