※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第6節はアウェーにて奈良クラブとの対戦となります。
奈良クラブは2023年よりJ3で戦っており、群馬としては初の対戦ということになるでしょうか。
今シーズンここまでホームでは3戦中2勝1分ですが、アウェーでは2戦中0勝2敗…。
前節の鳥取線での勝利の勢いのまま、この試合でアウェー初勝利といきたいところでしょう。
更に、奈良クラブは木曜日にルヴァンカップでFC東京と対戦しており、日程の有利さも群馬としては活かしたいところですね。
今回はそんな奈良クラブ戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
奈良クラブ
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 15 | 岡田慎司 |
DF | 3 | 澤田雄大 |
5 | 鈴木大誠 | |
6 | 中山雅斗 | |
13 | 都並優太 | |
40 | 吉村弦 | |
MF | 14 | 中島賢星 |
17 | 田村翔太 | |
41 | 森田凜 | |
70 | 川谷凪 | |
FW | 9 | 酒井達磨 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 96 | マルク ヴィト |
DF | 22 | 生駒稀生 |
33 | 佐藤大翔 | |
MF | 7 | 田村亮介 |
10 | 山本宗太朗 | |
20 | 國武勇斗 | |
23 | 岡田優希 | |
25 | 神垣陸 | |
FW | 11 | 百田真登 |
奈良は前節から8枚を変更。
ルヴァンカップを挟んで3連戦となったこともあり、大幅にメンバーが変更されている。
前節のリーグ戦からは上記の通り8枚が変更され、岡田慎司、吉村弦、田村翔太が継続起用となった。
直近のルヴァンカップを見ると、ここからは6枚が変更された形となる。
ターンオーバーはしたものの、ルヴァンカップでも主力が起用されてはいるので中2日というスケジュールが影響するかもしれない。
注目は清水から育成型で加入した川谷凪。
高卒で清水へ加入すると、いわき、岡山と武者修行に出て、2024年に清水に復帰。
これまで出場機会に恵まれた…とは言えなかったが、奈良では開幕から3戦続けてスタメン起用。
2試合が途中出場と、リーグ戦では全ての試合に出場している。
起用され続けることで自信を付けて、一気に成長し来シーズンは清水に戻って活躍するのでは?なんて期待感を持たせてくれる選手である。
他には長野での左サイドバックのイメージが強い、都並優太。
ベンチスタートとなったが、これまでの4試合スタメン起用されていた岡田優希などが気になるところである。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 8 | 山内陸 |
22 | 高橋勇利也 | |
36 | 安達秀都 | |
37 | 瀬畠義成 | |
MF | 6 | 米原秀亮 |
7 | 西村恭史 | |
15 | 風間宏希 | |
FW | 2 | 田頭亮太 |
11 | 加々美登生 | |
32 | 河田篤秀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 3 | 大畑隆也 |
4 | 船橋勇真 | |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 17 | 山中惇希 |
FW | 9 | 青木翔大 |
18 | 田中翔太 | |
20 | 下川太陽 | |
38 | 小西宏登 |
群馬は前節から1枚を変更。
藤村怜に代えて安達秀都がスタメン起用となった。
気になるのはそのフジレンがベンチにもいないこと…。
前節は効いていた印象があっただけに…これは怪我の可能性があるか?
ベンチを見ると4枚が変更され、石井僚、菊地健太、小柳達司、玉城大志が外れ、キム ジェヒ、船橋勇真、野瀬翔也、下川太陽が入る形となった。
この試合を前に石井の横浜FCへの移籍が発表されており、真木晃平が負傷離脱中となり…ルーキーのキムしかバックアップがいないのは不安なところ。
キムは即戦力と言うよりは長期目線で考えているだろうから、恐らくは移籍期間がクローズされる前に加入があるとは思うが…。
注目は前節と同じように米原秀亮をCBに入れる3バックを再び採用するのか?となるだろうか。
そして昨シーズンから期待値の高かった船橋勇真がやっとメンバー入り。
故障で1シーズンを棒に振った鬱憤を是非ともここで晴らしてほしいところである。
故障と言えば…髙澤優也はやはり怪我だったようで、正式にクラブから発表があったものの…全治に関しては発表がされていない。(復帰はいつになるだろうか?)
試合経過
【0~15分】気を抜いていたかのようなリスタート
前半は奈良のキックオフでスタート。
まずは気になる並びだが…群馬はどうやら前節と同じ形を採用しているようである。
守備時には3-4-3(5-4-1)の形で米原秀亮が左のCBに下がり、攻撃時にはアンカーの位置に上がって2-5-3の形となる。
奈良も予想フォーメーションとは異なり、守備時にはどうやら都並優太が3バックのセンターに入っているようである。
この都並も同じように、攻撃時にはややポジションを上げてアンカーのような位置でボールを受けている。
5分、高橋勇利也からボールを受けた山内陸だったが…中山雅斗に寄せられてロスト。
こぼれ球を田村翔太が回収するとカウンター発動。
右の酒井達磨へのパスがややズレたことで速度は落ちたものの、酒井がこれをファーサイドにクロスを送り込む。
瀬畠義成が頭に当てて後方に逃げるも、これが田村の足元に入ってしまい…シュートを打たれるが枠の上に外れてくれる。
酒井へのパスがズレてなかったら…ダイレクトでDF裏に抜けようとしていた中山に出されて危なかっただろう…。
7分、都並優太のトラップ際を安達秀都が狙っておりボール奪取に成功する。
これがそのまま河田篤秀に繋がると、河田は前を向いてから左の風間宏希に落とす。
風間が切り返しから右に持ち替えてシュートを放つが、これは岡田慎司がセーブ。
こぼれ球に田頭亮太が詰めてはいたが、やや距離が遠かったこと…角度がなかったことから触らずにコーナーキックにする選択を取った。
うーん…風間はダイレクトで左足で打った方が良かったのではないだろうか?
13分、吉村弦に風間宏希が激しく行ったが…これはファールを取られてしまう。
するとこれを吉村がクイックリスタート。
左サイドで裏を狙った川谷凪にボールを送ると、切り返しで瀬畠義成をかわそうとする。
瀬畠もかわされかけたが粘って足を出したものの…これが川谷に当たって跳ね返る形で田村翔太にナイスパスとなってしまう。
瀬畠が剥がされかけておりシュートを打たれそうだったことで、恐らく高橋勇利也はここにスライディングでシュートブロックに飛び込もうとしていたのだろう。
ディフレクションで田村に繋がったことで逆を取られる形となり…必死に足を残してコースを消そうとしたものの、田村にシュートを決められてしまい先制を許す。
誰もクイックリスタートの可能性を考えておらず、簡単に川谷に裏を取られたのが全て。
ボールに1番近かった加々美登生に、さりげなくボールの前に入って蹴らせないようにする…などといった気の利いたプレーが欲しかった。
【15~30分】河田のスーパーゴール
18分、ゴールキーパーの岡田慎司からのロングボールを田村翔太がフリック。
ここに酒井達磨が抜け出すと、最後はシュートではなくクロスを選択したが…これは合わずに助かる形に。
しかし酒井に対して完全に米原秀亮が置いて行かれており…やはり米原のCBというのは不安が残るところ。
そもそも守備能力が高い選手ではない上に、攻撃時は1列上がっているためにスタート位置も高い。
加々美登生も高い位置を取るために、奪われた後の(相手から見て)右裏のスペースというのは今後も狙われ続けるだろう。
20分、風間宏希が左に流すと加々美登生が抜け出す。
ゴール前に折り返すが…これは河田篤秀が合わせられず…。
21分、岡田慎司からのロングボールは意図が合わずに、瀬畠義成がフリーで頭で前線に跳ね返す。
これを下がりながら受けた西村恭史が胸トラップからヒールでフリック。
山内陸がダイレクトで縦にスルーパスを送ると、河田篤秀がここからダイレクトで弾丸ミドルをぶち込んで同点に追いつく。
河田に対応した都並優太のDFが軽かったようにも見えるが…都並としては「え?ここから打つの?」といった感じだっただろうか。
軽くアウトサイドに引っ掛けて強烈にニアをぶち抜く…というスーパーゴールで、さすが河田の一言。
今シーズンの初ゴールのボレーもそうだが、河田はこういった難しいシュートは非常に上手い。
23分、タッチライン際の吉村弦に対して米原秀亮と風間宏希で挟み込むと、そのままスローインを獲得。
このスローインを米原が素早くリスタートし、バイタルに侵入した河田篤秀にスルーパスのようなボールをスローを送る。
上手く身体を使って澤田雄大を背中でブロックしながら前を向くと、インサイドで強く叩いてファーにシュートを放つが…これは枠を外れてしまう。
この身体の使い方とかもさすがの一言であり、「河田はJ3レベルではない」なんて声がある通りなのだが…。
ここを決めきれないのもまた河田なのがなんとも…。
チャンスは作れており、スーパーゴールも叩き込んだので一気に量産体制に入りたいところである。
【30~45分】なんとか同点のまま前半を終える
35分、奈良クラブが良い連携を見せてシュートまで持ち込むも、このシュートは大きく枠の上に外れてくれる。
38分にはコーナーキックのピンチを迎えるが、ここもなんとか凌ぎ切ることに成功する。
しかし直後のスローインでもゴール前に迫られ、シュートまで持ち込まれるが…ここもDFは集中してブロックしてコーナーキックに逃げる。
このように、同点には追い付いたものの…やや奈良クラブのペースで試合が進んでいる…となりそうである。
群馬も身体を張ってブロックしてはいるものの、どちらかと言うと奈良の決定力不足に助けられていると言えるだろうか?
「J3は縦に速く、シュートチャンスは多いものの決定力不足で決まらない」なんて言葉も聞かれるが、まさにその通りの展開と言えそうである。
42分、西村恭史が良いサイドチェンジで右サイドの田頭亮太に展開する。
田頭が低いクロスを送り込むと、ここに山内陸が飛び込んだが…ここはブロックされてしまう。
シュートは打てなかったものの、この前のビルドアップでの高橋勇利也の持ち上がりも含めて、攻撃の形は悪くなかったと言えるだろう。
47分、岡田慎司からのロングボールに川谷凪が抜け出すと、切り返しから左の田中翔太に送る。
このパスが(田中にとっては)マイナスとなり、足を滑らせつつもトラップからシュートに持ち込むが…枠を外れてくれる。
このパスがドンピシャに合っていたら危なかったところ。
ちょっと簡単にDFの裏を取られ続けているのが気になるが…。
【45~60分】判断ミス?カウンター一閃
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで奈良ベンチが動き、中山雄斗に代えて神垣陸、酒井達磨に代えて岡田優希を投入する。
中山は前半でイエローカードを貰っていることが関係しているか?
とは言え、ルヴァンカップもあり連戦となっているため…ある程度は予定していた交代となるだろう。
53分、神垣陸がロングボールを送ると、これを田村翔太が頭でフリック。
右サイドに吉村弦が抜け出すと、ダイレクトで中央にスルーパスを送り込む。
これを岡田優希が受けると、斜め後方からの瀬畠義成のタックルを冷静に切り返し、ゴール右に流し込んで再びリードを広げられてしまう。
おいおい…なんだよコレ…。
リスク管理って考えがこのチームには全くないのがわかる。
この辺りは後ほど。
58分、群馬ベンチが動く。
加々美登生に代えて山中惇希、安達秀都に代えて野瀬翔也、風間宏希に代えて青木翔大を投入する3枚代え。
ちなみにこれが野瀬のJデビュー戦ということに。
この交代で本職CBの野瀬が入るということもあり、3バックは右から野瀬、高橋勇利也、瀬畠義成の3枚に。
青木が最前線に入り、河田篤秀が風間のいた左のシャドー、米原秀亮が安達のいたボランチに移る形となった。
(山中はそのまま加々美の位置に入った)
この後しばらく試合を見ていると、立ち位置が上記の通り変わったことで役割も同じように変わった様子。
つまり、瀬畠義成が守備時には左のCBに入るが…攻撃の時には1つ上がってアンカーの位置でプレーしている。
【60~75分】両チーム交代を使い主導権を握ろうとする
62分、左サイドでボールを受けた山中惇希からロングボールがDFラインの裏に送られる。
ここに青木翔大が抜け出すと、対応した都並優太をフェイントでズラして左足を振り抜くが…これはキーパーが良いセーブを見せる。
64分、高い位置からのDFでボールを奪うと、田頭亮太がクロスを供給。
これは跳ね返されてしまうが、最終的には瀬畠義成が頭で山内陸にボールを繋ぐ。
山内がゴール前に低いクロスを送り込むと、ここに青木翔大が入り込むが…やや長かったか…。
66分、群馬が良い形で攻撃の連携を見せる。
西村恭史、山内陸、瀬畠義成、西村、青木翔大とダイレクトでパスが繋がると、青木がシュートするも…これはブロックされてコーナーキックとなってしまう。
シュートはブロックされてしまったものの、このようにダイレクトで数本繋がるとチャンスは生まれる。
69分、奈良ベンチが動く。
森田凜に代えて國武勇斗、都並優太に代えて生駒稀生を投入する。
74分には両チームが同じタイミングで動く。
まず群馬が田頭亮太に代えて田中翔太を投入。
奈良は川谷凪に代えて田村亮介を投入し、このタイミングで交代を使い切ることとなった。
【75~90分】ダメ押し弾で沈む
78分、群馬DFの裏にロングボールが送られるが…これは近藤壱成が飛び出してなんとかピンチを脱する。
しかし…前がかりになっているのか、なぜここがこれほどにポッカリと空いているのだろうか?
81分、降りてきてパスを受けた河田篤秀だったが、生駒稀生のプレスによりボールを失ってしまう。
生駒がそのまま持ち上がると、2対4という完全に数的不利な状況となってしまう…。
生駒からすぐ右の岡田優希に流すと、岡田からは1つ飛ばして田村亮介に。
ややパススピードが遅く、マイナス気味だったこともあり、田村はその場で足を止めてボールを待つ形となり、ワントラップからシュートを放つも近藤が足に当てる。
岡田からのスルーパスを意識して近藤は一瞬出かけるが、パスがマイナス気味だったことでダイレクトシュートに備えて一度ストップ。
しかし田村がトラップし、更にはやや長かったこともあり一気に距離を詰めて田村のシュートコースを消すという素晴らしい対応だった。
いやぁ…この近藤のセーブは素晴らしいの一言だが、そのセーブに至るまでの過程も素晴らしかった。
ちなみに近藤の足に当たったボールはファーに詰めていた生駒が足に当てるも、枠に送ることはできずにゴールキックでの再開となった。
このゴールキックでのリスタート前に、群馬ベンチが交代カードを使い切る。
米原秀亮に代えて船橋勇真が投入され、米原からキャプテンマークをそのまま船橋が受け継ぐことに。
船橋は怪我を重ねたこともあって…加入から2年目、やっとこれが群馬でのデビュー戦ということになった。
これにより船橋が右のWBに入り、ここにいた田中翔太が右のシャドーに上がる。
右のシャドーにいた西村恭史が左にポジションを移し、ここにいた河田篤秀がどうやらボランチに入る様子。
河田の使い方が間違っているような気がしてならないが…本当になんでもできる器用なプレーヤーである。
だが…自分が監督なら西村をボランチに入れ、河田はシャドーに残したかと思うが…。
83分、船橋勇真がカットインから左の山中惇希に広げる。
山中のクロスは足を滑らせていたため、ミスキックだったと思うが…これがゴールに直接向かう惜しいシュートとなったものの枠の上に。
87分、河田篤秀からのロングフィードに田中翔太が抜け出すと、良い切り返しからシュートまで持ち込むも…これは吉村弦にブロックされてしまう。
この素晴らしいロングフィードも河田だが…本当に器用なプレーヤーである。
しかし…もっとゴールに絡むところに置かないと勿体ない気がしてしまう…。
90分、ビルドアップで高橋勇利也が出し所を探し、持ち出したところで田村亮介が良いDFを見せブロック。
田村亮介から田村翔太にボールを繋ぐと、ビルドアップでGKが前に出ていたこともありループ気味でシュートを狙っていく。
しかしこれは近藤壱成がかろうじて右手一本でコースを逸らしてコーナーに逃げることに成功する。
92分、スローインを吉村弦が縦に入れると、これを國武勇斗が後ろ向きのままやや後方にフリック。
これを受けた中島賢星がワンツーで國武にリターンすると、これで完全に高橋勇利也を剥がして残り半分のコートを独走。
そのままペナルティエリア内まで侵入し、冷静にキーパーとの1対1を沈め、試合を決定づける3点目となった。
前から行って2-2の同点に追いつくか、ひっくり返されて1-3にされるか…というサッカーをやっているためこの失点は仕方ないところではある。
しかし、勇利也も中島に対応した野瀬翔也もやや簡単にボールを取りにいった感があった。
簡単に足を出してしまい、ワンタッチで剥がされたらついていけない…という形となったのが悔やまれるところ。
特に野瀬はワンツーが予想できただろうし、自身の後ろには誰もいないのをわかっていただろうから…中島に対してそんなに距離を詰める必要はなかったのではないだろうか?
こうしてアディショナルタイムの4分も経過し、アウェーでの勝利はまたしてもお預けということになった。
ピックアップポイント
53分の失点シーン
今回は53分の失点シーンを振り返りたい。
このシーンは群馬がボールを保持し攻撃の形を作っていたところから始まり、風間宏希のワンタッチでフリックしてDF裏にボールを送ったが…加々美登生がオフサイドポジションだったことで追わずに奈良ボールと変わる。
澤田雄大がボールを保持したため、オフサイドがなくなったことで加々美登生はここにプレッシャーをかけにいく。
澤田は一度キーパーに下げ、キーパーから神垣陸へと繋ぎ、神垣からロングボールが送られる…という形であった。
これに対して群馬はプレスが連動しておらず、加々美が前から追い神垣のところも追ったのだが…他が付いてきていない状態である。
更には中島賢星が降りてボールを引き出しに行ったため、これに安達秀都が付いていき左裏のスペースが空く形となった。
結局ここを使われたわけだが、ここまではまぁそれほど大きな問題ではないだろう。
とは言え、チームとしてボールの奪いどころが設定されていない感はある。
ロングボールに対して田村翔太が降りてきて頭でフリックし、ここに吉村弦が抜け出したわけだが…田村に対して高橋勇利也が競るのはわかる。
わかる…というかそれで正しい。
しかし左CBのハズの米原秀亮が左のスペースを埋めておらず(しかも加々美があれだけ高い位置を取っているにもかかわらず)、ここを吉村に抜け出されたのが理解できない。
その後の瀬畠義成の対応も首を傾げるものであり、なぜそこで中央を空けて吉村に寄ったのか?
田村のフリックを吉村より先にカットできたようにも映像では見えるが、まぁここは自身が1番後ろであり…飛び出して先に触られた時のリスクを考えると出れなかったのはわかる。
しかし中央に岡田優希がいるにもかかわらず、なぜあの立ち位置を取ったのかがわからない。
考えられるのは田頭亮太が戻っている…と思っていた、ということ。
DFのセオリーとしては、左の加々美登生があれだけ高い位置を取っていたので、右の田頭がバランスを取って右のスペースを埋めておく必要があるのは事実。
(右のスペースを埋める…と言うよりは、田頭が低めにいることでCB他が左にスライドできて加々美が上がったスペースが埋められる)
田頭の立ち位置が悪かった…リスク管理ができていなかったのはその通りである。
しかし…この田頭の位置が瀬畠は目に入っていなかった…ということになってしまうのが気になるところ。
田頭どころか下手したら岡田がいることも目に入っていなかった…となるのかもしれない。
今回は今シーンを切り取ったが、これに限らず今シーズンここまでCB陣はかなり怪しさがある。
足下の技術を優先して選手を選んでいることや、それが攻撃時に活かされるのはわかるし面白いのだが…基本となる守備力があまりにも足りていない。
いや、この実質2バックで守るなら守備力が足りていない…という表現が正しいか。
特に瀬畠義成は本来ボランチの選手であり、可変で左CBに入る米原秀亮も同様。
更に米原は瀬畠に比べても守備が得意とは言えないタイプである。
システム自体は面白いと思うが、正直この左CBが務まる選手は今の群馬ではいないだろう。
展開力は落ちるが瀬畠を米原の役割にした方が守備は安定する…かもしれない(この試合でも途中からその形になったが)
実質2バック状態となっており、ビルドアップの際にサイドの低い位置に選手がいないのも気になるところか。
今回の奈良はしっかりとスカウティングで対策し、CBにはそれほどプレッシャーはかけないものの、そこからの縦パスに一気にプレスをかけてきた。
中央で後ろ向きでボールを受け、そこにプレスをかけられることで前進できないだけでなく失ってピンチを招く…というパターン。
前節に比べてロングボールも少なかったし、サイドの低い位置で前向きでボールを受ける回数を増やす…などの対策が必要になるかと。
何にせよ守備面は今一度考え直す必要に迫られているだろう。
MOM
この試合のMOMは河田篤秀としたい。
素晴らしいシュートはもちろんだが、あのユーティリティ性の高さは本当に凄いの一言である。
それが故に、ゴールから離れたところでのプレーが多くなってしまうのが気になるところ…ではあるが。
もっと前で使いたいが…今のチーム事情を考えると仕方ないところ…となるだろうか?
続いて野瀬翔也に触れておきたい。
3失点目のシーンこそ、最後の1枚にもかかわらず簡単にボールを奪いにいった感があったが…それ以外は落ち着いたプレーで上々のデビュー戦となったと思う。
今後の成長が楽しみなプレーヤーである。
そして同じく(群馬での)デビュー戦となった船橋勇真。
昨シーズンの加入時の期待値が高かったが、その理由がわかるようなゴリゴリの突破を見せてくれた。
この展開、あの時間帯…というのは考慮する必要があるが、頭からあれができる用であれば右サイドは面白くなるだろう。
田頭亮太ともまた違ったタイプのプレーヤーであり、戦術や相手に合わせて使い分けていけると言える。
最後は近藤壱成に触れたい。
3失点したものの、キーパーとしてはどうしようもない失点ではあった。
それ以上にビッグセーブも見せており、ここまで6試合失点数は多いものの悪い評価を与えるべきではないと考えている。
しかしこのサッカーを続ける限り、失点数はある程度覚悟する必要があり、大量失点で自信を失うことがないと良いのだが…。
更には石井僚が移籍したこともあり近藤にかかる期待は大きいと言え、チームとしてメンタル面のサポートはしっかりしてほしいところ。
キーパーに一切の責がない失点だとしても、点を取られるというのはキーパーにとっては重いのだから…。
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