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【2022 J2第3節】ベガルタ仙台 対 ザスパクサツ群馬【レビュー】

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※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。

前節は苦手とする金沢を相手にスコアレスドロー。

今節はJ1からの降格組であり、歴史の中でいまだかつて勝利のないベガルタ仙台との試合です。

前節まで守備は非常に整理されて固く守れており、攻撃時も素早いカウンターを基本とする、大槻監督のやりたい事は見えた展開が続いていました。

今回は戦力的に勝る競合を相手に、このサッカーがどこまで通用するのかというのがポイントとなるでしょうか?

そして決定力不足を露呈した攻撃面に、どのようにテコ入れしてくるのかが見どころとなりそうです。

スタメン・フォーメーション

ベガルタ仙台

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 23 杉本大地
DF 5 若狭大志
13 平岡康裕
25 真瀬拓海
41 内田裕斗
MF 16 吉野恭平
17 富田晋伍
28 名倉巧
50 遠藤康
FW 9 中山仁斗
42 富樫敬真

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 22 ストイシッチ
DF 3 福森直也
10 梁勇基
MF 24 大曽根広汰
26 加藤千尋
FW 11 赤崎秀平
19 皆川佑介

 

序盤の鬼門とも言える仙台だが、注目はやはり鹿島アントラーズから加入した地元出身の遠藤康だろう。

昨シーズンもリーグ戦に23試合出場と、J1トップクラスのクラブで主力だった選手。

精度の高い左足は間違いなくJ2では飛び抜けていると言って良いと思う。

他にも水戸のエースとして2シーズン続けて2桁ゴールを挙げている中山仁斗、サガン鳥栖から加入の内田裕斗と魅力的な新戦力が並ぶ。

控えだったが磐田のセカンドキーパーだった杉本大地、更にはヴェルディの若狭大志と、平岡康裕の守備陣のレベルも高い。

ベンチには仙台と言ったらこの人梁勇基が今シーズン復帰しており、皆川佑介や加藤千尋と…やはり元J1クラブだなと思わせる陣営となっている。

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 2 城和隼颯
3 畑尾大翔
24 光永祐也
25 小島雅也
MF 8 岩上祐三
15 風間宏希
33 細貝萌
FW 7 加藤潤也
11 深堀隼平
30 山根永遠

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 1 清水慶記
DF 4 川上優樹
32 渡辺広大
38 天笠泰輝
MF 10 田中稔也
FW 9 北川柊斗
23 平松宗

 

対する群馬は前節から1枚代えとなり、田中稔也に代えて風間宏希をスタメン起用。

システムの変更も考えられるが、恐らくそのまま風間…もしくは岩上祐三が右に入ると思われる。

またベンチには天笠泰輝が初のメンバー入りとなり、同じく北川柊斗も今シーズン初のベンチ入りとなった。

やはり前節の決定力不足を受けて、多少のメンバーをいじってきたとなるだろう。

 

そして前節外れていた内田達也だが、この試合の数日前に怪我情報が発表されている。

前節の日程以前の怪我であるため、前節は怪我によるメンバー外となるだろう。

顔面骨折という非常に痛そうな響きではあるが、全治4~6週間ということで長期離脱ではないのが救い。

 

また怪我と言えば、この試合前の段階では白石智之がベンチメンバーに入っていたが…どうやらウォーミングアップで怪我があったようで渡辺広大とチェンジ。

比較的近場ではあるが…こういった事態も考慮してベンチ外の選手も何人かは連れていっているのだろうか?

ホームでは確かメンバー入りの選手のみがバスで会場入りし、ベンチ外の選手は自家用車でスタジアムに来ていたハズ。

この辺りは事情を知っている方に話を聞いてみたいものである。

試合経過

予想通り?守る群馬に攻める仙台

前半は群馬のキックオフでスタート。

ここ2試合と同じく、立ち上がりから積極的に前からのプレスをかける群馬となった。

 

4分、小島雅也名倉巧を潰したところで細貝萌がボールを回収。

右サイドの風間宏希を使い、一気にショートカウンターを繰り出す。

風間はフリーだったこともあり、周囲をよく見ており逆サイドをフリーで駆け上がる加藤潤也に向け、一気にピッチを斜めに横切るパスを供給。

これをKJがきっちりトラップして収めるが、戻った真瀬拓海のプレスにより潰されてしまう。

風間らしい非常に良いパスだったが、理想を言えばもう少し前か、もう少し速いボールだっただろう。

パスに合わせてKJが速度を落としたことにより、真瀬に戻る時間を与えてしまった形になった。

 

10分にはセンターサークル内でボールを受けた遠藤康光永祐也が対応。

フォローに入った細貝萌と挟み込み、見事にボールを奪ったかと思いきや…まさかあの狭い隙間を抜けてくる。

更にフォローに入った岩上祐三まで剥がし、遠藤は1人で3枚を交わしてドリブルで運び4対3の数的優位を作り出す。

ディフェンスラインの裏に斜めに抜け出した中山仁斗にスルーパスを通し、中山が左足を振り抜くが…これは櫛引政敏がしっかりと足でセーブ。

非常に危ないシーンだった。

 

この試合も非常に整理された良い守備を見せてはいるが、その先が繋がらないのが悩ましいところか。

クリアが精一杯で、クリアボールがほとんど仙台に回収されている印象がある。

細貝まさかの負傷退場

18分、最後尾の畑尾大翔からグラウンダーで良い縦パスが風間宏希に入る。

風間から加藤潤也、そして左サイドを上がる山根永遠と一気に速度を上げて攻撃を展開。

山根は対峙する真瀬拓海を交わしきらず、タイミングだけズラしてペナルティエリアすぐ外からシュートを狙うが…これはゴールキーパーに。

シュート性のボールではあったが威力を考えると、もしかしたら中央に入った深堀隼平に飛び込ませるクロスだったのかもしれない。

非常に良い形の攻撃だったが、評価したいのは最初の畑尾の良い楔のパスだろう。

中央の良い位置に入り込んだ風間ももちろんだが、それを見逃さずに良いボールを通したと言える。

 

続く20分、群馬左サイドからの仙台のスローイン。

細かいパスでペナルティエリア内の深い部分まで使われてしまうが、クロスはしっかりと跳ね返しコーナーキックに。

このコーナーキックも1度は跳ね返すが、再びボールはキッカーの遠藤康へ。

遠藤がクロスを上げ直し、これを平岡康裕に合わせられるが…わずかに枠を外れて助かる形に。

畑尾大翔細貝萌の間に入り込んだ平岡が上手かったが…これはフリーにしてはいけないところ。

 

そして24分、群馬の左サイドを使われかけたところを細貝細貝らしいスライディングタックルで阻止。

しかし左足首を抑えたまましばらく立ち上がることができず、立ち上がったものの両脇を抱えられてピッチの外に。

左足でボールを刈り取ったのだが、その伸ばした足が地面に付いた際に滑らずに芝に噛んだように見える。

止まった左足に対して体はそのままの勢いで前に行き、結果として足首を捻った…というところだろうか。

自分だけで歩けていないことと痛がり方を見るに…もしかしたら結構大きな怪我の可能性も…。

なんとなくアキレス腱な気がするが…大事ない事を祈りたい。

細貝はこのまま負傷退場となり、27分に田中稔也が投入される。

これにより稔也が右サイドに入り、風間宏希がボランチにスライドすることに。

 

30分、コーナーキックのピンチを跳ね返し、群馬左サイドから仙台のスローインでリスタート。

スローを受けた遠藤康から吉野恭平に入るが、これを完全に読んで狙っていたのが風間

速い寄せからのチェックでボールをロストさせると、こぼれ球を加藤潤也が回収。

深堀隼平の動きに合わせて、グラウンダーの縦パスを送ると抜け出した深堀が一気にゴール前に。

左足でのシュートは狙い過ぎたか、枠の右に外れてしまうが…非常に良いカウンターの形となった。

細貝かと思わせる風間の寄せ、そしてKJらしいスペースを使ったスルーパス、更には深堀らしいスペースの使い方と、選手の良いところが全部出たような攻撃だったと言えるだろう。

惜しむらくは…平岡康裕が横から来ていたとは言え、枠に飛ばしてほしいところ。

冴えるカウンター

34分、自陣でボールを回していたところ、右サイドの小島雅也からグランダーの縦パスがセンターサークル付近の深堀隼平に。

これを深堀がスルーして、その後ろの加藤潤也がダイレクトで右サイドの田中稔也に。

深堀KJは中央に入っていき、小島がオーバーラップでフォローするも…仙台の戻りも早く稔也は一度作り直す選択をする。

一度下げて作り直し、再び右サイドを深く使った稔也から、逆サイドの山根永遠にクロスが入り…これを頭で合わせるがシュートは力なくキーパーに。

結果的にはキーパーに収まってしまったが、こういった攻撃の形をどんどんと作っていきたいところ。

カウンターだけでは手詰まりになるので、最初の小島のパス、そこからのKJ稔也の連携と、非常に良い形の攻撃となったと思う。

 

30分のカウンターと34分の良い攻撃と、群馬も速いカウンターを中心にチャンスを作れている。

全体を見れば仙台に持たれて我慢の時間が続いてはいるものの、仙台も上手くいっているわけではなく攻めあぐねている印象。

ひいき目に言うならば、仙台にボールを「持たれている」わけではなく「持たせている」といったところか。

 

43分、加藤潤也を起点に左サイドの山根永遠にボールが入る。

山根は再びKJに戻し、ワンツーで一気に縦に抜け出しクロスを供給。

このクロスは田中稔也の頭を超えてしまうが、その後ろに小島雅也が詰めておりトラップからシュート。

しかしこのシュートは枠を大きく外してしまう。

山根のクロスが稔也を狙ったものか、その奥の小島を狙ったものかはわからないが…非常に良いクロスであった。

また小島も逆サイドのサイドバックながらしっかりと詰めていたと言える。

残念ながらトラップが浮いてしまい、時間がかかったことでゴールキーパーの杉本大地に距離を詰められてしまい目に入ったか。

トラップが決まればもう少し余裕を持ってシュートを打てただろうから、枠に飛んでいた可能性は高くなっただろう。

 

46分には群馬左サイドを真瀬拓海に深く使われ、そこから遠藤康に。

遠藤はマークに合いながらも強引なターンからシュートに持ち込むも、これはコースがなく櫛引政敏の正面に。

しかし真瀬が非常に高い位置を取り続けているのは…なんとか対応したいところ。

そして遠藤は…さすがと言える存在感を放っている。

激しい攻防 お互いにチャンスを決めきれず

後半は仙台のキックオフでスタート。

両チームともに選手の交代は無し。

 

49分、吉野恭平から内田裕斗へのロングボールを小島雅也が頭でカットし田中稔也へ。

稔也はこれをダイレクトで前の深堀隼平に送る。

右サイドのスペースを深堀が運ぶが、ここは戻った吉野が自らのミスを帳消しにする形で深堀を遅らせることに成功。

深堀は中央を上がってきた風間宏希を使い、風間は逆サイドの加藤潤也へ。

KJは更にその外を上がる山根永遠を使い、山根のダイレクトのクロスに深堀が合わせるが…残念ながら枠の外に。

攻撃の形としては非常に良く、速攻が一旦途切れてからもしっかりと作り切ったところが昨シーズンとは違うところ。

更に、最前線の選手らしく風間に預けてからゴール前に入り込み、山根のクロスに合わせてポジションを取り直した深堀は見事。

深堀はこの試合だけでなく、3試合を通して自分の持ち味をしっかりと出している印象があり、スタメン定着というのも納得といった出来と言えるだろう。

得点が遠いのが気になるが、調子は良さそうなので1点決めれば波に乗って量産する可能性も期待できるだろう。

この試合もノーゴールに終わってはいるものの、辛抱強くもう少しチャンスを与えてほしいというのが個人的な考えである。

 

57分には右サイドから左サイドにポジションを移した遠藤康から、富樫敬真に縦パスが入る。

富樫は一度溜めてから中央の吉野恭平に戻し、自らはゴール前に入り込む動きを見せる。

その動きを見た吉野はワンツーの形で富樫に戻し、ワントラップからシュートを打つもミートせずに群馬としては助かる形に。

これは富樫の動きも良かったが、それ以上に吉野のトラップが素晴らしかった。

単純にトラップミスで浮いてしまった可能性は否定できないが…個人的にはわざと浮かせて、空間を使ったパスを送ることでパスコースに入っていた風間宏希を外したと見ている。

仮にトラップミスだったとしても、瞬時に判断しそれを活かして浮き球を送ったのはこれはこれで見事と言える。

ちなみに富樫のトラップが止まり過ぎたこともシュートミスの原因だろうが、城和隼颯がしっかりとカバーしたことも大きく影響しているだろう。

 

59分にも名倉巧遠藤康のワンツーから、名倉が抜け出し中央の中山仁斗にパスが入る。

中山がターンしながらシュートを打つが、これは畑尾大翔がブロックし、更には逆サイドの光永祐也もしっかりとブロックに入っていた。

こぼれ球を中山が執念で逆サイドの真瀬拓海に送り、真瀬は再び中央に折り返すもこれもしっかりとブロックして対応。

先ほどのシーンと続けて、チャンスは作られているものの…DF陣はしっかりと集中して対応できているとも言える。

得点が遠い…最後の精度

実は60分のこの辺りで気付いたのだが、群馬は守備時のシステムを5-4-1に変更しているようである。

元の2CBに加えて光永祐也が左のCBに入り、山根永遠が守備時には最終ラインの左に入って5枚となっている。

その前のブロックは加藤潤也が左に入り4枚、最前線に深堀隼平という形に。

いつ変えたのか気付かなかったが…改めて試合を見返してみると、実は後半スタートからこの形となっていた。

前半は真瀬拓海がかなり高い位置でボールを受けており、その対応に追われていたがためのシステム変更だろうか?

 

61分、仙台の縦パスを良い出足で城和隼颯がスライディングでカット。

そのこぼれ球を田中稔也がワンタッチで岩上祐三へ。

ここから一気に岩上が長いボールを右サイドの裏に抜け出した深堀隼平に送る。

深堀が右サイドを運ぶがDFは交わしきれずキープ。

そして中央を上がってきた岩上に戻し、岩上がミドルシュートを打つが…これは枠の上に。

最後のシュートが残念だが、今日の岩上は前節と違いこういったロングパスが通っている。

そして深堀は…裏抜けが上手いのは開幕戦から感じたが、ドリブルも上手いと言うか…持ち方が良いのか運び方が良いのか、DFが足を出しにくそうなタッチの印象。

カウンターの形で一気に運べはしなかったものの、スローダウンしても簡単には奪われそうにないドリブルを見せてくれた。

 

63分には小島雅也からのタッチラインギリギリの良い縦パスに田中稔也が抜け出し、右サイドを攻略。

少しドリブルで中に運びながら、しっかりと中を確認して最もファーを選択してクロスを供給。

そこに逆サイドの山根永遠が合わせるが、これも残念ながらシュートは枠の外に。

深堀隼平加藤潤也が中央に2枚入り込み、その外には山根が上がってきており、岩上祐三もミドルが狙える位置まで上がってきているという厚みのある攻撃だった。

 

66分、群馬は細貝萌のアクシデントで交代枠を使ってはいるが…戦略という意味では仙台が先に動くことに。

内田裕斗に代えて福森直也を投入し、どうやらポジションはそのまま選手のみの交代となりそう。

 

69分には群馬も動き、深堀隼平に代えて平松宗を、光永祐也に代えて川上優樹を投入。

いつも通り小島雅也が左に移り、川上が右に入ることとなった。

勝てた試合か?それとも負けなかった試合か?

75分には仙台が2回目の交代枠を使い、名倉巧に代えて加藤千尋を、富田晋伍に代えて梁勇基を投入。

85分には3回目の交代枠を使い、中山仁斗に代えて皆川佑介を投入。

攻撃のカードを切り、仙台としてはここは勝たねばならない試合だというメッセージが送られる。

 

86分、田中稔也が頭でカットしたボールを平岡康裕平松宗が競り合い、ノーファールでボールを奪取。

残りは若狭大志1枚となる仙台陣地に向け、一気に平松がボールを運ぶが稔也をどう使うか迷ったか…ドリブルタッチが長くなりキープが精いっぱいの状況になってしまう。

中央の風間に預け、受けた風間は一旦時間を使うような素振りを見せ、ノールックでバイタルエリアに残っていた稔也にスルーパスを通す。

稔也はシュートフェイントで福森直也を外したまでは良かったが、その後のシュートは戻った平岡にブロックされてしまう。

平松のボール奪取は良かったが…その後の判断と運びが今一つだったのが気になるが…書いたように稔也がいたために選択肢が多かったことで迷いが出たか…。

しかし風間の意表を突いた上に針の穴を通すようなスルーパスは見事の一言。

これが風間という選手の特徴だろう。

 

87分には群馬も3回目の交代枠を使い、加藤潤也に代えて北川柊斗を、山根永遠に代えて天笠泰輝を投入。

どうやら北川が最前線に入り、KJのいた左サイドに平松が入ったようである。

やることは変えずに、しっかりと守りつつ最後まで勝点3を諦めない、決して1狙いの交代では無いと個人的には受け取ったがどうだろうか?

 

88分には左サイドからのコーナーキックを獲得。

キッカーは…今日は岩上祐三が蹴るようで、ファーに送られたボールを畑尾大翔がドンピシャで合わせる。

これは入ったかと思ったが…惜しくも枠の外に。

ゴールキーパーが出づらい曲げて落とした素晴らしいキックだったが…少しだけ高くて畑尾がミートしきれなかったか。

畑尾に裏に入られマークを見失いつつも、最後しっかりとボールに寄せてブロックに入った平岡康裕をさすがと褒めるべきか…。

つくづくゴールの神様から見放された試合となり、このままアディショナルタイムも経過し試合終了となった。

 

見出しにしたが、この試合は決定機を逃して勝点2を失った試合だっただろうか?

それとも終始ボールは支配され、格上でもある仙台に対して守り切って勝点1を得た試合だっただろうか?

この辺りの判断は見る人それぞれだと思うが、個人的には勝てた試合だったと思う。

ボールは支配されたが、途中にも書いたように持たれているわけではなく持たせている印象が強く、最後の部分はやられていなかったのがその理由である。

決定機と言えるようなシーンは群馬の方が多かったとも思われ、勝てた試合を落としたと判断している。

しかし昇格候補筆頭の仙台を相手に、アウェーで勝点1を持って帰れたという意味では良い試合だったと言えるだろう。

ピックアップポイント

細貝退場後になぜ守備は崩れなかったか

この試合を終えて、群馬がJ1J2合わせて唯一の無失点チームとなった。

この事実からも、試合を見ての感想としても、ここまで非常に守備の固いチームなのは間違いないだろう。

そしてその守備を支えている1人に、細貝萌の名前が挙がる…という方も多いのではないだろうか?

その細貝が足を傷めたことで退場したのが公式記録では28分であり、非常に早い時間帯なだけにその後の守備が崩れることを心配したサポーターも多かったと思う。

 

なぜ崩れなかったか、色々と要因はあると思うが…個人的には細貝のポジションに入った風間宏希の存在が大きいと思っている。

風間と言うと正確なキックを武器に、展開を変えるサイドチェンジやゴールに直結するスルーパスを出したりと、攻撃の比重が大きい印象がある。

しかし守備でも非常に良い働きを見せており、言い方が適切かはわからないが完全に細貝の代わりを務めてみせたと言える。

 

まずは30分のKJのスルーパスに深堀が抜け出し、惜しいシュートまで持ち込んだシーン。

このカウンターの起点となったのが風間の守備である。

仙台のスローインでのリスタートとなったが、近くの遠藤康にスローが入る。

この瞬間に次のパスが中の吉野恭平に入ることを読んで、一気に距離を詰めているのがポイント。

そのためボールを受けた吉野は前を向けずに、更にはボールを突かれてロストしKJに回収されている。

 

続いて46分の遠藤康に強引にシュートに持ち込まれたシーン。

これは遠藤に対峙したのが風間本人なので、強引に前を向かれてシュートを打たれた…という言い方もできるかもしれない。

しかし真瀬拓海にボールが入った時点での風間遠藤の距離の遠さに注目したい。(下図)

 

危険なポイントを見逃さず、この距離をしっかりと埋めて戻ったからこそ遠藤に簡単にシュートを打たれることが無かったと言える。

危機察知能力の高さがわかるシーンだった。

MOM

この試合のMOMは…風間宏希としたい。

直前に書いたように、まずは細貝の負傷退場というアクシデントでポジションを変えたが、しっかりと細貝の代役を務めあげたのが1つ。

そしてこれは賛否あるだろうが…やはり風間は中央の選手だと思う。

ボランチに移ってからの方が攻守にプレーが良かったと個人的には思う。

 

攻撃面では言うまでもないだろう。

岩上祐三と共に、組み立て時には中心となりゲームを攻撃を作る存在となっていた。

そして本文でも書いたが86分の稔也に通したスルーパスは見事の一言。

 

細貝の怪我具合が不明なため、もしかしたら今後は岩上と並んでボランチに入る可能性もある。

しかし戻ってきた際にはベンチに置くのはもちろん、右サイドに置くのももったいない選手ではなかろうか?

かと言って岩上を右サイドで使うのも、これまた昨シーズンを見るともったいないの一言。

細貝を1アンカーとして前に岩上風間を並べる4-3-3(4-5-1)を試してみるのも面白そうである。

今日の先発であれば深堀を1トップに、右に山根、左にKJで4-3-3はそのまま機能するだろう。

今のシステムも右サイドは中に寄り気味で、小島が外を大きく使うために…やることは変わらないのかもしれないが。

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