※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第15節はアウェーでの栃木SC戦です。
前節はホームでの沼津戦。
スコアレスドローに終わり、これでリーグ戦では4試合負けなしとなりましたが…内訳は1勝3分と決して褒められたものではありません。
しかし徐々にやりたいサッカーが表現できるようになってきた印象もあり、これから結果も伴ってくるのではないかという期待感も。
今節は北関東ダービーということで、絶対に負けられない戦いとなります。
今シーズンは水戸がおらず、栃木Cが新たに北関東組となっていますが…やはりダービーと言ったら栃木SCという方も多いのでは?
今回はそんな栃木SC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※通常ホームを左側にしますが、メインスタンド側から見た通りで配置
栃木SC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 川田修平 |
DF | 2 | 平松航 |
25 | 岩崎博 | |
40 | 高嶋修也 | |
MF | 5 | 森璃太 |
8 | 福森健太 | |
11 | 青島太一 | |
77 | 藤原健介 | |
FW | 10 | 五十嵐太陽 |
32 | 太田龍之介 | |
38 | 小堀空 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 27 | 丹野研太 |
DF | 22 | 高橋秀典 |
37 | 木邨優人 | |
MF | 20 | 井出真太郎 |
39 | 屋宜和真 | |
47 | 吉野陽翔 | |
FW | 9 | 菅原龍之助 |
19 | 庄司朗 | |
29 | 矢野貴章 |
栃木は前節から3枚を変更。
大森博、棚橋尭士、星野創輝が外れ、高嶋修也、小堀空、太田龍之介がスタメン起用となった。
外れた3人はそのまま全員ベンチ外と…やや珍しい形と言えるか?
注目はやはり小堀空となるだろうか?
今シーズンはまだゴールが無いようだが、昨シーズンの活躍はまだ記憶に新しいところ。
他には磐田から加入の藤原健介、岡山から加入の太田龍之介、川崎から加入の五十嵐太陽と、育成型で加入した若手選手も注目したい。
ちなみに栃木SCと言えば、の佐藤祥だが…第2節の相模原戦で負傷交代となっており…現在まで戦列に戻っていないようである。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
30 | 小柳達司 | |
35 | 玉城大志 | |
MF | 6 | 米原秀亮 |
7 | 藤村怜 | |
27 | 藤村怜 | |
FW | 2 | 田頭亮太 |
10 | 髙澤優也 | |
17 | 山中惇希 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 14 | 菊地健太 |
30 | 小柳達司 | |
MF | 35 | 玉城大志 |
36 | 安達秀都 | |
FW | 2 | 田頭亮太 |
9 | 青木翔大 | |
17 | 山中惇希 | |
20 | 下川太陽 |
群馬は前節のリーグ戦から4枚を変更。
山内陸、野瀬翔也、加々美登生、小西宏登が外れ、小柳達司、玉城大志、田頭亮太、山中惇希がスタメン起用となった。
前節脳震盪で交代となった野瀬は…この試合が欠場となるであろうことは予想できており、最悪の場合は数試合戻れないことになるだろう。
加々美はベンチスタートとなったが、気になるのは山内と小西がベンチ外になっていること。
怪我や移籍といった理由がないとベンチ外にすることは考えにくいため…これは非常に心配である。
個人的に注目したいのは、前節アクシデントによる緊急投入ながらベテランの風格を見せつけてくれた小柳達司。
今節も最終ラインに落ち着きをもたらし、適所での攻撃参加に期待したいところ。
それに伴いベンチ入りとなった中野力瑠もチャンスが訪れることに期待したい。
ベンチと言えば、前節途中交代で非常に良いプレーを見せたのが下川太陽。
加々美登生とともに、流れを変えるゲームチェンジャー…スーパーサブ的な活躍に期待したいところ。
また小野関虎之介もベンチ入りとなっており、出番があると嬉しいが…。
試合経過
【0~15分】完璧な決定機を迎えるも…
前半は栃木のキックオフでスタート。
3分、大畑隆也の頭でのクリアは繋がらず、五十嵐太陽が頭で中央に。
これを小堀空がフリーで受けると、やや距離はあったものの反転してシュートを放つ。
これはミートしなかった感もあり、枠の左に外れてくれる。
今シーズンの特徴として…大畑は頭で繋ぎに行ったのだと思うが、これが繋がらないと一気にピンチを迎える…というものがある。
8分、高橋勇利也のパスが引っかかってしまうも…これは自ら回収。
空間を使った良いパスで縦の藤村怜に繋ぐと、これまた非常に上手い形のワンタッチでDFを剥がして前に持ち出す。
左サイドの山中惇希を使うと、山中はダイレクトでフジレンに折り返す。
フジレンからファーにクロスが送られると、ここにドンピシャで入り込んでいた髙澤優也だったが…インサイドにミートさせられずに…トラップに近い形となって枠を外してしまう。
これはFWとして絶対に決めないといけないシーンだったが…半分冗談ながらもフォローすると、髙澤は左利き。
また得意なのは頭であり、フジレンのクロスはもう少し高さが欲しかった…というところだろう。
彼の効き足は頭である。
決定的なチャンスを決めきれなかったが…髙澤の入り方はさすがの一言で、DFの視界から消えてスペースの空いたファーに一気に滑り込んだ。
またニアに田頭亮太が流れたからファーのスペースが空いたこと、ファーには西村恭史もしっかりと入り込んでいたことは拾っておきたいポイントである。
11分、西村恭史が抜け出そうとしたところ、福森健太が斜め後方からスライディングでファールの判定。
これにイエローカードが提示される。
タックルした足の方はそうでもなかったが…軸足側とでカニばさみに近い形となっており、これはカードで妥当だろう。
両チームのサポーターからのブーイングがダービーらしさを象徴するシーンとなった。
早い時間でカードが1枚出たため、この福森のサイドはガンガン狙っていきたいところ。
【15~30分】動きのない中盤の時間帯
8分に群馬が決定的なチャンスを迎えたものの、それから前半は動きのない時間となっていく。
ダービーらしく…と言うのだろうか?お互いに中盤で相手の良さを潰すような展開が続くことに。
また群馬としては栃木のハイプレスにやや苦しみ、大きなミスこそないものの上手く剥がして運ぶシーンは作れていない。
今日はナイトゲームではあるものの、気温も高いので我慢して栃木のプレスが落ちてくるのを待つ形になるだろうか?
試合展開とは関係ないが…個人的には(大槻監督時代によくやっていた)終盤に相手がダレて落ちてくるのを待つ戦術はあまり有効ではないと思っている。
もちろん最後まで、90分ハイプレスを続けることが難しいのは事実。
特に昨今の日本の暑さを考えると、体力的にかなり厳しいのは事実だろう。
しかし以前のように交代は3人ではなく5人となっており、フィールドプレーヤーの半分が交代可能となっている。
また脳震盪ではプラスワンが認められているため、比較的早い時間で5枚切り切ってしまうこともできる。
(もちろんGKの負傷を代表に、終盤まで1枚残しておきたいというのはあるが)
そのため途中交代を前提としたハイプレスも可能になっていると言えるだろう。
【30~45分】2本続けて右サイドからクロスを送り込むも
この時間帯も膠着状態が続いていたが、終了間際の44分に群馬がチャンスを迎える。
降りてボールを引き出した髙澤優也から小柳達司に繋ぎ、小柳がそのまま右の西村恭史に広げる。
西村が更に田頭亮太に広げると、その前の段階で裏を狙っていた玉城大志にスルーパスを送る。
これはオフサイドじゃないかと思ったが…逆サイドが山中惇希に引っ張られる形で残っていた。
(映像で見る限りではかなり際どく、オフサイドともオンサイドとも断定できないレベル)
玉城が右足でゴールキーパーとDFの間にクロスを送り込み、ここに山中が入り込んだが…高嶋修也がスライディングでブロック。
こぼれ球を森璃太がクリアしてタッチラインに逃れられてしまう。
オフサイドだったかオンサイドだったか…というのはわからないが、玉城の動きを見る限り逆サイドが残っていたのは確認しているようには見えない。
そのため偶然の産物だったと思われる。
もう一つ拾っておくと、小柳が西村に渡してからそのまま攻撃参加しているのもポイント。
結局使われはしなかったが…これが小柳の持ち味であり、以前の在籍時から3バックの外側が向いていると思っていた理由の1つである。
このプレーの直後にも、似たような形から今度は田頭亮太がクロスを送り込むが…これはキーパーにセーブされてしまう。
こうして30分超という長い時間、膠着した展開となった前半が終わる。
今シーズンの群馬はボールを持つ時間が非常に長いが、この試合はポゼッション率が50%ととなっている。
シュート数も1本ずつと、中盤で激しくつぶし合ったのが数字にも表れた前半となった。
【45~60分】ポストに救われる
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで栃木ベンチが動き、小堀空に代えて屋宜和真を投入する。
49分、栃木が左からのコーナーキックを獲得すると、キッカーは藤原健介。
ニアに送られたボールを平松航がフリックすると、これがファーのポストを直撃。
跳ね返ったボールを五十嵐太陽が直接狙っていくが、ここは大畑隆也がしっかりとブロックして難を逃れる。
ボール1つ分内側であればポストに当たりながら枠に収まっていただろうし、外側であればファーポストに詰めていた高嶋修也が押し込んでいただろう。
非常に危ないシーンとなり、まさにポストに救われたと言える。
結果的にこれで前半8分の髙澤優也のシーンと、両チームが決定的なチャンスを活かせなかった形になった。
54分、森璃太のクロスに福森健太が合わせるが、これは枠の上に外れてくれる。
ここだけを見れば決して危ないシーンではなかったが、ゴール前まで良い形で運ばれたのは気になるところ。
59分、流れの中では群馬ベンチが先に動く。
米原秀亮に代えて瀬畠義成、田頭亮太に代えて下川太陽が投入される。
今日の米原はピッチに倒れる時間が長く、あちこちを痛そうにしていたため…大事ないと良いのだが…。
そして前節、途中出場で違いを見せた下川だが…再び右のWGに投入されることとなった。
自分が前節のレビューで懸念したように、下川は開幕当初にここで使われていたが…カットインばかりで縦に仕掛けられずに停滞していた時期があった。
それで小西宏登にポジションを奪われる形となったわけだが、2試合続けて得たチャンスを活かせるかに注目したい。
【60~75分】決定機を再び決めきれず
63分、高橋勇利也のパスが引っかかると、引っかけた屋宜和真が縦に抜け出す。
戻った勇利也との1対1を制してポケットに侵入すると、シュートだったかクロスだったか?シュート性の速いボールをゴール前に送る。
これはキム ジェヒが素早い反応で触ったが、こぼれ球が五十嵐太陽の足元に入ってしまう。
しかし五十嵐のシュートは小柳達司が身体を張ってブロック。
こぼれ球を回収した福森健太のシュートはキムがセーブし、こぼれたところを大畑隆也が蹴りだしてピンチを脱する。
やや山中惇希からのパスがズレたのは事実だったが、勇利也のパスが引っかかり、その後突破を許したのは勇利也としては反省するポイントだろう。
67分、栃木ベンチが動く。
福森健太に代えて高橋秀典が投入されると、どうやら高橋は右に入る様子。
そのため、右にいた森璃太が福森のいた左にポジションを移している。
70分、群馬が良い位置でフリーキックを得ると、キッカーは藤村怜。
ニアに送ったボールは合わずに跳ね返されるが、このボールは西村恭史の足元に。
しかしトラップが足元に入り過ぎたのかミドルは打てずに、後方に下げる選択をする。
このボールを玉城大志が直接狙っていくと、枠の上に外れてしまったもののキーパーが触ってコーナーキックとなった。
74分、高橋勇利也がボールを奪うと、後方の瀬畠義成に落とす。
瀬畠から玉城大志、再び勇利也にボールが繋がると、右サイドを駆け上がる下川太陽にスルーパスを送る。
下川が良いトラップで縦に持ち出しゴール前に折り返すと、髙澤優也が入り込んでいたが倒れてしまい…足に当たったボールはキーパーに向かって跳ね返ってしまう。
髙澤はファールをアピールするも、結局ノーファールの判定となった。
確かに足と足が当たっているのは事実だが…どうしても髙澤には「すぐに倒れる」イメージが付いてしまっている。
イメージで…選手によって判定の基準が変わってしまうのは当然ダメなのだが、審判も人間である以上笛が吹きにくいところはあるだろう。
また根本的な部分としも、あの接触でファールとするのは難しかったかもしれない。
【75~90分】見事な下川の仕掛け
78分、栃木ベンチが動く。
太田龍之介に代えて菅原龍之助、五十嵐太陽に代えて矢野貴章を投入。
80分には群馬ベンチも動き、髙澤優也に代えて青木翔大、藤村怜に代えて安達秀都を投入する。
82分、群馬のゴールキックでのリスタート。
いつも通り短く始めたが、小柳達司が1つ飛ばして少し長いボールで西村恭史に付ける。
西村が高橋勇利也に繋ぐと、前に空いたスペースを勇利也がドリブルで進んでから右サイドの下川太陽へ。
下川が縦に仕掛けてクロスを送ると、これをクリアに飛び込んだ平松航の頭に当たってボールはゴールに吸い込まれていく。
ゴール前中央には青木翔大、ニアには西村がしっかりと入り込んでいたからこそのオウンゴールである。
また下川は自分の懸念を吹き飛ばすような、素晴らしい縦への突破を見せてくれた。
やはりカットインだけでなく、こうして縦にも仕掛けられると怖さが一気に上がると言える。
84分、栃木ベンチが動き、森璃太に代えて庄司朗を投入。
86分には群馬ベンチも動き、西村恭史に代えて中野力瑠を投入する。
守備固めとしての中野投入は間違いないが…果たしてどのような形になるのか?
4バックにするのかとも思ったが、どうやら中野は右サイドに入っており、後ろは3枚のままに見える。
つまり下川太陽のいた右WBに中野が入り、西村のいたところに下川がポジションを上げた形になる。
なるほどウイングバックではあるが、守備に重きを置いて5枚気味で守り切り…ということか。
下手にシステムをいじるのもリスクがあり、こちらの方が理にかなっているかもしれない。
そしてアディショナルタイムは5分と長かったが、守備陣がしっかりと集中してゼロに抑えることに成功。
今までと違い、相手コーナーフラッグ付近での時間稼ぎ等も含めて、比較的敵陣地で時間を使えた印象がある。
クロージングに問題があるチームであったが、この辺りも少し前進が見えたのは大きな収穫であろう。
ピックアップポイント
ダービーマッチというもの
ダービーマッチ…今どきはどのくらい選手にとっても意味を持つのだろうか?
我々ファン、サポーターとしてはやはりいつも以上に気合いの入る一戦であることは間違いない。
しかし選手としては今まで群馬に縁もゆかりもなかった選手も多いだろうし、在籍期間が短い選手も多い。
そして比較的短期間でクラブを渡り歩く選手も多く、ダービーと言ってもシーズンの中の1試合に過ぎないのではないだろうか?という思いもある。
個人的には「別にそれで良い」のではないかと思っているが、やはり選手もダービーを意識してくれると嬉しいもの。
この試合はアウェーながら群馬サポも多く詰めかけ、中継を見ていても栃木に負けない大きな音量でのチャントが聞こえた。
やはりダービーはこうあるべきであり、これもサッカーの楽しさの一つであろう。
何が言いたい…というものでもないのだが、選手達にもザスパクサツ群馬というチームを大切に思う選手が増えると嬉しい。
小柳達司、青木翔大、髙澤優也などの過去に在籍していた選手が戻ってきていたり、小野関虎之介といった地元選手の存在。
地元は違うものの、高校時代に群馬県でプレーしている中野力瑠など、群馬に縁のある選手の活躍は嬉しいもの。
地元偏重…であってはいけないと思うが、こういった選手達がチームを強くするという面もあるのではないかと思ている。
願わくば、どんどんとユースから昇格してくるようなチームになってほしい。
そんなことを思ったダービーであった。
MOM
この試合のMOMは高橋勇利也としたい。
下川太陽とするのが普通かもしれないが…個人的には勇利也を推したいところ。
前節も高評価を与えたが、やはり水を得た魚のように素晴らしい攻撃参加をしているのがポイント。
しかし63分のピンチのように、守備ではやや怪しいシーンも多く…逆にこの失点で敗戦となっていたらMOMどころか戦犯とまで言われていたであろう。
この辺りはサッカーの面白さと言えるかもしれない。
また小柳達司の名前も挙げたい。
ベテランらしい安定感を見せ、無失点を支えたと言って良いだろう。
また得点シーンでは、密集していた自陣前で敢えて1つ飛ばす選択をしたことで一気に栃木のプレスを剥がすことに成功した。
このプレーを沖田監督がどう評価するのか…というのはわからないが、個人的には足下にこだわり過ぎずに適所で長めのボールを使ってこそだと思う。
そして3番目になってしまったが…もちろん下川太陽の活躍は素晴らしかった。
強烈なカットインは元々の持ち味であったが、あの縦への突破は今まで見られなかったもの。
今回は縦への突破から得点に繋げてくれたが、今後はコレを見せたことにより得意のカットインも今まで以上に効果的となるだろう。
最後に…髙澤優也にも触れないといけないだろうか…。
2つ目はまぁ…仕方ないと思わない部分もないことはないが、完璧な決定機が2つあったと思うと正直厳しいと言わざるを得ない。
後半からは下りてくるシーンも多くなり、ゲームメイクに顔を出していたが…それであればキープ力の高い青木翔大を使えば良いとなるだろう。
なかなか得意の頭で合わせるようなクロスが入ってこない…というチーム状況ではあるが、このままでは出番が無くなるだろう。
しかしここで終わるような選手ではないハズであり、自分は髙澤には大きな期待を寄せている。
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