※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第30節はアウェーでのFC岐阜戦です。
前節はホームで相模原を相手に、退場者を出しながらもアディショナルタイムで追いつきなんとか勝点1を手にしました。
正直勝たなければならない試合ではありましたが、最後の最後に追いついて勝点を手にしたことは今後につながるでしょう。
そんな前節を無駄にしたくないところですが、今節はクラブ記録タイとなっている5連勝中の岐阜。
まさに絶好調のチームではあり…難しい戦いが予想されますが、ここで良い試合ができれば残留に向けて大きな自信になるかもしれません。
今回はそんなFC岐阜戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
FC岐阜
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 茂木秀 |
DF | 3 | 野澤陸 |
20 | 加藤慎太郎 | |
22 | 文仁柱 | |
55 | 外山凌 | |
MF | 10 | 北龍磨 |
16 | 西谷亮 | |
39 | 泉澤仁 | |
97 | 福田晃斗 | |
FW | 18 | 山谷侑士 |
25 | ブヴィク ムシティ オコ |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | セランテス |
DF | 5 | 石田崚真 |
40 | 平瀬大 | |
MF | 14 | 生地慶充 |
15 | 山田直輝 | |
28 | 箱崎達也 | |
FW | 9 | ドゥドゥ |
27 | 横山智也 | |
29 | 川本梨誉 |
岐阜は前節から3枚を入れ替え。
生地慶充、箱崎達也、川本梨誉に代わって、文仁柱、福田晃斗、ブヴィク ムシティ オコがスタメン起用となった。
ベンチを見ると松本歩夢が外れたのみ(文が前節ベンチ外だった)となっている。
毎度書いている気がするが、個人的な注目はGKの茂木秀。
2023年シーズンよりFC岐阜へ完全移籍となり、ついにセレッソ大阪から放出された形にはなるが…C大阪U-23時代の活躍が忘れられないのである。
あの頃の活躍は2019年の、U-20ワールドカップ日本代表への招集が示していると言えるだろう。
凄い良いキーパーであり将来も期待できると思っていたのだが…伸び悩んでいると言わざるを得ないか…。
まだ26歳であるので、今後の成長に期待したいところ。
他には甲府などのイメージが強いが、33歳となった今でも怖さを見せる泉澤仁。
中盤の選手ながら7ゴールと、チーム得点ランキングトップにいる北龍磨などが注目選手となるだろう。
ベンチを見ると、最近出番は少ないものの…まだまだ怖い存在と言えるドゥドウ。
7月の加入からコンスタントに出場機会を得ている、元群馬の川本梨誉。
さらには開幕2節以外はコンディション不良もあって出場機会がなかったが、前節からベンチ入りした山田直輝も怖い存在。
彼も天才と呼ぶにふさわしいプレーヤーだったのだが…怪我に泣かされたイメージが強いか…。
上からピッチを俯瞰しているとしか思えないようなプレーをする選手で、個人的には大好きなプレースタイルであった。
細貝萌社長のコネで群馬に呼べないだろうか…なんて思ったりもする。
(予算とか戦術面とかは一切考えていないが)
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
36 | 安達秀都 | |
43 | 野瀬翔也 | |
MF | 7 | 西村恭史 |
33 | 櫻井文陽 | |
37 | 瀬畠義成 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
14 | 菊地健太 | |
20 | 下川太陽 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 30 | 小柳達司 |
MF | 5 | 山口一真 |
8 | 山内陸 | |
15 | 風間宏希 | |
35 | 玉城大志 | |
49 | 小竹知恩 | |
FW | 32 | 河田篤秀 |
38 | 小西宏登 |
群馬は前節から1枚を入れ替え。
田中翔太に代えて高橋勇利也がスタメン起用となった。
田中はそのままベンチ外となり、他には中野力瑠と藤村怜が外れ、小柳達司と河田篤秀がベンチ入りとなっている。
注目はやはりしばらく出場がなく怪我ではないかと思っていた勇利也の復帰。
これにより勇利也が左のCBに入り、菊地健太がワイドに上がると思われるが…これで健太としてはより自分の良さが活かせるのではないだろうか?
また勇利也の離脱中はこの左CBの役割も多少異なってきており、これまで同様に勇利也は頻繁にゴール前まで上がるのかどうかも注目したいところである。
他には再びスタメン起用となった青木翔大と、安定して良いプレーをしている櫻井文陽にも注目。
ベンチでは前節の同点弾を挙げた山口一真だろう。
スタメン起用もあり得るかと思ったが…やはりまだコンディションが万全とは言えないだろうか?
また出場停止明けの河田篤秀も注目したい。
以前、「青木はゴンであり河田はカズである」という旨の話を書いた。
抗議でのカードで出場停止となり、それが明けた今節だけに…いかにチームのためにプレーできるかというのを注目したいところ。
試合経過
【0~15分】今節は雨の降る中でのゲーム
前半は岐阜のキックオフでスタート。
この試合は雨が降り続ける中でのゲームとなった。
また岐阜は限定の3色ユニフォームを着用してのゲームとなったが…フォーメーション図は3色に対応できないためいつもの緑でお茶を濁させて頂くこととする。
岐阜のキックオフだったために最初からよくわかったが、この試合の群馬は明確に5-3-2で守備をセット。
前節も青木翔大と西村恭史の2トップ気味で守備をしていたが、この試合も再び同じ形となっているようである。
また、予想通りCBには高橋勇利也が入り、菊地健太がワイドになっている。
対する岐阜は4-4-2という形で表記をしたが、2トップと言うよりは1トップ1シャドーと言った方が正しいかもしれない。
攻撃時も守備時もブヴィク ムシティ オコが前になり、西谷亮がやや後ろでプレーしている。
8分、群馬が良い形でビルドアップを見せる。
高橋勇利也が引き出すと、菊地健太に広げる。
健太がダイレクトで低いクロスをゴール前に送り込むと、ここに青木翔大が抜け出していたが…惜しくも通らずに先にクリアされてスローインとなってしまう。
12分、野澤陸からロングボールが送られると、落下点には高橋勇利也が入っていたものの…後ろから山谷侑士に押されボールにチャレンジできず。
山谷がボールを回収すると、一度後方の外山凌に下げる。
外山がダイレクトでクロスを送り込むと、ブヴィク ムシティ オコが頭で合わせるも、これは枠の上に外れていく。
【15~30分】素晴らしいパスワークからの先制弾
20分、いつも通り群馬が下からビルドアップを見せる。
近藤壱成からのパスを安達秀都が下りてきて引き出すと、一旦そのまま後方の大畑隆也へと下げる。
大畑がダイレクトで瀬畠義成にパスを入れると、瀬畠もダイレクトで左前方に叩いて高橋勇利也へ送る。
勇利也もダイレクトでDF裏のスペースにスルーパスを送り込むと、ここに抜け出した西村恭史がボールを少し運んでからゴール前の青木翔大へ。
青木がこれを丁寧に流し込んで、素晴らしい形でゴールを奪うことに成功する。
西村のパスはピンポイントではあったが、ややバウンドしており…決して簡単なシュートではなかった。
ここはさすが青木といったところ。
また根本的には岐阜のDFラインが乱れていたことが要因ではあるが、群馬がダイレクト3本と素早く繋いだことがこれにつながったと言える。
やや理解できないのが…加藤慎太郎はなぜ勇利也のところに食いついてしまったのか…。
また外山凌もラインが上げられておらず、これで空いたスペースに西村と青木が飛び出していく形となったと言える。(もちろん菊地健太が裏を狙って外山のラインを下げさせたという面もある)
が…まぁいつもの群馬であればダイレクトが続かずにもう少し時間がかかり、勇利也のところにプレスが間に合って後方に下げて作り直し…となっていたとも言えるかもしれない。
逆に言えばそれだけ(特に)瀬畠のダイレクトが効いたと言えるだろう。
23分、右サイドの深い位置で下川太陽がボールを受けると、足下を見せて狭いスペースを縦に持ち出してクロスを供給。
これを青木翔大が頭で合わせるが…ややボールが高かったか、身体が伸び切った状態となり枠の上に大きく外れてしまう。
30分、福田晃斗のロングボールにブヴィク ムシティ オコが抜け出すと、これに飛び出した近藤壱成と接触する形で転倒。
ここで主審の笛が鳴りPKの判定となってしまう。
リプレイを見るまでもなく…近藤がボールに触ってからオコと接触したように見えるが…。
リプレイが流れるが…やはり近藤はボールに触ってからオコと接触しており、ファールを取るならばオコのキーパーに対するチャージ(キーパーチャージというものは当の昔に無くなっている)の方ではないだろうか。
しかし結果的に主審と副審が協議を行い、結果としてPKを取り消してドロップボールでの試合再開となった。
この辺りは後ほど。
【30~45分】守り切れず同点に追いつかれる
36分、岐阜に猛攻を受ける。
最後はクロスの落下点で高橋勇利也が外山凌に潰される形となり、外山のファールで難を逃れることとなる。
しかしこの時の守備対応は今一つと言わざるを得ず…特に西村恭史がマークのスライドでサイドに移った際に、その後のスライドをサボったのが大きな要因。
サボった…と言うよりは、中央の選手でありスライドしてきたためにそこまで意識が向かなかった…が正しいかもしれない。
しかし下川太陽と位置を入れ替える形となっており、あの場面ではそのまま西村がサイドの深いところまで守備をするべきであった。
40分、岐阜が右からのコーナーキックを得る。
北龍磨が低いボールを入れていくと、これを西谷亮か?が合わせたが、これは近藤壱成の正面となる。
シュートも完全にミートしたとは言えず、ここは助かったと言える。
46分、再び岐阜が右からのコーナーキックを得る。
北龍磨が今度はファーに送ると、これを野澤陸が頭で合わせて同点に追いつかれてしまう。
相変わらずのセットプレーの弱さ…としか言えないが、根本的にはこの時間帯の岐阜の猛攻を耐えきれなかったと言えるだろう。
幸先よく1点を取ったためか、どうにも重心が後ろに重くなっており…中盤が間延びしている状態が続いていた。
残留に向けて守備をしっかりと構築し、後ろ5枚を基本とするのは良いだろう。
しかしその後の意思疎通がしっかりとできておらず、今まで通りに奪ったら多少無理にでもパスを繋いで組み立てるのか…それともセーフティにクリアしてセットし直すのか…。
【45~60分】つまらないミスが続く
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの交代はなくリスタートとなった。
46分、中央で青木翔大が潰れることでチャンスを作る。
青木のところはファールであったが、こぼれ球を右サイドの下川太陽にボールを繋いだことでプレーオンの判断に。
下川がそのまま仕掛け、カットインから左足を振り抜いたが…これはボールを受けにゴール前に入った櫻井文陽に当たってゴールキックとなってしまう。
50分、櫻井文陽から菊地健太へのパスが通らず、外山凌がインターセプトから縦の西谷亮へ送る。
西谷の折り返しを北龍磨が合わせるが、これは枠の左に外れてくれて助かる形となった。
51分、群馬のスローインでのリスタートだったが…下川太陽のスローインが短く、安達秀都が触る前に泉澤仁に突かれてしまう。
これが文仁柱に繋がると、ゴールライン際から低いクロスを供給。
ここに山谷侑士が飛び込んだが、これは枠の上に外れてくれる。
57分、右サイドでボールを受けた下川太陽が、カットインから中央でフリーになっていた西村恭史へパスを送る。
このパスがやや弾んだこともあり、西村が収めきれず…トラップが流れる形となり福田晃斗が山谷侑士に繋ぐ。
山谷がそのままゴール前まで運び、自らシュートを選択するが、これは近藤壱成が触ってコーナーキックとなる。
素晴らしいカウンターではあったが、群馬の守備対応も悪くはなく…それが故に最後は自分で打って終わるという選択肢となったと言えるだろう。
気になるのは西村なのだが…このプレー以外にもどうにもこの試合は疲れと言うか…精彩を欠く印象がある。
連戦ではないものの、(恐らく)群馬で最も出場時間が長いという影響もあるのかもしれない。
この時間帯はほとんどが自分達のミスからピンチを迎えた形であったが、それ以外にもミスが目立つ時間と言えた。
出し手と受け手の意図が合わないシーンが多く、意思疎通が上手くいっていないのか…焦りからプレーが雑になっているのか。
降格が目前に迫ってきているにもかかわらず、監督は自分のやり方を変えない…などという声も聞かれるが、個人的には前節の相模原戦から少し戦い方を変えていると思う。
もしかしたら戦術を少し変化させたことで、選手間の連携が上手くいっていないのか…。
【60~75分】交代は早かったが…
64分、群馬ベンチが先に動く。
下川太陽に代えて小西宏登、西村恭史に代えて河田篤秀、瀬畠義成に代えて山内陸を投入する。
交代はいつもより早かったかもしれないが…この交代はやや首を傾げるものである。
青木翔大を下げて河田を入れる…という愚策ではなかったが、前節結果を出した山口一真や攻撃のカードである小竹知恩を温存したのが気になるところ。
特にここは怪我明けから本調子とは言えず、むしろ悪さが目立っている小西を投入するというのが理解できない。
恐らく監督の考えとしては、菊地健太を下げたくなかったと思われる。
現時点で同点であり、もう1点取って勝点3は欲しいものの…逆に奪われて勝点0というのは避けたい…という意識から攻守の枚数を変えられなかった…のではないだろうか?
そのため攻撃のカードを入れるには攻撃的なWBである下川側の交代となり、(健太を右に回せないため)右ができる小西の投入となった…のだろう。
(山口も小竹も左側のプレーヤーと言える)
72分、左からのコーナーキックを得ると、キッカーは河田篤秀。
河田からのボールを野瀬翔也と加藤慎太郎が競り合い、結果的に加藤が頭でクリアした後に野瀬の頭が加藤の頭に当たってしまう。
これがファールの判定となったが、更にはイエローカードも出されて野瀬は次節出場停止。
ファールは妥当だが…個人的にはちょっとイエローは厳しいのではないかと思うのだが…。
75分、先ほどの野瀬翔也との接触で加藤慎太郎は脳震盪の判断となり、この時間までプレーは再開されずにそのまま担架でピッチを去ることとなってしまう。
加藤の治療のために時間がかかったこともあり、岐阜は交代カードを用意しプレー再開に間に合わせる形となった。
加藤慎太郎に代えて平瀬大、ブヴィク ムシティ オコに代えて川本梨誉、山谷侑士に代えて横山智也を投入する。
この時間帯はあまり動きのない展開となったが、どちらかと言えば岐阜ペースでゲームは進んだと言える。
相変わらず重心が後ろに重く、受けに回ってしまっている…と言えるだろう。
それを打破するべく小西宏登や河田篤秀といった攻撃のカードを入れたのだろうが…ここは結果やメンタル面から山口一真を入れて欲しかったところ。
(しかし河田はいつも以上に積極的に守備からプレーしていて好印象ではある)
【75~90分】ミドルシュートに沈む
80分、群馬のフリーキックでのリスタートだったが…安達秀都が左サイドに大きく蹴ったボールは繋がらず。
横山智也がインターセプトから持ち運ぶが、ここは山内陸が良い対応を見せてスローダウンさせることに成功。
しかし横山から福田晃斗、外山凌と繋がれ、外山は出し所が見つからずに下げる選択となったようだったが…外山からのパスを受けた文仁柱が豪快にミドルシュートを叩き込んで逆転を許してしまう。
外山が北龍磨を飛ばして文に繋いだことで、安達秀都が間に合わなくなったが…なぜここに誰もいなかったのか?
安達が全力で走れば確かに間に合ったかもしれないが…安達としては「なんでここ誰も出てこないの?」という感じだっただろう。
要因の1つは河田篤秀が帰ってこなかったことだろうが、これは奪い返した後の攻撃の起点となるため前線に残ったとも言え、批判されるプレーではない。(同点でありカウンターから1点を狙う判断はアリである)
もう1つは前線に上がっていた高橋勇利也がそのまま最終ラインに戻ったこと…であろうか。
最初外山がボールを受けたところでは勇利也が正面に立って対応したが、菊地健太が戻ってきたことで本来のポジションである左CBに戻ってしまう。
しかしこのポジションは最前線から必死で戻った青木翔大が埋めているのである。
勇利也が戻ってきたことで青木が慌てて2列目(ボランチのライン)に上がるが、このタイミングでは既に文には当たれる距離にない…となってしまった。
結果論ではあるが勇利也がそのまま2列目を埋めていれば、安達はもっと右にポジションが取れており、文に対応できただろう。
この辺りは可変システムの弊害とも言え、(現群馬では)勇利也が神出鬼没にゴール前に姿を出すことで相手チームはマークが難しくなるのは事実。
しかしひっくり返された際に、本来のポジションではない位置にスライドして対応する必要が生まれ、スライドミスやポジションの重なり(により穴が開く)が起こってしまうと言える。
可変システムは練習から様々なシーンを想定して徹底的に叩き込むか、サッカーIQの高い選手ばかりが集まらないとなかなか機能させるのは難しい。
(群馬では恐らく…圧倒的に守備を想定した練習が足りない)
82分、群馬ベンチが動く。
菊地健太に代えて山口一真、安達秀都に代えて玉城大志を投入する。
健太は及第点以上のプレーを見せていたし、比較的いつもサポーターの目にはやる気がないように見えているようだが…今節はかなり気迫を感じさせてくれた。
対して安達は…西村恭史同様に今節は精彩を欠いた印象が強い。
安達もこれが12試合連続スタメンであり、8試合でフル出場。
4試合は途中交代ではあるが、比較的終盤までプレーしており…疲れが蓄積しているのか…という感じであった。
ちなみに山口だが、場内実況で名前を呼ばれると岐阜サポーターからブーイングの嵐。
試合前の選手紹介でも大ブーイングで迎えられていたが…山口は岐阜にいたことはないハズ…。
後から調べると、昨シーズンの松本山雅時代に、同点ゴール後に岐阜サポの前まで行きゴールパフォーマンスを行ったようである。
84分、岐阜ベンチも動く。
泉澤仁に代えて山田直輝を投入。
87分、群馬が最後の交代を使う。
櫻井文陽に代えて小竹知恩を投入するが、これで群馬の交代は6枚目。
やはり加藤慎太郎の負傷退場は脳震盪として処理されており、両チームともに交代枠が1つ増えているようである。
この交代により小竹は左のWBに入り、山口一真が櫻井のいた左のインサイドハーフに入ることとなる。
95分、岐阜が最後の交代枠を使う。
北龍磨に代えて生地慶充、西谷亮に代えてドゥドウを投入する。
こうして逆転を許してからも決定機らしい決定機は作り出せずタイムアップ。
岐阜のチーム記録となる6連勝を達成させてしまうこととなった。
ピックアップポイント
30分、PKが取り消されたシーン
今回は20分の先制ゴール、もしくは80分の逆転ゴールを取り上げようかと思っていた。
どちらもロジックとして説明が可能であり、点が入るべくして入ったシーンと言えるため解説にはもってこいのゴールである。
が、「PKの判定が取り消される」というのもかなり珍しいのでこちらを取り上げたい。
代わりと言っては何だが、両ゴールは試合展開の中でそれなりに詳しく書いてみたつもりである。
さてこの30分のシーンだが、福田晃斗からDFライン裏にロングボールが出され、ここに飛び込んだブヴィク ムシティ オコと近藤壱成が接触したことでPKの判定となったもの。
試合展開の中で書いたように、近藤が先にボールをパンチングした後に両者が接触しており、正確にはノーファールとするか…ファールであればオコのファールが妥当なシーンであっただろう。
ではなぜ主審は(結構自信を持って)PKの判定としたのか?
恐らくロングボールに対して走った形となったため、オコの背中越しで接触のシーンが見えなかったと思われる。
そのために近藤がオコを倒した形に見えたのだろう。
近藤は抗議をし、その後で高橋勇利也が積極的に状況を説明したが…当然抗議で判定が覆ることはない。
キャプテンである青木翔大も何か主審と会話をしているようであったが、新しいルールであるキャプテンオンリーも恐らく関係がないと思われる。
恐らくコミュニケーションシステムで副審から何らかの指摘が入ったものと思われ、主審は副審の下に向かい協議。
この際にはまだ何も決定しておらず、そのために一度青木に対して離れるように指示を出している。
(主審と副審の協議は、選手は聞くことができない)
主審と副審がどのような会話をしたのかはわからないが、恐らく副審が「近藤が先にボールを触っている」ことを主審に助言したのだろう。
他の部分も双方で擦り合わせ、結果として「じゃあ群馬のファールじゃないね」ということになったと思われる。
ちなみに再開方法がドロップボールであったことから、近藤はもちろんだが…オコのファールでもないということになる。
つまりはノーファールのジャッジであり、主審がゲームを笛で止めたのでドロップボールでの再開…という形である。
PKの判定が覆る…というなかなかセンセーショナルなシーンではあったが、主審の岡宏道さんが両チームに丁寧に説明したこともあり、両チームともに大きな不満はなくリスタートできたと言えるだろう。
岡主審はなかなかに誤審であったが、その後の対応は素晴らしかったと言える。
岐阜としてはPKが取り消されただけに、当初はそれなりに抗議をしていたように見えるが…しっかりと説明を受けて(納得したかはわからないが)引き下がっている。
最後のドロップボール前で泉澤仁が何を主審に言っていたのかは…これだけはちょっとわからない。
その前でも岐阜の選手の中では泉澤が1番熱くなっていたように見え、青木翔大になだめられていたシーンもあったため…泉澤としては納得できていなかったのかもしれない。
さてドロップボールでの再開だが、これは先ほど少し書いたようにノーファールの判定となったためにドロップボールでの再開となっている。
なぜ群馬ボールなのかと言うと、近藤がパンチングしにいってこぼれたボールは大畑隆也がクリアしたからである。
つまり笛が鳴った時点でボールを保持していたのは群馬側(大畑)となるため、リスタートも群馬ボール…ということになる。
審判というのは誤審ばかりが取り上げられ、なかなかに大変な職業であろう。
今回もハッキリ言ってしまえば誤審ではあったが、その後チームプレーでしっかりと正解に持っていったことは高く評価するべきことではないだろうか?
Jリーグのレベルアップのためには審判のレベルアップが必須であり、審判のレベルアップのためには審判の地位向上が大事だと思っている。
そのため、(大した影響力は持っていないが)今後も審判団のファインプレーは積極的に取り上げていきたい。
MOM
この試合のMOMは青木翔大としたい。
もはや言うことはない。
これで今季6ゴールとなるわけだが…正直この出場時間からすればかなりのものとなる。
データを確認してみたが、90分での平均得点は0.458となっており、ランキングに載っている選手では12位だろうか?
個人的にはかなり青木は不遇な扱いを受けてきたと思うが…ではどのくらいの出場時間が妥当だったかと言われると難しいところ。
この試合終了時点で1,179分の出場時間となっているようだが、2,000時間くらいが妥当だっただろうか?
途中ジェヒにポジションを奪われた近藤が1,999分、離脱のあった勇利也が1,987分、(恐らく)最も試合に出ている西村が2,470分である。
仮定の話に意味はないかもしれないが、青木が2,000時間出ていれば今の平均得点数から計算すると10ゴールとなる。
10ゴールというのは現在のJ3の得点ランキングでいうと3位タイである。
宮崎の橋本啓吾が17ゴールと飛び抜けているが…十分に得点王争いに絡めそうな数字になりそうではないか。
開幕前には「得点王を狙う」というコメントもあったが、しっかり起用されれば得点王に絡めた可能性が高い。
髙澤優也が離脱し、中島大嘉が再び怪我ということで…チャンスが廻ってきたと言えるが、是非とも残りの試合も大暴れしてほしいところである。
他は特に取り上げるべく選手はいないだろうか。
本文内で書いたように、西村恭史と安達秀都はコンディションがあまりよく無さそうであった。
また交代で入った小西宏登もコンディションがなかなか戻らず、先ほどの青木の話も含めて(シーズンを通してのことだが)人選に疑問が残ると言える。
前節ゴールを決めた山口一真はアディショナルタイムを含めても15分程度。
小竹知恩は10分弱と…いったい何をしろと言うのか。
まぁここが後手になったのは本文内で書いたように、攻守のバランスを崩したくなく…守備的なWBである健太を残したかったが故に左サイドの選手を変えられなかったのだろうが…。
逆転を許さず、山口や小竹投入後に得点を奪って再び勝ち越していれば采配大当たりであり…結果論でしかないのは事実。
だが…どうにも裏目裏目になってしまっている印象が強い。
コメント
コメントはありません。