※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第4節はホームに愛媛を迎えての試合となります。
先週に引き続きホームでのゲームとなり、前節とは違い1週間空いたことでしっかりと準備を進めてこれたでしょうか?
愛媛と言えば昨シーズンのJ3王者であり、石丸監督の3年目となっています。
深堀隼平をレンタルで出していたクラブで、ハットトリックの大活躍…なども記憶に新しいところですね。
また、群馬にもレンタルで所属していた吉永昇偉が在籍していましたが…今シーズンは宮崎に移籍しています。
ここまでリーグで勝てていない群馬ですが、J3王者を相手にJ2の意地を見せたいところ。
今回はそんな愛媛戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 大畑隆也 | |
24 | 酒井崇一 | |
36 | 中塩大貴 | |
MF | 6 | 天笠泰輝 |
15 | 風間宏希 | |
FW | 8 | 髙澤優也 |
10 | 佐藤亮 | |
17 | 山中惇希 | |
40 | 佐川洸介 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
MF | 29 | 田頭亮太 |
35 | 玉城大志 | |
FW | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
7 | 和田昌士 | |
23 | 平松宗 | |
41 | 永長鷹虎 |
群馬は前節から2枚を変更し、山中惇希と佐川洸介をスタメンで起用。
これでネットなどで散々言われてきた佐川が待望のスタメンとなるのだが…個人的には今の群馬の戦術では守備に追われて持ち味半減とならないかが不安なところ。
また前節スタメンだった和田昌士がベンチからとなったが、杉本竜士はベンチ外ということに。
確かに不調気味な感じはあったものの…いきなりベンチ外というのは少し驚いた。
ベンチと言えば今節は藤村怜ではなく玉城大志が入る形になっており、更には川上エドオジョン智慧が復帰。
クラブから怪我などの発表が無いままに姿が見られていなかっただけに心配だったが、どうやら軽症などで調整が遅れてこのタイミング…という感じだろう。
いきなりのスタメンは無かったが、果たしてエドをどこで使うのか…というのも注目ポイントになりそうである。
愛媛FC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 36 | 辻周吾 |
DF | 4 | 山口竜弥 |
19 | 尾崎優成 | |
33 | 小川大空 | |
37 | 森下怜哉 | |
MF | 8 | 深澤佑太 |
13 | 窪田稜 | |
14 | 谷本駿介 | |
17 | 茂木駿佑 | |
25 | 石浦大雅 | |
FW | 10 | 松田力 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 徳重健太 |
DF | 21 | パク ゴヌ |
MF | 18 | 菊地俊介 |
24 | 佐藤諒 | |
28 | 浜下瑛 | |
FW | 9 | ベン ダンカン |
27 | 船橋京汰 |
対する愛媛は前節からスタメンは変更無し。
ベンチは2枚が変更となっており、谷岡昌と曽根田穣に代わってパク ゴヌと浜下瑛が入る形に。
「パク ゴンってまたJに戻ってきたのか?」と思ったが、よくよく見たら別人であり残念なところ。
一応補足しておくと、以前パク ゴンという選手が群馬に在籍しており…個人的にかなり好きな選手であった。
そんな愛媛だが深堀隼平と吉永昇偉は今シーズンは在籍していないのは冒頭で触れた通り。
今シーズンは若手を中心に補強しているものの、意外と完全移籍も多いのが印象的か。
この試合でも神戸の尾崎優成、岐阜の窪田稜、徳島の浜下瑛などがメンバー入りしている。
東京Vの石浦大雅は今シーズンから完全移籍となったようで、愛媛としてはかなり大きな補強になったのではないだろうか?
試合経過
【0~15分】変わらぬ序盤 上がらぬライン
前半は愛媛のキックオフでスタート。
コイントスは群馬が勝ったようで、どうやら前半風上を選択した様子。
前節ほどではないものの、今節も群馬らしく時折吹く突風がゲームに影響を与えそう。
注目の佐川洸介のスタメン起用ということで、まずは立ち位置がポイントだが…どうやら佐川が右側、髙澤優也が左側にいるようである。
攻撃時には佐川がワントップ気味になり、髙澤が左側に降り、右側には佐藤亮が入ってくる形に見える。
いつもの可変システムではあるが、序盤は佐藤が内側のレーン、大畑隆也が外側のレーンか。
また守備時にも2トップが普段よりはやや縦関係にも見え、佐川が前目にいるようにも見えるが…これは今節は相手が4バックというのもあるだろうか?
開始5分で櫛引政敏の「上げろ上げろ」という声が目立ち、非常に重心が後ろに重くラインが低くなっているのが気になるポイント。
ルヴァン杯を除くと昨シーズンから何試合勝てていないのか…という状況であり、今シーズンは自慢の堅守も鳴りを潜めてしまっており…という状況が見事に表れているように見えてしまう。
しかし10分、後方からのビルドアップで最終ラインからボールを引き出した天笠泰輝が前を向いて運ぶ。
フォローも遅く、出し所が無くなってしまうも…奪われることなく一度後方の大畑隆也に下げる。
大畑から一気に左サイドに長いボールが送られるが、これは山中惇希には合わず…。
いや「合わず」と言うよりは山中が「感じていなかった」が正しいだろうか?
天笠はこのように前を向くことができるわけで、もっと前を向いて積極的に攻撃を作っていくシーンを増やしたいところ。
簡単に下げて3CBでパスを回して…パストラップが乱れて追い込まれるシーンが目立つだけに、前を向ける時に前を向きたい。
また大畑のロングフィードは見事であり、走力は魅力ではあるものの…やはり彼はCBの選手だろう。
12分、谷本駿介がドリブルで運び、中の松田力にパスを送るとこれをヒールで後方に。
これを受けた深澤佑太から右サイドに展開し、受けた尾崎優成がゴール前にクロスを送る。
ファーに入った茂木駿佑は超えてしまったものの、その奥で松田が見事なトラップからシュートまで持ち込むもポスト直撃。
こぼれ球を直接打たれるも、これは枠外に外れて難を逃れる形に。
今にして思うと…このシーンも失点シーン同様に群馬の穴と言うか、狙われていたポイントがわかる。
【15~30分】前節も見たような失点シーン
16分、左サイドで茂木駿佑がボールを受けるとインナーラップした山口竜弥を囮に、内側の松田力を使う。
松田とのワンツースリーで軽快にボールを回し、松田からインナーラップ後に外に開いた山口へ。
松田が山口から再びリターンを引き出すと、縦に抜けた谷本にスルーパスを通し、これをダイレクトでゴール前に。
中塩大貴が必死のスライディングでやや触ったこともあってか、深澤佑太はダイレクトで打てずワントラップからシュートに。
櫛引政敏がスーパーセーブを見せるも、こぼれ球を深澤に押し込まれて早い時間に先制を許してしまう。
先ほどの12分のシーンと同様に、深い位置まで入られるとぽっかりとPKスポット周辺が空く…のが今シーズンの群馬のウィークポイント。
失点したくない気持ちが強いためラインが下がってしまい、ゴール前には人がいるものの…全員がそこにいるためPKスポット付近が空いている。
26分、やや自陣に入ったところでファールを与えると、これを蹴るのは茂木駿佑。
風を考えて蹴ったのが裏目に出たか?やや長すぎたボールはファーサイド、ゴールラインギリギリで窪田稜が折り返すも風間宏希がクリア。
しかしこれを頭で繋がれると、受けた石浦大雅が良いトラップで山中惇希を剥がしてミドル。
素晴らしいミドルシュートだったが、これは枠を外れてくれて助かる形に。
【30~45分】追いつきたかった前半
34分、右サイドを大畑隆也が仕掛けクロスまで持ち込む。
これをファーサイドで山中惇希が頭で合わせるが、これは枠の上に飛んでしまう。
最後の精度…ではあるが、両WBが高い位置で絡むという意味では良い攻撃ではあった。
36分には再び群馬が攻撃を作り、右サイドで酒井崇一がゴール前に放り込む。
ここで髙澤優也が倒されるもノーファールの判定となり、髙澤が立てないこともあり一度プレーが止まる。
髙澤としては当然納得いかないようで、主審と色々話をしているが…最終的に納得できずに終わったように見える。
このシーン自体は正直微妙なシーンであり、群馬ファンとしてはPKを取ってもらいたいが…まぁ無くてもわかる。
しかしこれ以前に今日の主審はかなり怪しいシーンも多く、なかなかレフェリーというのは難しいものである。
とは言えこのシーンでクロスを上げているのが酒井であり、両CBが高い位置まで攻撃参加できているのは好ポイントか。
また酒井は自らドリブルで運ぶことを試みたりと、チームとして色々と試している様子はわかると言える。
主審が怪しいと言えば…40分には左サイドに流れた髙澤優也が抜け出した際に倒されたシーン。
ファールは取ってもらったがカードは無く、1番近くにいた山中惇希が「カードは?」のジェスチャー。
群馬サポ…という贔屓目はあるかもしれないが、これはカードを出してほしかったところ。
41分、このフリーキックのキッカーは佐藤亮。
ニアに送られたボールを酒井崇一が後方にフリック。
そのままファーサイドまで抜けたところに髙澤優也がダイビングヘッドで飛び込むも、これがポスト直撃となってしまう。
キーパーの方に行ってしまわないように、右サイドに飛ぶように頭を振ったのだろうが…やや振り過ぎたか。
むしろ当てるだけのヘッドの方が入ったようにも見え、髙澤がヘディングが得意な事が裏目に。
こうして前半最後のビッグチャンスを決めきれず、1点ビハインドのまま後半を迎えることとなった。
【45~60分】今日も冴える櫛引のセーブ
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの交代は無くリスタートとなる。
53分、左サイド高めの位置でスローインを得ると、中塩大貴がロングスローを選択。
これは跳ね返されるが、こぼれ球を風間宏希がダイレクトでシュートを放ちコーナーキックを獲得。
やや下がりながら…という難しい体勢ながらも枠に飛ばした風間は見事であったが、ゴールを決めきるにはやはり難しいボールだった。
55分、山中惇希から髙澤優也へのパスが奪われてしまう。
深澤佑太から石浦大雅に繋ぐと、石浦がドリブルで運び城和隼颯と酒井崇一の間を抜ける松田力にスルーパスを送る。
やや足元に入ったこともあってか?松田はシュートではなくそのまま左サイドに流すことを選択。
ここに茂木駿佑が入り込みシュートを放つも、抜群の飛び出しを見せた櫛引政敏が目に入ったか…枠を外してしまう。
いやぁ…凄い、あの一瞬でかなりハイレベルの攻防が繰り広げられた。
石浦が運び出してからの松田のコース取りは素晴らしいし、パスが出てから「打てない」「左に流す」という判断も早い。
松田のところでしっかり我慢して、その先の茂木のところに一気に距離を詰めた櫛引の動きも素晴らしいの一言。
群馬サポとしては…このシーンが完全に左サイドに追い込まれて…狙われていたわけでありピンチであり喜ばしいことではないが、素晴らしいシーンを見た気がする。
56分、再び中塩大貴がロングスローをゴール前に投げ込むと、こぼれ球を大畑隆也が佐川洸介に頭で送る。
これを佐川が粘り、やや強引にシュートに持ち込むと佐藤亮に当たりコースが変わってゴール方向に。
しかし回転が悪く…ゴールから離れていく形となり外れてしまう。
バウンドした際にかなり逃げたから…佐藤に当たった時にかなりスピンがかかってしまったのだろう。
57分には愛媛のチャンス。
谷本駿介が3枚を引きつけてから左サイドの山口竜弥に展開。
ドリブルで運び中央の窪田稜にグラウンダーでパスを通すと、窪田がダイレクトで左に流す。
これを茂木駿佑がシュートするも、櫛引政敏が残した左足でファインセーブを見せる。
こぼれ球を回収され、遠めから打たれるもこれは枠を外れてくれ助かる形に。
58分、右サイド深くまで使われ窪田稜のクロスを許す。
ニアに飛び込んだ石浦大雅は触れず、その奥で城和隼颯に当たって跳ね返るも深澤佑太が回収し、谷本駿介に落とす。
谷本はミドルと見せかけると楔のパスを石浦に通し、松田力に落とすと松田も谷本に落とす。
谷本が低く抑えた良いシュートを放つが、これは櫛引政敏がセーブしてコーナーに。
え?なんで石浦オフサイドじゃないの?なんで中塩残ったままなの?
…とにかく今シーズンはラインを上げるのが遅い。
しかし愛媛は流れるようなパスワークで、本当に良いチームである。
群馬のキーパーが櫛引じゃなかったらもう2,3点取れているだろう。
【60~75分】天笠の退場でプラン修正
61分、天笠泰輝のトラップがやや長くなったところを茂木駿佑に狙われ…足を伸ばしたところでファールの判定。
これに2枚目となるイエローカードが出され、天笠が退場となってしまう。
これは妥当なカードであり退場は止む無しではあるが…軽率と言うか、ずっと狙われているのココ。
この辺りは後ほど。
63分、群馬が交代に動き、佐藤亮に代えて平松宗、髙澤優也に代えて玉城大志を投入する。
この前から永長鷹虎が準備していたが、天笠泰輝の退場を受けてプランを変更した様子。
しかしボランチに入ると思われた玉城が右サイド、佐藤のいた位置に入り…ボランチには平松が入るようである。
1枚足りないので佐川洸介がワントップとなり、4-4-1という形であろう。
点が欲しいので高さとターゲットになれる平松の投入はわかるが…ボランチに入れるなら鷹虎をそのまま右に入れれば良かったのでは?と思うが…。
65分には佐川洸介に当てたボールが収まらず、逆に一気に長いボールでカウンターを受ける。
これが城和隼颯の頭を超えてしまうが、必死で打たせずコーナーに逃れる。
この試合では初かもしれないが…城和の頭を超える、というシーンが多いのが気になるところ。
69分には群馬の攻撃のチャンスとなるが、山中惇希のクロスはキーパーが飛び出して処理されてしまう。
71分、左からのコーナーキックは城和隼颯が跳ね返すが、こぼれ球を石浦大雅に合わせられてしまう。
櫛引政敏がビッグセーブを見せコーナーに逃れる。
72分、愛媛も動き茂木駿佑に代えて佐藤諒を投入。
75分には群馬が2度目の交代を使い、山中惇希に代えて川上エドオジョン智慧を投入する。
山中はせっかくのスタメンのチャンスとなったものの…活かしきれずとなってしまったか?
杉本竜士の時に比べると左サイドでボールに絡むシーンと言うか、ボールを引き出すシーンが多かったが…持ち前の突破力は見せられず。
やはり後半途中出場の時と違い、スタート位置の低さや消耗というのが山中の突破力を削いだ印象。
もちろん左側…縦にしか仕掛けられないので、対策されて左を切られているのもあるが…。
【75~90分】パワープレーも実らず
77分、櫛引政敏からのロングフィードを佐川洸介が落とすと、風間宏希が裏のスペースに向けて蹴り込む。
これは合わなかったものの、尾崎優成がクリアミスで空振りに近い状態となりすぐさま川上エドオジョン智慧が回収。
そのままドリブルで運び、グラウンダーのパスを佐川に入れる。
佐川がワントラップからシュートに持ち込むも、これはブロックされて大きくクリアされてしまう。
本当であればもうワンテンポ早いタイミングで佐川は欲しかった…のではないだろうか?
80分、愛媛が2度目の交代を使い石浦大雅に代えて菊地俊介、松田力に代えてベン ダンカン、尾崎優成に代えてパク ゴヌを投入。
相手チームのことではあるが、石浦と松田は非常に良いプレーを見せていた印象。
83分には群馬が最後の交代を使い、風間宏希に代えて和田昌士、中塩大貴に代えて永長鷹虎を投入。
これで後ろは完全に3枚となり、中塩の位置には大畑隆也が入ることに。
左側…ではあるが、これで本職のCB起用となる。
また大畑のいたところには鷹虎が入りWBとしてプレーすることになる。
この直後、佐川洸介と森下怜哉の接触で森下にイエローカードが出される。
これで2枚目となり森下は退場で…残り時間が10分少々ではあるが再び同数に。
正直ファールは問題無いが、カード出すようなプレーではないと思うが…。
85分、このファールで得たフリーキックを蹴るのは永長鷹虎。
城和隼颯が頭で合わせるも枠外となりゴールキックの判定も、城和本人はコーナーキックを主張。
覆らずゴールキックとなったため、このタイミングで愛媛は交代カードを使い谷本駿介に代えて浜下瑛を投入する。
88分、永長鷹虎がカットインからシュートを狙うも…これはキーパーの正面に。
こうしてゴールをこじ開けることができずにタイムアップとなった。
ピックアップポイント
群馬対策
今シーズンリーグ戦ではいまだに勝利のない群馬だが、遡ると昨シーズンの第39節を最後に7試合勝てていない。
(内訳は2分5敗)
その第39節の水戸戦こそ勝利したものの、そこから遡って5試合勝てていなかった(3分2敗)
このように完全に群馬対策を取られており、昨シーズンこそ終盤のためもはや仕方ないかと思った部分があったものの…まさか今シーズンも好転しないとは…。
監督が続投となり主力の多くが残ったことで、昨シーズンの良いところを引き継ぎ…群馬対策の上を行く戦術を構築してくれると期待していたのだが…。
超簡単に書くと、基本的に群馬対策はこんな感じである。
①3CBにはプレッシャーは与えつつも、それほど深く追わない。
②3CBからボランチに入るパスは出させても良いが、前を向かせない。
③またボランチから横には出させず、プレスをかけてCBに返させる。
④CBから外に広げたところを追い込み、後ろに下げさせるかボラへの横パスを奪う。
とにかくボランチが前を向いて受けられないのが問題であり、両WBの距離が遠い。
WBが降りてきてボールを受けるために、向きが後ろ向きであり前を向けない。
左側のシャドーが降りてきてボールを引き出すが、前を向けない。
昨シーズンの上手くいっていた時は、岡本一真と川上エドオジョン智慧が後ろ向きでボールを受けても前を向けたのが大きい。
もっと大きいのは長倉幹樹が良いタイミングで下りてきてボールを引き出し、そこから更に前を向けた。
長倉が前を向けるため、ここで初めて高い位置にいるWBが活きてきて、前向きでボールを受けて1対1で仕掛けられる…といった状態であった。
今シーズンは髙澤優也が想像以上に起用に立ちまわっているが、彼はやはりプレースタイル的にゴール前が主戦場。
長倉ほど上手くボールを引き出して捌けないが、ゴール前にいれば長倉より点を取るだろう。
更に言えば昨シーズンも書いたが、3CBの距離が近過ぎる。
意図を持って狭くしている…みたいな発言もあったように思うが、これが狭すぎるが故にビルドアップが上手くいっていないと思うのだが…。
狭いということは横パスで動かしても、最前線のFWが2度追い3度追い出来てしまう。
その後ろもしっかりとスライドして、WBとボランチを見ることができる状態が続くだけで…ボールは動いているものの崩せていないと言えるだろう。
またWBの距離が遠い要因の1つとしても、3CBの距離が近いから…というのはあるかもしれない。
最近はラインも低く、自陣深くでのビルドアップとなっているためにトラップやパスが乱れると即ピンチを招くという事態にも…。
丁寧なビルドアップにこだわり続けることは大事だが、例えば髙澤が降りてきたタイミングで山中がその裏のスペースを狙う…などの動きが欲しいところ。
画面に映っていないだけで実際には狙って動いているのだとは思うが、最終ラインからそこに向けたロングボールが一切無いのである。
通らなくても時折ロングボールで裏を狙う姿勢を見せるだけでも、守る側はやりにくくなると思うのだが…。
この辺りは大畑がフィットしていると言い難いのも要因の1つではあるだろう。
試合経過のところでも書いたが…走力は魅力だが彼はやはりCBの方が合っているように見える。
SBをやらせるにしても、このタスクが難しい可変システムではなくオーソドックスなSBのプレーだろう。
素晴らしいサイドチェンジなどもあったように、CBかオーソドックスに4-4-2のままならもっと機能する選手ではないだろうか?
それだけにエドが復帰した今、このまま大畑がこのポジションに入るのか次節はエドが入るのかは注目したい。
後ろ3枚はルヴァン杯でも起用したように枚数不足もあるため、ここを大畑含めて4枚で回せるのが理想だと思うのだがなぁ…。
MOM
この試合のMOMは櫛引政敏としたい。
特に言うことは無いだろう。
失点シーンも1つ目で奪われていてもおかしくなかったが、これをファインセーブで止めたあとに詰められたものである。
それ以外にも櫛引でなかったら何点取られたかわからないゲーム内容であった。
「ライン上げろ」の他にも「自分のプレーに責任持て」なんて発言もあり、言葉に語弊があるかもしれないが…正直櫛引を気の毒に思ってしまうレベルと言って良い。
ゴール前に人数かけて守っているが故に、逆に1人1人のプレーが軽くなっている…というのもあるのかもしれない。
他に触れたいのは佐川洸介。
まず最初に90分持ったのは良い意味で誤算だった。
運動量がありハイプレスができるタイプではないが、終盤もそれほど序盤と変わらず動いてくれた印象である。
しかし…やはり彼の良さを活かすならもっとロングボールや外からクロスを上げたいし、戦術としてやらないのであれば以前のように途中出場のキーマンとして使いたい。
どうしても今の戦い方だと守備に追われて消耗してしまって良さが出ない…という印象が拭えない。
髙澤優也も現状の上手くいっていないシステムかつ、得意なプレースタイルではないであろうプレーながら安定して高パフォーマンスを見せている。
惜しまれるのは決定機を決めきれなかったことか…。
最後に個人的に気になったのが玉城大志。
最初は右側に配置されあまり目立った印象は無かったが、途中から攻撃時には平松宗が前に出ることもあり徐々に中央でプレーするように。
ボランチが本職だから…ということなのだろうが、中央ではなかなか輝いていたように見える。
終盤で和田昌士と永長鷹虎が入ってからは、攻撃時には玉城のワンボランチ気味にプレーしていたか。
パス&ランが随所に見られ、矢印がしっかりと攻撃に向いていたのが好印象。
しかし60分を過ぎた時間と1点差という展開は忘れてはならないだろう…。
(愛媛もリードで引いていた部分もあり、比較的プレッシャーにさらされずにボールが持てた側面はある)
とは言えそれを差し引いても良いプレーを見せていたように思い、次節は天笠泰輝が出場停止ということで…是非ともスタートからチャンスを与えてほしいところ。
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