※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節の町田ゼルビア戦では5試合負けなし状態から、久しぶりの敗戦となりました。
我らがザスパクサツ群馬以外にも、苦戦しているチームが多いことから降格圏争いは熾烈を極めるといった状況。
上位甲府が相手ではありますが、勝ち点を積んで降格圏から抜け出すことができるか?
また町田戦後に行われた練習試合では、小島雅也が長期の怪我から復帰しゴールまで!
小島の復活にも期待がかかるところです。
そんな第20節、ヴァンフォーレ甲府戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ヴァンフォーレ甲府
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 河田晃兵 |
DF | 3 | 小柳達司 |
17 | 荒木翔 | |
23 | 関口正大 | |
30 | 浦上仁騎 | |
MF | 6 | 野澤英之 |
8 | 新井涼平 | |
16 | 野津田岳人 | |
10 | ウィリアン リラ | |
FW | 18 | 鳥海芳樹 |
39 | 泉澤仁 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 岡西宏祐 |
DF | 22 | 野澤陸 |
5 | 金井貢史 | |
MF | 7 | 中山陸 |
41 | 長谷川元希 | |
FW | 11 | 有田光希 |
25 | パウロ バイヤ |
甲府はなんと前節から7名ものメンバーを入れ替えて…というところ。
層の厚さとも言えるが、ターンオーバーという言葉が皆無の群馬からすると羨ましい限り。
注意点は3トップの左側に入る泉澤仁だろうか。
彼はドリブルが非常に上手く、J2にいるのが不思議とも言える選手。
そして元群馬の小柳達司も怪我からの復帰ということで、久々に先発メンバー入りとなっている。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
15 | 金城ジャスティン俊樹 | |
16 | 久保田和音 | |
32 | 渡辺広大 | |
MF | 6 | 内田達也 |
11 | 田中稔也 | |
27 | 奥村晃司 | |
41 | 中山雄登 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
50 | 大前元紀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 14 | 平尾壮 |
22 | 高橋勇利也 | |
36 | 吉永昇偉 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
19 | 白石智之 | |
FW | 39 | 高木彰人 |
群馬は前節試合中に怪我をした加藤潤也の代わりに、奥村晃司が入るという1枚のみの交代。
KJは重症ではないと思うものの…今節出れないのはある意味では予想通りと言ったところ。
今日のメンバーを見ると奥村がボランチに入り、内田達也が右サイドに、田中稔也が左サイドに入るだろうか。
中山雄登をそのままKJの位置に入れることも可能だが…。
ベンチは青木翔大が外れ、吉永昇偉と岩上祐三が。
岩上の復帰は嬉しいものの小島雅也はメンバー外。
更には青木翔大もなぜ外れたのかと言ったところ。
更に言わせてもらうと、進昂平がしばらくメンバー外なのは怪我でもしているのだろうか?
試合経過
開始早々にまさかの2失点
前半は甲府のキックオフ。
コイントスで勝ったのは甲府なので、どうやら陣地を取りそのままとしたようである。
群馬のフォーメーションは予想通り、奥村晃司がボランチに入り内田達也が右サイドの入っている。
開始わずか6分で左サイドを崩されて失点。
泉澤仁のタメとスルーパス、荒木翔のランニングとシュートを褒めるべきではあるが…あまりにもあっさりとやられてしまった印象。
泉澤にジャスティンと内田達也の2枚を使ったのならば、内田はもう少し寄せて取りにいくべきだっただろうか。
ある意味では寄せが甘いから2人の間をスルーパスで通されたとも言える。
そして中山雄登はサポートにいった野津田岳人に付いていたため、野津田と共にサイドに流れた段階で奥村晃司がもう少し絞っておくべきであり、それであれば荒木にあそこまで簡単に打たせることは無かったであろう。
11分にはセンターサークルで大前元紀がボールを失ったところからショートカウンターを受け失点。
大前の後ろからきた野澤英之に奪われており、大前としては気付いた時には遅かった…という状況。
コーチングで防ぐことはできなかっただろうか?
ショートカウンターは完璧な形であり、人数はいたものの泉澤仁からウィリアン・リラに出たスルーパスで終了。
敢えて言うならば渡辺広大が下がらずに、奥村晃司とサンドイッチできていれば…とも思わなくもないが、泉澤かて3タッチ程度でスルーパスを出しているし難しいだろう。
結果リラのシュートが畑尾大翔のブロックに当たりポストを叩き、こぼれ球を野津田岳人に詰め込まれるわけだが…ここで両ボランチのポジションを言っても仕方ないだろう。
確かにポジショニングに多少難があったために野津田に打たれたわけだが、そもそもその前のリラの時点で形としては終わっていた。
プラン崩壊!飲水タイムで2枚代え
16分には自陣からの組み立て時に、パスが少しズレたところにプレスをかけられて失い泉澤仁に叩き込まれ3失点目。
結果的にパスミスとなった畑尾大翔のパスは…奥村晃司へのパスだったのだろうか?
中山雄登へのリターンだったようにも見えるが、奥村へのパスなら判断ミス、中山へのパスならパスミスと言ったところ。
結果論ではあるが畑尾のところで前に蹴るか、GKまで下げて蹴らせておけば良かったということに。
奥野監督の理想は繋ぐサッカーというのはわかるが、今日の甲府はプレスが速く強かった。
それをかいくぐってしっかり回せる足元を持つDF陣だったらJ1クラスだと思うがどうだろう?
泉澤がこぼれ球を拾った段階に話を進めるが、ここは渡辺広大はもっと当たるべき。
ドリブルが上手い泉澤であり、決して足が速いとは言えない広大だけに…シュートフェイントからドリブル突破されるのを嫌ったのだろうが…。
リラが減速して外を回ったこともあり、もう少し泉澤との距離を詰められたのではないだろうか。
それとも逆に外を回ったことでそちらのスペースへのパスも気になり、出るに出れなくなったか。
今節はこの「当たらずズルズル下がりミドルを打たれる」というシーンが多かったので、これは後ほど詳しく見ていきたいと思う。
このようにわずか16分で3失点したことで、前半の飲水タイムという早い時間に2枚を代えることに。
ジャスティンに代えて吉永昇偉を、奥村に代えて岩上祐三をinしたわけだが…まぁ確かに代えるならこの2人というのはわかる。
しかし…これまた結果論でしかなく言うは易く行うは難しだとは思うが、ここでこの2人を下げることになったのは采配ミスでありスカウティング不足なのかと思ってしまう。
怪我人が多く選択肢が無かったのかもしれないが、泉澤にジャスティンを充てた意味は?
ジャスティンが悪いと言っているわけではなく、むしろ不慣れなSBでかなりよくやっており、前節では個人的にはMOMだとも思っているように結果も出している。
だが、驚異のドリブル突破を持つ泉澤を止めるには守備力が足りない。
それはわかっていたハズであり、奥村も守備に目を瞑って攻撃面に期待して起用したのではないだろうか?
3失点の責任を押し付けられる形で交代となり、今後ベンチ外にならないのを祈る限りである。
岩上効果?落ち着きを取り戻すも…
31分にはリラのバックヘッドが長くなり、久保田和音が身体を入れてゴールキックにしようとしたところを鳥海芳樹に上手く身体を入れられて奪われる。
そのままドリブルで中に入られ、岩上祐三の必死のスライディングも予想していたように切替しGKの股を抜く完璧なシュートで4失点目となる。
これは単純な久保田のミスであり、回収から岩上をかわし見事なシュートを叩き込んだ鳥海を褒めるべきであろう。
35分には岩上の見事なロングパスが右サイドを上がる吉永昇偉に入る。
吉永のクロスはDFに当たりCKとなるが、この試合で初めて良い形だったのではないだろうか?
速く強いプレスを抜けるにはダイレクトプレーか、こういった大きく展開を変えるロングキックが必要だろう。
41分には田中稔也が左サイドを駆け上がり、左足から見事なクロスを中央に送る。
北川柊斗のヘディングは枠を逸れてしまうが、良い形での速い攻撃ができた。
惜しむらくは北川と後ろから入ってきた大前元紀が重なってしまったところ。
意思の疎通ができており北川がスルーして大前が叩ければ完璧だったのだが…それは難しかろう。
しかし稔也は左足で素晴らしい完璧なクロスだった。
岩上が入ったことで中盤に落ち着きが出てきており、ここで得点が取れていればもう少し変わった展開になった可能性もあるが…。
しかし既に4失点しているわけで、甲府のハイプレスも緩めて休んでいるから…というのも否めない。
下がるDFライン、孤立するFW
後半は群馬のキックオフ。
49分、後半開始早々には松原修平のキックを大前元紀がフリックして田中稔也に。
稔也がそのまま左サイドを突破し、内田達也がナイスランで中央に。
そこを使うもパスがちょっと短かったか…内田は打てずに後ろから上がってきた大前へ。
そのパスも大前が欲しかったところに対してマイナスだったか…打てずに再び内田へリターン。
内田がワントラップからシュートもDFのブロックにあってしまう。
結果的にゴールにはならなかったが、非常に良いショートカウンターだった。
松原のパスの前にも中山雄登が1人飛ばすようなミドルパスを見せており、ショートショートの足元だけでなくこういった浮き球を使わないとハイプレスを剥がせないのは見ての通り。
そして大前のフリックのように、ハイプレスを交わすためのもう一つの策はダイレクトプレーである。
稔也のパスがもう少し速ければ…内田のパスがもう少しプラス方向なら…大前のパスを内田がダイレクトで打てていれば…どれか一つでも合えば得点に繋がっていた可能性は高い。
しかしこの試合はDFラインが押し上げられない…。
リラが上手いこと渡辺広大と畑尾大翔の両CBを引っ張り下げており、DFラインが下がるためにボランチも下がってしまいFWが孤立気味。
ボランチの位置が低くFWの距離が遠いためにセカンドボールが拾えない…と言ったところか。
57分には北川柊斗から野津田岳人がボールをカット、左サイドを泉澤仁が抜け出しておりそこを通すスルーパスを送るも渡辺広大が身を投げ出してカット。
リラに付いていた広大だが、野津田が前を向いたところでリラに釣られずにパスコースを切った判断が素晴らしい。
野津田に通れば畑尾大翔との1対1となりピンチのシーン。
結果広大に助けられた形になったが、野津田に奪われた次のところで中山雄登と岩上祐三の両ボランチが対峙できていたわけで…どちらかがもう少ししっかり当たるべきだっただろう。
奇跡の男、白石智之
62分には前線で大前元紀が潰されたところでボールを失い、左サイドを上がる泉澤仁にボールが入る。
カウンターとなり数的不利な状況で当たるべきかディレイにするか悩んだか…渡辺広大が行ききれずにいるところをペナルティエリア外からそのまま泉澤に決められる。
ここだけ見れば3失点目に近い形であり、今日は泉澤に当たりきれないのが今日の敗因となるだろうか。
大前も潰されたところでファールを貰いにいった感があり、取ってもらえなかったことで全体の足も一瞬止まったようにも見える。
大前は手で引き倒されているようにも見えるので、ファールだったとも思うが…。
事実、甲府の選手はファールだと思い完全に一瞬足が止まっている。
67分に群馬は2回目の交代で北川柊斗に代えて高木彰人を、内田達也に代えて白石智之を投入。
白石投入はわかるが北川はもう少し引っ張っても良かったのでは?
ここまでではしっかりと起点になれているし、悪いところは無いように見えるのだが…。
そしてその直後には白石のスルーパスが高木に通るも、GKに詰められ打ち切れず。
白石は早々に見せ場を作った。
続く69分にもカウンターで白石が左サイドを突破し、田中稔也がシュートを打つ見せ場を作る。
DFにブロックされゴールにはならなかったものの、これまた非常に良い攻撃を見せた。
群馬の良い時ってのは、こういった速いショートカウンターで前線が素晴らしい連携を見せる時であり…あまり底から作れたイメージがないのがなんとも。
監督の目指す方向性と上手くいっているシーンが違うというのが致命的だろうか。
70分にはコーナーキックから、大前が良いボールを入れ高木がニアで逸らしGKが弾いたところを白石が詰め1点返す。
結果論としてはGKの触ったボールが白石の目の前にこぼれただけ…ではあるが、ニアの高木が逸らして白石がファーに詰めるというのは恐らく狙っていたであろう形。
準備してきたプレーが結果に結びついたのは大きいだろう。
しかし…白石は凄いな。
ここまでで何分出場したか計算してないが、多いとは言えない出場時間で点を取っている。
プレースタイル的にも後半途中からのスーパーサブが活きる選手だとは思うが、やはりもう少しプレー時間を与えてあげたいところ。
72分には甲府も動き、荒木翔に代えて金井貢史、野澤英之に代えて長谷川元希を投入。
どうやらポジションは変わらず、そのまま入れ替えたようである。
意地は見せたが…このままではマズい
76分にはスローインから野津田岳人がミドルシュートを放つも、松原修平がファインセーブで防ぐ。
野津田は今日本当に感覚が良いようで、積極的なキックが目立つ。
彼に限らず、甲府は自分で試合を決めるというプレーを見せる選手が多く積極的なシュートがこの大量点に繋がっているようにも。
丁寧に作って綺麗に崩すサッカーは美しいが…やはりシュートを打たないとゴールが生まれないのも事実。
改善傾向にはあるが、群馬にはもう少し強引にシュートにいくシーンを増やしてほしいところ。
78分には最後の交代枠で久保田和音に代えて高橋勇利也を投入。
ハッキリ言って今日の久保田はミスが目立ち、あまり見せ場がなかったようにも思う。
80分には岩上のサイドチェンジを高橋が落とし、中山がダイレクトでピンポイントクロスで抜け出した稔也に合わせるも…稔也のシュートはポストを直撃してしまう。
これはハッキリ言って完璧に近い形であり、岩上のサイドチェンジも中山のクロスも点と点が合うかのようなピンポイントだった。
稔也は…インサイドで丁寧に叩きにいったようだが狙い過ぎたか…。
得点は取れなかったものの、形としては非常に良い形でありこれを続けていきたいところ。
83分には甲府2回目の交代で鳥海芳樹に代えてパウロ・バイヤを、泉澤仁に代えて野澤陸を投入。
どうやら代わって入った野澤が中央のCBに入り、新井涼平がボランチに、そして長谷川元希が左ウィングに移ったようだ。
86分にはリラが裏を抜けたところにボールが出てオフサイドだと思ったものの…吉永昇偉が残っていた。
付いていた渡辺広大はしっかりとオフサイドトラップをかけていただけに…連携ミスが悔やまれるところ。
抜け出たリラがクロスを送り、金井貢史が詰めるだけだったが中央に折り返し長谷川が決めた。
金井は…意図して折り返したんじゃなくてシュートだったんじゃないかと思うが…とにもかくにもこれで6失点。
89分には吉永から裏に抜け出た稔也に良いパスが入る。
甲府はオフサイドをアピールするが判定はオンサイド、実際のところは蹴った瞬間に稔也が画面に映っていないのでわからない。
その稔也から完璧なクロスがあがり、中に入っていた大前がダイビングヘッドで2点目を返す。
DFの頭を超え、後ろの大前にドンピシャリの素晴らしいクロスだった。
今日の稔也はキックの精度が高いだけに…決定機を外したのが悔やまれる。
そして地味に忘れてはならないのが、逆サイドから白石がニアにしっかりと入り込んでいるところ。
これによってファーの大前にスペースが生まれたとも言える。
ボールが来なかったためフリーランニングの形にはなったが、白石の動きは評価してほしいところ。
89分には甲府も最後の交代枠を使い、野津田岳人に代えて中山陸を投入。
92分には左サイドから高橋勇利也のクロスに吉永昇偉が飛び込むも、これは枠外に…。
稔也が外に開いたことで吉永が中に入ってきており、この連動は非常に良い形である。
残り時間が短く点差もあったからとは言えるが、両サイドバックで攻撃が完結したように高い位置を取れているのも良い時の群馬の特徴と言える。
吉永としては…失点に絡んだこともあり是が非でも決めておきたいところだっただろう。
ピックアップポイント
3-4-2-1?4-3-3?ミスマッチを作った甲府の可変システム
この試合を見ていて面白いなと思ったのが、甲府の可変システム。
守備の時はスタメンのフォーメーション図の通りに3-4-2-1となっており、直近の数試合ではWBが押し込まれて5バックになってしまっていたのが敗因だったようである。
攻撃時には真ん中のCBである新井が一列上がることで4-3-3に変化。
群馬が2トップであるため、数的優位を作るためにサイドバックが下りるパターンと、ボランチが下りるパターンが見られた。
上図のように群馬の右サイドで考えると、SBにしろDMFにしろ…下がってビルドアップに参加する方を北川と内田で見つつ、上がる方を奥村が付くのがセオリーになるだろうか。
そして真ん中のワンボランチに入る新井を中山と大前で見る…という形に。
こうすることでシステムのミスマッチを解消し、数的不利を作ることなく守れるわけだが…言うのは簡単であって…。
特にこの試合では真ん中に入る新井の位置取りが素晴らしく、浦上と小柳の両CBからボールを引き出すように動くことで群馬の両ボランチを釣りだしていた。
両ボランチが釣りだされることでサイドが数的不利となる。
ウィングの泉澤も高い位置で裏のスペースを狙う動きをしており、ジャスティンもそこを見るために前に出れない。
理屈としては群馬のボランチの1枚が新井を見て、もう1枚がサイドのカバーとなるわけだが…常に状況が細かく動くサッカーの試合では理想通りにはいかないのが当たり前。
またサイドに下りてビルドアップするのがSBの選手だけでなく、ボランチが下りる時もあるということで…マークが難しくなっていたようにも思う。
4-4-2と4-3-3とどちらが優れているとか、相性の問題とかという話ではなく、単にミスマッチができる部分を甲府の方が上手く使えていたのかなという印象。
それを上手く使っていたのが、新井涼平という選手だったのかなと。
GKとDFの約束事
この試合では泉澤仁を相手に、ドリブル突破を警戒するあまりプレッシャーが甘くなりミドルを打たれて失点するというシーンが目立った。
対峙するDFとしては最もゴールに繋がるであろうプレーから消していくのがセオリーであり、あくまでも基本であるが…基本としては①シュート②ゴール方向へのドリブル突破③ゴール方向へのパス④…という順に守る。
しかし①と②の判断はゴールまでの距離や、相手FWの特徴、そして守る自分の特徴というのが関わってきておりどちらを優先するかという判断が難しいものである。
極端な例を言えばカウンターで1対1だとしても、ボールがまだセンターサークル付近であればシュートを警戒する必要はなく、ドリブル突破を防ぐために多少距離を空けて抜かれないようにすることになる。
しかしデル・ピエロゾーンを筆頭に、距離があってもかなりの確率で決めてくる選手・角度というものもある。
そういった場合はシュートフェイントに引っかかって抜き去られるリスクはあるが、ある程度距離を詰めてシュートを打たせないことを最優先することになる。
この判断が非常に難しく、この試合の広大としては「ここから打たれるよりも、抜き去られてゴールに向かわれる方が危険」と判断したのだろう。
結果としては16分のシーンと、62分のシーンのように…詰めなかったことで打たれて失点しているわけだが…これは結果論である。
そしてこの判断にゴールキーパーの特徴と言うか、ゴールキーパーとディフェンスラインの約束事という要素が加わることもある。
2018年だったかのマッチデープログラムだかに、松原修平のインタビューで面白いことが書いてあった。
一字一句までは覚えていないが、要約すると「自分はGKとしては身長がないので、ミドルシュートは得意ではない」ということと「1対1には自信があるので、抜かれたら自分が止める」ということ。
そして「ミドルを打たせるくらいなら抜き去られて1対1になった方が良いので、DFには当たってほしい」ということが語られていた。
現在チームとしてどういう判断をしているのかは不明だが、松原としてはたとえ抜かれても広大には間を詰めてシュートを打たせない位置取りをしてほしかったハズ。
ここ数試合は松原が起用されているが、今シーズンは清水慶記と使い分けている?決めきれていない?状態がこういった連携面での不良に繋がっている…のかもしれない。
MOM
この試合ももちろん群馬からMOMを選ぶわけだが、悩みに悩んで田中稔也としたい。
負け試合なので甲府の選手を選ぶのが当たり前だが、ザスパクサツ群馬を応援するブログということで(ザスパの)MOMである。
80分のシーンを決めていれば言うことなしだったが…それを除いてもこの試合の活躍は素晴らしかった。
攻撃面はもちろんだが、例えば11分の失点シーン。
大前が奪われたあとに中央の自陣右サイドよりを突破されるわけだが、左サイドを鳥海芳樹が上がってきていることを確認するやいなや猛ダッシュ。
鳥海へのパスコースを完全に潰している。
ここは本来であれば左サイドバックの久保田和音がやるべきプレーではないだろうか?
大前が失った時の立ち位置の関係もあるとは思うが、稔也の献身的なランは素晴らしい。
62分の失点シーンに関しても、逆サイドを駆け上がる小柳に対して稔也は必死にランバックしている。
まぁこのシーンは間に合ったかどうかは微妙だが、小柳へのパスコースを消したのは同じく必死に戻った中山だったが。(稔也は結果的に間に合っていない)
攻撃面は大前のゴールをアシストしたことはもちろんであり、あの時間までよくあれだ走って正確なクロスを上げた。
外してしまったが80分のポスト直撃も形としては良かったし、41分の左サイドから上げたセンタリングも完璧だった。
出ずっぱりなので怪我しないことを祈る限りである。
コメント
コメントはありません。