※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は町田を相手に2失点での敗戦。
2回目の5連戦を再び低調なスタートを切ることになりましたが…何と言っても気になるのが初戦にもかかわらず動きが非常に重かったこと。
また前線のキーマンとも言える加藤潤也が負傷による交代となったことで、この怪我具合も気になるところです。
中3日の熊本を中2日で迎える形になりますが、移動距離などもありホームの利を見せたいところ・
今回はそんなロアッソ熊本戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 畑尾大翔 | |
17 | 山中惇希 | |
MF | 6 | 内田達也 |
15 | 風間宏希 | |
25 | 小島雅也 | |
38 | 天笠泰輝 | |
FW | 7 | 加藤潤也 |
10 | 田中稔也 | |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
DF | 32 | 渡辺広大 |
MF | 8 | 岩上祐三 |
27 | 奥村晃司 | |
FW | 11 | 深堀隼平 |
30 | 山根永遠 | |
39 | 高木彰人 |
群馬は前節から2枚代えとなり、前節怪我から復帰となった風間宏希をスタメン起用。
また天笠泰輝も久々のスタメンとなった。
ベンチまで見えると18名の登録選手に変更はなく、変わらず選手層の薄さを感じさせる。
また前節怪我による交代となったように思われた加藤潤也は、今節もスタメンとなりどうやら軽傷だった様子。
前節は岩上祐三が低調だったことが気になったが、風間の復帰により適度に休養を与えられることで復調に期待したいところだろう。
休ませたいと言えば、城和隼颯と畑尾大翔のCBコンビも休みを与えたいところだが…CBは連携面も考えると変えにくいのも確か。
ロアッソ熊本
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 増田卓也 |
DF | 2 | 黒木晃平 |
3 | イヨハ理ヘンリー | |
5 | 菅田真啓 | |
MF | 6 | 河原創 |
7 | 田辺圭佑 | |
15 | 三島頌平 | |
FW | 9 | 高橋利樹 |
14 | 竹本雄飛 | |
16 | 坂本亘基 | |
18 | 杉山直宏 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 田代琉我 |
DF | 4 | 酒井崇一 |
33 | 阿部海斗 | |
MF | 10 | 伊東俊 |
30 | 東山達稀 | |
32 | 藤田一途 | |
FW | 28 | 土信田悠生 |
熊本はゴールキーパーの佐藤優也がコンディション不良によりベンチ外に。
これによって増田卓也が今季2試合目の出場となるが、それ以外の10名には変更は無し。
昨年J3で優勝して今期からJ2に復帰となっているが、これまでの成績は非常に良くチームの状態は良さそうな印象。
3-3-1-3とでも言うのか…ちょっと不思議なフォーメーションが特徴ではあるが、前線の3枚にプラスして竹本雄飛の4枚が攻撃の基本。
それにWBがどれだけ加われるか…ということになるので、サイドでの攻防で押し込んでおきたいところ。
注目は最前線に入る、今期4ゴールの高橋利樹となりそう。
試合経過
開始早々の失点弾
前半は熊本のキックオフでスタート。
4分、風間宏希が与えたファールからのリスタート。
熊本は簡単に放り込まずに横に出し、そのまま右サイドまで広げていく。
最奥の杉山直宏か?そこからゴール前にクロスが入り、これを高橋利樹が頭で合わせるがこれは櫛引政敏の正面。
6分、熊本が自陣でボールを回していたところ、イヨハ理ヘンリーが少し前にドリブルで運び一気に縦へのパスを付ける。
このパスが畑尾大翔と城和隼颯、両CBの間を調度抜ける形となり…そのボールに高橋利樹が飛び出す。
冷静にシュートフェイントからゴールに流し込んで、早くもこの時間に先制点を奪われてしまう…。
それにしても高橋に付いていた畑尾は完全に足が止まり、いつもの櫛引ならば飛び出してそうな長めのパスだったが…と不思議に思っていた。
後ろからのリプレイを見ると、イヨハのパスはパスコースに入った田中稔也に当たりリフレクションとなっているようである。
これによりタイミングが狂い、高橋だけがそれに対応出来た…ということになりそうである。
不運と言えば不運であり、高橋のシュートフェイントを褒めるべきだろうか。
イヨハへのプレッシャーが甘いとも思えるが、平松宗が追い田中稔也が出ないというのは正しい判断にも思える。
12分、右サイドでのスローインだったが小島雅也は出しどころが無く…一度CBの畑尾大翔まで投げて戻す。
畑尾はこれを逆サイドに広げるため山中惇希へ。
山中からの縦パスを引き出した加藤潤也が上手いターンで抜け出し、左サイド裏には天笠泰輝が走るがここには出せず。
しかし天笠が広げたスペースに山中がオーバーラップし、クロスを上げるがDFにクリアされてコーナーキックとなる。
システム変更?高い位置を取る山中
20分には2回3回とゴール前に迫る波状攻撃とも言える攻撃を見せるが、これは最後シュートまではいけず。
良い形で作れているとも言えるが、シュートまで結びつかないシーンがここ数節目立つ印象となっている。
しかし今日は田中稔也の調子が特に悪そう…。
トラップミスとも言える、ボールが足に付いていないようなプレーがこの時間までで既に3回は見られる。
稔也が後ろ向きでもらうと、前が向けずに後ろにしか出せない…というのは以前にピックアップしたが…完全にここ数試合は狙われている印象である。
稔也にしっかりプレスをかければ後ろしか選択肢がなく、プレッシャーをかけることでトラップミスやパスミスを誘発して奪える…というのがここ数試合の相手の戦術の1つと言えるだろう。
25分、右サイドからのコーナーキックを蹴るのは風間宏希。
ファーへのボールは城和隼颯の頭をわずかに超えてしまうが、その奥の小島雅也が頭で合わせる。
これはブロックされ、セカンドを山中惇希がミドルシュートも…これもブロック。
こぼれ球を加藤潤也が回収し、再び風間宏希に送りクロスを供給。
このクロスも飛び込んだ平松宗のわずかに上を超えてしまうが、そのファーで田中稔也が飛び込むがホイッスル。
稔也がユニフォームを引っ張る形でDFを倒しており、これがファールを取られてしまう。
2本ともわずかに合っていないが風間のキックはやはり可能性を感じさせ、更には合わなくてもその奥にしっかりと詰めている…というのはチームとして連携しており高評価と言えるだろう。
今の得点力不足に苦しむ群馬としては、セットプレーの工夫が最も即効性のある改善策となるかもしれない。
29分には畑尾大翔が相手のパスを頭でカット、これを内田達也が回収し風間宏希へ。
風間がダイレクトで加藤潤也に楔のパスを打ち込み、左サイドをオーバーラップする山中惇希へ。
山中のクロスは誰にも合わず…いわゆるホームランクロスになってしまうが…これで山中の攻撃参加が既に2回目。
前節の終盤、風間投入後からこういった形が見られるようになったが…明らかに山中のプレーの選択肢が変わっており、これはチームとして戦術を変えているのか風間が山中を押し上げているのか?
この辺りは後ほど考察してみたい。
しかし風間はダイレクトでKJに付けた縦パスといい、やはり彼が入ると明らかに中盤の質が変わる。
岩上祐三もJ2屈指のボランチと言って間違いないだろうが、こういったセンスは風間の方が上だろうか。
もちろん選手として風間の方が優れているという意味では無くプレースタイルの違いであり、風間はこういったプレーが上手いというだけなので誤解無きよう。
攻撃の形は見えるも最後までいけず
31分、内田達也が狙いすましたパスカットを見せそのまま縦の平松宗へ付ける。
平松がしっかりと収め、天笠泰輝、風間宏希と繋ぎ、風間がゴール前に入れるが小島雅也が反応しきれずゴールラインを割ってしまう。
小島としては手前のDFにクリアされると判断し、抜けてくるとは思っていなかったと思われるが…触っていれば1点ものだっただけに悔やまれるところ。
今節は内田が良い守備を見せており、持ち前のポジショニングの良さにプラスαで良い出足からのパスカットを何度も見せている。
平松宗も前節同様に楔のパスを収められており、これは継続していきたいところ。
33分、フリーキックを風間宏希がファーに送り畑尾大翔が折り返すも…これは跳ね返されてしまう。
セカンドボールを再び上げるがこれも跳ね返されるも、こぼれ球を田中稔也がコントロールショット。
しかしこれはミートし枠に確実に送ることを意識し過ぎたか…それほど威力なくキーパーの正面に。
35分には小島雅也が良いパスカットを見せ、中央の加藤潤也に送る。
右に平松宗、左には田中稔也が流れるも…熊本のDFもしっかりと対応しておりパスは出せず。
それもあり、KJは自ら仕掛けてシュートを打つがブロックされてコーナーに。
カウンターの形だったこともあり、ブロックされたとは言えシュートで完結したのは良かったのではないだろうか?
KJはここ数節積極的にシュートを放つ姿が見られる。
1点を追う展開ということもあり、ボールを持てる時間が多い展開。
攻撃の形は見せられてはいるものの…決定機と呼べるほどのチャンスは作り切れていない…という状況が続く。
サイドアタックだけでなく、中央を割って行けるとまた少し変わってくるのだが…現状単独で中央を崩せるのがKJのみ。
風間と平松、KJ、更には両サイドの天笠と田中が絡んでダイレクトパスなどの連携で中央を攻略できるようになると違ってくるが…。
セットプレーでの失点再び
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで熊本が動き、竹本雄飛に代えて伊東俊を投入。
群馬は負けていることと、あまりにも今日は不調な様子の田中稔也を代えてくるかと思ったが…動きは無しとなった。
46分、加藤潤也とパス交換した山中惇希だが、パスコースが無かったことと自身の前にスペースがあったことでドリブルでペナルティエリアの中まで侵入。
ペナルティエリアの中で杉山直宏に倒されるが、これはノーファールの判定。
まぁ…これはファールの笛は吹けないレベルのコンタクトだろうが、山中の積極的な攻撃参加が見られているのは良い傾向だろう。
山中は足元の上手さがあるので、やはりなるべくゴールの近くでプレーさせてあげたいプレーヤーである。
48分、群馬左サイドからのコーナーキック。
キッカーの杉山直宏はショートコーナーを選択し田辺圭佑へ。
田辺は再び杉山に戻し、角度を変えたところからクロスを供給。
これはニアで風間宏希が触るも、ボールの速さに負けたか少し高さがあったか…クリアできずにフリックする形で後ろに流れてしまう。
このリフレクションしたボールに真っ先に反応したイヨハ理ヘンリーが頭で合わせてゴールへ。
比較的押していた展開のうちに点が取れず、逆にセットプレーから追加点を奪われるという…なんとも厳しい状況に。
このシーンは山中惇希だけの責任ではないが、山中はどうにもクロッサーとの距離が遠い印象があるのは事実。
元々DFの選手ではないこともあり守備に自信が無いのだとは思うが、抜かれることを怖がるあまりに少し距離を置き過ぎていると言えるだろうか。
55分、群馬が最初の交代枠を使い平松宗に代えて深堀隼平、田中稔也に代えて山根永遠を投入。
2点を追うことになっただけに平松を下げるのはどうかとも思うが…稼働時間も長くなっており5連戦を考えると仕方ないところか。
山根がそのまま右サイドに入るかと思われたが、どうやら加藤潤也とポジションを入れ替えた様子。
山根が深堀と2トップとなり、KJが右サイドハーフへ移ることに。
ダメ押しの3点目
61分、畑尾大翔が自陣から一気にロングフィードで前線へ。
これは菅田真啓がカットするがコントロールが大きくなったところを天笠泰輝が奪い取る。
自ら仕掛けシュートまで持ち込むも、このシュートは枠を外れてしまう。
相手のミスからではあるが、こういったショートカウンターはシュートで終わることが大事なので枠を外れたものの、天笠の選択は良かったと思う。
64分には再び群馬ベンチが動き、風間宏希に代えて岩上祐三、加藤潤也に代えて奥村晃司を投入。
戦術的な交代なのか、それともどちらも怪我の影響があり無理はさせたくないというところなのか…。
ポジションはそのままかと思ったが、どうやら奥村が深堀との2トップとなった様子。
山根永遠が左に移り、天笠泰輝が右サイドに移る。
奥村のFW起用は果たしてどうなるのか非常に興味深いが、山根はこの位置が正解だろう。
元々はFWなのだが…少なくとも今シーズンの群馬、現行システムを考えると左サイドハーフの方が出来が良い。
そして天笠も右で機能するのかどうかというのが気になるところ。
66分、熊本が後ろでボールを回していたところ菅田真啓から一気にロングボールが裏に出される。
これに抜け出した伊東俊が櫛引政敏と1対1になるが、冷静にダイレクトで中央に折り返し高橋利樹が今日2点目。
伊東の抜け出しはDAZNでは映っていないので…どういうズレがあったのかわからないが、完全に山中惇希が裏を取られる形になってしまった。
キーパーとしてはノーチャンス、むしろ伊東にシュートでは無く折り返しを選択させただけ良い対応をしたと言える。
伊東の抜け出し、ダイレクトでピンポイントの折り返しと…技術の高さを見せつけられる形になった。
もう少し戻すと菅田へのプレスが一切なかったのが気になり、深堀隼平は追っているものの奥村晃司が連動していなかった。
形として深堀が1枚残る4-2-3-1気味になっていたと言え、奥村としては不慣れな最前線の影響と言えるだろうか。
それとも奥村投入で守備も4-2-3-1に変えたのか…。
70分には山中惇希が良い守備を見せ杉山直宏にボールをロストさせる。
こぼれ球を山根永遠が回収し中の奥村晃司へ。
奥村はこれを更に右に広げるかと思ったが、上がってきた天笠泰輝には田辺圭佑がしっかりと付いており出せず。
スローダウンして後ろに下げるかとも思ったが、なんとボール奪取後に左サイドを駆け上がった山中惇希を使う。
奥村…左は見てなかったと思うが、これが見えているあたりが奥村らしい。
見ているわけではなく感じており、「ここにいるだろう」で出しているのかもしれないが…それがパスセンスというもの。
中央に深堀、少し遅れて奥村と入り込む中、山中がダイレクトのクロスで選択したのは奥村だったが…わずかにボールは高かったようで逆サイドまで流れてしまう。
深堀も上手くフリーを作れていただけに、グラウンダーでキーパーが出れないところを通し深堀を使っても面白かったとは思うが…。
ちなみにそういったグラウンダー気味の速いクロスは、天笠泰輝が得意としている印象がある。
ホームの意地
71分、熊本が動き田辺圭佑に代えて阿部海斗、高橋利樹に代えて土信田悠生、坂本亘基に代えて東山達稀を投入。
一気に3枚を代えて再び流れを取り戻そうといったところか。
75分には岩上祐三からのロングボールを山中惇希が裏に抜けて受ける。
これはクロスを上げさせてもらえずスローインを獲得するにとどまるが、ボランチが岩上に代わってからも山中は攻撃参加を見せられているのがポイント。
同じく75分には岩上が放り込んだボールを奥村晃司が潰れる形で落とし、深堀隼平がシュートを狙うも枠の上。
どうにもこの10分を見る限り、奥村はトップ下気味にポジションを取り守備でも4-2-3-1気味な印象がある。
76分には群馬が最後の交代カードを切り、天笠泰輝に代えて高木彰人を投入。
これにより奥村と高木がポジションを入れ替えることとなる。
82分、山中惇希からのパスをトラップミスで失った山根永遠だったが、すぐに自ら取り返し距離はあったがミドルシュートを狙う。
これがクロスバーを叩きながら枠に飛び込むという素晴らしいシュートとなり、さすがにこれはキーパー触れず。
30番、坊主頭のミドルシュートということで松下裕樹を思い浮かべた方も多いのでは?
あのトラップミスは正直頂けないが、すぐに取返し積極的にシュートを打っていったのは高く評価するべきだろう。
3点差ということもありボールを持たされている部分はあるが、攻撃に手詰まり感もあったため遠目から打っていくのは必要だった時間帯である。
正直言えば完全に個の力だけでのゴールであり、何一つ熊本の守備を崩せたわけではないが…このゴールで一気に気持ちを乗せていきたいところ。
気持ちと言えばゴール直後にボールを回収しセンターサークルに置いた深堀隼平、更にはリスタート直後の(ファールにはなったが)内田達也のタックルと、気持ちの見えるプレーが続く。
やはり1点取れたということで矢印が前に向いてくると言えるだろう。
84分、山根永遠の突破から右サイドに展開し、小島雅也がクロスを入れるが精度を欠く。
こういった最後の部分の精度の差が今日の得点差と言えるだろう。
89分には熊本が最後の交代枠を使い、杉山直宏に代えて藤田一途を投入。
2点を追う群馬はパワープレーに出ており、放り込んだボールのこぼれ球を奥村晃司が狙うもDFに当たりコーナーキックに。
時間は無いがなんとかゴールをこじ開けたいところ。
93分、櫛引政敏のロングフィードを競り合ったこぼれ球が左に開いていた山根永遠の下に。
中にカットインするが縦には入れず、シュートも打たせてもらえず横に横に運びついにはペナルティアークを超えてしまう。
中にパスを送るがこれが熊本DFに当たり、こぼれ球を小島雅也がダイレクトでシュートを放ち1点差まで詰め寄る。
正直山根のパスは狙ったところではなかったと思うし、DFに当てているのでミスなのだろうが…結果としては諦めない気持ちが呼び込んだゴールと言える。
熊本の1点目と同様に、リフレクションがあったためにDFは対応が遅れたことで小島はシュートを打つ時間があったとも言える。
このように最後には意地を見せたものの、やはり3点差は大きく2点を詰めたところでタイムアップとなった。
ピックアップポイント
山中惇希の攻撃参加
前節の風間宏希投入後から明らかに変わったのが山中惇希のプレー、というのは前節のレビューで触れた。
あれが風間というプレーヤーのプレースタイルによるものなのか、チームとして形を変えてきたのかというのが判断できなかったが…今節を見る限りチームとして形を変えたと言えるだろう。
もちろん相手の熊本対策でこうなった…という可能性もあり、今後も続けていくのかはわからないが…。
まずは12分のシーン。
山中惇希から加藤潤也へ縦パスが通る。
KJが良いターンから前を向き、オーバーラップした山中を使う…というプレーだが以前までなら山中はバックパスを受けられるコースにポジションを取り直している。
しかし今回はKJがターンに成功する前から前に走りだしており、仮にKJがボールを失った場合のリスクを考えつつもオーバーラップを選択していることになる。
風間宏希も山中と同じスペースを使おうと走り出しており、天笠泰輝が広げて熊本のWB(三島頌平)を下げ、河原創の左右のスペースを使うというスカウティングもあるかもしれないが…。
29分のシーンを見てみると、熊本からボールを奪ってから両SB(小島雅也と山中惇希)がほぼ同じタイミングでサイドに開きながら上がっていく。
以前であれば小島雅也はワイドに開きながら高い位置を取るのに対し、山中は後ろでボールを回せるように開きながら下がるという動き。
もちろんどちらが良いというわけではなく、前回も書いたがSBを1枚下げてCBと3枚の形を作ろうとしていたのが以前の形。
それに対してSBは両方とも上げ、ボランチの1枚が下りることでCBと3枚の形を作るのが今節(正確には前節の終盤から)のスタイルとなる。
なぜ3枚かと言うと、3人いれば少なくともパスコースが2つできる事になり相手FWのプレスを交わしやすい。
そして1トップや2トップが多い現代サッカーでは3人にすることで数的優位を作り、後ろから組み立てることができるから…となる。
この組み立てで山中は効果的なプレーを見せられておらず、むしろ相手の狙いどころになっていた状態である。
風間が山中に代わって組み立てに加わることで、山中の攻撃力と左足が活きており機能的なシステム変更と言えるのではないだろうか?
46分にドリブルで仕掛け、ペナルティエリア内で倒されたのはフリーキックからのプレーということもあり、以前からも見せていたプレー。
しかしあのように自らボールを運べる能力があるだけに、なるべく前目で使いたいところ。
75分には岩上祐三からのロングボールを左サイドの裏抜けで受けており、岩上にボランチが代わってからも同様に攻めあがる機会を作れていると言える。
しかし既に3点差となっており、熊本の戦い方も変わってきているために山中も上がることができている…だけの可能性も否定はできないところ。
否定はできないと言いつつも、個人的には明らかに今までとやり方を変えてきていると考えている。
次節にどういったプレーを見せてくれるのかが非常に楽しみなところである。
本当はもっと早くからこうするべきであり、せめて小島雅也と逆にするべきだと思っていたが…。
とは言え戦術家の大槻監督のことだけに、自分には考え付かないような理由があってデメリットに目を瞑っていたとは考えられる。
それが思うように機能せずに変更してきたとなるだろうか?
MOM
この試合のMOMは…山根永遠としたい。
途中出場から1ゴール1アシスト(あれにアシストが付いたかは調べていないが)の活躍ということで、多くの方が山根の名前を挙げるのではないだろうか?
個人的に印象深かったのが2点目のシーン。
右サイドからカットインを狙うも、1点目のイメージがあるために熊本DFはシュートを打たせなかったと言える。
そのためズルズルと下がりながら中に中に…というドリブルになってしまったが、そのタイミングで内田達也が下がりながら自分の前のスペースを空けている。
これは山根からのパスを引き出しミドルシュートを狙う…という意図があったと思うが、山根は内田を使わずにその空いたスペースを使って強引に自分で行ったわけである。
セオリーから言えば内田に落としてミドルシュート、というのが正解だろう。
しかし内田はそれほどミドルシュートが上手い印象は無く、そういったプレースタイルではないことも事実。
そういったことが頭にあったのか、それとも単に自分が2点目を取るというだけなのかは不明だが、今の群馬では見られていなかったプレーではないだろうか?
上品に綺麗に崩そうとしているのか、単に責任逃れなのか、その辺りはわからないが他人任せなプレーが目立つ中で強引にいったことは評価したい。
また結果論という言葉もあるように、セオリーを無視して強引にいき、パスは恐らくミスだろうが結果としてはゴールに結びつけたということで評価されるべきだろう。
セオリーは大事だが、セオリー通りが正しいわけでは無いのがサッカーの面白いところ。
山根は決して周囲を使えないプレーヤーというわけではないので、今後も行けると思ったら強引に仕掛けていくプレーを見せてほしい。
もう一人触れたいのが城和隼颯。
こちらは良いプレーで…ではないのが申し訳ないが、最近元気が無いのが気になるところ。
シーズン序盤は「地味ながら確実堅実なプレー」と自分は評価し、堅守に貢献していると考えていた。
しかし最近は少し精彩を欠いている印象がある。
出場停止の横浜FC戦を除き、残りにフル出場(大宮戦は89分で退場しているが)ということで疲労の面が大きいと思われる。
コンビを組む畑尾は全試合フル出場ということで、こちらも疲労が心配される。
CBを変えるのはリスクも大きいが、横浜FC戦では渡辺広大がベテランらしく久々の出場にもかかわらずそつなくプレーしているだけに少し休みを与えたいところ。
川上優樹も怪我から復帰してきているようなので、早く戦列に戻ることを期待したい。
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