※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は鬼門の大宮に敗れて連敗。
下位相手に2試合を取りこぼすという、シーズンを考えると厳しい結果に。
3連敗は避けたいところですが…今節はいまだ無敗で首位を走る横浜FC戦。
5連戦の3戦目ということもあり、大幅なメンバー変更なども考えられますが…果たしてどうなるか?
前節は自滅という形で勝ちを失っただけに、この試合に向けての監督の手腕も気になるところでしょう。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
17 | 山中惇希 | |
25 | 小島雅也 | |
32 | 渡辺広大 | |
MF | 6 | 内田達也 |
8 | 岩上祐三 | |
30 | 山根永遠 | |
39 | 高木彰人 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
MF | 7 | 加藤潤也 |
10 | 田中稔也 | |
16 | 久保田和音 | |
27 | 奥村晃司 | |
38 | 天笠泰輝 | |
FW | 11 | 深堀隼平 |
群馬は連戦ということもあってか大幅にメンバーを変更。
前節レッドカードで出場停止となる城和隼颯のところには渡辺広大が入り、山根永遠がスタメン復帰。
更には高木彰人と北川柊斗がスタメンからの起用となった。
ベンチはなんとDF登録が0枚…。
この状況を考えるとCBやSBは1枚は入れておきたいところだと思うが…つまり故障者続出で足りないという状況だろう。
特に光永祐也、川上優樹あたりは試合でも使っており、問題が無ければさすがに今日の試合にはメンバー入りさせたかと思われる。
怪我の発表がない選手が多いが、恐らくDF陣は相当数が離脱中と考えられそう…。
横浜FC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 49 | スベンド ブローダーセン |
DF | 3 | 中村拓海 |
17 | 武田英二郎 | |
22 | 岩武克弥 | |
MF | 4 | 高橋秀人 |
20 | イサカ ゼイン | |
30 | 手塚康平 | |
48 | 山下諒也 | |
FW | 16 | 長谷川竜也 |
18 | 小川航基 | |
39 | 渡邉千真 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 六反勇治 |
DF | 19 | 亀川諒史 |
MF | 7 | 松浦拓弥 |
10 | 安永玲央 | |
25 | 中村俊輔 | |
FW | 9 | クレーベ |
13 | サウロ ミネイロ |
対する横浜FCは…首位を走るだけに豪華なメンバーが揃う。
伊藤翔がメンバー外となるものの…渡邉千真に小川航基、更には長谷川竜也と前線にはタレントが並ぶことに。
中盤にはベテランとなった高橋秀人が入り、岩上祐三との前橋商業の先輩後輩対決となる。
個人的に注目しているのが右のCBに入る中村拓海。
FC東京U-23時代に対戦しているが、あの時はSBだったこともあるが積極的な攻撃参加が光った選手。
今のシステムでは3バックでCBに入っているが、積極的に攻撃に参加しており攻撃に厚みをもたらしている。
ベンチを見ると中村俊輔はもちろんだが、クレーベにサウロ ミネイロと危険な外国人FWも気になるところ。
試合経過
奇策?予想外の布陣で攻勢
前半は群馬のキックオフでスタート。
右サイドに高木彰人と山根永遠がおり、果たしてどういった並びになっているのか…。
0分、キックオフ早々に内田達也から右サイドの裏に抜ける高木へロングボールが入る。
これを高木が相手に当てて、開始早々にコーナーキックを獲得する。
どうやら3バックでスタートしたようで、右のWBに山根、シャドーに高木という状態。
横浜FCのシステムに合わせたか、単に選出したメンバーとの関係か、それとも戦術的なものか…この辺りは不明だが4-4-2を予想していた方は多いだろう。
これにより左サイドのWBに山中惇希が入ることとなり、狙ってか結果的にかはわからないが…山中は前節やられた3CBのサイドから、1つ外に位置することに。
そして右のCBに小島雅也が入ることとなり、前節の反省点に対応した形となった。
今日は守備も3-4-2-1のままだが、普段の4-4-2でも攻撃時はこの形なので…今日の出来で山中を上げて小島を下げるというのも試せると言えるだろう。
6分、山根永遠が右サイドで良い仕掛けを見せる。
DF2枚に囲まれたこともあり、一度後方の岩上祐三に戻す。
岩上から右サイドの高木彰人に当て、高木はダイレクトで中の山根に折り返す。
平松宗がDFと駆け引きをしオフサイドラインギリギリで飛び出すが、山根はそこを見つつもシュートの選択。
少しアウトサイドにかかったか…もしくはかかり過ぎてしまったか…このシュートは枠の外からサイドネットを揺らすことに。
しかし横浜FCのゴールキーパーのブローダーセンも、完全に平松へのクロスを予想した対応をしていたため、意表を突いたシュートとなり可能性を感じられたシュートだった。
首位の力 圧巻の2ゴール
14分、ペナルティエリアの少し外、中央でこぼれ球を拾った山下諒也が一気に群馬左サイドの裏へパスを通す。
ここに走りこんだのはイサカ ゼインであり、イサカはこのボールをダイレクトで中央に折り返す。
これをドフリーになっていた長谷川竜也がワントラップからシュートするが、畑尾大翔と小島雅也がブロックに入る。
このこぼれ球を小川航基に詰められるが、これは櫛引政敏が体に当てるスーパーセーブを見せる。
イサカのダイレクトでの折り返しが見事だったが…長谷川がドフリーだったのは頂けない。
岩上祐三が山下に対応していたため、ここは高木彰人が長谷川についてもう少し下りるべきだっただろうか。
17分、左サイドのスローインを北川柊斗が受け中央へ。
これを平松宗がキープし、後方の岩上祐三へ落とす。
岩上はシュートと見せかけ中央の高木彰人に当てる。
高木がこのボールを見事なターンからシュートに持ち込むが、これはわずかに枠の外に。
高木はこの時間までに良いターンが複数あり、ワンタッチで前を向くという能力が高い。
しかし23分、中盤から最前線の渡邉千真に良い縦パスが入り、これを小川航基に落とす。
小川が空間を使う見事なパスをDFライン裏に通し、これを長谷川竜也がバックヘッド気味に合わせて先制点を奪われてしまう。
中に入り込んできた長谷川に対して小島はしっかりとついていたが、パスの瞬間に少し押してオフサイドポジションに置いた…と判断したのだろう。
オフサイドだったのかオンサイドだったのか…非常に際どいところだったが判定はオンサイドとなり、結果的にオフサイドトラップ失敗の形で長谷川が抜け出してしまった。
見事な小川のパスに、長谷川のバックヘッドも素晴らしかったが…群馬としても小島は対応できており、オフサイドを取り損なったと言える。
対応できずにフリーにしたわけではなく、オフサイドを取りにいって失敗したということで…個人的にはこれはナイスチャレンジだったと思う。
序盤こそ群馬のフォーメーションが予想と違ったこともあってか、対応に戸惑った印象があった横浜FCだが…さすがに首位を走るチームだけに20分頃までには対応。
徐々に両サイドを押し上げて圧をかけてくる展開となり、群馬は逆に両WBが押し下げられて5バックに近い状態となる。
これによりパスカットなどで相手からボールを奪っても、その後が繋がらずに奪い返されるシーンが続く。
29分、群馬右サイドから武田英二郎がクロスを供給。
これは畑尾大翔が跳ね返すが、こぼれ球をイサカ ゼインが回収し中村拓海へ。
中村がゴール前に送り長谷川竜也が飛び込むが、これは櫛引政敏がスーパーセーブを見せ、ポストにも救われる形で難を逃れる。
クロッサーがどちらもサイドのCBという…これだけCBに高い位置を取られると厳しい状態に。
まさに横浜FCの攻撃は3バックの理想形と言える。
状況にもよるが武田を山根が見るのか高木が見るのか、この辺りをもう少しハッキリさせないと自由にCBにやられる状態となってしまうだろう。
30分、群馬左サイドからのコーナーキックを渡邉千真に合わせられ2点目を失う。
確かに手塚康平のボールは非常に良かったが、ポッカリと渡邉が浮いていたのが印象的。
一概にゾーンでの守備が悪いわけではないが…前節も含めこれだけセットプレーでやられるとなると再考の余地があるだろう。
防戦一方 完全に受け身となった群馬
32分、2失点目と同じく群馬左サイドからのコーナーキック。
今度はニアで岩武克弥に合わせられ、これをゴール前で山下諒也がコースを変えてゴールに流し込むもオフサイド。
完全にオフサイドポジションであり議論の余地すらないが、問題はその前の岩武にフリーで合わせられていること。
セットプレーが人数はいるものの…ほとんど全てをフリーの状態で合わせられており、当面の課題はセットプレーの守備構築ということになりそうな予感。
38分には2点を追わなければならない群馬も攻撃に。
ボール奪取からカウンターを発動し、右サイドを上がる山根永遠を使ったまでは良かったが…山根のクロスは精度を欠き直接キーパーへ。
41分、ロングボールを渡辺広大が競るも…目測を誤ったか頭に当てるも後ろに逸らしてしまう。
これを山中惇希も回収できず、小川航基が一足先に回収。
そこから群馬左サイドを上がるイサカ ゼインを使われ、距離はあったものの思い切りよく振り抜いた右足で3点目を献上。
広大のミスが全てではあるが…イサカに対峙した畑尾大翔の対応も良くはなかった。
中央の渡邉千真に対しては小島雅也がいたわけで(畑尾自身も小島に対応を指示している)、畑尾はもう少しイサカとの距離を詰めておかなければいけなかった。
確かに予想を上回る見事なシュートだったとは思うが、簡単に打たせ過ぎたのも事実。
抜かれないことが最も大事だという判断は間違っていないが、それにしても距離があり過ぎただろう。
山中が戻ってはきていたが、後ろからの対応ということもあり…やはり畑尾がもう少し距離を縮めておくべきだったかと思われる。
43分にはインターセプトから…という形ではあるが、小島雅也が右サイドを攻撃参加。
クロスは上げきれず当ててコーナーとなるが、この試合初めて3バックの一角が高い位置を取れたシーン。
逆に横浜FCは常に3バックの左右のどちらかが高い位置を取れており、これがこのスコアの違いに表れているだろう。
また内田達也がビルドアップの際にボールを受けたがらない印象があり、もう少し中央で受けてやらないと攻撃が作れないと思われる。
チームの約束事として岩上祐三が受けて攻撃を組み立てる…というのはあると思うが、もう少し内田が受けてやらないと厳しいだろう。
ハーフタイムでの修正力
後半は横浜FCのキックオフでスタート。
3失点となった群馬としてはやはりハーフタイムで動くことになり、高木彰人に代えて加藤潤也を、山中惇希に代えて奥村晃司を投入。
KJは本当はもう少し安ませたかったのではないかと思うが…そうも言ってられない状況だろう。
しかし高木は良かったと思うが…なぜ交代に?
どちらかと言えば北川柊斗の方が消えており、前半で下げても良いかと思う出来だったと思うが…。
山中は1つ外にポジションを移し、得意の攻撃力が見られるかと思ったものの…今節は山根永遠の右サイドが目立つ形に。
KJがいないというのは大きかっただろうが、山中としてはもう少し見せ場を作りたかっただろう。
この状態では前半で下げられてしまうのも仕方ないと言える。
奥村が投入されたことでポジションが変更となり、内田達也が右のCBに。
小島が右のワイドに開いて、山根が逆サイド左のワイドに移ることとなった。
3点を追う群馬は序盤から猛攻をしかけ、45分には加藤潤也が高い位置で奪ってカウンター。
KJから左サイドを開いた平松宗へ送るが、平松のクロスは直接キーパーへ。
47分には再び良いカットからカウンターを見せ、KJから山根、再びKJとボールが回る。
サイドを駆け上がる山根を再び使うが、山根のワントラップからの右足のシュートは枠の外に。
これが決まっていれば…まだわからない試合だったが…。
しかし山根はボールの持ち方から右利きだと思うが、どうも左足の方が精度が高いんじゃないかと思うことも。
そんな失意の直後、同47分に試合が動く。
小島雅也が粘ってボールを奪取し、平松宗に縦パスを付ける。
平松は中央の加藤潤也に送り、KJが少し溜めてからオーバーラップする奥村晃司に落とす。
奥村はドリブルでペナルティエリア内に侵入し、中央に折り返す。
中央に小島、ファーに平松と2枚いたが小島には少し合わなかったものの…平松がドフリーで冷静に飛び出すキーパーの上を抜くシュートを見せる。
平松は簡単なシュートを外す…というのが加入前の情報としてあったが、確かにこれは簡単なシュートではない。
キーパーの位置をしっかりと確認して、冷静に上を撃ち抜いた見事なゴールだったと言えるだろう。
また小島のボール奪取と、そこから一気にゴール前に侵入した動きが良かった。
小島のおかげでKJが浮き、平松も最後フリーになったと言える。
49分にも中盤で良いプレスからボールを奪取。
奪った岩上祐三が加藤潤也に縦パスをつけ、少し溜めたKJはオーバーラップする小島雅也へスルーパスを供給。
これは少し長くなり、飛び出したブローダーセンに抑えられてしまうが…交代から早々にKJ劇場となる活躍を見せる。
スルーパスがリーグ1位ということだが、成功率も50%を超えているようで…今シーズンの好調さが伺える。
56分には自陣でボールを回していたところ、渡辺広大から加藤潤也に縦パスが入る。
これをKJが右足アウトサイドで左サイドを駆け上がる山根永遠に向けて裏を通す。
山根はこれをダイレクトで左足でクロスを送り、平松宗が滑り込みながらゴールに流し込んで2点目。
KJのアウトサイドでのスルーパスに痺れたが、ダイレクトでキーパーが出られないギリギリを通した山根のクロスも見事。
また平松はこれも見た目ほど簡単なシュートでは無く、エースとして覚醒したのではないかと感じさせる活躍である。
平松は今節は前線で起点にもなれており、守備では積極的に追いまわしており、正直言って今シーズンベストの仕事をしていると言える。
このままこれが継続できれば、今シーズン二桁ゴールは間違いないだろう。
このゴールのあと、キックオフでのリスタート前に北川柊斗に代えて深堀隼平を投入。
ゴール前から準備はしていたが…元々北川との交代だったのか?それとも平松だったのをゴールを見て変えたのか?
どちらにせよ、ここで平松が下がらない辺りがこの試合の出来の良さを証明している。
奥村の見事な同点弾
61分には横浜FCも動き、小川航基に代えてサウロ ミネイロ、長谷川竜也に代えて松浦拓弥を投入。
連戦が続いているので疲労などもあるとは思うが、正直言って小川と長谷川が下がってくれたことはありがたい。
62分には山根永遠からのボールに平松宗が抜け出す。
オフサイドは無く、逆サイドからは深堀隼平が入り込んでくるが…シュートとパスで悩んだか、最終的にコースが無くなり当ててコーナーを獲得するにとどまる。
ダイレクトで深堀に送れていれば面白かったが、出せなかったなら自分で打つべきシーン。
平松としても出せなかったので縦に持ち出そうとしたが…このタッチが小さくなってしまって打てなかったと言えるだろうか。
66分には山根永遠からのパスを受けた奥村晃司が見事なミドルシュートを叩き込んでついに同点に。
奥村の前にスペースが空いており、完全に横浜FCのDFは引いてしまっていた…。
まさに前節の大宮戦での群馬と同じ状態であり、サッカーとは本当に不思議なスポーツだと思ってしまう。
奥村のシュートは見事だったが…奥村のキックの技術ならこのくらいやってくれないとというのが正直なところ。
この試合ではボランチに入り、非常に良い形でボールを受けて配球している。
やはり岩上祐三1枚では相手に対応されやすく、相方となる選手にもゲームの組み立てを期待したいところだろう。
内田達也の良さはそこではないので、今のチームの状態では岩上祐三への負担が大きかった。
逆に内田は右のCBに入ってからは抜群に良い動きを見せており、故障者が多いDF陣を考えるとCB起用を本気で考えても良いのではないだろうか?
城和隼颯が戻れば渡辺広大を含めて4枚で3か所を回せることとなり、小島雅也と山中惇希は本来の位置で使うことができる。
山根永遠と天笠泰輝もいるので、これでWBも4枚で2か所を回せることとなり…メリットが非常に大きいと思うが。
ただし風間宏希が復帰しないと、ボランチが岩上と奥村の2枚になってしまうが…。
勝利はどちらに?一進一退の攻防
70分には岩上祐三からのフリーキックを平松宗が頭で合わせるも、ブローダーセンがファインセーブ。
こぼれ球を深堀隼平が詰めるも…これはキーパーとの接触を避けたか打ち切れず。
ブローダーセンは3失点こそしているものの…かなり今日は当たっていると言える。
このシーンでブローダーセンが倒れていたこともあり、プレーがしばらく止まる。
再開の際に横浜FCは2回目の交代を使い、イサカ ゼインに代えて亀川諒史、高橋秀人に代えて安永玲央を投入。
後半の中盤以降、ゴールキーパーの櫛引政敏がかなり高い位置を取っているのが印象的。
これにより積極的にDFラインの裏のボールをペナルティエリアの外でも処理してくれるため、群馬は後半はかなり攻撃に重心をおけていると言える。
シーズン開幕時にも書いたが、櫛引のこの守備範囲の広さというのは1つの武器と言えるだろう。
77分には奥村晃司のトラップからのターンが狙われており、ここで奪われてしまう。
奪い返そうと少し手が出てしまって…奥村にはイエローカードが出てしまう。
ちょっと厳しい判定な気もするが…。
このフリーキック、ゴール前に送られたボールにサウロ ミネイロが明確に手を伸ばしにいくがハンドは取ってもらえず。
まぁ確かに手は出していたが触っていたかは微妙なところ。
こぼれ球を山下諒也にフリーで打たれており、セルフジャッジでプレーを止めてしまうのは頂けない。
79分にはフリーキックのチャンスを迎え、岩上祐三からのボールはファーで待つ畑尾大翔に。
畑尾が胸で落としたところを奥村晃司がミドルで狙うという、デザインされたプレーだったものの…このシュートは惜しくも枠の上に。
奥村としては先ほどのゴールもあっただけに、これは積極的に狙っていって正解だろう。
80分には内田達也からのロングボールを平松宗が収め、奥村晃司に落とす。
奥村は右サイドを上がる小島雅也に預け、小島からDFラインの裏に抜ける深堀隼平にスルーパスが通る。
しかし深堀のシュートはわずかに枠を外れ…らしい見事な裏抜けを見せるも…ある意味ではらしい決定力の無さを見せてしまう。
1点取れば波に乗れるかと思ったが…深堀の決定力不足はなかなか深刻なようだ。
シュートの手前までの動きは完璧なだけに、入りだせば波に乗るとは思うのだが…。
81分に横浜FCは最後の交代を使い渡邉千真に代えてクレーベを投入。
85分には山根永遠からのフィードを平松宗が頭で落とし加藤潤也に繋ぐ。
KJは中に切り込んで右サイドから上がる深堀隼平にスルーパスを通す。
再びキーパーと1対1の決定機を迎えるが…深堀のシュートはブローダーセンのファインセーブで止められてしまう。
これは深堀…と言うよりはブローダーセンを褒めるべきだと思うが、これが決まらないのが深堀の現状を表しているのかもしれない。
しかし平松は今日は本当にポストプレーが効いている。
89分には横浜FCが決定機を迎え、カウンターから完全に崩されてしまうがサウロ ミネイロのシュートはバーを直撃。
渡辺広大が最後必死にコースにスライディングに入ったのが効いていると思うが、横浜FCもチャンスを決めきれず。
94分にはこぼれ球を深堀が奪ったところからカウンター。
3対2の数的優位で左サイドの加藤潤也がフリーでボールを受けるが、KJはこれを中に折り返してしまい…誰にも合わず。
このまま試合は痛み分けという形になった。
ピックアップポイント
94分 なぜKJはシュートを打たなかったのか?
前半と後半で全く別のチームとなり、まさに前節の大宮戦の逆の出来事となった試合だった。
色々と要因はあるだろうが、その中でも流れを変えたかつレベル違いの力を見せたのが加藤潤也だろう。
それだけに最後のシーンが悔やまれる…というファンは多いと思うので、今回はこのことを考察してみたい。
まず、なぜシュートを打たなかったのか…本当のところは本人にしかわからない。
またもしかしたらチームとしての決め事があるかもしれないが、それを考えても最後のところはシュートを打ってほしかったという方が多いだろう。
あくまでも想像でしかないが、KJがシュートを打たなかった理由を考えたい。
まず最初に深堀が回収したボールをドリブルで運ぶ。
この際に3対2の数的優位が出来ており、手塚康平は深堀に対応する位置を取る。
亀川諒史は中央の平松宗のマークに入るということで、セオリー通りの対応となった。
縦に抜け出した深堀隼平だが、そのあと2タッチの後にKJにパスを出している。
まずこれが1つ。
理想は縦に抜け出した次のタッチでKJを走らせるスルーパスを送りたかったが…せめて中に切り込んだ1タッチ後にスルーパスを通すべきだった。
時間がかかったことでオフサイドラインと残りスペースの関係でKJの速度が落ちてしまう。
ワンタッチで中に切り込んだあとにスルーパスが出せていたらこうなる。
そして2つ目として、深堀のパスがKJが受けたかった位置よりも多少ではあるがマイナス気味になってしまう。
これにより速度が完全に失われてしまったことになる。
1つ目の理由でシュートコースの角度が狭くなり、1つ目と2つ目の理由で威力のあるシュートを打つのが難しくなってしまった(KJが右利きというのも関係あるだろう)
ストライカーであれば、それでも左足のタッチでボールを前に出して左足でニアを撃ち抜くシュートを狙っていただろう。
そしてKJがFWとして出場しているだけに、それを求めるファンも多いだろう。
自分としてもアレはダイレクトもしくはワントラップでゴールに向かって、最終的にはシュートで終わってほしかったとは思う。
しかしあれだけバンバンと鬼のようなスルーパスを通していたKJだけに、恐らく外に開いた平松への浮き球だったと思うが…それを通す自信があったのではないだろうか?
それが結果としてミスキックになり想定よりもマイナスに行ってしまったと。
平松の手前には内田も入ってきており、決して可能性が低かったわけではなかったと思われる。
水戸戦でのイメージもあっただろうし、自分でシュートを打つよりもパスを通した方が確率が高いという計算だったようにも思うのだが…。
あまりにもシュートを打たないので、自信を失っているのではないかという声もあるようだが…むしろスルーパスが気持ちよく決まり過ぎて自信がある方が要因な気がする。
あくまでも想像でしかないが、KJが打たなかった理由を考察してみた。
個人的な意見としてはシュートで終わってほしかったと思っているが、状況を考えるとパスのタイミングが遅れたことでシュートの難易度が上がったのは事実。
そしてファーに平松、中央に内田が入ってきており、そちらに通せれば…というのも事実。
そこまで判断した上でのキックミスであれば、KJを責めるのは違うと個人的には思う。
MOM
この試合のMOMは…平松宗としたい。
2得点の活躍はもちろん、この試合では最前線でボールを上手く収めていたのもポイント。
平松に求められている役割としてポストプレーというのがあるだろうが、正直言ってこれまではそれほど機能していたとは言えない。
しかしこの試合ではグラウンダーの縦パスが数本入っており、上手いこと溜めて時間を作れたシーンが多く見られた。
前半はなかなか見られなかったが、これは3失点ということもありチーム全体の問題と言えるだろう。
また90分を通して最後まで1番前からプレスをかけ続けていたのも好ポイント。
今までは深堀の方が良いプレスをかけていた印象があるが、この試合は素晴らしいプレスを90分通して続け切ったと言える。
そして山根永遠にも触れたいが、彼は左サイドの方が良いのかもしれない。
KJが入ってリズムが変わったのも大きく、一概に左右の違いだけではないだろうが…左サイドの方が活き活きとプレーしている印象がある。
またサイドハーフよりもウィングバックの方が良さそうに見えるが、これはスペースを使えるのでスピードに乗った状態からボールを受けられるというのが大きいかもしれない。
止まってボールを受けてそこから仕掛けてDFを剥がす…というプレーもできる選手だが、スペースに走りこんだ方が持ち味が活きるのかもしれない。
また山根も90分を通して最後まで走り切り、88分にはよく戻って守備対応をした。
更にもう一人触れたいのが内田達也。
ボランチではボールを受けて配球して…というのがあまり良くなかったが、CBに入ってからは素晴らしいパフォーマンスを見せた。
ポジショニングの良さで守備をするタイプの選手だけに、中盤で攻撃の組み立てを求めるのは違うとは思うが…岩上1人だと苦しかったのも事実。
しかし後ろに移ってからは、ロングボールを裏に通したりと攻撃でも良いプレーを見せている。
これは恐らくボランチでは360度どこからでもプレッシャーをかけられるが、CBであれば180度に半減することが大きいだろう。
また3バックでは絶対に必要な両サイドのCBの攻め上がりだが、前半は小島の1つしかなかった。
後半の内田はチーム全体が前を向いていたということもあるが…かなりの数攻撃参加している。
4バックのCBとするには身長が足りず競り合いにも強いわけではないという弱点が見られるが、3CBのサイドというのはかなり適性が高そうに思われる。
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