※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第32節はホームでの福島ユナイテッドFC戦です。
前節はホームで八戸を相手に、大敗とも言える内容でした。
首位の八戸ということで敗戦は予想できたものの、残留に向けてのお気持ち表明を出したにもかかわらず…変化が見られずに負けたというのが今後の不安材料となる試合と言えたでしょう。
今節は前回対戦で打ち合いを制して勝利した福島が相手ということで、ここでしっかりと勝点を確保しておきたいところ。
残留に向け、沼津との直接対決以外は上位陣が多く残っている群馬としては…良いイメージのある福島を相手に立て直したいところでしょう。
(福島もプレーオフの可能性がある上位ですが)
今回はそんな福島ユナイテッドFC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
30 | 小柳達司 | |
36 | 安達秀都 | |
MF | 7 | 西村恭史 |
15 | 風間宏希 | |
18 | 田中翔太 | |
20 | 下川太陽 | |
FW | 32 | 河田篤秀 |
38 | 小西宏登 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 14 | 菊地健太 |
MF | 5 | 山口一真 |
8 | 山内陸 | |
27 | 藤村怜 | |
35 | 玉城大志 | |
37 | 瀬畠義成 | |
49 | 小竹知恩 | |
FW | 11 | 加々美登生 |
群馬は前節から4枚を入れ替え。
山内陸、櫻井文陽、青木翔大、菊地健太に代えて、風間宏希、田中翔太、下川太陽、河田篤秀をスタメン起用。
山内と健太はベンチスタートとなったが、櫻井と青木はベンチ外ということに。
青木は前節の負傷により今シーズン終了と思われるが、櫻井は同日の大学リーグに出場しているため怪我などではない様子。
ベンチは前節のレッドカードで出場停止となっている船橋勇真が外れ、玉城大志と加々美登生がベンチ入り。
特に加賀美は久々のベンチ入りとなっており、怪我の可能性はあるものの…やや不可解なベンチ外が続いていたと言える。
FW陣の離脱が相次いだためにチャンスが廻ってきた…と言えるかもしれないが、加賀美に期待したい。
注目はもちろん怪我人続出のFW陣。
ここ最近の傾向を見ると、3-5-2が予想されるために前線は2枚。
河田篤秀は間違いないだろうが、相方が誰になるのか…というのが注目だろう。
今までは西村恭史が務めていたわけだが、今日のメンツを見ると田中翔太をここで使うのが正解ではないか?
逆にこれで田中を左WBにするようであれば…本当に沖田監督を始めとするコーチ陣を疑わねばならない。
さすがに下川太陽と小西宏登とWBの選手がスタメン入りしているので…田中を前で使うとは思うが…。
田中を左WBとし、西村をFW、下川を左のインサイドハーフで使いかねないのが今シーズンの采配ではある。
また、河田篤秀の1トップは機能していると言い難く…再び3-4-3に戻っていたら…それも救いようがないと言えそうである。
1トップに田中翔太を置き、左に河田、右に西村恭史ならば…それはアリかもしれないが。
福島ユナイテッドFC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 上田智輝 |
DF | 3 | 松長根悠仁 |
17 | 藤谷匠 | |
23 | 安在達弥 | |
25 | 當麻颯 | |
MF | 20 | 城定幹大 |
30 | 狩野海晟 | |
37 | 由井航太 | |
FW | 10 | 森晃太 |
11 | 芦部晃生 | |
40 | 樋口寛規 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 安西駿 |
DF | 2 | 山田将之 |
28 | 鈴直樹 | |
55 | 柴田徹 | |
MF | 7 | 針谷岳晃 |
8 | 吉永大志 | |
38 | 粟野健翔 | |
FW | 9 | 清水一雅 |
18 | 矢島輝一 |
福島は前節から1枚を入れ替え。
矢島輝一に代えて森晃太をスタメン起用。
矢島はそのままベンチ入りしているため、ベンチメンバーまで含めた20人には変更は無しということになった。
注目は今日のメンバーだと最前線に入ると思われる樋口寛規か。
WGでも出場しているように、突破力と得点力がある怖い存在であり…ここまで9ゴールとチームトップスコアラーである。
また今節スタメンとなった森晃太も怖い存在である。
足元の技術とキック精度が高く、芦部晃生も含めて前線の3枚を自由にさせないことが重要になるだろう。
中盤で嫌な存在となりそうなのは…城定幹大だろうか。
試合経過
【0~15分】田中のFW起用
前半は福島のキックオフでスタート。
今日も群馬は紫の3rdユニを着用しての試合となった。
福島もアウェーユニの白を着用しているため…どことなく広島vs浦和感があるのは…気のせいだろう。
開始早々の1分、城定幹大の胸トラップでの落としを西村恭史が狙っておりボール奪取。
そのタッチで田中翔太につなぐと、ややゴールまで距離はあるものの前が空いていることもあり田中はシュートを選択。
これは藤谷匠にブロックされたが、こぼれ球を河田篤秀が足に当てて押し込みにいくも…わずかに枠の右に外れてしまう。
ディフレクションであったため…河田としても難しくしっかりとシュートを狙えた…という状況ではなかった。
そのため、なんとか足には当てた…というのが正しそうな状況であり…仕方ないが、これが決まっていればゲームは異なるものとなっていた可能性も。
2分、今度は福島がチャンスを作る。
城定幹大から右の芦部晃生につなぐと、マークに付いていた高橋勇利也を先に滑らせてからシュートを放つ。
しかし猛ダッシュで戻ってフォローに入った下川太陽が、素晴らしいスライディングブロックを見せてコーナーに逃れることに成功する。
わずか2分ではあるが…ここまでの出だしは明らかに今までと違い、この試合に絶対に勝とうとする選手たちの気持ちが見えている。
気になるフォーメーションだったが、やはりここ最近採用している3-5-2でスタート。
予想通りと言うべきか予想外と言うべきか…田中翔太は2トップの一角での起用となった。
1分に早々に存在感を見せており、やはり田中はストライカーとして使うべきだろう。
また自分の予想と違ったのは、アンカーに安達秀都を置いたこと。
風間宏希をアンカーに置くかと思っていたが…安達を底に、右に西村恭史、左に風間という布陣となった。
そして前節や前々節に比べると前からプレスに行っているように見え、WBも比較的高い位置を取っているように見える。
(5-3-2でブロックを敷いていたが、この試合は3-5-2の方が近い)
また福島の方はと言うと、守備時はフォーメーション図の通りに4-3-3が基本(4-5-1と言うほうが正しいか?)となっている。
しかしビルドアップの際には後ろが3枚となり、右SBの安在達弥が1列上がって由井航太とダブルボランチ気味になるのが特徴と言えるだろう。
特徴と言えば…選手間の距離が非常に近いのも特徴であり、ピッチを狭く…中央を厚く使おうという意図が見える。
そう言えば大槻監督時代に非常に狭い距離感の3バックをやっていた記憶があるが…個人的にはあまり好きなやり方ではない。
【15~30分】チャンスを決められかった群馬。決め切った福島
16分、福島が自陣深めの位置でスローインのリスタート。
今日の群馬は高い位置からハイプレスを採用したためか、ボールをキーパーまで下げさせることに成功する。
上田智輝から由井航太へとパスを付けるが、このトラップ際を河田篤秀が狙っており足を出す。
ボールは風間宏希のところにこぼれると、左の田中翔太に折り返しシュート。
しかしこれはブロックされてしまいコーナーとなってしまう。
風間のところで打てていれば…というところではあったが、持ち出したタッチがやや長くなってしまったのが悔やまれるところ。
タッチがやや長くなってしまったことで、當麻颯のスライディングブロックがシュートコースに入ってしまい…風間は横への落としを選択した形となる。
19分、大畑隆也が左サイドをドリブルで持ち運ぶが…ややタッチが長くなったところを城定幹大がスライディングでカット。
そのまま自ら持ち運び、最後は左足を振りぬいたが…巻ききれずにゴールの左に外れていく。
ちょっと気になるのは城定に対応した高橋勇利也。
城定の後ろから右サイド裏に芦部晃生か?が上がる形を見せたため、そちらを見る必要があったのは事実。
しかしマークの受け渡しがうまく行っておらず、遅れて西村恭史が出たために間に合わずフリーでシュートを許してしまっている。
西村としても森晃太へのパスコースを切っていた状態であり、城定へ飛び出すのはかなりリスクのある選択でもあっただろう。
映像を見る限り…の話ではあるが、芦部を見る必要はあったものの…もう少し勇利也が粘って対応するシーンだったように思う。
24分、福島のビルドアップのミスを突く形で河田篤秀がボールを回収。
キーパーが前に出ていたこともあり、かなり遠目ながら狙っていったが…これは枠のやや左に外れてしまう。
28分、高橋勇利也からのロングボールは河田篤秀を狙ったものだっただろうか?
もしくは更に奥の小西宏登へのキックが短くなったのかもしれないが…とにかく通らずに松長根悠仁に頭で繋がれてしまう。
これを受けた狩野海晟が、しっかりとボールを受ける前に周囲を見ており…ダイレクトで叩いてプレスに来た西村恭史を剥がす。
このパスを受けた森晃太が一気に縦に持ち運び、内側に持ち出してからグラウンダーのボールを中に送る。
狩野がスルーし、その奥で城定幹大が綺麗に合わせると…これがゴールに吸い込まれて先制を許してしまう。
いやぁ…城定のシュートは見事の一言なのだが…個人的には最初の狩野の判断がこのゴールのキモだと思う。
狩野のところで時間をかけずに、ダイレクトでフリーでスペースの空いている森に送れたのが全てだっただろう。
今シーズンの群馬のDF組織は残念ながらザルと言って過言ではないのは事実だが…あの展開のカウンターだと防げるチームの方が少ないだろう。
【30~45分】復調の兆しを見せる小西
30分、芦部晃生が縦に仕掛けるも…ここは抜ききれずに一度後方に下げる選択。
受けた城定幹大がファーにクロスを送り込むと、これを松長根悠仁が頭で合わせるも…叩きつけ過ぎてしまい枠を外れてくれる。
ミートしていれば完全にやられていたとも言える、危ないシーンだった。
31分、小西宏登が縦に仕掛け右足でファーにクロスを送り込む。
これを下川太陽が難しい体勢ながらもボレーで合わせたが…これがゴール前の田中翔太に当たってしまう。
このシーンだけではないが…今日の下川は攻守にいつも以上にやる気を感じさせるプレーが多い。
この時間辺りで気になったことだが、ビルドアップの際に西村恭史がほぼ参加していないのが気になるところ。
いつもとは違うポジションにいる…というのはあるだろうが、いつも右インサイドハーフにいる安達秀都と比較するとビルドアップに関わっていない。
西村は得点力も期待できる選手なので、チームとして前目の位置を取らせている…ということならば良いのだが。
そのため、今日のビルドアップは2CB(小柳達司と大畑隆也)と、アンカーの安達秀都、左インサイドハーフの風間宏希の4人がメイン。
そこにタイミングでWBが下りてきたり、高橋勇利也や西村が参加するような形となっている。
また、守備時には前からプレスをかけている…とは既に書いたが、正直連動しているとは言い難い。
取りに行きたい選手と、そのタイミングじゃないと判断している選手が混在しているような感じであり、なかなか連動してハメに行けている状態とは言えないだろう。
とは言え積極的に前から追おうという姿は今までとは違うと言える。
44分、小西宏登の折り返しを安達秀都が狙っていくが…これも田中翔太に当たってしまう。
こぼれ球を再び右に開いている小西に広げると、小西は今度はファーへのクロスを選択。
これを下川太陽がシュートするも…ブロックされ、跳ね返りが下川に当たったか、ゴールキックとなってしまう。
怪我明けから今一つキレが戻らなかった小西だったが、前節少し良くなり、今節はかなりパフォーマンスが戻ってきている印象。
とは言え、まだまだ物足りなさもあり…小西ならもっと出来るという期待感があるのも事実ではあるか。
こうして前半は群馬の方が多くチャンスを作った印象となったが、それを決め切れず…。
逆に福島は少ないチャンスを決め切って先制に成功した…という前半となった。
【45~60分】変わらぬセットプレーの弱さ
後半は群馬のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの選手交代はなくリスタートとなった。
49分、右からのコーナーを得るとキッカーは風間宏希。
風間から送られたボールはゴール前で混戦となり、なんとか河田篤秀が収めかけるが…突かれて収まらず。
しかしこのボールを小西宏登がミドルシュートで狙っていく。
が…これは枠を捉えることができなかった。
51分、良いロングボールが森晃太に送られると、森はクロスの選択だったか?
これを近藤壱成が弾きに言った…と言うよりはファンブルに近い気がするが…ともかくこぼれ球を芦部晃生に詰められてしまう。
しかしここは高橋勇利也か?大畑隆也か?身体を張ってブロックして防ぐ。
群馬DF陣は芦部のハンドを主張したが…これは認められず。
55分、群馬が攻めていたが…奪われたところからカウンター。
狩野海晟から素晴らしい縦パスが森晃太に入ると、そのままハーフライン付近からゴール前まで持ち運んでいく。
シュートを許す形にはなったが、大畑隆也がしっかりと対応しておりスライディングで足に当ててコーナーキックとなった。
しかしこのコーナー…森晃太が中央に送ったボールに誰も触れず抜ける形となり、松長根悠仁が押し込んで追加点を許してしまう。
森のボールは非常に良かったが…誰も触れなかったのが痛すぎる。
特に近藤壱成が触れなかったのは批判されてしまうプレーとなるのだが…芦部晃生が前に入って近藤にプレーをさせないようにしているのがポイント。
現在のルールに照らし合わせれば芦部が近藤をブロックしているのは、この程度であればノーファールではあろう。(事実誰も抗議していない)
しかしキーパー経験のある自分としては…ボールにプレーする意思がなく、キーパーのプレーを妨げるだけの行動はファールとしてもらいたいと思っている。
現在はキーパーもフィールドプレーヤーと同じ扱い…というのが基本となっているが、やはりチームに1人しかいない「手が使える」というポジションは特殊であろう。
やはり特殊なポジションであるため(昔のキーパーチャージのようにとは言わないが)、ある程度は守られて良いのではないかと思っている。
とは言え現状ファールでないため、このシーンは芦部が上手いことやったと言わざるを得ない。
それも含めて、今シーズンの群馬はセットプレーに対して守備が構築できなかったのが問題である。
【60~75分】早い段階での交代策
62分、群馬ベンチが動く。
小西宏登に代えて小竹知恩、西村恭史に代えて瀬畠義成、河田篤秀に代えて山口一真を投入する。
これにより下川太陽が小西のいた右に移動し、小竹は左に入る。
そして瀬畑がアンカーに入り、アンカーだった安達秀都が西村のいた右のインサイドハーフに入ることとなった。
DAZNでは移っていなかったように思うが、このタイミングで福島も交代カードを切っており、芦部晃生に代えて清水一雅を投入。
清水が最前線に入り、樋口寛規が芦部のいた右にポジションを移すこととなる。
69分、左サイドで小竹知恩がボールを受けると、更にその左裏のスペースへ流れた山口一真を使う。
山口からの折り返しを安達秀都が受けると、更に内側の風間宏希に落とすが…これは打てず。
安達のところでシュートを打っていても良かったように思うが…。
70分、ここで群馬ベンチが再び動く。
風間宏希に代えて藤村怜を投入。
フジレンはそのまま風間のいた左インサイドハーフに入る。
71分、小竹知恩のロングスローからチャンスを作るが…逆に最後は小竹のクロスがブロックされたところからカウンターのピンチを迎える。
クロスをブロックした清水一雅がそのままルーズボールを追うと、タイミング的には完全に瀬畠義成が勝っていたのだが…スライディングでのクリアを清水に当ててしまう。
そうして清水がフリーで抜け出していくとキーパーとの1対1の形を作りかけるが、素晴らしい戻りを見せた安達秀都が対応。
これは後で取り上げたい。
【75~90分】一矢報いるも続かず
75分、群馬ベンチが交代を使い切り。
下川太陽に代えて加々美登生を投入する。
そのまま右のWBに入ることとなるが、加賀美は7試合出場がなかった状態。
それ以前もあまり使われておらず、実質17節の八戸戦くらいまで遡ることになってしまう。
出場機会の減少は怪我なのかもしれないが…とにかく加賀美としてはここでアピールしておきたいところだろう。
77分、福島ベンチも動く。
樋口寛規に代えて矢島輝一、安在達弥に代えて鈴直樹を投入する。
79分、小竹知恩から山口一真にパスが通ると、山口は一度フォローに入った瀬畠義成に下げる。
瀬畑が中央の安達秀都に送ると、安達がワントラップからポケットにスルーパス。
これを藤村怜がダイレクトで流し込んで1点を返す。
フジレンは山口がボールを持ったところでも裏を狙っており、積極的にDF裏を狙っていたことがわかる。
このポケットに入り込む能力はフジレンの持ち味と言えるだろう。
シュートも素晴らしかったが、安達の「打ってください」と言わんばかりのスルーパスも見事だった。
しかし…福島としてはこんなにポッカリとフジレンをフリーにしてはいけなかろう…。
81分、再び清水一雅が右サイドから一気にゴール前に迫る。
キーパーと1対1の形となったが、近藤壱成が良い飛び出しを見せたこともあってか…最後はシュートではなく折り返しを選択した様子。
これは小柳達司がクリアしてコーナーキックとなった。
84分、左サイドへのロングボールに森晃太が抜け出す。
ここは小柳達司と加々美登生で挟み込むように対応したが…間を通され狩野海晟にパスを付けられてしまう。
狩野がキープから森に戻すと、1つ持ち出してからシュートを放つ。
これは近藤壱成がナイスセーブを見せ、こぼれ球は小竹知恩がクリアしてスローインに逃れる。
85分、福島ベンチが最後の交代に動く。
狩野海晟に代えて吉永大志、森晃太に代えて山田将之を投入する。
これにより残り時間は守り切りとなり、後ろは4枚から5枚に変更され5-3-2となった。
86分には小竹知恩から山口一真と繋ぎ、山口が強烈なシュートを放ったものの…キーパー正面。
コーナーキックのチャンスもあったが…最後まで同点弾は奪えずに3連敗となった。
しかも相模原戦の引き分け前は5連敗であり、9試合で勝点の積み上げはわずか1となっている。
ピックアップポイント
71分、カウンターを防いだシーン
今回は71分のカウンターを受けたシーンを取り上げたい。
小竹知恩のクロスが清水一雅にブロックされてしまい、そのこぼれ球を清水自らゴール前まで持ち込んだシーンである。
瀬畠義成のスライディングで本来は奪っていなければいけないところだったが…負けていることや展開から山口一真に繋ぎにいったのだろう。
それが清水に当たって、跳ね返る形となってしまった。
清水一雅がゴールに向かっていくが、形としては近藤壱成と1対1の状況。
恐らく近藤は1対1を覚悟したと思われる。
しかし安達秀都が猛ダッシュで帰陣を見せ、清水に対して身体を寄せてバランスを崩させる…アンド、(清水から見て)右に逃げさせコースを狭めることに成功する。
これにより近藤がほぼ正面でブロックを作ることができ、身体に当ててコーナーとなったわけである。
安達の戻りの速さと、清水に対する守備対応は見事なのだが…今回取り上げたいのはその時の戻る動きの方。
先に清水に対するデュエルの方も書いておくが、対人守備対応がもう一つの安達としてはパーフェクトなチャージであった。
安達は技術が高く、ゴールシーンのフジレンへのスルーパスのように、どちらかと言えばセンスのあるプレーヤー。
攻撃の選手であり守備はそれほど上手くなかったが、ここずっと試合に出続けることでかなり守備対応が上手くなっている印象がある。
それでも対人の強さはなく、ボランチでプレーするならもっとガツンと行けると更に上のプレーヤーになると思っていたところ。
例えばこの試合でも1失点目のところ、森晃太に対してはもっと強くボールを奪いに行って良かっただろう。
後ろの枚数は十分いたので、ガツンと奪いに行って抜かれたとしてもそれほど問題はなかったシーンである。
この辺りの守備強度が上がると、更に良いプレーヤーになるのは間違いない。
そのため、ここでの対人対応は素晴らしかった。
話がやや逸れたが、取り上げたいのは71分の清水一雅に対して戻る際の動き。
全速力でゴール前に戻っているにも関わらず、安達は少なくとも2度は振り返って状況を確認しているのがポイントである。
福島の選手で他にゴール前に向かう選手はいるのか?
群馬の選手で戻ってこれそうな選手はいるのか?
この辺りをしっかりと確認し、清水にチャージしに行っているのである。
そのため、やみくもに清水に向かってはおらず…中央へ上がってきた森晃太へのパスコースを切り、清水をサイドに押しやるような動きになっている。
シュートブロックには間に合わなかった…というのも事実だろうが、近藤壱成が1対1の準備を整えていたこともあり、安達はシュート対応は近藤に任せて自身は森へのパスを切りつつ清水を追いやり角度を消す対応をした…となる。
先ほど書いた「守備対応が上手くなっている」というのはこういうところ。
身体のぶつかり合い…という意味での守備対応はまだまだであるし、170cmと小柄で技巧派でもあるので今後もめっぽう強い選手にはならないかもしれない。
しかし攻撃時に見せていたサッカーセンスの良さを守備でも見せられるようになり、スペースの消し方、守るべきスペースへの戻り方、パスコースの切り方というのが開幕時に比べると随分と良くなっている。
このまま試合に出れる環境で経験を積めば、良い中盤の選手になりそうである。
MOM
この試合のMOMは藤村怜としたい。
この試合も該当なしで良いような感じだが、途中出場からの1ゴールは高く評価されるものだろう。
そして以前から書いているが、フジレンの適所はここであり…アンカーのわけがない。
適所という意味では田中翔太も目に見える結果は残せなかったものの、中央で存在感は見せたと言えるだろう。
間違いなく前で使うべき選手である。
他には両WBの小西宏登と下川太陽も持ち味は見せていたと言える。
途中出場組では山口一真がやはり…と言える技術の高さを見せていた。
が、終盤のコーナーキックに時間をかけたのは印象が悪い。
(落ち着かせて…などという意図はあったかもしれないが)
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