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【2025 J3第29節】ザスパ群馬 対 SC相模原【レビュー】

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※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

第29節はホームでのSC相模原戦です。

日程の関係でアウェーが4連戦ということになりましたが、まさかの?予定通りの?4連敗。

その前のホーム戦も含めると5連敗という非常に厳しい状況となっています。

クラブからはいわゆるお気持ち表明が出されましたが、それを受けてこの試合はどう変わるかが注目ポイントとなりそうです。

対する相模原は2連敗中となっており、こちらも群馬ほどではないものの…ここらで立て直したいところでしょう。

群馬としては今後のカードも考えると、なんとか勝点を稼いでおかないと残留も厳しい状況に…。

 

今回はそんなSC相模原戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ザスパ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 13 近藤壱成
DF 3 大畑隆也
14 菊地健太
36 安達秀都
43 野瀬翔也
MF 7 西村恭史
33 櫻井文陽
37 瀬畠義成
FW 9 青木翔大
18 田中翔太
20 下川太陽

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 21 キム ジェヒ
DF 25 野瀬翔也
MF 5 山口一真
8 山内陸
15 風間宏希
27 藤村怜
35 玉城大志
49 小竹知恩
FW 38 小西宏登

 

群馬は前節から3枚を入れ替え。

小柳達司、藤村怜、河田篤秀がスタメンを外れ、野瀬翔也、瀬畠義成、青木翔大がスタメン起用となった。

小柳と河田はそのままベンチ外となったが、河田は前節のイエロカードによる累積で出場停止であるが…小柳はどうしたのだろうか?

 

ベンチでは前節待望の群馬デビューを果たした中島大嘉の姿もなく…代わって中野力瑠、玉城大志、小竹知恩がメンバー入りとなった。

中島を外す理由がないので、怪我かコンディション不良とは予想していたが…試合後に怪我の発表があった。

全治は公表されていないが…下手したらシーズンが終わる可能性すらある。

怪我と言えば髙澤優也も恐らくシーズン終了と思われる。

しかし高橋勇利也と船橋勇真は再びベンチ外となっているものの、特に情報は公開されていない様子である。

 

注目はやはり前節にゴールを決めている青木翔大。

出場時間が短いながらも、チームトップの5得点となっており…シーズン前の「得点王を狙う」というのも単なる意気込みではなかったことを感じさせる。

本当に「なぜもっと使わないのか?」という選手なのだが…唯一考えられるのは年齢による衰えで90分計算できないこと。

そのためこの試合は青木をどこまで引っ張れるのか?もしくは最後までプレーできるのか?という点に注目したい。

(最後までプレーが落ちなければ…単純に監督の好みに合わないとしか言いようがないだろう…)

 

また河田篤秀が累積、髙澤優也が怪我、中島大嘉が怪我ということで…ワントップを務められる選手が青木翔大しかいないのも注目ポイント。

そのため今日のメンバーであれば、自分が監督ならば田中翔太をベンチに置くのだが…。

そもそも田中はサイドで機能しているとは言い難く、中央に置きたい選手であり、ワントップの控えもいない今節ではベンチに置くべき選手だろう。

左WBは小西宏登に小竹知恩がおり、90分はコンディション的に難しいのだろうが山口一真もいる。

何もアクシデントがなければ消耗したWBに代える形で田中を入れられるし、何かあれば青木のところにフレッシュな状態で田中を投入できる。

まぁ35歳となった青木が90分落ちずにプレーできれば何の問題もないが…それであれば、やはり「なぜ今まで使わなかったのか?」ということになってしまう。

SC相模原

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 46 バウマン
DF 20 山内琳太郎
28 小笠原佳祐
54 綿引康
MF 4 島川俊郎
6 徳永裕大
10 中山陸
16 高野遼
26 西久保駿介
FW 22 福井和樹
23 加藤拓己

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 31 猪瀬康介
DF 7 河野諒祐
18 三鬼海
36 中塩大貴
MF 24 杉本蓮
27 西山拓実
FW 11 武藤雄樹
14 高木彰人
80 高井和馬

 

相模原は前節から5枚を入れ替え。

加藤大育、河野諒祐、藤沼拓夢、大迫塁、武藤雄樹が外れ、小笠原佳祐、島川俊郎、高野遼、西久保駿介、加藤拓己がスタメン起用となった。

加藤大育(累積)、藤沼、大迫がベンチ外となり、三鬼海、中塩大貴、高井和馬がベンチ入りとなっている。

 

相模原と言えば、5ゴールを記録しているラファエル フルタードが気になるところだが、これで3試合続けてのベンチ外。

どうやら怪我のようである。

逆に加藤拓己が前節6試合ぶりに復帰しており、こちらは怪我明けの様子。

 

注目はこの加藤と、甲府から8月に加入した中山陸。

他にはやや出番が限られている元群馬の3人か。

高木彰人はそれなりに出場しているようだが、中塩大貴と高井和馬は出場機会に恵まれているとは言い難いところ。

試合経過

【0~15分】早々にネットを揺らされるも、これはオフサイド

前半は相模原のキックオフでスタート。

3分、相模原のフリーキックは跳ね返すと、こぼれ球のミドルシュートもしっかりとブロック。

しかしそのこぼれ球を高野遼がDF裏に放り込むと、加藤拓己がネットを揺らすもオフサイドの判定に。

リプレイを見ると確かにオフサイドではありそうだが、結構際どかった印象もある。

オフサイドに救われたと考えて、しっかりと気を引き締め直さないといけないだろう。

 

この序盤はチャンスらしいチャンスはこのオフサイドシーンのみ。

流れとしては群馬が前節とは異なり、いつも通りの形でボールを保持しながら進めていく展開となった。

またマイクの関係かもしれないが…この試合は非常に両チームのサポーターのチャントが聞こえる印象も。

特に群馬は5連敗にもかかわらず、ホーム戦にこれだけ人が集まってくれたことに応えたいところだろう。

【15~30分】前へ圧力をかける群馬

18分、相模原のゴールキックはバウマン小笠原佳祐に短く繋ぐ。

小笠原から左の綿引康に広げると、ここに安達秀都が一気にプレスをかける。

綿引のパスに足を出すと、これが青木翔大の方に転がっていく。

青木がダイレクトで横に落とすと、徳永裕大櫻井文陽よりも先に触れそうだったが…コントロールはできずに、結果として櫻井に当たり左に流れていく。

ここに西村恭史が滑り込みながらシュートを放つが、これはバウマンがファインセーブを見せてコーナーに。

シュートがキーパー正面であり…コースが甘かったとは言えるが、ここはバウマンのセーブを誉めるべきだろう。

 

21分、ペナルティエリア外でボールを処理しようとしたバウマンに対して、下川太陽が良い寄せを見せてボールを奪う。

西村恭史に繋ぐと、西村がシュートまで持ち込むが…これはミートしなかったか?

シュートの速度が足りずに、DFにブロックされてタッチラインに逃げられてしまう。

 

25分、群馬のスローインでのリスタート。

スローインを受けた安達秀都がゴール前に放り込むと、西村恭史が頭で落とし、瀬畠義成がミドルを狙っていく。

しかしこのシュートもバウマンがセーブし、こぼれ球はDFがクリアして再びスローインに。

 

この時間帯はやや群馬が押し込んでいるが、このようにチャンスシーンはビルドアップからではなくショートカウンターの形が多いと言える。

【30~45分】互いにチャンスシーンは作るも

31分、西久保駿介か?右サイドで早めのタイミングでゴール前にクロスを放り込む。

DFライン裏に飛び出した加藤拓己がこれを頭で合わせるも、ミートはしなかったか?シュートは威力なく近藤壱成が良いセーブを見せる。

こぼれ球は大畑隆也が簡単に大きくサイドに蹴りだして、一旦落ち着かせる選択を。

完全に加藤に裏を取られていたが、ここはなんとか凌ぎ切ったと言える。

 

32分、ピッチ中央よりやや自陣側で西村恭史が倒されるもノーファールの判定。

小笠原佳祐が右サイドに良いパスを送ると、福井和樹が勝負を仕掛けカットインからシュートを狙っていく。

しかしこれは対応した菊地健太が少しだけ足に当てており、ボール1つ2つ分ほど左に外れていく。

健太が触らなかったら枠に行ったかもしれないが、恐らく近藤壱成が触れていたのではないか…といったところ。

健太近藤も良い対応をしたと言える。

 

46分、群馬のゴールキックは近藤壱成が長いボールを蹴っていく。

青木翔大が頭で前方に送ると、ここに下川太陽が抜け出していく。

ワンタッチで持ち出して右足でややループ気味のシュートを狙っていくが、ここはバウマンが触ってコーナーに逃げられてしまう。

良い抜け出しだったが、綿引康の対応も良く、下川は外に逃げる形からのシュートとなったためやや難しくなっただろう。

とは言え利き足ではない右で枠に送っており、決して悪いシュートではない。

 

こうして前半をスコアレスで終えることとなったが、今日の群馬は明らかにロングボールが増えた。

また前線でワンタッチでのプレーも多く出ている印象があり、いつもの停滞したビルドアップとは違う状態と言える。

これが監督の指示によるもので…5連敗を受けてやり方を多少変えてきたのなら良いのだが…。

 

また今節は守備対応が5-3-2に近く、前線は青木翔大西村恭史の2枚で対応するようなシーンが多い。

その下に瀬畠義成をアンカーに、右に安達秀都、左に櫻井文陽といった形で守備を行っているように見える。

【45~60分】左サイドを中心に攻めるも

後半は群馬のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの交代はなくリスタートとなった。

余談だが、ハーフタイムでいつも通りザスパンダダンスが行われたが…相模原サポのノリが良かったのが印象的。

当然振り付けなんてわからないだろうが、大型ビジョンを見ながら見様見真似で踊っている人たちの姿がカメラに抜かれていた。

あちらからすれば相手チームの催し物ではあるが、こうやって何でも楽しんでいくスタイルはサッカー以外でも是非とも真似したいところである。

 

47分、瀬畠義成から左サイドの菊地健太に広げると、健太が縦に突破から低いクロスを送る。

ニアで田中翔太が飛び込んだが、これは枠の左に外れてしまう。

健太に対応した西久保駿介が接触で倒れたという部分はあったが、良い突破からチャンスを演出したと言える。

 

49分、再び左サイドを崩していく。

菊地健太から内側を上がった瀬畠義成にパスが出ると、これを瀬畠がファーにクロスを送る。

下川太陽が頭で折り返し、青木翔大がDFを背負いながらシュートまで持ち込むも…これはブロックされてコーナーに。

青木はだいぶユニフォームを引っ張られていたが…今日の判定はやや甘めのため両チーム同じようにやり合うシーンが目立つ。

 

56分、瀬畠義成がパスを引っかけると、青木翔大と2人で一気に前に運んでいく。

最後は瀬畠のクロスに田中翔太が頭で合わせるが、これは枠の上に外れてしまう。

シュートは残念な結果となったが…やはり田中は中央、ゴール前にいてこそではないだろうか?

この試合以外でもサイドではあまり存在感を示せていないが、今節はゴール前で惜しいシュートシーンを2度作れている。

この試合では菊地健太の攻撃参加が控え目になっており、また攻撃に参加する際にも外を使うシーンが多い。

そのためWBである田中が内側に入れて良い関係を作れているようである。

これが5連敗による戦術の修正なのか、高橋勇利也菊地健太の使い方の違いなのか…。

とにかく健太本人としても、ボランチでプレーしたりはしたものの…やはり本職は左のサイドバックであろう。

今節のように田中安達秀都瀬畠義成などと絡んで外側を使う方がやりやすそうに見える。

【60~75分】交代遅く、先制ゴールを奪われる

64分、左サイド裏に菊地健太が抜け出すが、西村恭史へのパスはブロックされてしまう。

しかし再び群馬がボールを奪い返し、安達秀都から西村に送り、西村がシュートを狙っていくが…これは枠の右に外れてしまう。

ここまで左サイドを中心に良い形を作れていたが…どうにも決定機と言えるところまではいかず。

この時間帯は64分にシュートシーンこそ作れたものの、全体的には群馬のラインが下がり気味となり青木翔大が前線で孤立している印象。

守備でボールを奪っても前に青木しかいないため、なかなか収まり切らず、または単に大きなクリアにしかならずに相模原がボールを持つ時間が続いている。

そろそろ交代で動きを見せたいところか。

 

なんて思っていた65分、先に相模原ベンチが動く。

西久保駿介に代えて三鬼海徳永裕大に代えて杉本蓮を投入する。

 

71分、群馬のファールで相模原のリスタート。

自陣で細かく繋いだが、ここから島川俊郎杉本蓮高野遼とダイレクトが3本続く。

これで綿引康が一気にドリブルで突破していくと、最後は猛ダッシュで左側を駆け上がった杉本にスルーパス。

杉本はシュートではなくファーの三鬼海へのクロスだったと思うが…これがブロックに入った大畑隆也に当たってネットに吸い込まれていく。

素晴らしいスピード感のある攻撃であった。

やはりダイレクトが3本も続くとDFにはズレが生じると言えるだろう。

しかしそれよりも左側のCBである綿引の攻撃参加と、杉本がパスを出したあとに信じて走り切ったあたりが大きいと言える。

パス&ゴーとかパス&ランとか言われるが、パスを出したら走るというのが…どうにも群馬は徹底されていない。

ドリブル突破した綿引も、島川へパスを出したところからリターンで受けられるように前に動いたのをきっかけに攻撃参加した形である。

 

73分、このゴール後のリスタート前に両チームが動く。

まずは相模原が福井和樹に代えて高木彰人加藤拓己に代えて高井和馬を投入する。

群馬は安達秀都に代えて藤村怜瀬畠義成に代えて山内陸田中翔太に代えて小西宏登西村恭史に代えて山口一真と一気に4枚代え。

どうやら失点前から交代の準備はしていたようだが…失点を受けて3枚から?4枚に増やした様子。

交代選手はそれぞれそのままの位置に入るようで、山口は今節は左WBではなくシャドーに入る形となった。

【75~90分】まさかの退場と、値千金の同点弾

77分、野瀬翔也からパスを受けた藤村怜が、身体を回転させながらプレスをいなそうとしたところ…杉本蓮に奪われてしまう。

咄嗟に手が出たようで、杉本を掴んで倒してしまう形となり…これが一発レッドの判定となってしまう。

このシーンは後ほど。

これで入ったばかりのフジレンが退場となり、立ち位置的にも修正が必要になるだろう。

恐らく櫻井文陽山口一真フジレンのいた位置に下げることになるだろうが…。

 

82分、同じタイミングで両チームが交代カードを切る。

相模原は山内琳太郎に代えて中塩大貴を投入。

山内はこの前のところで足を傷めたようで、担架で退場ということになった。

群馬は下川太陽に代えて小竹知恩を投入する。

これで小竹が左のWBに入ったため、小西宏登が右に移動することとなる。

藤村怜の退場で5-3-2の守備を5-3-1にするかと思ったのだが、どうやらそのまま5-2-2の様子。

山内アンカーに右にフジレン、左に櫻井文陽だったものを、ダブルボランチに変えただけのようである。

攻撃時には櫻井がそのままこの位置に残る形で、3-4-2という形になった。

 

85分、野瀬翔也小西宏登に広げると、櫻井文陽とのワンツーからシュートを狙っていく。

ファーに大きめに外れたこともあり山口一真がボレーにいくも届かず。

恐らくシュートだったと思うが…シュート性のボールでファーの山口を狙ったのだろうか?

 

88分、近藤壱成が低く速い縦パスを山口一真に付けると、山口がワントラップから左サイド裏にハイボールを送る。

ここに小竹知恩が抜け出すと、ややトラップが決まらなかったか…スピードを保って抜け出すことは出来ず。

しかししっかりと溜めてから右アウトで山口にリターンを送ると、ワントラップで右に持ち出して完璧なシュートを流し込んで同点に。

万全ならJ3にいるような選手じゃない…とは言われていたが、本当に技術力が高い。

というか…シュートまでが速かった。

多分だがトラップは思った通りのところに置けていないだろう。

やや後ろに詰まってしまった形となったように見えるが、即座に反応して右足を振り抜いた。

逆にトラップが狙い通りならば、それはそれで凄いのだが…。

近藤の縦パスは相手に渡りピンチを招くことも多いのだが、通ればこのように一気にチャンスを作ることができる。

右も左もそれなりの精度で蹴れる近藤なので、ややハイリスクハイリターンではあるが…今後も積極的に狙っていきたいところ。

さて先ほどの相模原の得点シーンでも書いたように、これも山口がしっかりとパス&ランをしているが故の結果。

このパス&ランをしっかり行ったからこそ、山口近藤のパスを引き出した際に後ろからプレスをかけた綿引康を置いていくことに成功したと言える。

 

93分、小西宏登中塩大貴にボールを奪われてしまう。

中塩がそのまま持ち運び、横の杉本蓮にパスを送るが…ここは群馬DFもしっかりとブロックしシュートは打たせず。

跳ね返りを高野遼が回収から中塩に送り、中塩がファーにクロスを送ると高木彰人が頭で合わせるも…これは近藤壱成がファインセーブ。

こぼれ球に高野が頭から、山内陸が足で飛び込むがノーファールでゴールキックの判定となった。

うーん、これ山内のところでファールを取られていてもおかしくなかったかもしれない。

山内と言えばその前の、中塩から杉本への横パスが入ったところでも杉本を後ろから両手でプッシュしているのが気になるところ。

誉められたプレーではないが…主審と副審の位置をしっかりと把握しての行為であればマリーシアと言えるだろうが…こちらも審判によっては笛を吹いていてもおかしくなかったのではないだろうか?

(今日はかなり判定が甘い印象があったので、笛が鳴らない確信があったのかもしれないが)

しかし根本的には、小西があの位置で簡単に失ってはいけない。

怪我明けから小西はパスミスも含め、簡単に失うシーンが目立っており…いったいどうしてしまったのか…。

 

96分、相模原のコーナーキックは近藤壱成がパンチングで跳ね返す。

これを回収した山口一真が運ぶと、内側の櫻井文陽を使う。

右に山内陸、左に小竹知恩が上がったが、櫻井は左の小竹を使う。

しかし…ここから加速できずゴール前には折り返せず…なんとか小竹は強引にシュートに持ち込んでコーナーを獲得したが…やや残念な結果となってしまった印象が強い。

櫻井のところで右の山内を使った方が良かったように見えたシーンだが、恐らく櫻井はこの位置への入り方とトラップの仕方で右が見えていなかったのではないだろうか?

 

こうして最後は山口一真のゴールで意地を見せたものの、内容的には完全に負け試合と言えるだろう。

藤村怜の交代直後の退場など不運もあったが、交代策の遅さやスタメンの選び方など沖田監督に対する疑問も多い。

しかし菊地健太の使い方や多用したロングボールなど、やり方を変えたように見える部分も多いのは事実。

この勝点1が、残留に向けて大きな1になることを願いたい。

ピックアップポイント

フジレンの退場シーン

今回は藤村怜の退場シーンを取り上げたい。

一発レッドとなったわけだが、果たしてこれは本当にDOGSOだったのか?

先に結論からいくと、個人的には十分にレッドカードが納得できるシーンだったと考えている。

が、人によってはイエローカードもあり得たかもしれない、ややオレンジがかったレッドと言ったところだろうか?

(自分が審判であればレッドを出すレベル)

 

まずは野瀬翔也からパスを受けた藤村怜だが、プレスにきたために回転していなそうとしたと思われる。

これを杉本蓮に読み切られた形となったか、足を出されてボールを突かれてしまった。

その際に足が絡んだことで杉本は転倒したかと思うが、その際に右手も出しており…これで抱えたように見えるのが印象が悪い。

足が当たって倒れたのか、右手で引き倒したのかはわからないが…まぁどちらにせよファールで間違いないだろう。

 

となるとこれがDOGSOになるのか…という部分だが、DOGSOの4要件を見ていきたい。

まずは「反則とゴールとの距離」であるが、やや距離はあるものの後方にはキーパー1枚ということを考えると該当していると見ることはできるだろう。

 

次に「プレーが相手ゴールに向かっているか」であるが、ややボールは外側に流れているものの…先ほど書いたようにゴールまで距離があるために十分に次のタッチでゴールに向かうことが可能。

大きく外に向かっているわけではなく、十分にベクトルはゴールに向かっていると判断できるだろう。

 

続いて「守備側競技者の位置と数」だが、ファールのシーンだけを切り取ると野瀬翔也が残っているように見えなくもない。

しかし野瀬藤村怜からリターンを受けられるように外側に開いている途中であり、杉本がそのまま抜け出した場合は逆の動きになるため対応が少し遅れただろう。

近藤壱成も高い位置にいたために…杉本を遅らせて野瀬が追いついた可能性はある。

とは言え…やや判断は割れそうではあるが、十分に杉本はキーパーとの1対1を作れていたと判断して良いだろう。

 

最後「ボールをキープできる、コントロールできる可能性」だが、これは問題ないかと思われる。

フジレンが触らなければ杉本は次のタッチで十分にボールを自身のコントロール下に置いたと考えて良い。

そして先ほど書いたように、このタッチでゴール方向に持ち出せれば確実に決定機であったと言える。

 

ということで、全くもって疑う余地のないDOGSOとは言い切れないかもしれないが…十分にDOGSOの要件を満たしていると考えられる…というのが個人的な見解である。

中央には高井和馬も抜け出せた形となっており、杉本は自分で行くだけでなく折り返す選択肢も取れただろう。

フジレンのファールで倒れたために、野瀬が間に合ったのではないかと見えがちだが…接触しなかったら完全に抜け出していたと思われる。

MOM

この試合のMOMは山口一真としたい。

もはや言うことはないだろう。

これがチームを救う一撃となることを期待したい。

山口としてもシーズン前からのオーバートレーニング症候群、そこからの移籍と胸中は色々と複雑な想いだった今シーズンと思われる。

このゴールが復活のきっかけになることを期待したいところ。

 

続いて青木翔大の名前を挙げたい。

やや戦術も変えた可能性はあるが…青木が出ると別のチームと言えることを証明した試合であろう。

90分しっかりとプレーしきり、やはりなぜ使われないのか…単純に監督の好みのプレーではないだけなんじゃないだろうか…というのが濃厚となった。

また山口のゴール後にすぐにボールを回収したところなど、このようなチーム状況で絶対に必要なキャプテンシーを持った選手と言える。

次節は河田篤秀が戻ってくるわけだが、青木の使い方をどうするのか…沖田監督の判断に注目したい。

 

そして今日も好セーブを連発した近藤壱成の名前も挙げたいところ。

失点は大畑隆也に当たってコースが変わったため、キーパーとしてはノーチャンス。

大畑としてもブロックに滑り込んで正解なシーンであり、大畑のせい…と言うよりは不運と言える)

ビルドアップでハイリスクを背負っているために評価が下がりがちな印象があるが、個人的には近藤はかなり高く評価している。

 

評価が下がりがちと言うとCB陣も気になるところ。

かなりハイリスクな戦術なだけで、個人的には大畑隆也にしろ野瀬翔也にしろ、小柳達司にしろJ3では下位レベルのCBではないと思う。

特に守備面では身体を張って守れているものの…2枚しか残っておらず大きく開いた状態でショートカウンターを防げるわけがない。

ビルドアップのミスは選手の能力面も大きいだろうが…どちらかと言えばそれをやらせている戦術面の問題だろう。

3バックでも4バックでも、普通にやればJ3上位とは言えないかもしれないが中位のレベルのCB陣ではあると思うのだが…。

 

ついでにファン・サポーターからの評価が低い選手として、菊地健太にも触れたい。

確かに以前の試合などで、全くもって機能していない試合もあったのは事実。

(そもそもそれも不慣れなボランチや、左CBながらも攻撃時にはボランチのようなプレーを求められた)

しかし今節ではむしろよくやっていた側の選手であり、今日のこの内容で批判されるのは少々気の毒と言える。

クロスの精度がもう少し高ければ一転ヒーローになっていた可能性もあり、この辺りも使い方の問題ではないだろうか?

 

話がMOMから遠ざかった感があるので、話を戻して試合を通して好プレーを見せた選手として櫻井文陽の名前を挙げたい。

試合展開のところでも触れたが、攻撃面で大事なパス&ランができている数少ない選手である。

常にパスを受けるスペースを探しており、常にポジションを動かしている。

これで2試合続けてフル出場と、残り試合及び来シーズンが楽しみな選手である。