※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第8節はホームでの大分トリニータ戦。
再び3連戦となった2試合目、週中の水曜日に行われるゲームとなりました。
前節はアウェーの徳島ということで、長距離移動となっていますが…今節は大分も長距離移動で群馬にやってきており日程くんは本当に優秀ですね。
その前節と言えば、内容は決して良いとは言えなかったもののシーズン初勝利を記録。
この流れを維持していきたいところですが、今節の相手は相性も非常に悪い大分ということで難しいゲームが予想されます。
今回はそんな大分トリニータ戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
36 | 中塩大貴 | |
MF | 3 | 大畑隆也 |
5 | 川上エドオジョン智慧 | |
6 | 天笠泰輝 | |
10 | 佐藤亮 | |
15 | 風間宏希 | |
29 | 田頭亮太 | |
FW | 8 | 髙澤優也 |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 24 | 酒井崇一 |
MF | 22 | 高橋勇利也 |
FW | 7 | 和田昌士 |
17 | 山中惇希 | |
40 | 佐川洸介 | |
41 | 永長鷹虎 |
群馬も前節からメンバーの変更は無し。
連戦とはなるものの…前節結果を出したということもあってか変更は無い…ということになるだろうか。
ベンチを見るとコンディション不良で2試合離脱していた酒井崇一が復帰。
いきなりのスタメン復帰とはならなかったものの、とりあえずベンチに戻ってきたのは好材料の1つと言える。
また離脱中のもう一人、櫛引政敏はこの試合でもメンバー外となっており…もしかしたら長期の離脱となる可能性も出てきた。
大分トリニータ
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 32 | 濱田太郎 |
DF | 2 | 香川勇気 |
25 | 安藤智哉 | |
27 | 松尾勇佑 | |
34 | 藤原優大 | |
MF | 5 | 中川寛斗 |
6 | 弓場将輝 | |
18 | 野嶽惇也 | |
19 | 小酒井新大 | |
FW | 13 | 伊佐耕平 |
29 | 宇津元伸弥 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 24 | 西川幸之介 |
DF | 3 | デルラン |
4 | 薩川淳貴 | |
MF | 26 | 保田堅心 |
FW | 11 | 渡邉新太 |
39 | 有働夢叶 | |
93 | 長沢駿 |
大分は前節から4枚を変更。
前節は後半の早い時間に相手に退場者を出したものの、岡山の決死の守備もありゴールを割れずにドローという結果になっている。
それもあってか…更には連戦を考慮してか、ターンオーバーということに。
前節ベンチだった松尾勇佑、中川寛斗、伊佐耕平をスタートから起用。
更にはベンチ外だった小酒井新大がスタメン起用ということになっている。
スタメンだった薩川淳貴、保田堅心、渡邉新太、長沢駿はベンチスタートとなっており、それ以外にもベンチは多少メンバーの入れ替えが行われている。
注目はトップ下の中川寛斗となるだろうか?
大分はシーズンオフにJ1への移籍者が多く、それもあってか今シーズンは少し苦しんでいるようではあるが…。
また契約満了だったものの急遽再契約となったらしい長沢駿が大活躍を見せており、この試合でもベンチに座っているので気を付けたいところ。
試合経過
【0~15分】雨の正田スタ ロングボール多用
前半は群馬のキックオフでスタート。
今節は強めの雨が降るものの、群馬としては珍しく風はほとんどないコンディションとなった。
この試合もここ数節と同じように、比較的長めのボールを多用。
またゴールキックも短く繋がずに長いボールを蹴っているようである。
13分、藤原優大から良い楔の縦パスが入ると、中川寛斗がヒールでフリック。
伊佐耕平がダイレクトで左サイドに展開すると、宇津元伸弥が素晴らしいワンタッチで田頭亮太の股を抜き突破しにかかる。
しかし田頭も冷静に対応し、入れ替わられそうだったものの先に身体を入れてゴールキーパーにバックパスを送りこれを防ぐ。
藤原の素晴らしい楔のパスから始まり、流れるような見事なパスワークであったが…田頭も上手に対応したと言えるだろう。
14分、伊佐耕平が落としたボールを小酒井新大がダイレクトで右サイドに大きく展開。
これを受けた松尾勇佑はオーバーラップする野嶽惇也は使わず、自らカットインを選択。
少し運んでから斜めにパスを選択すると、ここに宇津元伸弥が入り込みシュートを放つも枠の上に外れてくれる。
ステップがやや合わなかったように見えたが、上手く調整してダイレクトで打ったことでタイミングもズレたか…石井僚が動けなかっただけに危なかった。
【15~30分】コーナーからオウンゴールで先制を許す
19分、右サイドいっぱいに開いた佐藤亮が大畑隆也からボールを引き出す。
これをダイレクトで内側にいた田頭亮太に送ると、ワンツーの形で再びボールを受けて裏のスペースに抜け出すことに成功。
ドリブルで少し運ぶと、戻った香川勇気との駆け引きから1つインに持ち出して左足を振り抜く。
無回転気味の良いシュートがファーに送られるが…これは濵田太郎がナイスセーブでコーナーに逃げる。
香川も佐藤の左足を十分に警戒していたように見えたが、やや距離を取り過ぎていたためにシュートまで持ち込まれてしまったと言えるだろう。
また…佐藤はスピードを活かして突破するタイプでは無いので十分に戻りが間に合ったが、中央は平松宗1枚だったこともあり藤原優大がスライドしてきても良かったように思う。
その平松と言えば、佐藤のシュートに対してスライディングで飛び込んでおり…結果的には触れなかったもののこういったプレーはどんどんと繰り返してほしい。
22分、右サイド中川寛斗からのクロスは大畑隆也が競り勝つも…戻りながらとなったためにボールは上に上がってしまう。
このボールも天笠泰輝が頭でクリアするが、ボールは香川勇気の足元に。
香川はダイレクトで内側の弓場将輝に入れると、弓場もダイレクトで前に送る。
これに伊佐耕平と野嶽惇也の2枚が重なるようになったために…DFの対応にズレが出たか、伊佐が更に流したボールに野嶽がスルっと抜け出してしまいシュートを打たれてしまう。
しかしここは城和隼颯が足を出してコーナーに逃れることに成功。
今季は本当にややゴールから遠いところのボールホルダーにプレッシャーがかからない…。
このシーンで言うと最初の中川のところだが、あんなに簡単にクロスをゴール前に入れられてしまってはマズいと思うのだが…。
もちろんそこを捨てて、ゴール前に人数を多くかける…という考え方でやっているのはわかるが…。
その後はダイレクトが3回続いたこともあり、守備対応は非常に難しくなり…コーナーに逃げられただけでも良い対応だったと言える。
これを見て思うのだが…群馬の攻撃はダイレクトが続くことが本当に少ない…。
23分、この左からのコーナーキックを蹴るのは宇津元伸弥。
ニアに送られたボールはストーンを超えたところに入るが、ここを守っていた大畑隆也にはやや高かったか…。
バックヘッドで上に逸らしきれずに、ややコースが変わっただけでゴールに吸い込まれてしまいオウンゴールとなってしまう。
大畑、天笠泰輝、更には飛び出した石井僚と重なってしまったために接触もあって…という部分もあったかもしれない。
しかし…大分の選手は誰も入ってきておらず、声掛けで大畑は無理に飛ばず後ろの石井がパンチングでクリアすれば良かった。
もちろん石井も声を出しているだろうし、あのタイミングで大畑が飛ばずに後方に任せる…という咄嗟の判断も難しいのは事実だが。
難しいのはわかるが…ここに大分の選手がいなかっただけに、結果として勿体ないオウンゴールになってしまったように思ってしまう。
【30~45分】やや膠着状態か…決定機を作れず
30分を過ぎ、点差が開いた…ということもあってかやや群馬の時間帯が続くことに。
何度か良い形で攻撃を作り出し、攻撃回数も増えてはいるものの…なかなかゴール前までは迫れず決定機と言えるものは作れない。
とは言え、ここ数試合は前半でもしっかりと攻撃をしようとする意図が感じられるようになったのは前進と言えるだろうか…?
41分、GKから縦パスを引き出した弓場将輝が前を向くと、一気に右サイドに展開。
受けた松尾勇佑がドリブルで運んでから、ゴール前にグラウンダーのパスを送り込む。
ここに伊佐耕平が飛び込むが届かず、抜けたボールは石井僚がキャッチに行くが…スリッピーな路面もあってかファンブル。
弓場が詰めるも、それより先に右手でかき出し回収に成功する。
ファンブル…ではあるがコンディションの他、目の前で伊佐が触れるか触れないか…というプレーのためGKとしては難しい。
むしろ冷静によく抑えたと言って良いだろう。
しかし…右サイドに展開した弓場がここに詰めてきている…というのが素晴らしい。
ボランチというのはこうあるべきで、戦術的な部分もあるのだろうが…群馬のボランチは相手のボックスまで入り込めていないのが問題点となっている。
こうしてオウンゴールから1点を失い、良い時間も作ったものの…全体的には大分ペースで前半を終えることとなる。
【45~60分】猛攻を仕掛けるもゴールは奪えず
後半は大分のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの交代は無くリスタートとなった。
48分、右サイドでコーナーキックを得るとキッカーは風間宏希。
ニア寄りに送ったボールは跳ね返されてしまうも、佐藤亮が回収し再び風間に。
風間から1つ…佐藤を飛ばす形で天笠泰輝に送ると、やや距離はあったもののワンタッチからミドルシュートを選択。
これが抑えの効いた素晴らしいミドルとなるが、濵田太郎がナイスセーブで再びコーナーとなってしまう。
トラップが完全にミドルを狙ったもので、ミドルシュートが少なかった群馬としては好印象。
今日は雨でスリッピーというのはあるだろうが…それを除いてもこれだけ良いキックを持っているのだからもっと積極的に狙っていってほしいものである。
49分、こうして得た2本目のコーナーであったが、今度の風間宏希のキックは中央ややファーに。
しかしこれはGKが飛び出してパンチング。
こぼれ球を川上エドオジョン智慧が回収し、ワントラップから右足を振り抜くも…これは惜しくも枠の上に外れてしまう。
このシュートに対して4人がシュートブロックに入るという、大分も気合いの入った素晴らしい守備を見せ…間に合ってはいないもののこれがプレッシャーとなった可能性は大いにあるだろう。
やや難しい体勢ではあったが、トラップせずにダイレクトで打てていたら面白かった。
53分、髙澤優也が左サイドに抜け出してボールを受けると、中央は平松宗1枚ではあったが…早いタイミングでDF裏に抜けるボールを送る。
このボールがやや長かったか、ワンテンポ出すのが遅れた形となったか…。
平松にとっては意図しないところだったようで、動き直した際に足を滑らせる形となってチャンスを失ってしまう。
57分、川上エドオジョン智慧からのパスを風間宏希が右アウトサイドでフリック。
これを髙澤優也がダイレクトで天笠泰輝に送ると、天笠はドリブルで運んでから右サイドの佐藤亮へ。
佐藤がワントラップで足元に止め、ファーへのシュートを選択するも…これは濵田太郎がセーブ。
こぼれ球を髙澤が回収し、エド、中塩大貴と繋ぎ作り直し、最終的に佐藤が再びミドルを狙うが大きく枠を外してしまう。
佐藤のシュートがもう少し…という部分ではあったが、このようにダイレクトが2つ続けば一気にチャンスを作り出すことができる。
59分、群馬ベンチが先に動き、平松宗に代えて佐川洸介、天笠泰輝に代えて高橋勇利也を投入する。
【60~75分】お互いに交代カードを切り合う
61分、大分ベンチも動き中川寛斗に代えて渡邉新太、伊佐耕平に代えて長沢駿を投入する。
中川は比較的自由に動き回り神出鬼没でマークが難しくはあったが…それにより伊佐がやや孤立気味となった印象はあった。
中川が空けたスペースを第三者が上手く使えていれば…もっとチャンスを作り出されてしまったように思う。
66分、すぐに群馬が2度目の交代を使う。
髙澤優也に代えて和田昌士を投入するが…ここは1枚だけの投入に留めるようである。
追う展開でもあるし、このタイミングでもう1枚投入しても良いように思うが…。
70分、再び大分ベンチが動き、野嶽惇也に代えて有働夢叶、宇津元伸弥に代えて薩川淳貴を投入。
両ベンチ共に交代カードを使い流れを掴もうとする。
74分、中塩大貴から楔で入れた縦パスが和田昌士に合わず…逆に安藤智哉にダイレクトで良い楔のパスを入れられてしまう。
これを受けた渡邉新太がターンして前を向くと、左サイドを上がる薩川淳貴を使う。
薩川はこれをダイレクトでシュート…だったと思うが、ミスキックとなり結果的に長沢駿の足元に。
長沢がこれを素晴らしいターンからシュートに持ち込むも、城和隼颯がブロックしてコーナーとなる。
後ろ向きだったこともあり、ダイレクトで落とす…フェイントで高橋勇利也を外して一気に前を向く…素晴らしいターンだった。
正直失点していてもおかしくなかったが、ここは城和が身体を張って追加点は許さず。
【75~90分】最後まで攻め切るもカウンターに沈む
80分、大分のコーナーが2本続く…というピンチを迎えるも、凌いでカウンターを発動。
セカンドボールを奪った川上エドオジョン智慧が一気に持ち上がり、左サイドを上がる佐藤亮へ送る。
佐藤からその外を回った佐川洸介に送られ、佐川のクロスをファーで田頭亮太が受けるも…コントロールできず。
一旦相手ボールとなってしまうも、次のパスを風間宏希が回収し再び田頭に送る。
田頭から前のスペースに抜け出した高橋勇利也にスルーパスが送られると、潰されながらもクロスを送る。
これが飛び出したGKに当たり上に跳ね上がると、佐川が頭で狙うが…戻った安藤智哉が頭でクリア。
佐川はちょっと正直過ぎるヘディングだったかもしれない…。
ゴールに戻りながらのクリアとなるため、左側に送るよりも右側に送る方が面白いのは事実だったが…身体も完全に正面を向いておりコースがわかりやすいヘディングであった。
82分、群馬が3度目の交代を使い、佐藤亮に代えて永長高虎、田頭亮太に代えて山中惇希を投入する。
これにより田頭のポジションに川上エドオジョン智慧が入り、山中はエドのいた左に入ることとなる。
87分、大分の左サイドからの攻撃を受けると、これを跳ね返すものの…回収され長沢駿のシュートを浴びる。
これは枠の上に外れてくれる形となるが、だいぶ群馬は足が止まってきている印象も…。
ゴールキックでの再開前に大分が最後の交代枠を使い、松尾勇佑に代えてデルランを投入し守備固め。
CB3枚にして後ろ5枚で守りきる選択となる。
ホームでの初勝利が欲しい群馬としては、なんとか得点を取るべく攻撃を続けるものの…ゴールは奪えず。
まだ残り時間はあるもののコーナーキックでは石井僚が前線に上がるというパワープレーも見せる。
しかし91分、クリアボールを有働夢叶が回収すると一気に長い縦パスを送る。
ここに渡邉新太が抜け出すと、城和隼颯との駆け引きから右に持ち出し右足を振り抜いて追加点を奪う。
同点に追いつこうと攻撃をした結果、ひっくり返されての失点…というのはサッカーでは良くあること。
挑戦した結果としてこの失点は前向きに捉えて良いと思うが…城和の対応には疑問符が付くか。
この辺りは後ほど。
94分、左サイドから山中惇希の上げたクロスは合わなかったが…これを大畑隆也が回収。
川上エドオジョン智慧とのパス交換で自分の前にスペースを作ると、左足でファーサイドにクロスを送る。
これを山中が頭で折り返すが中は合わず弓場将輝が頭でクリア。
しかしクリアは不十分でほぼ真上に上がり、落ち際を和田昌士が技ありのボレーでループ気味にゴールを狙う。
ややコースは甘かったものの、これも濵田太郎がセーブしコーナーキックに。
今日の濵田は当たり日と言って良いだろう。
こうして最後まで攻めたものの、大分のゴールをこじ開けることはできずにタイムアップとなった。
ピックアップポイント
91分の失点シーン 城和の対応
今回はダメ押しの2失点目となった、91分の失点シーンを振り返りたい。
まず初めに試合経過でも書いた通り、「同点に追いつきに行った結果ひっくり返された」という部分は全くもって悪いことではないと思う。
点を取りに前がかりになっていた結果であり、挑戦した結果であり、サッカーではよく起こることである。
もちろん失点せずに守り切れるのがベストではあるが、展開的には仕方ない失点と言えるだろう。
ここまでを前置きとして、今回は渡邉新太に対応した城和隼颯についてみていきたい。
まずは有働夢叶からの縦パスに、渡邉が抜け出す。
渡邉の最初のボールタッチの時点で下記のような状況だが…これ自体は先ほど書いたように仕方ない部分と言える。
問題はこの後の対応であり、結論を先に書くと…城和は距離が遠過ぎる。
渡邉新太1枚が抜け出した形であり、他に誰も大分の選手は上がってきていない(間に合っていない)
特に中央には誰も入り込んでいないため、なぜここまで中を切る対応をしたのか?
もちろん中に切り替えさせず、外に追いやるのがDFのセオリーではあるが…それにしても距離が遠過ぎるために1つ外に持ち出した状態でシュートを打たれてしまっている。
更に言えば渡邉は右利きであり、それはここまでのボールタッチを見ても明らか(右足でしか触れていない)
例えば佐藤亮が相手であればこのくらい内側を消して、苦手な右足でシュートを打たせる…というのもアリではある。
外に追いやるのは正しいが、もう少し距離を縮めておかないと右に持ち出した際にこのように全く届かない位置にボールを置かれてしまう。
もう少し詳しく言うと、ペナルティエリア内でのエリアは3つに分けて考える。
下図の①②③がその3種類だが、当然1番危険なのは③のエリア。
ゴールの多くがこのエリアから決まるものであり、ここに入らせないように身体を外に向けて外に追いやる…という対応自体は間違っていない。
しかしながら渡邉新太がボールを右に持ち出したポイント(上図)はもちろん、シュートを打ったポイントですらまだ②のエリアなのである。(上図はボールを右に持ち出したポイントで、下図がシュートを打ったポイント)
まだまだ十分にゴールに角度があり、シュートコースが広いと言えるゾーンであり…ここで簡単に打たせてはいけない。
もう少し距離を詰めて簡単に打たせず、更に外に逃げさせて①のゾーンまで追いやってからシュートを打たせないといけないわけである。
もちろん距離を詰めたが故に切り返されて③のゾーンに入られてはならないが…切り替えすということは時間がかかるということであり、中塩大貴に大畑隆也が戻ってきている。
繰り返すが、更に言えば渡邉は右利きであることから…状況を考えると②のゾーンで右足を振り抜かれるくらいなら切り返させて中塩と挟み込んだ方が良い…まである。
縦パス一本に抜け出した段階で、城和隼颯も自身の裏(群馬でいう右サイド側)も見ており…ここに大分の選手がいないことは確認していると思うのだが…。
しかし渡邉新太が上手かったのは、ボールを受ける前と受けてからと2回中を確認していること。
これにより自らシュートに持ち込むだけでなく、中央にパスを送る可能性…というものを城和に植え付けた部分はあるだろう
これにより城和は中央へのパスが出た際にも対応できるようにポジションを取り、寄せきれなくなった可能性がある。
誰も走り込んでいないにも関わらず、渡邉新太は目線で大分の選手が詰めてきているように錯覚させることに成功した…と言えるかもしれない。
と言うように、城和の対応がマズかったのは事実だが…城和の対応を誤らせた渡邉の駆け引きが上手かったとも言える。
選手によっては「一瞬でそこまで考えていない」と言うかもしれないが、だとしても経験から自然に身体が動いているだけで、お互いの脳内では駆け引きが行われているのである。
MOM
この試合のMOMは川上エドオジョン智慧としたい。
前節に続いて再びエドを選出したいが、この試合でも攻撃面では左サイドをほぼ支配したと言えるだろうか。
しかしサイドで孤立するシーンも多く、もう少し周囲のフォローが欲しいところ。
この辺りは戦術面や選手の個性にもよるのだが…エドはもう少しフォローして上げた方が活きるように見える。
例えば山中惇希であれば下手にフォローに行って前のスペースを消してしまうより、1対1を作らせてスピードで勝負させた方が良い。
逆に佐藤亮であれば単独での突破を期待するよりも、もう1人2人と絡んでフリーでボールを受けさせる状況を作り左足の精度に期待する方が良い。
このように選手の特徴によっても異なるが、エドはもう少し風間宏希と中塩大貴のフォローが欲しいところだろう。
次に佐藤亮と田頭亮太の右サイドコンビも名前を挙げたい。
佐藤は久しぶりに調子の良さそうな印象を受け、期待値を考えると毎試合このくらいやってもらわないと困るというもの。
厳しい評価は期待値の高さ故であり、開幕戦での絶好調以降は悪さが出ていたが…復調の兆しが見えたのが好材料。
田頭は試合を重ねるごとに良くなってきており、現在最も急成長している選手では無いだろうか?
最後に酒井崇一が復帰したということで、少しディフェンスラインを考えてみたい。
まずは大畑隆也がCBになったことで枚数が4枚になった。
(高橋勇利也もCBができるが、基本的にはボランチで計算しているように見える)
他にも高卒ルーキーの中野力瑠がいるが、前節にベンチ入りすらしていないことを考えるとまだこれから…ということになるだろう。
とにもかくにも4枚となったことでターンオーバーも可能となるのだが、個人的に大畑をセンターで使うことを提案したい。
富山時代には3バックの時は右側で、4バックの際には右でも左でもCBでプレーしていたようで…ラインコントロールができるのかは不明。
全くもって…というのであれば諦めて今と同じ右側となるが、現状城和隼颯のラインコントロールも良いとは言えない状態。
また大畑は比較的右も左もキックの精度が良いため、中央で使った方が良いパスが出せるのでは無いだろうかと思う。
連戦となるため次節で試してみて欲しいところだが…果たしてどうなるか?
少なくとも大畑をWBに戻すことだけは避けなければならない。
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