※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第28節はアウェーでの水戸ホーリーホック戦。
前節はホームで横浜FCを相手に、先制を許しながらも同点に追いつきましたが…自分達のミスから失点を許し敗戦。
相変わらずのセットプレー対応と、変わらないビルドアップのミスという…これまでに何度同じシーンを見たものか…という試合でした。
しかし川本梨誉の弾丸シュートや、酒井崇一の復帰など良いニュースもあったかと。
また、この試合を前に秋田から小柳達司が復帰(期限付き)!
瀬畠義成をボランチに戻すためにも、早速起用すると思われますが…果たして?
今回はそんな水戸ホーリーホック戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
水戸ホーリーホック
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 松原修平 |
DF | 3 | 大崎航詩 |
4 | 山田奈央 | |
33 | 牛澤健 | |
MF | 7 | 新井晴樹 |
17 | 長澤シヴァタファリ | |
47 | 櫻井辰徳 | |
88 | 長井一真 | |
FW | 11 | 草野侑己 |
22 | 久保征一郎 | |
23 | 甲田英將 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 25 | 富居大樹 |
DF | 13 | 野瀬龍世 |
24 | 山崎希一 | |
MF | 32 | 碇明日麻 |
38 | 齋藤俊輔 | |
FW | 9 | 安藤瑞季 |
99 | 中島大嘉 |
水戸は前節から3枚を変更。
前田椋介、野瀬龍世、中島大嘉が外れ長井一真、久保征一郎、甲田英將がスタメン起用となった。
特に久保に至っては3試合連続でのベンチ外、その前はベンチ入りしていたもののわずか5分の出場と…大抜擢での起用と言えるだろう。
この辺りは森直樹監督が体調不良のため不在となり、代わりに樹森大介コーチが指揮を執る試合…というのも影響があるかもしれない。
樹森さんの名前が出たところで、過去に群馬に縁のある選手も触れておこう。
樹森コーチの他に、スタメン起用の松原修平は記憶に新しいところ。
サブで入っている富居大樹は少し懐かしいところか?(この夏に水戸に期限付き移籍)
また、ザスパとは関りがないが櫻井辰徳が前橋育英出身ということで知っている方も多いのでは?
更に言えば、この時の育英は非常に強かった…。
個人的に注目選手としたいのは草野侑己か。
彼に前線で自由にやらせないことが大事になり、もっと言えば群馬の課題となっている5-4-1の5と4の間で自由にさせないこと。
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 22 | 高橋勇利也 |
24 | 酒井崇一 | |
34 | 小柳達司 | |
MF | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
6 | 天笠泰輝 | |
29 | 田頭亮太 | |
37 | 瀬畠義成 | |
44 | 仙波大志 | |
FW | 14 | 川本梨誉 |
32 | 河田篤秀 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 42 | 石井僚 |
MF | 11 | 杉本竜士 |
15 | 風間宏希 | |
17 | 山中惇希 | |
FW | 23 | 平松宗 |
28 | 樺山諒乃介 | |
40 | 佐川洸介 |
群馬は前節から2枚を変更。
菊地健太と風間宏希が外れ、田頭亮太と小柳達司がスタメン起用となった。
これにより川上エドオジョン智慧が左の健太のところ(WB)に入り、田頭が右のWBとなることは間違いないが…問題は小柳がどこに入るか?
城和隼颯の移籍に伴い…という形なので3CBのセンターに入ることは間違いないだろうが、小柳にセンターのイメージは無い気も…。
(右利きだが…なぜか左側のイメージが強い)
注目ポイントはもちろん、この小柳が加入直後(数日前に加入)からいきなりDFラインでリーダーシップを取りまとめていけるか?となるだろう。
もうベテランの域に入ってきた小柳だが、あまりリーダーシップを発揮しているイメージも無い。
それは以前の群馬時代はまだ若かったから…かもしれないが。
ベンチを見ると山中惇希と平松宗が復帰し、大畑隆也と細貝萌が外れることに。
これで再びベンチにCBが不在ということになった。
気になるのは中塩大貴が2試合続けてベンチ外となっていることで、ベンチからも外す理由は考えにくいため…怪我の可能性が高そうである。
佐藤亮も今節もベンチ外となっており、怪我人の早期復帰も待たれるところか。
怪我人と言えば…船橋勇真はどうなっているのか…。
試合経過
【0~15分】ハンドは間違いないが…それ以前の問題
前半は水戸のキックオフでスタート。
群馬は予想通り小柳達司が中央に入る3バックで、右に田頭亮太、左に川上エドオジョン智慧となった。
瀬畠義成がボランチに上がったのは良い事だが…コンビを組むのが天笠泰輝というのが気になるところ…。
天笠がダメ…という意味ではなく、パスでゲームが作れるタイプではない選手を並べるということが気になるのである。
水戸も今日は3-4-3を採用しており、これで立ち位置としてはミラーゲームということに。
6分、右サイドから長澤シヴァタファリのクロスがファーに上がると、これをボレーで合わせたのが左CBの大崎航詩。
ややミートせずに枠を外れてくれるが、これは非常に危なかった。
8分、群馬がコーナーキックを獲得するとキッカーは仙波大志。
中央ややニアに送られたボールにタイミングバッチリで高橋勇利也が飛び込むも…やや高さが合わなかったか触れず。
クリアされた跳ね返りを川上エドオジョン智慧が回収し、ミドルシュートを狙っていくも…こちらもミートしなかったようで枠を捉えることはできず。
13分、櫻井辰徳から左サイドの大崎航詩に広げると、縦に半歩仕掛け田頭亮太を抜き切らずにゴール前にグラウンダーのボールを送る。
クロスを足でブロックしようとした田頭の股の下を抜ける形でゴール前に入ったボールは、甲田英將にドンピシャだったが…その手前で後ろ向きで降りた草野侑己がトラップしてしまう。
草野からはパスだったのか…戻りながら足を出した天笠泰輝に当たったのか…しかし結果としては久保征一郎に対して良いパスとなった。
これを久保がダイレクトで狙うと、この右足はクロスバーを直撃して跳ね返る。
跳ね返りを久保が再び胸トラップから左足でシュートを放つと、櫛引政敏が触りつつもゴールに吸い込まれていく。
うーん、久保は胸トラップの後に手に確実に当たっているからハンド。
2021/2022だったかのルール改正で、偶発的であっても手に当たった直後に得点した場合はハンドに改正されたため…間違いなくハンド。
改正前でも、DAZNの放送のアングルから見ると、明らかに手で自身の左側にボールをコントロールしているためハンドだろう。
誤審と言って良いだろうが…主審からは久保の背中越しであり、更には間に瀬畠義成がいたため見えなかったのだろう。
副審はオフサイドラインも見る必要があり、ちょうどそのタイミングでラインを見た可能性と、久保との間に天笠がいたため見えなかったか…。
VARがあれば間違いなく覆ってノーゴールとなるシーンだろうが、個人的には久保の最初のシュートがクロスバーだったこともあり…合わせ技で1点で良いかと(そんなルールは無いが)
要はハンドうんぬんではなく、その前段階で完全に決定機を作られておりやられているのである。
これは後ほど。
【15~30分】明暗分かれた事前準備
水戸が1点を先制するが、20分を過ぎたところでもゲームの展開は変わらず。
水戸は群馬に対してミラーを作り、マンツーマンでしっかりと対応。
外にボールを回させ、WBが後ろ向きでボールを受けざるを得ない状況に嵌めて奪う…という形が徹底されている。
そのため群馬は自陣ゴール前でボールを奪っても、その後に前に運べずに簡単に失って再び守備の時間に…という展開が続く。
その守備に関しても、水戸の可変システムに対してミスマッチを作られている。
具体的にはボランチの片方(同じ選手ではなく、その時により異なる)が山田奈央の横に入る形で4バックを形成。
4-1-2-3のような形で攻撃をしているため、3CBの両側が非常に高い位置を取れゴール前に顔を出している。
3CBのサイドの選手…という認識だと、これは誰が捕まえるのか…というのが難しくなる。
また以前から群馬のディフェンスシステムの疑問点だが、久保征一郎という1トップに対して3CBで対応。
そのため2枚が後方に余る形となっており、必然的にその前に人が足りずに自由にプレーさせてしまっている。
中盤がポッカリと空いてしまうように見えるが、3CB…いや5バックがあれだけ後ろに張り付けばMF陣の守備範囲が広くなり過ぎて…パスを回されれば追い切れないというもの。
3バックのままでも良いのだが、とにかく3トップに対して3人で対応するか、久保に対して2人にして1枚がその前を見る形にしなければならない。
この辺り、どちらのチームもスカウティングから事前準備を行っているハズだが…水戸の群馬対策がハマり群馬の水戸対策はハマらなかった…と言える。
27分、甲田英將が川本梨誉と天笠泰輝の2枚を相手にしながらクロスを上げきる。
このクロスは精度を欠いてしまうが、ボールは逆サイドの新井晴樹が回収。
新井がファーに送り込むと、ここに牛澤健が飛び込むが…辛うじて田頭亮太が身体を寄せたのが効いたか…このヘディングはわずかに枠を外れてくれる。
これも完全に決定機となっており、田頭は最後粘りを見せたものの…完全に前に入られているのは頂けないところだろう。
30分、酒井崇一のパスミスからピンチを迎える。
天笠泰輝へのパスがズレ、これを甲田英將が回収すると縦位置の久保征一郎に付ける。
後ろ向きで受けた久保に対して小柳達司が対応するが倒してしまうも…なぜかノーファール。
(プレーオンでもなかったように見える)
しかし小柳の後ろから甲田が素早くボールを奪うと、内側にカットインから左足を放つも枠の外。
相変わらずハイプレスに対して脆さを見せるビルドアップである…。
寄せられて慌ててボールを動かしているようにしか見えず、シーズン終盤の今になってもどうやってハイプレスをいなすか…というのがチームとして徹底されていないように見える。
【30~45分】前半終了間際の追加点
32分、やっと群馬が攻撃の形を1つ作る。
瀬畠義成から左の川上エドオジョン智慧に広げると、エドが縦に仕掛けるも対応されてしまい一度作り直す選択。
再び瀬畠に戻すと、瀬畠は逆サイドを使うために横の天笠泰輝を使い、天笠から更に外の田頭亮太へと広げる。
田頭が1対1の状況となるが、縦には仕掛けずに左に持ち変えるとゴール前にクロスを供給。
このクロスに河田篤秀が入り込むも倒されてしまい、その裏に仙波大志が入るもややボールが長かったか…触ったもののコースはほぼ変わらずとなりゴールラインを割ってしまう。
このシーンは非常に惜しかったと言え、やっと群馬は1つ攻撃の形を作ることができた。
41分にはコーナーキックのピンチを迎えるが、これを跳ね返してカウンターを発動。
川本梨誉が上手く剥がしてボールを運ぶと、右サイドの川上エドオジョン智慧に。
エドも技術を見せて上手くDFを剥がして、更に前に運んでいく。
最後は仙波大志からクロスが送られるも、これは川本には合わず…となってしまう。
これまた結果には繋がらなかったものの、素早いカウンターから良い形を作ったと言って良いだろう。
しかし45分、松原修平のゴールキックで長いボールが送られると、これを久保征一郎がポストとなり左サイドの新井晴樹に広げる。
新井から一度後方の長井一真にボールを下げると、長井からはグラウンダーのスルーパスが縦に送られる。
ここに草野侑己が抜け出すとダイレクトでグラウンダーのクロスを入れ、甲田英將が丁寧に右足を合わせて追加点を許してしまう。
色々とあり得ない…。
川本梨誉がちょっと追いすぎて、長井に簡単にかわされパスを許した感はあるが…そこはまだ良い。
なぜ草野がドフリーなのか?新井のマークを瀬畠義成に受け渡した田頭亮太がもう少し裏のスペースを気にしておく必要があるのでは?
スライドして対応した酒井崇一も…恐らくダイレクトを予想していなかったためにあの距離感だったと思われる。
更に言えば久保征一郎にマンマーク気味に小柳達司が付いている状態で、なぜ高橋勇利也は甲田に付いていかなかったのか?
裏には水戸の選手は入ってきておらず川上エドオジョン智慧もいたため、甲田をしっかりと見て対応するのは勇利也の仕事である。
ボールだけを見ており、甲田の動きが見えていなかった…と言ったところか。
【45~60分】ハーフタイムでシステム変更
後半は群馬のキックオフでスタート。
2点を追う群馬がハーフタイムで動き、田頭亮太に代えて樺山諒乃介を投入する。
これで川上エドオジョン智慧が右にポジションを移すことは間違いないわけだが、それ以外の並びはどうなるのか?
始まってみるとどうやら4バックに変更したようで、右からエド、酒井崇一、小柳達司、高橋勇利也となったようである。
これで自動的に酒井と小柳の2枚で久保征一郎を見る形となり、今までの2枚余りから1枚余りとなり守備は多少よくなるだろうか。
システムはどうやら4-3-3となったようで、瀬畠義成をアンカーに、仙波大志と天笠泰輝のインサイドハーフ。
その前に樺山と川本梨誉が2シャドーとなり、最前線に河田篤秀となったようである。
48分、甲田英將の左足のクロスは川上エドオジョン智慧が足を伸ばすが、真上に上がったボールは新井晴樹が上手く身体を入れて回収。
新井から大崎航詩に下げると、大崎からファーサイドにクロスが送られる。
これはやや精度を欠いたこともあり高橋勇利也が跳ね返すが、これをダイレクトで長井一真がボレーで合わせる。
このシュートがポストを直撃し跳ね返り、ゴール前に詰めた甲田は合わず…瀬畠義成の足元に入ると落ち着いてエドに広げてピンチを脱する。
このシーン、解説の南雄太さんが言っていたのが「クリアを内側にしてはダメ」というもの。
これはまぁその通りなのだが…競り合ったとは言えずフリー気味だったので、ここはしっかりと頭で繋いでほしいところである。
56分、水戸が左サイドからのコーナーを得ると、キッカーは櫻井辰徳。
ファーで長澤シヴァタファリが合わせると、櫛引政敏の手前でバウンドしたこともありファンブルで後方に。
しかしすぐに小柳達司が反応しクリアするも、このクリアは樺山諒乃介に当たりクロスバーを越えて再びコーナーに。
長澤のヘッドがそのまま抜けていた可能性も十分あり、小柳のクリアが樺山に当たってゴールに入っていた可能性もあり…ここで失点しなかったのはまだ運があると言えるか。
櫛引はボールが入る前から牛澤健に邪魔されており、どの程度でファールを取るのかというのはサッカーの難しい部分だろう。
キーパーもフィールドプレーヤーと同じ扱いとなって長いが、手が使えるという利点がある以上、全く同じというわけではないのも事実。
あまり露骨にキーパーが飛び出せないように妨害するのはファールとして欲しいところ。
【60~75分】両チーム交代策の時間帯
63分、仙波大志のトラップミスを櫻井辰徳が回収。
久保征一郎からリターンを受けた櫻井が狙っていくが、このシュートは枠の外に外れてくれる。
65分、流れの中では水戸ベンチが先に動く。
甲田英將に代えて野瀬龍世、久保征一郎に代えて安藤瑞季を投入。
67分には大崎航詩のロングスローに、代わったばかりの安藤瑞季が飛び込んでくるが…これは枠の外に外れてくれる。
後方から勢いを持って飛び込まれたとは言え…なぜこうも簡単にフリー気味に合わせられてしまうのか…。
どうしてこんなにセットプレーが弱くなったのか…。
69分、飲水タイム明けのタイミングで群馬ベンチが動く。
酒井崇一に代えて風間宏希を投入し、これで瀬畠義成がCBに降りて風間がアンカーに入る形となる。
【75~90分】猛攻を仕掛けるも1つ返すのが精いっぱい
77分、両チームが同じタイミングで交代カードを切る。
群馬は川本梨誉に代えて杉本竜士、河田篤秀に代えて佐川洸介を投入。
水戸は長井一真に代えて山崎希一、草野侑己に代えて齋藤俊輔を投入する。
この前のプレーで長井が足を攣ってプレーが少し止まっていたが、結局そのまま交代ということになった。
81分、風間宏希がドリブルで運んでから左の高橋勇利也にパスを送る。
勇利也から佐川洸介に楔のパスが入ると、佐川はこれを左足ヒールで後方にフリック。
これが仙波大志に綺麗に通ると、仙波は右を上がる川上エドオジョン智慧に。
エドはまだゴールまで距離はあったものの、ワントラップから右足を振り抜くと強烈なシュートがゴールに突き刺さる。
前節の川本梨誉のスーパーゴールに匹敵するような見事なミドルシュートだったが、これはそこに至るまでの流れも良かった。
勇利也の左SBというのは正直疑問ではあるが…勇利也はやはり攻撃面で良さが出る選手。
更には佐川が素晴らしいポストとなったわけで、河田篤秀を使い続ける理由が相変わらず謎でしかない。
以前から言っているが…誤解を招かないように強調したいが、河田を使うなとか河田がダメと言っているのではない。
このシステムでは河田は活きておらず、最前線に入れるなら佐川だろうということ。
また細かい部分ではあるが、勇利也に入ったところで外をオーバーラップした杉本竜士の動きも決して忘れてはいけないところ。
このオーバーラップにより野瀬龍世が裏のスペースに走ろうとする杉本を意識する必要が出て、勇利也への距離を詰められずに簡単にパスを許した…となる。
83分、群馬が交代枠を使い切り、仙波大志に代えて平松宗を投入する。
これで再びシステムを変更し、平松と佐川洸介の2トップとなる4-4-2に変更。
仙波が下がったことでそのままボランチが減り、風間宏希と天笠泰輝のダブルボランチということになる。
この交代直後のコーナーキック、左からのコーナーを蹴るのは風間宏希。
中央ややファーで小柳達司がフリーで合わせるも、ゴールライン上で櫻井辰徳が頭でクリア。
ややコースが甘かったのが悔やまれるところか…。
87分、水戸も交代を使い切り、櫻井辰徳に代えて碇明日麻を投入する。
アディショナルタイムは6分となり、最後まで群馬は攻撃をするもゴールを割ることはできずに…北関東ダービーは無念の敗戦となった。
ピックアップポイント
13分の失点シーン
今回は久しぶりに1つのプレーを掘り下げてみたい。
13分に先制ゴールを許したシーンだが、疑惑のハンドは試合展開のところで触れた通り。
ここではそこに至るまでの流れを振り返っていきたい。
まずは群馬DFの課題の1つである「人に強くいけていない部分」である。
クロスを上げた大崎航詩に対して田頭亮太が強く当たれておらず、距離が遠めなのが気になるところ。
遠目で対応していたからこそ大崎の持ち出しに対応できたのは事実だが、股を抜くクロスを上げられたということで…大崎の方が1枚上手だったと言える。
続いてこのクロスを草野侑己が不利な体勢で回収したのは群馬にとってラッキーであり、水戸にとっては草野が触らず甲田英將がダイレクトでズドン…というのが理想だっただろう。
最大の問題点はここで、群馬の最終ラインの5枚(このシーンでは田頭がクロッサーに対応しているため4枚だが)が低過ぎる。
また最終ラインの前のスペースを2列目が全く埋めておらず、ここにポッカリとスペースが空いていること。(下図)
クロスを上げた大崎が縦に仕掛ける前から最終ラインはズルズルと下がっており…この辺りが一向に修正できないのが気になるところである。
ズルズルと下がるならば2列目の選手がこのスペースを埋める必要があるわけで、このシーンで言えば瀬畠義成、天笠泰輝、河田篤秀の立ち位置がもっと低くなければならない。
このシーンのみで言えば、2列目が戻る時間は十分にありスペースを埋められたとは言えるが…試合全体を見れば…最終ラインがゴール前に張り付いていることで2列目の運動量的な負担が大きいのは事実。
また2列目が下がればペナルティエリア外のバイタルエリアががら空きになるのと同意であり、それも問題が大きいと言えるだろう。
そのため理想を言うならば、やはり最終ラインが踏みとどまってこのスペースを埋めることだろう。
この失点シーンではなく試合を通しての話となるが、とにかくボールホルダーに対してプレッシャーが甘い。
プレッシャーがかからないから最終ラインが下がるとも言え、逆に最終ラインが下がるからボールホルダーに行けないとも言える。
まさに悪循環となっており、とにかく勇気を持ってラインを上げることが必要であろう。
負け癖と言うか…過度に失点を恐れているように見えるのが悲しいところ。
良いじゃないか失点したって。
数字上可能性は残っているとは言え、もはや降格は決まったようなもの。
降格を避けるには勝つしかなく、勝つためには攻撃の回数を増やすしかなく、シュートを増やしていくしかない。
もはや開き直ってガンガン攻撃に重きを置いても良いのではないだろうか?
(点差や展開から水戸が受けに回ったというのはあるが)終盤の20分のようなサッカーをなぜ最初からやらないのか?
非常に失礼のある言い方にはなるが、誰がザスパに華麗なサッカーを求めているというのか?
歴が長くなればなるほどこのクラブの予算規模や立ち位置というものはわかっているわけで、泥臭く石にかじりついてでも戦う姿勢を示してほしいと思っているのではないだろうか?
この予算でJ2トップレベルの選手が取れるハズもなく、そんなことはわかりきっているので技術で劣る分、走り負けない姿を見せて欲しい。
プロなんだから結果が全て…という意見もあるだろうが、サッカーはエンターテイメントでもある。
負けようが「負けたけど面白かった、次もまた見たい」と思えるようなサッカーをしてほしいところ。
MOM
この試合のMOMは川上エドオジョン智慧としたい。
正直悪い意味でMOMが悩ましい試合であった。
そんな中エドは左WBで先発し、後半は右SBとして左右を問わずプレー。
結果は実らなかったものの、素晴らしい得点を記録してくれた。
得点の約10分ほど前には、以前の一発退場を思い出させるような危ういシーンもあったのが勿体ないところか?
特にゴールシーンはその熱さが良い方向に出たと言えるが、イエローカードは悪い方向に出たと言える。
心は熱く、頭は冷静に…などと言われるが、まさにエドはこれを徹底して更に上のプレーヤーとなってほしいところ。
注目だった小柳達司についても触れておきたい。
加入から数日ということもあり、やはりなかなか最終ラインの統率は困難が伴ったと思われる。
しかし当たり負けない強さや球離れの良さ、時折送られたロングフィードと次第点以上のプレーは見せたのではないだろうか?
次節は秋田戦のため出場できないが、その後のためにもしっかりと小柳を中心とした守備組織を作れるかどうか…というのが大事になるだろう。
最後に少し風間宏希の名前も挙げたい。
今シーズン天笠泰輝とのボランチコンビが上手くいっておらず、夏に瀬畠義成と仙波大志が加入したのがこのポジション。
正直自分もボランチが変わらないとダメだと思っていた口だが、この試合では良さを見せたと思う。
特にゴールシーンの天笠から受けたパスを3枚剥がして縦に運んで高橋勇利也に付けたところなどは、らしさのあるプレーだった。
展開力もあるタイプなので、もしかしたら今日の4-3-3での1アンカーはアリかもしれない。
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