※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第14節はホームでの清水エスパルス戦。
ゴールデンウィークということで、前節から中2日で迎える試合となりました。
前節は藤枝を相手に先制に成功するも、直後に同点に追いつかれ…アディショナルタイムで劇的な逆転を許すという展開に。
こうは言いたくないですが…まさに降格するチームの典型とも言えるような展開となってしまいました。
今節は首位を走る清水が相手ということで、相当に難しいゲームとなることが予想されます。
しかしもうどこが相手でも勝つしかない状況に追い込まれており、どんなサッカーであろうとも勝点を取る必要がある段階と言えるでしょう。
今回はそんな清水エスパルス戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
3 | 大畑隆也 | |
24 | 酒井崇一 | |
50 | 菊地健太 | |
MF | 5 | 川上エドオジョン智慧 |
10 | 佐藤亮 | |
22 | 高橋勇利也 | |
35 | 玉城大志 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
23 | 平松宗 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 36 | 中塩大貴 |
FW | 7 | 和田昌士 |
8 | 髙澤優也 | |
17 | 山中惇希 | |
40 | 佐川洸介 | |
41 | 永長鷹虎 |
群馬は前節からスタメンに変更無し。
ベンチのメンバーも変わらず、前節と全く同じ18人ということに。
中2日の連戦にもかかわらずスタメンの入れ替えが全く無い…というのは正直言って理解できない部分。
例えば中塩大貴などは今節も考慮して前節休ませたのではないかと思っていたのだが…。
また前節も書いたが、田頭亮太と風間宏希は3試合続けてのベンチ外。
風間は和田昌士がボランチでプレーしていることから、怪我などではない可能性もゼロでは無いが…田頭は怪我と見て間違いないだろう。
田頭が起用できないとなるとここは川上エドオジョン智慧を入れるべきだと思うのだが…頑なに大畑隆也を起用するのも理解ができないポイント。
以前も書いたが大畑を誹謗中傷したいわけではなく、彼はCBの選手でありWBやSBで起用しても効果的ではない…ということ。
エドを右に回し、現在の選手起用から考えれば左には山中惇希を入れれば良いだけのことだと思うのだが…。
杉本竜士を入れても良いだろうし、個人的には永長鷹虎を左で起用できないものかとも思う。
清水エスパルス
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 57 | 権田修一 |
DF | 3 | 高橋祐治 |
5 | 北爪健吾 | |
28 | 吉田豊 | |
66 | 住吉ジェラニレショーン | |
MF | 11 | ルーカス ブラガ |
13 | 宮本航汰 | |
16 | 西澤健太 | |
21 | 矢島慎也 | |
70 | 原輝綺 | |
FW | 99 | ドウグラス タンキ |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 沖悠哉 |
DF | 14 | 山原怜音 |
MF | 19 | 松崎快 |
25 | 成岡輝瑠 | |
71 | 中村亮太朗 | |
FW | 10 | カルリーニョス ジュニオ |
23 | 北川航也 |
清水は前節から4枚を変更。
注目はもちろん元日本代表の権田修一となるだろうが、個人的には矢島慎也に注目したい。
非常に素晴らしいパスが出せる選手であり、彼を自由にやらせないことが大切になる…のではないだろうか?
また元群馬のドウグラス タンキも懐かしく、当時はタンケであったが…シーズン開幕早々に大きな怪我をしてしまった。
結局わずか4試合の出場に留まりシーズン後に退団となってしまったが、重戦車のごとき迫力のあるプレーは期待感が持てたものであった。
ベンチには山原怜音、中村亮太朗、カルリーニョス ジュニオ、北川航也と…1軍とも言うべき選手がターンオーバーのため座る形に。
誰もが脅威ではあるが、やはり北川航也が要注意の選手ということになるだろう。
試合経過
【0~15分】開始早々に失点
前半は群馬のキックオフでスタート。
清水も3-4-3を採用したことで、この試合も藤枝戦に続いてミラーゲームということに。
1分、開始早々に接触等の無い状態で北川柊斗が負傷。
左足の腿裏を抑えており、恐らく筋肉系のトラブルで短くても数週間の離脱となるだろう…。
結果論と言えばその通りではあるが…中2日の連戦に全く同じメンバーで臨んだということが負傷を招いたように思えてならない。
特に北川は前節こそ輝きが少なかったが、その前にはかなり良いプレーを見せておりチームの重要な役割を担えそうな存在になっていただけに離脱が痛い。
この負傷のため、和田昌士を投入することとなった。
5分を過ぎて、今日の試合は相手の陣地まで前3枚でチェックに行く姿が目立ち比較的高めのプレスを選択した様子。
監督からも「出ろ!出ろ!」という声が響いており、やり方を変えてきた様子が伺える。
中央を固めるあまり、平松宗の横のところにサイドハーフが出れずに自由にやらせるシーンが多かっただけにこれは大きな変化か?
この序盤では和田昌士、佐藤亮が高い位置までプレスをかけることで、その裏をケアするべく両WBも比較的高くまでポジションが取れている。
7分、平松宗がポストとなったところでファールを受けてフリーキックを獲得。
佐藤亮のキックに酒井崇一が頭で合わせるが、これは枠を捉えられず。
10分、群馬が自陣でビルドアップ。
玉城大志からのパスを受けた和田昌士が、トラップでDFを剥がそうと長めのタッチで抜きにかかるが…ここは原輝綺も粘り入れ替えさせず。
結果として長くなったボールを回収できず、これを高橋祐治がダイレクトで縦に楔のパスを入れていく。
これをドウグラス タンキがキープから左に流し、西澤健太が左足を振り抜いて早々に先制ゴールを与えてしまう。
和田のミスと言えばミスではあるが…そのボールを高橋がタンキに縦パスを通せるのが群馬との大きな違いか。
(和田のアイディア自体は悪くなかったと思う)
また西澤に対応した酒井崇一にも疑問符が付き、右足を警戒して…というのはわかるものの、あの位置であのプレッシャーでは「打ってください」と言っているようなもの。
もう少し距離を詰めて打たせない対応が必要だった。
【15~30分】高めのプレスや強いチェックは見せるも
22分ごろまで、清水のコーナーキックが4本続くというピンチを迎えるが…ここはなんとかしっかりと守りきることに成功。
今シーズン複数得点が奪えていない群馬だけに、早々に追加点を許してしまうとその時点で試合終了となってしまう。
26分には高橋勇利也が中盤でガツンと相手を潰しにいくシーンが続き、これには清水陣営から抗議の声も出る。
確かにやや強めに当たっており1つ目はファールの判定。
2つ目、3つ目はノーファールながらも審判によっては笛を吹いたかな?という印象ではある。
ラフなプレーの繰り返しということで清水の抗議も理解できるし、危険なプレーは絶対に推奨するわけでは無いが…今までが温過ぎた群馬の守備と思うと、やっと厳しく対応できているかという想いも。
繰り返すが厳しくは行っても、ノーファールでクリーンに対応できるのがベストであることは間違いない。
29分、ロングボール1本で左サイドを西澤健太が抜け出す。
ここは大畑隆也が対応するも、カットインから右足でシュートを許してしまうが…これは枠外に外れてくれる形に。
この試合は書いてきたように、いつも以上に積極的な守備対応ができてはいるものの…徐々に清水にペースを握られていっている印象。
狙い所で奪えないと、徐々にいつも通りに5-4-1で低く…中央を固めただけの守備に移行していってしまうだろう。
【30~45分】なんとか追加点は許さず
31分、佐藤亮のクリアを吉田豊が足に当てると、これは宮本航汰の下に。
宮本がダイレクトで縦のルーカス ブラガに付けると、ブラガはその外を回る北爪健吾を使う。
北爪の低いクロスはドウグラス タンキには合わずに櫛引政敏がブロック。
こぼれ球は高橋勇利也が簡単にクリアすることを選択し、清水の攻撃を一旦切ることに成功する。
32分、このコーナーキックは群馬が跳ね返すことに成功。
そして回収した川上エドオジョン智慧から一気にカウンターのチャンスを迎える。
エドの裏をオーバーラップした平松宗を使い、平松がファーサイドにクロスを送るも…このクロスはゴールラインを割っていた判定となる。
良い形でのカウンターだっただけに下げずに完結したのは評価して良いと思うが、最後の精度をもっと上げていきたいところ。
38分、城和隼颯の頭でのクリアを矢島慎也が回収すると、前方のルーカス ブラガへ。
ブラガから左を上がる西澤健太にスルーパスを送り、西澤がダイレクトでゴール前に折り返す。
ドウグラス タンキのボレーはミートしなかったが、こぼれ球をブラガがワントラップから強烈なシュートを放つ。
このシュートは櫛引政敏がしっかりと面を作ってブロックし、玉城大志が大きくクリアして一旦ピンチを脱することに成功する。
47分、川上エドオジョン智慧が粘ったところから縦の関係にあった和田昌士へ。
和田が切り返しからファーサイドにクロスを送り込むが、ここに飛び込んだ大畑隆也にはやや合わず。
やはりエドは個人でなんとか打開できる力があり、ここを起点に突破から数的優位を作っていきたいところ。
【45~60分】タンキの恩返し
後半は清水のキックオフでスタート。
両チームともにハーフタイムでの交代は無しでリスタートとなった。
47分、住吉ジェラニレショーンからファーサイドにクロスを送ると、これを北爪健吾がダイレクトで折り返す。
ピンポイントでは合わなかったものの、ドウグラス タンキが足を伸ばしてルーカス ブラガに落とす。
ブラガも合わなかったものの、触って後方の宮本航汰へ落とす。
宮本がダイレクトでミドルを狙っていくが、これは櫛引政敏が正面でセーブ。
54分、群馬ベンチが動き、平松宗に代えて佐川洸介、川上エドオジョン智慧に代えて山中惇希を投入。
いつも通りの交代ではあるが…追う立場にいるチームがなぜエドを下げてしまうのか?
連戦での疲労は当然あるだろうが、代えるべきは本当にここなのだろうか…。
56分、原輝綺とドウグラス タンキのワンツーでペナルティエリア内に侵入するも、ここは大畑隆也が足に当てて突破を許さず。
こぼれ球に高橋勇利也と宮本航汰がチャレンジし、結果的に宮本がボールを回収。
宮本のクロスをタンキが頭で合わせると、これがループ気味の軌道を描いてネットに吸い込まれていく。
群馬陣営は宮本と高橋の競り合いでファールがあったのではないかと抗議するも…これは認められずに、特に強く抗議した渡邉英豊コーチにイエローカードが出されることに。
個人的にもファールが妥当かなと思うが、セルフジャッジでプレーが止まった感があるのは頂けないところか。
またタンキが強い…という言い方もできるが、この試合はここまで空中戦で城和隼颯がタンキに勝てていないのもこの結果に繋がったと言えるだろう。
58分、群馬が左サイドからのコーナーキックを獲得すると、キッカーは佐藤亮。
中央へ送られたボールは両チーム触れず、その奥で城和隼颯に当たる形で和田昌士のところに。
これをダイレクトでボレー気味に狙っていくが、ミートせずに枠を大きく外してしまう。
よく「宇宙開発」なんて言われて馬鹿にされたりするが、まさにそういったシュートとなってしまい…最下位に沈むチームの苦しさを象徴しているようにも。
和田の技術ならばもっと可能性のあるシュートが打てると思うのだが…現在の順位やこの試合の展開などで焦りがプレーに影響しているのか。
【60~75分】お互いにチャンスを作りつつ
61分、清水ベンチが交代に動き、西澤健太に代えてカルリーニョス ジュニオ、ルーカス ブラガに代えて松崎快を投入する。
62分、佐藤亮から右サイドの裏のスペースに抜け出た佐川洸介にパスが通る。
佐川が粘ってクロスをゴール前に上げ、これを大畑隆也が合わせるも…身体をしっかりとぶつけられておりシュートは枠に飛ばさせてもらえず。
63分、権田修一からのゴールキックをドウグラス タンキが胸で落とし北爪健吾へ。
ここは玉城大志がスライディングでボールを突くことに成功するが、こぼれ球は松崎快に収まってしまう。
松崎から斜めに走ったカルリーニョス ジュニオにスルーパスが送られると、ワントラップから右足を振り抜くも櫛引政敏がセーブしてコーナーに。
角度は無いながらも強烈かつ枠を捉えた良いシュートだったが、櫛引もナイスセーブを見せた。
68分、再び清水ベンチが動き、ドウグラス タンキに代えて北川航也を投入する。
71分、佐藤亮が内側に運びながら大きく左サイドに展開。
山中惇希が収めると、縦のスペースにインナーラップした佐藤は使わず…この動きで空いたスペースである中央の高橋勇利也を選択。
ワントラップで止め、縦に持ち出してシュートを狙っていくが…軸足を滑らせてしまったこともあり枠を大きく外してしまう。
72分、原輝綺がドリブルで運んだところを和田昌士と山中惇希で挟み込む形でボールをロストさせることに成功。
これを玉城大志が回収するとドリブルで運んでから佐藤亮に横パスを送る。
佐藤のトラップ際を戻ってきたカルリーニョス ジュニオが狙っていたが、ここは身体を上手く使って回りながらいなす。
そのままカットインから左足でやや長めのシュートを狙っていくも、これは枠外に外れてしまう。
左サイドで山中が呼んでいたが、ここはこの選択で全く問題無いだろう。
あとは佐藤の左足ということも考慮すると、枠に飛ばしておきたいところだった…というだけ。
連戦ということと走行距離的にも仕方ないが、佐藤はやや疲労の色が見えてきているのも枠に飛ばなかった一因だろうか?
【75~90分】枠内シュート0
78分、左サイドで菊地健太が宮本航汰に倒されるもノーファールの判定。
宮本がそのまま縦に運び、内側の北川航也にパスを送る。
北川はワントラップで前方に持ち出して一気にスピードで城和隼颯をかわす…というイメージだったと思うが、このワンタッチは城和が足を出して引っかける。
しかしこのリターンが再び北川に当たり、結果的に北川が縦に抜け出すことに成功。
ペナルティエリア内に侵入しニアを狙うも、これは大きく枠を外してしまう。
健太のところも本当にノーファールが妥当だろうか?
群馬サポだから…という贔屓目はあると思うが、ややジャッジが甘い印象を受ける。
このゴールキックでのリスタート前に群馬が最後の交代を使う。
佐藤亮に代えて永長鷹虎、高橋勇利也に代えて髙澤優也を投入。
鷹虎はそのまま佐藤の位置に、髙澤はいつも通り左のシャドーに入り、和田昌士がボランチに降りる形となる。
87分、清水も最後の交代を使う。
矢島慎也に代わり中村亮太朗、宮本航汰に代えて成岡輝瑠を投入し、ボランチを2枚とも変更。
89分、住吉ジェラニレショーンから、右サイド裏のスペースに抜け出した北爪健吾へロングパスが送られる。
スピードを殺さないワンタッチから右足でゴール前にグラウンダーのクロスを送ると、ここに北川航也が詰め込んで試合を決定づける3点目を許してしまう。
前がかりになっていた裏のスペース…3バックの外側のスペースを見事に北爪に使われる形となった。
ある意味ではこの時間、この展開を考えると仕方ない失点と言っても良いだろうが、3点差というのは心が折れる。
このゴールには2つほどオフサイド疑惑が上がると思うが、住吉から北爪へのパスはDAZNには画角の問題もあり映っていない。
そのため断言できないものの、受けた時の北爪と群馬DFの位置関係から考えると…恐らくオンサイド。
最後の北爪から北川へのスルーパスの方が際どく、更にはプラス方向へのパスのためオフサイドに見えがち。
これも真横のアングルでは無いので断言はできないが…オンサイドっぽく見える。
また副審も十分に間に合っており横から見れており、仮にオフサイドポジションだったとしても実に際どいレベルだったと言えるだろう。
91分、菊地健太からのロングボールを左裏のスペースで髙澤優也が受ける。
内側を上がった山中惇希に送るがこれは北爪健吾が先に触る形になってしまう。
しかしワンタッチで外に持ち出そうとしたところを山中が引っかけ、入れ替わる形でマイボールに。
ここからダイレクトで左足アウトで技ありのシュートを狙うも、これはポストに嫌われてしまう。
ファーサイドで大畑隆也がしっかりと詰めていたのだが…ポストに当たったボールは合わず…となってしまう。
中央で佐川洸介が呼んでおり、自分に出なかったことに怒りをあらわにしていたが…個人的にはあのシュートが打てるなら山中が自分で打っても良いと思う。
また佐川にパスを付けていたら…住吉ジェラニレショーンと成岡輝瑠が戻ってきていたこともあり打てたかどうかは微妙…だったかもしれない。
もちろんFWならば「よこせ」と言うシーンであり、なぜパスしなかったのかと怒るシーンであることは間違いないが…。
こうして千載一遇のチャンスも運にも見放され、結果としてこれで泥沼の5連敗。
対して清水は6連勝と、明暗ハッキリと分かれる形となった。
ピックアップポイント
大畑隆也の起用について
今回は少し見方を変えて、どうして大畑隆也の右WBにこだわるのか…を考えてみたい。
いつも読んでくれている方には説明は不要と思うが、個人的にはこの起用法は疑問があり、大畑はCBの選手だと思っている。
船橋勇真が恐らくファーストチョイスだったと思われるが、怪我のため大畑を起用した…というのが恐らくスタート地点。
この開幕当初は川上エドオジョン智慧も怪我により離脱しており、田頭亮太は昨シーズン特別指定選手として4試合に出ているが大卒ルーキーで未知数であった。
それらを考慮すると、当初の大畑の右サイドバック(可変で攻撃時はWBもしくは、内側のレーンに入りシャドー気味に)というのは消去法で理解できなくはない。
この段階から第4節でエドが復帰するも交代での起用は左サイドとなり、5節でも同様に山中惇希との交代で左サイド。
2節と3節で田頭が大畑との交代で数分起用されており、5節の段階で右SBは大畑と田頭で考えていることが明らかになっている。
5節ではハーフタイムで大畑を下げ田頭を起用し、そこから田頭がポジションを奪い取る形に。
試合を重ねるごとに成長する姿を見せ、右SBは田頭がファーストチョイスに序列が変わったかに見えたが…12節の長崎戦からベンチ外になったことで再び大畑に戻っている。
恐らく田頭は怪我での離脱となったと思われるが、個人的な考えでは現状ファーストチョイスは田頭。
セカンドチョイスはエドを左からコンバート。
サードチョイスが大畑となる。
しかしながら大槻監督を始めとするスタッフ陣の考えは異なるようで、田頭が離脱中の今は大畑が再び起用されている。
ではなぜ大畑がここで使われるのか、その理由を考えてみたい。
まず考えられるのは大畑の走力の高さ。
当初の可変システムでは守備時には4バックの右に、攻撃時にはWBとして右ワイドで高い位置…もしくはシャドーのように内側からゴール前に入り込むプレーが求められた。
そのため試合を通して運動量が求められる形となり、左サイドバック(中塩大貴のポジション)に比べると試合での走行距離は段違いとなる。
可変を止めて3バックが基本となった現時点でも、WBとして相応の運動量が求められている。
(これは左WBのエドも同様だが)
ちなみに大畑はこの試合(清水戦)でも、終盤の91分にもかかわらず山中惇希の惜しいシュートシーンにファーでゴール前に詰めている。
大畑はこれで4試合連続でフル出場となり、この試合は中2日で行われていることを考えると…驚異の運動量と言えるだろう。
J1とは違いJ2では走行距離のデータが無いので、大畑の総走行距離が本当に多いのかはわからないが…。
次に本職CBというだけに守備力の高さを評価して起用している…と思われる。
特に序盤はCBを4枚並べるという形であり、大槻監督の理念としても守備を大事にというのを感じる。
守備が計算できつつも攻撃参加もできる選手…となると大畑しか選択肢が無い…となる。
エドを右にコンバートすると、左WBで起用されるのは現状では恐らく山中惇希。
山中は以前に左サイドバックなどでも起用され、かなり守備は上達したものの…やはり攻撃の選手。
杉本竜士や永長鷹虎は山中と比較しても、更に守備が計算できない選手と言えるだろう。
エドと山中はどちらが守備が計算できるのか…となると同程度かと思うが、守備を大切にしたい大槻監督としては同時起用ができない…となるのだと予想される。
言い換えると両WBに攻撃的な選手を置けない…置きたくないというところになるのだろう。
我々のような素人でもわかる大畑の右サイド起用が適正ポジションではないことは、当然監督を始めとするスタッフ陣はわかっているだろう。
しかし相応の守備タスクを計算できて、攻撃にも参加できる選手となると田頭となり、田頭が離脱している今は大畑しかいない…というのが理由なのでは無いだろうか?
監督の肩を持つわけではなく、監督の考えを想像してみたのが上記である。
個人的にはそれでも守り切れていない以上、エドと山中の同時起用で攻撃面を上乗せする方が良いと思うが…。
ちなみ余談として大畑の適正ポジションを考えてみるが…3CBの右ではないだろうか?
今日の清水のように両側のCBが攻撃参加を増やせるチームであれば、大畑の運動量と走力もより活きてくるだろう。
右側のCBでプレーしながら、ここ一番の時にはゴール前にしっかり顔を出す…そんなプレースタイルが合っているかと思う。
MOM
この試合のMOMは佐藤亮としたい。
機能しているのか…と言われるとやや疑問もあるが、それでも攻撃に違いを作れている選手だろう。
もっと中央でプレーした方が活きると思うが…この辺りはチームの戦術的な部分もあるかと。
攻撃に違いを作れていると言うと川上エドオジョン智慧の名前も挙げたい。
9試合続けてスタメンで起用されているが、前節も72分で退いており…もっと長く起用したいところ。
今日の交代は本人としても不本意なものだったように見える。
気になるのは髙澤優也が存在感が無いこと。
この試合では91分の山中惇希の惜しいシュートシーンでプレーに関与しているが、どうにも消えている時間が長い。
(消えているというよりは守備に追われているが正解かもしれないが)
この辺りもプレースタイルと戦術のミスマッチを感じさせ、器用が故にシャドーでプレー「させられている」という言い方になってしまう。
もっとゴール前でプレーさせてあげたいが、ゴール前に置くとそこまでボールがこないという致命的な問題もあるのが痛い。
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