※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は秋田を相手に前半の1点をからくも守り切って貴重な勝点3をゲット。
大量にコロナ陽性で離脱者が出ている中、3試合で勝点5を積むという悪くない結果となりました。
今節は残留争いからは抜け出した感のある山口をホームに迎えますが…コロナからの復帰組も数人はいるかと思われ、引き分け以上の結果を期待したいところ。
全くもって楽な相手ではありませんが、ここで勝点を積めるか積めないかが…この後の残留争いに向けて大きな違いとなりそうです。
今回はそんなレノファ山口FC戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 44 | 山田晃士 |
DF | 4 | 川上優樹 |
5 | 藤井悠太 | |
19 | 岡本一真 | |
25 | 小島雅也 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
10 | 田中稔也 | |
33 | 細貝萌 | |
FW | 40 | 鈴木国友 |
42 | 高木友也 | |
47 | 川本梨誉 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 櫛引政敏 |
DF | 2 | 城和隼颯 |
MF | 15 | 風間宏希 |
17 | 山中惇希 | |
FW | 7 | 加藤潤也 |
9 | 北川柊斗 | |
23 | 平松宗 |
群馬は前節と全く同じ18名を選出。
前節から1週間空いたこともあり、コロナでの離脱組も復帰するかと思いきや…前節と全く同じメンバーとなった。
とは言っても、名前を出してしまうと申し訳ないが…直近に発表されたコロナ1名というのが恐らく畑尾大翔。
となると今節の帯同は難しいということで、それ以外の今季主戦力として使われていたメンバーは清水慶記、長倉幹樹くらい。
もう少し広げても奥村晃司に白石智之くらいとなり、もうそれほどコロナの影響は無い…とも言えるだろうか?
個人的に最も復帰を望んでいるのは長倉だが、真偽のほどは定かではないが…彼は怪我という話も聞こえる。
とにもかくにも、現状いる戦力で戦うしかないわけで…このメンバーの飛躍に期待したいところ。
1つ気になるのは今節も山田晃士をスタメンに起用したこと。
彼の出た試合で負けが無い…というのが大きな理由かもしれないが、櫛引政敏がベンチに戻ってきた(しかも2試合目)ことを考えるとこの起用は疑問が付く。
誤解無きように書いておくが、個人的に山田は期待しており将来のザスパの守護神となってほしい存在。
しかし現時点での能力としては、客観的に見れば櫛引の方が1枚も2枚も上手だろう。
とは言えサッカーは能力値で決まるものではなく、コンディションやメンタル、更には流れといったものも大事となるが…はたして?
レノファ山口FC
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 関憲太郎 |
DF | 14 | 橋本健人 |
15 | 前貴之 | |
22 | 生駒仁 | |
27 | 高橋秀典 | |
MF | 8 | 佐藤謙介 |
10 | 池上丈二 | |
20 | 田中渉 | |
FW | 16 | 吉岡雅和 |
32 | 高井和馬 | |
49 | 梅木翼 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 寺門陸 |
DF | 4 | 眞鍋旭輝 |
MF | 18 | 高木大輔 |
33 | 山瀬功治 | |
FW | 9 | 岸田和人 |
19 | 沼田駿也 | |
30 | 兒玉澪王斗 |
対する山口も前節からメンバーの変更は無し。
両チームベンチ含めて18人×2で36人が前節と同じというのは珍しいかもしれない。
まずは山口どうこうではなく、3バックのチームに対してあまり良い結果が出ていないのが気になるところ。
両WBのところをどう対処するか…そして両シャドーである池上丈二と高井和馬のところを誰が見るのか…というのが大事な試合となりそう。
高井と言えばルーキーシーズンが群馬となり、出世番号を与えられて期待された選手でもある。
あの最下位にてJ3行きとなった苦しいシーズンながら10ゴールの活躍を見せ、東京Vに移籍したものの…出場機会が得られず山口に移籍。
2022年には水戸に移籍したものの、夏には再び出戻るという…なかなか上手く言っているとは言えないのかな?というのが気になるところ。
更には山口不動のボランチコンビとも言える、今シーズンほとんどの試合に出ている佐藤謙介と田中渉のコンビ。
ここを相手に中盤が支配できるか…それとも支配されてしまうか…となるだろう。
試合経過
【0~15分】ハイプレスからチャンスを作るも…
前半は群馬のキックオフでスタート。
この試合は黒を基調としたスペシャルユニフォームで臨むこととなるが、なかなかにカッコいいユニフォームである。
4分、左サイドでボールを受けた高井和馬が粘って粘って縦に突破。
低いクロスをファーに送ると、吉岡雅和がトラップからシュートを狙う意図だったと思うが…このトラップが長くなり結果として池上丈二への良いパスとなる。
池上が右足で狙うが、これは山田晃士の正面となりしっかりとセーブ。
しかし…これは正面だったから良かったものの、完全に決定機であり点が入らなかったのはラッキーと言えるレベルである。
7分、川本梨誉のハイプレスをスイッチに田中稔也と鈴木国友が連動して前からプレスに行く。
稔也の良いプレスによりGK関憲太郎のミスキックを誘い、川本がインターセプト。
プレスから戻ってきた稔也にヒールで素晴らしいパスを通すと、稔也はワントラップで前に持ち出してクロスを狙うが…このタッチが長くなってしまいラインを割ってしまう。
このタッチが長くなったのが悔やまれるが…連動した良いプレスによって山口のDFラインにはある程度の怖さは与えただろう。
しかし…この直後から山口は再び後ろからしっかりと繋ぐ姿勢を見せてくる。
9分には左サイドからのコーナーキックを得るとサインプレーか?
ゴール前を固める山口に対して、最も後ろにいた鈴木国友が更に下がりペナルティエリアの外まで出る。
ここに岩上祐三からライナー気味のボールが送られ、ダイレクトで狙うも…山口のDFの寄せが目に入ったか…ミートせずに枠を外してしまう。
鈴木は完全にフリーで浮く形になっていたし、岩上のキックも良かっただけに…なんとか枠には持っていきたかった。
12分、中央で高井和馬がボールを受けると、右へ運んでから吉岡雅和へ広げる。
これをダイレクトで左足でゴール前に放り込むと、梅木翼が競り勝ち落としたボールを池上丈二が叩き込んで先制点を許してしまう。
うーん、細貝萌の位置が低過ぎるのが気になる…。
その前の流れからの部分はあるが…最終ラインに下りずに高井に入ったところで当たるのが細貝の仕事ではないだろうか?
結局試合を通して両ボランチが重く、その前のスペースを高井和馬と池上丈二に使われ続ける形になってしまった。
【15~30分】ガラガラのバイタルエリア
17分、群馬左サイドの裏のスペースへ抜けた池上丈二に縦パスが通ると、これをダイレクトで後ろに下げる。
ここから数人が絡みながらボールを左サイドに広げると、受けた橋本健人がゴール前にクロスを供給。
これを梅木翼が頭で合わせるも、このシュートはポストを直撃して何とか失点を逃れる。
しかし22分、左サイド橋本健人から群馬の両ボランチの間を通すパスが送られ、中央で池上丈二が受ける。
池上はこれを右サイドに広げると、走り込んだ吉岡雅和が小島雅也と勝負し、切り返しからシュートを放つ。
これは山田晃士が手に当てるも、こぼれ球を梅木翼に詰められて追加点を許す。
小島が吉岡と対峙した際に芝がズルっと剥がれて足を取られたのは不運だったが…その前の池上が良い位置でフリーだったのが全てか。
山口は3トップ(1トップ2シャドー)なだけに、池上と高井和馬を誰が見るのか…というのが大事になるが…群馬はここまで機能していない。
結局試合を通して梅木1人に引っ張られる形となり、CB2枚だけでなくボランチも引っ張られ…その空いたスペースを2シャドーに良いように使われる展開が続くことになってしまう。
24分には山口のパスミスを回収して、川本梨誉へと縦パスを付ける。
これを左の高木友也に広げクロスを上げるが、これは鈴木国友の手前でカットされてコーナーに。
27分には最終ラインの藤井悠太から良いロングフィードが、右コーナーフラッグ付近に抜け出した岡本一真に入る。
岡本はフォローに入った田中稔也に落とし、稔也はクロスを上げるが…これは中の枚数が足りずに山口にカットされてしまう。
先ほどから書いているように、ここまでは4-4-2と3-4-2-1というシステムのミスマッチにより…ガラガラのバイタルエリアを山口の2シャドーに上手く使われるという展開になっている。
また群馬のビルドアップの際にも、最終ラインまでプレスにくるのはワントップの梅木翼だけにもかかわらず…群馬はいつも通り後ろ3枚でパスを回すという展開。
池上丈二と高井和馬は最前線までプレスに来ないで、次のパスから狙いにきているだけに…梅木1枚に対して後ろ3枚で回すのはもったいないと思われる。
【30~45分】システムを変えて立て直しを計る
システムのミスマッチという事もあってか、どうやら群馬は守り方を変えてきたように見える。
川本梨誉が1トップとなっているのはいつも通りではあるが、鈴木国友は左サイド…というわけではなさそう。
左には高木友也がそのままおり、鈴木はその内側にいるように見える。
後ろは4枚のままと言え、どうやら細貝萌をアンカーに4-1-4-1気味。
これによりハイプレス時には右が岩上祐三、左が鈴木国友が行くというのが基本になった。
イメージとしては下図となる。
34分、川本梨誉が良いプレスからボールを奪取。
これを鈴木国友に預けると、鈴木は自ら突破してシュートを狙いに行くも枠を捉えられず。
右には田中稔也も上がっており、そちらを使っても面白かったとは思うが…既に0-2という展開を考えると多少強引にでもシュートで終わるというのは悪い選択肢ではないだろう。
しかし…であれば枠には飛ばしてほしかったところ。
36分、岡本一真がナイスインターセプトから長い距離を自分でドリブルで運ぶ。
しかし周囲のサポートが無く…結局はボールを奪われてしまう形に。
このシーンが顕著ではあるが、群馬はここまで周囲のサポートが薄く距離感が悪い。
対して山口は非常に良い距離感で多くの人間がボールに絡んでいると言える。
40分、良い位置でフリーキックを得るとこれを蹴るのは岩上祐三。
良いボールがニアに送られると、藤井悠太が頭で合わせるも…関憲太郎がファインセーブでコーナーキックに。
山口の選手がオフサイドをアピールしているが、恐らく藤井はオンサイド。
オフサイドポジションだったのは、元々オフサイドポジションにいた田中稔也と小島雅也。
小島は全くプレーの意図を見せなかったが、田中は…藤井の手前でプレーに関与したと言えないことは無いかもしれないが…まぁ関与していないだろう。
藤井の裏に入っていた川上優樹は飛び出しが少し早くオフサイドポジションだったかもしれないが…ここにはボールは来ていない。
ということで岩上のキックも素晴らしかったが、藤井も素晴らしい動き出しから頭で枠に飛ばしたところまでは素晴らしかったが…残念ながら関が上回った形に。
真横のアングルが無いのでこれが正しいかはわからないが、そうであれば副審はナイスジャッジだったと言える。
試合が終わってから思い返すと、これが決まっていればまた違った展開になっていた…かもしれない。
なんとか前半のうちに1点を返しておきたく、可能性があるとすればセットプレーだったが…。
この後のコーナーキックもチャンスはつかめずに前半が終了となった。
【45~60分】後半頭からの2枚代え
後半は山口のキックオフでスタート。
2点を追う群馬はハーフタイムで選手を入れ替え、田中稔也に代えて加藤潤也、小島雅也に代えて山中惇希を投入。
ここ数節は定番となっている交代であるが、今回もポジションはそのままに選手だけを代えた形となる。
この交代の効果か、後半の出だしは群馬のプレスがハマる形に。
47分、高い位置からプレスをかけパスコースを限定させるとそれを読み切った細貝萌がインターセプト。
高木友也に預けるとドリブルで少し運んでから鈴木国友に送る。
鈴木は縦に仕掛けからクロスを上げようとするが…これはブロックされてコーナーに。
53分には岩上祐三のインターセプトから、細貝萌、再び岩上とボールを繋いでから加藤潤也に縦パスを付ける。
ここで川本梨誉がDFのギャップを上手く付き、裏に抜け出すとKJから伝家の宝刀であるスルーパスが通る。
そしてワンタッチで高橋秀典を交わすと、そのまま左足を振り抜くが…これはコースも威力も甘くキーパーに収まってしまう。
ゴールまではまだ距離があり、右には鈴木国友、左には高木友也とフォローにも入っていただけに…焦らずにどちらかを使っていても良かっただろう。
強引にシュートまで持ち込むのは川本の良さではあるが、このシーンに限ってはサポートを使った方が可能性は高そうであった。
54分には高井和馬がドリブルシュートを放つが、ここは藤井悠太がスライディングブロック。
自身のマークを捨ててコースにブロックに入っており、ナイス判断&ナイスブロック。
ここまで2失点はしたものの…藤井は前節同様に素晴らしいシュートブロックを筆頭に悪くない守備対応を見せている。
相方となっている川上優樹も対人の強さを活かした守備は見せており、決してCBが崩壊したという感じでは無かったのだが…。
【60~75分】山口のパターンにハマる
しかし60分、ロングボールを群馬右サイドに送られると受けた橋本健人が縦に運ぶ。
ここは加藤潤也の守備対応により縦への突破は許さず、ボールを一度下げさせることに成功。
しかしフォローに入った前貴之に対して誰も行けず、余裕を持ってクロスを上げられてしまい…これを高井和馬が反転しながらジャンピングボレーで合わせるというスーパーゴールが飛び出す。
高井のゴールはあまりにも素晴らしく、これ自体は不運ということもできるだろう。
しかし、前に対して誰も行けなかったことと…その前段階でDFラインの前で2シャドーのどちらもフリーであったのが大問題。
お互いにシステムが違うためにギャップが生まれるわけだが、結局それを上手く使えているのが山口であり使えていないのが群馬という構図は前半のままとなった。
このシーン、ゴール前に入っていく高井に対して細貝萌と高木友也は最終ラインに指示を出しているのは出している。
しかし川上優樹は入ってくる高井に気付かずに、埋めたスペースではないところを使われる形となっている。
このゴールの前から準備をしていたと思われるが、ゴール後の再開前に群馬が再び交代カードを切る。
岩上祐三に代えて風間宏希を投入するが…この交代の意図は?
前節ほどではないが岩上は今節も決して悪くは無いと思うが、やはり細貝萌とのコンビだと守備的過ぎるというか重心が後ろに重過ぎるか。
とは言え個人的には変えるべきはここでは無いと思うのだが…。
64分には山口も動き、吉岡雅和に代えて高木大輔、高橋秀典に代えて眞鍋旭輝を投入する。
68分、ハイプレスから相手のパスミスを誘い最終ラインでボールを回収。
一度右に広げるという展開もあって、左サイドの山中惇希が高い位置を取る。
再び下りてきた山中に当てると、対峙したDFを交わして一気に縦に突破。
その後のクロスはミスキックとなり…そのままゴールラインを割ってノーチャンスとなったが、この時間になって初めて山中の効果的な攻撃参加が見られたシーン。
後半から山中を入れた意図というのは…これじゃないのかなぁ?と個人的には思っているのだが、なかなか攻めあがれる機会が作れない。
通常であればあのシーンはCBにバックパスとなってしまうが、山中ならば仕掛けられる。
左サイドハーフの高木友也とも以前の試合では良い連携を見せており、この2人でのサイドアタックは迫力があると言える。
対人守備はそれなりにこなすが、逆サイドからのクロス対応などに難がある山中を入れたという以上…こういったシーンをどんどんと増やしていかないと意味がない。
しかし72分、池上丈二が粘ったところから左サイドに展開。
ボールを受けた橋本健人がワンフェイントで岡本一真を外すと、右足でゴール前にクロスを送り込む。
これを高井和馬がオーバーヘッドで狙うも触れず、抜けたボールが山中惇希に当たってオウンゴールとなる。
このシーンはあまりにも酷い。
岡本が橋本に行ったことで右サイドに川上優樹が釣りだされるのは仕方ない。
(岡本らしくなく簡単に外された印象はあるが…彼も若いとは言え出場時間が長く酷使されている影響だろう)
釣りだされた川上のスペースを埋めるべく藤井悠太がニアにスライドするのは正しいが…ポジショニングが悪い。
そのためゴール前は山口の選手3枚に対して群馬は山中1枚というあり得ない状態になっている。
前線でボールが収まらなかったためにカウンター気味に…というのはわかるし、風間宏希は球際の競り合いで倒れていたというのもわかるが…戻りが遅い。
細貝萌はスーパーな選手であることは間違いないが…年齢と無理なスケジュールでの復帰、更には連戦のフル出場と…仕方ない部分は大きいが明らかにガス欠と言える。
やはり途中出場である風間がしっかりと戻っていれば…もう少し藤井も中央にポジションを取れただろうし…。
ちなみにこのゴールはどうやら高井が触れていたようで、オウンゴールから高井和馬のゴールに記録が変わっている。
74分、山中惇希がオーバーラップするもボールは出ず一度後方にボールは下げられる。
その関係で左サイドには高木友也が下りていき、山中は高い位置を取ったままの状態となった。
ここで高木がボールを受けると、裏のスペースに抜け出した山中にスルーパスが通る。
ダイレクトで上げたグラウンダー気味のクロスは川本梨誉がワンタッチでファーの鈴木国友に流そうとするが、これは山口のDFの投げ出した足でブロック。
しかしこぼれ球を加藤潤也が拾い、粘って強引に右足を振り抜くもキーパーの正面。
威力もあったことで関憲太郎はキャッチできずにこぼすも…ゴール前にいた鈴木は詰めることができず。
こぼれ球を押し込めたかどうかは微妙だが、ここに詰められないFWはどうかと…。
【75~90分】平松が意地を見せるも…
75分、両チームとも2枚を交代。
まず山口は梅木翼に代えて岸田和人、佐藤謙介に代えて山瀬功治を投入する。
群馬は鈴木国友に代えて北川柊斗、川本梨誉に代えて平松宗を投入。
77分、高い位置までプレスをかけたが外されたことにより…サイドバックの岡本一真がセンターラインという高い位置を取ることになる。
そこからその裏のスペースへスルーパスを通されると、受けた岸田和人がボールをキープ。
フォローに上がってきた橋本健人に預けると、ワンタッチで縦に持ち出してからすぐ近くの高井和馬に横パスを通す。
これを高井がダイレクトでシュートし更に点差を広げられてしまう。
4点差ということもあり完全に気持ちが切れているとしか思えないような状態…。
要所要所で強度が全く足りておらず、とりあえず人がいるだけという状態と言って良いだろう。
色々と擁護したい状況なのも事実だが…この失点シーンでは風間宏希のランだけは許せない。
スタート地点は橋本よりも前だったハズであり、なぜ橋本にパスが通るのか?
橋本が縦に持ち出したことでマークを藤井悠太に預けたのは良いが、であれば自身はすぐに絞って中へのコースを塞ぐべきだろう。
コースをしっかり切るポジションにいれば、あの高井へのパスは通らない。
77分走ってきて…ならば仕方ないとも言えるが、途中交代からまだ17分だろうと…。
82分には山口が最後の交代カードを切り、池上丈二に代えて沼田駿也を投入する。
84分、86分と左サイドから攻撃を作るが…ゴールは遠い。
88分、左サイドからのスローインを受けた北川柊斗がサイドの高木友也に送る。
高木はここからダイレクトでクロスを上げると、ここに飛び込んだのは平松宗。
見事にニアへのクロスに飛び込む形となり、しばらく戦列から離れていた感はあるが…さすがチームの得点王といった状態。
高木がダイレクトで高精度のボールを送ったのが見事だが、平松も相手の死角から飛び込むというFWのセオリー通りだが完璧な動き。
対応した前貴之がセットプレーで集中が切れていた感はあるが…リスタートを活かした早い攻撃だったとも言えるだろう。
89分には群馬右サイド裏のスペースを使われ、これまたハイプレスとシステムの違いから川上優樹がサイドに釣りだされる。
受けた岸田和人の内側を上がってきた橋本健人を使い、橋本のクロスはファーまで抜けドフリーの高木大輔がシュートを放つもクロスバー直撃。
これも完全に右にスライドさせられて中央からファーの枚数が足りない…という状況を作り出されている。
93分には山田晃士のパントキックがミスキックとなり、センターサークルのところで直接山口ボールとなってしまう。
トラップから田中渉が一気にDFライン裏へのロングボールを供給すると、ここに抜け出したのは沼田駿也。
サイドに流れた沼田からセンターにクロスが送られると、飛び込んだ山瀬功治が合わせるがミートせず。
しかしこのボールが直接岸田和人の足元に転がると、見事に合わせてゴールに叩き込まれてしまう。
岸田のマークに付いていた川上優樹を見ると…オフサイドかと思ったが、最終ラインは左サイドをえぐられた際に付いて行った山中惇希だったか?
であればオンサイドの気もするが…もはや大した意味を持たない。
こうして悪夢のような6失点で試合は終了した。
ピックアップポイント
ミスマッチを活かした山口と活かせなかった群馬
この試合はこれに尽きるだろう。
4-4-2を基本とする群馬に対して、山口は3-4-2-1が基本。
これにより各部にお互いにミスマッチな部分が生じることになるが、それを効果的に活かした山口だったと言える。
詳細はその時間帯ごとに本文内に書いたが、両シャドーを全く捕まえられなかったのが敗因となるだろう。
ゴール前には人数がいるものの、その前のバイタルエリアで2シャドーに自由にやられ過ぎた。
またWBをサイドハーフとサイドバックのどちらが捕まえるのか…というのも今一つ不明確であった。
右サイドが顕著だが、サイドバックが捕まえに行き…空いた裏のスペースを使われCBが釣りだされて中の枚数が足りない…というシーンが多かったのもポイントと言えそうである。
とは言えど前半の途中で選手の立ち位置を変え(飲水タイムをきっかけにしたか?)、4-1-4-1気味にするなど修正しようとする意図は見えた。
またハーフタイムでは人も代え、それもあってか後半立ち上がりではプレスがハマるシーンも見られたのは事実。
しかし時間が経つにつれて山口も落ち着きを取り戻し、結果としては対応されてしまったと言える。
開幕前の目標に届かなくなり、この試合で確実に残留争いが厳しくなったと言えるが…いまだにクラブから公式アナウンスは無い。
誰かが責任を取って辞めれば解決する問題では無いが、現状のダンマリもあまりよろしくないだろう。
サッカー界で一般的なのは監督を変える(もう遅いが)ことだろうが、コロナの影響や怪我人の続出と…個人的には大槻監督は擁護したい部分が多い。
シーズン終盤にもなって攻撃面も守備面も全くチームに浸透していないじゃないかという意見はごもっともだが…攻撃面は主力が夏に加入したメンツとなり、連携面は厳しいのも事実だろう。
守備面も怪我人とコロナで入れ代わり立ち代わりとなっており、そんな中でもこの試合でも修正しようと策を打っている(効果があったかは別として)と思う。
金が無いから仕方ないのは事実だが、問題なのは金が無いと20年言い続けていることだろう。
MOM
この試合のMOMは…平松宗としたい。
値千金にはならなかったが、意地を見せるゴールを挙げた平松としたい。
チーム最多の7得点となったが…彼がなぜスタメン起用されていないのか?
評価されていないとは考えにくく、当初はコロナによる離脱と思っていたが…それにしては長いようにも思う。
直近2試合でもわずかな時間しかプレータイムを与えられておらず…謎と言える。
怪我によるコンディション不良で、90分プレーできるような状態ではない…と考えるのが妥当だろうか。
最後に相手チームではあるが、高井和馬に触れておきたい。
ハットトリックという結果に終わったが、群馬にいた頃と比較してはもちろんだが…昨シーズンに比べても随分と上手くなった印象。
それはそれとして、最後に挨拶にきてくれたが…どうにも引き上げていく時の態度が気になるところ。
恐らくは何か心無い言葉をかけられたのだと思うが…そうであれば群馬サポーターの恥である。
所属がJ3降格の年であり、ビッグマウスな部分があった高井だけに…その前の瀬川祐輔やその前の江坂任に比べると批判の声があったようにも思う。
そういえば記憶の中では、吉濱遼平が挨拶にきたときには「裏切者」という言葉が飛んでいた。
確かに怪我による長期離脱から復帰したと思ったら町田に移籍してしまった…という感はあるが、言ってはいけない言葉だろう。
ザスパクサツ群馬というチームに対しても、現状の成績を考えれば厳しい言葉も必要だろう。
賛否あるだろうが、時にはブーイングや応援拒否というような事が必要かもしれない。
しかしそれはチームのためにやることであり、個人の鬱憤やストレスをぶつける行為であってはならないと思う。
選手もスタッフも人間であるわけで、勝った時だけ評価され負けた時には手の平を返すようなサポーターのためには戦いたくないだろう。
批判や批評はあっていいと思うが、誹謗中傷であってはならないと思う。
厳しい言葉であっても、それが選手の背中を押す言葉であってほしいと思う。
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