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【2022 J2第37節】ブラウブリッツ秋田 対 ザスパクサツ群馬【レビュー】

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※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。

前節はFC琉球を相手にスコアレスドロー。

最下位の琉球と下から2番目の群馬ということで…どちらも勝ち点3がほしいものの、それ以上に相手に勝ち点3を与えたくないといったゲームとなりました。

終わってみればスコアレスドローであり、残留のためには勝ちたい試合ではありましたが…コロナにより大量離脱中という状況を考えれば勝ち点1は悪くない結果かもしれません。

1週間空いて秋田に乗り込む今節となりますが、どれだけ選手が戻ってきているか…というのが焦点となりそうです。

今回はそんなブラウブリッツ秋田戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

ブラウブリッツ秋田

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 田中雄大
DF 3 小柳達司
4 池田樹雷人
5 千田海人
13 才藤龍治
MF 8 茂平
9 中村亮太
23 稲葉修土
25 藤山智史
FW 29 齋藤恵太
40 青木翔大

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 1 新井栄聡
DF 50 加賀健一
MF 15 江口直生
24 小暮大器
14 三上陽輔
FW 18 吉田伊吹
19 武颯

 

秋田は前節から3枚を変更。

元群馬の小柳達司と青木翔大がスタメンに入っている。

特に青木翔大には前回対戦で恩返しを食らっていることもあり、今日はしっかりと封じ込めたいところだろう。

その他には今シーズンは右サイドハーフでの起用が多い中村亮太に注目したい。

フィジカルが強くCFでのプレーが多かった印象だが、時としてはCBでもプレーしていた器用な選手。

攻撃のカードとしてはベンチの武颯も怖い存在である。

守備の選手ではGKの田中雄大に注目したい。

SC相模原に所属していた際に、J3で対戦があったが…その時から非常に良いキーパーだと思っていた。

正直J3にいるキーパーじゃないと当時から思っていたが、秋田に移籍してチームと共にJ2の舞台に上ってきた選手と言える。

ザスパクサツ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 44 山田晃士
DF 4 川上優樹
5 藤井悠太
19 岡本一真
25 小島雅也
MF 8 岩上祐三
10 田中稔也
33 細貝萌
FW 40 鈴木国友
42 高木友也
47 川本梨誉

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 21 櫛引政敏
DF 2 城和隼颯
MF 7 加藤潤也
15 風間宏希
17 山中惇希
FW 9 北川柊斗
23 平松宗

 

群馬は前節から1枚を変更し、畑尾大翔に代わって藤井悠太がスタメンに入る。

今節の前に1名コロナの発表があり、どうやらこれが畑尾だったようである。

畑尾の離脱は正直痛いものの…ここ数節起用が続いている川上優樹は良いパフォーマンスを見せており、となると久々の出番となる藤井にも期待がかかる。

またコロナによりメンバーから外れていた選手が数人戻り、櫛引政敏、城和隼颯、風間宏希、山中惇希あたりがそうだろう。

そして久々に平松宗がベンチ入りとなり、チームトップスコアラーの復帰は大きいだろう。

コロナからの復帰ということでコンディション面の可能性はあるが…まさか櫛引をベンチに座らせて山田晃士がスタメンというのは予想外だった。

山田起用の2試合は負けなしということで、この辺りの流れを引き継ぎたいという思いもあるだろうか。

試合経過

【0~15分】起用に応えた藤井

前半は群馬のキックオフでスタート。

DAZNではどちらがコイントスに勝ったのかはわからなかったがどちらかがエンドを入れ替え、前半は秋田が風上ということに。

(恐らく秋田が陣地を入れ替えたと思われる)

 

2分、秋田が右サイドで得たスローインを縦に長く放り込むと、これを青木翔大が頭で競り勝つも…このボールは高く舞い上がっただけに。

これを細貝萌が左足でクリアするも、キックミスとなり再び高く舞い上がってしまう。

落ち際を岩上祐三齋藤恵太がポジション争いするも…どちらも競れずにボールは岩上のヒールに。

これが不運にも中に入ってしまい、茂平がボレーで狙うも藤井悠太が身体を張ってブロックする。

この時は「危ねぇ、藤井サンキュー!」というくらいの気分だったが、今にして思うと藤井の大活躍はここから始まったと言える。

 

6分には左サイドで得たスローインから、受けた高木友也が仕掛けてコーナーキックを獲得する。

今節も高木は変わらず積極的な仕掛けという、らしいプレーを早々に見せてくれている。

正直言って…なぜ群馬にきてくれたのかわからないレベルの選手である。

右足がもう少しでも蹴れるか、左のスペシャリストになればもう一つ上のカテゴリーでも戦えそうな選手と言える。

 

13分、秋田がハーフラインの少し手前でフリーキックでのリスタート。

田中雄大からのロングボールを池田樹雷人か?が川上優樹に競り勝つが、このボールは鈴木国友が足に当てる。

しかしこのボールが青木翔大にこぼれると、ミドルシュートを打たれるが…これを藤井悠太が頭でブロック。

跳ね返りも秋田ボールとなるものの…最終的に枠を大きく外したシュートで攻撃を終える。

藤井は久々のスタメンとなったが、この起用に応える活躍を既に2つ見せてくれている。

【15~30分】ゴールの嗅覚 ここにいる男

16分、左サイドの高い位置でスローインを得ると、小島雅也川本梨誉にスロー。

川本はDFを背負ってキープから再び小島に戻すと、小島がワントラップから中央にクロスを供給。

ここに飛び込んだのは鈴木国友だったが…わずかに合わずにボールは後ろに抜けるも、その裏にいた池田樹雷人に当たって再び鈴木の足元にこぼれてくるというラッキー具合。

これを鈴木がダイレクトで狙うも、田中雄大がファインセーブ。

しかしこぼれ球を冷静に田中稔也が詰め込んで先制に成功する。

試合後のインタビューでは「練習でやっていた形。監督からはここに入り込めと言われていた」と稔也は語ったが、これが稔也の良いところ。

今シーズンは正直攻撃面であまり活きている印象が無いが…稔也の持ち味はこの逆サイドからのクロスに対する入り方の良さ。

そしてゴールの嗅覚と言うか、決定力の高さと言えるだろう。

極力ペナルティエリアの中に入り込む回数を増やしたい選手である。

得点シーンだけでなく繋がったスローインを獲得するまでの流れも悪くなく、今日も高木友也を中心に左サイドは素晴らしいアタックを見せている。

 

22分には、秋田の最終ラインから思い切り前に蹴られたボールでヒヤリとするシーンが。

群馬の最終ラインの裏まで伸びるクリアとなったが、秋田の選手は詰められておらず…冷静に対処すれば良かったボールだったが戻りながらの川上優樹と、飛び出してきた山田晃士が重なりかけるという構図。

川上はジェスチャーで山田に対して「出てくるな」とやってはいるものの…意思の疎通の乱れからヒヤリとするシーンに。

この辺りはコロナの影響でメンバーが大きく変わり、普段組まない選手での組み合わせとなっている影響もあるとは思われる。

 

しかし早い時間に先制に成功したわけだが、今節は前節に続いて比較的長いボールを蹴るシーンが目立つ。

DAZNでも実況・解説が「大槻監督が戦い方を変えた」「ロングボールを多用するサッカーに切り替えた」などと話しているが、明らかに現実的な戦い方にシフト。

欲を言えばもう少しロングボールが前線で収まると違ってくるのだが…川本梨誉にしろ鈴木国友にしろ、恐らくポストプレーが得意なタイプでは無いだろう。

川本は前節、前々節辺りでは失わずにマイボールにするシーンが目立ち、ポストとしてある程度機能はしていたものの…。

【30~45分】復活の岩上

35分、秋田の自陣からのリスタートを田中雄大がロングボールを群馬ゴール前に供給。

このボールに対して山田晃士が飛び出すも、池田樹雷人が競り勝ちヘディングしたボールはゴールに向かう。

しかしこれを岩上祐三が戻りながら、ゴールライン少し手前で頭で防いでコーナーキックに逃れる。

岩上だけでなく、間に合ったかどうかはわからないが藤井悠太もしっかりと戻っており、この辺りはベテランの経験値か。

山田が飛び出すのを見た瞬間の岩上藤井の動き出しは素晴らしく、空いたゴール前に向かって一気に速度を上げてカバーリングに入っているのである。

山田は起用された3試合全てで似たようなハイボールの処理を誤っており、これは今後に向けての課題と言えるだろう。

3試合続けて書くことになったが…高身長とは言えないだけにハイボールの対応は工夫が必要であり、この辺りは経験を積んで自分なりの解決策を探すしかない。

キーパーは飛び出したら最低でも絶対に触らないとならない。

時には飛び出さないという勇気ある判断も必要である。

 

今節の前半は8割が左からの攻撃となっており、確かに偏っているという言い方はできるだろう。

しかしある程度これは狙いの形とも言えそうである。

限られた戦力でいかにチームのストロングを出すか、というのが大事であり現状では高木友也の突破力とクロスの精度を活かすのが戦略となろう。

そして高木が高いポジションを取る分、右の田中稔也は守備でのタスクが求められ…それは今シーズン稔也がしっかりとこなしているものとも言える。

 

そして前節、前々節はハッキリ言ってダメダメだった岩上祐三がここまで非常に効いている。

…と言うか、今節が岩上の本来の姿だと思うのだが…この試合を機に復活してほしいところ。

【45~60分】文字通り 身体を張った守備

後半は秋田のキックオフでスタート。

両チームともにハーフタイムでの選手交代は無い。

 

48分、秋田のクリアボールが左サイドに流れた青木翔大の下に。

ここには川上優樹が対峙し、しっかりと攻撃を遅らせることに成功する。

青木の外側を茂平がオーバーラップすると、川上にマークをスライドし青木の対応を岡本一真にスイッチ。

しかし青木にワンフェイントから左足でゴール前にクロスを送られてしまうと、ファーで中村亮太がヘディングで折り返す。

恐らくシュートでは無く折り返しだとは思うが…これがクロスバーを直撃し、戻ったボールを稲葉修土がシュートするも岩上祐三がブロック。

そのこぼれ球を才藤龍治がシュートするも、これもゴールライン手前で藤井悠太がブロック。

更にそのこぼれ球のクリアが不完全になったボールを才藤がオーバーヘッドで狙うも、ここは勇気を持って川上優樹が頭から飛び込みファールをもらうこととなった。

才藤はボールを捉えていることをアピールするも…その直後に川上の頭を蹴ってしまっており、気持ちはわかるがハイキック(危険な方法でのプレー)となっても仕方ないだろう。

そして…これまた可哀そうではあるが、川上の頭を蹴ってしまっているためにイエローカードが出たことも致し方ないと言える。

(前節のKJのゴール取り消しも、KJの足が相手に当たっていればカード対象だったと思われる)

まさに文字通りに群馬のDF陣が身体を張って守り切ったシーンではあるが…岩上のブロックは手だったようにも見える。

群馬サポだからこういうことが言え…もしハンドであったなら秋田サポには申し訳ないが…度々ハンドのジャッジに泣かされてきた群馬だけに、たまにはこういうことも無いとやってられない。

しかし…藤井のシュートブロックが3本目である。

岩上のブロックの際にも後ろでしっかりと頭をコースに入れており、シュートに対して背を向けることなく頭をコースにしっかりと置いているというのは素晴らしいの一言。

クロスバーが助けてくれた…というのもあるとは思うが、プレーが切れた際の藤井がポストを叩いてガッツポーズをするシーンは本当に心打たれるものがあった。

 

54分、秋田が先に動き齋藤恵太に代えて吉田伊吹を投入する。

59分にはロングボールを川本梨誉が収めると、一気に逆サイドの高木友也へ展開。

高木は自らドリブルで運んでシュートまで持ち込むも、これは田中雄大の正面。

シュートは残念だったが川本のポストから良い展開が1つ見られ、高木もフォローが無かったためにシュートで終わるという選択肢は良かった。

 

この試合は本当に選手が身体を張って守れているが、セットプレーを筆頭に細貝萌山田晃士の指示がよく通っていることがわかる。

これはこの試合が…なのか、マイクの位置の関係でピッチ上の声をよく拾っているのか?

とは言え山田細貝もセットプレー時には何かしら声を出しているのはいつも映像で確認でき、こういったところは大事な部分と言える。

【60~75分】ジレンマか?交代カードが切れない

60分頃になってくると、守備の時間が長くなってきたという印象が強くなってくる。

最後の部分はしっかりと身体を張って守れているものの、残り30分これが続くとは思わない方が良いだろう。

どこかで交代カードも含めて、少し攻撃の時間を作ることで守備の負担を減らしたいところ。

 

63分、秋田が右サイドから左に広げ、小柳達司のクロスを吉田伊吹が頭で合わせるもミートせず。

66分には秋田が2度目の交代に動き、青木翔大に代えて武颯芝平に代えて三上陽輔を投入する。

しかしかなりどうでも良い事だが…三上は雰囲気が川岸祐輔に似てるとずっと思っているのだが…。

ガタイが良いのと髭と髪型なだけではあるが…。

余談が続くがギシちゃんは群馬のフロントスタッフとして活躍しており、将来的には責任あるポジションで是非ともザスパのために力を尽くしてほしいと思っている。

 

話を試合に戻して68分、右サイドからのコーナーキックを千田海人に頭で合わせられるが…これは枠の上。

秋田はフィジカル重視のサッカーの印象が強いが…それだけにハイボールはこの試合かなり負けている印象がある。

群馬DFもできることはやっており、それによって枠には飛ばさせてないと言えるが…残り20分強ということもあり対応は必要だろう。

 

69分、群馬も動き川本梨誉に代えて北川柊斗小島雅也に代えて山中惇希を投入する。

鈴木国友に代えて平松宗を投入するかと思っていたが…予想が外れる形になった。

鈴木は得点シーンに絡んでおり、それ以外でもここ数節に比べると今節はかなり良い事は確か。

しかしクリアボールが前線で収まっていないことが課題であり、少しでも収まっている川本を残すかと思ったが…。

また同様の理由で北川ではなく平松の投入を予想していたが…。

この辺りは後ほど触れたいと思う。

 

74分には秋田が左サイドからロングスローを放り込む。

これは跳ね返すもこぼれ球を藤山智史がミドルシュートを狙う。

しかしここにも出足鋭く岩上祐三がスライディングでブロックに入っており、徹底的に中盤で相手の攻撃を防ぐ。

 

75分には左サイドからのコーナーキックを吉田伊吹に合わせられるも、このシュートは山田晃士が正面でキャッチ。

下がりながらのヘディングとなり、その後ろの小柳達司と重なる形となったことがラッキーだった。

どちらかと言えば小柳に合わせられていた方が怖かったシーンと言える。

しかしこれも競り負けている…と言うかこれはフリーに近いシーンであり、この試合は秋田に制空権を握られているのがやはり気になるところ。

【75~90分】守り切りに入った群馬

77分には岩上祐三のロングスロー…は跳ね返されるも、回収した細貝萌から逆サイドへ展開。

受けた高木友也がクロスを送るも…これも跳ね返されてしまう。

クロスは合わなかったものの、これには田中稔也がしっかりと入り込んでおり稔也はこういった逆サイドからのボールへの入り方が本当に上手い。

前半にも書いたが、得点感覚といい稔也のストロングなためこういったシーンは今後も増やしていきたいところ。

 

78分、秋田が最後の交代カードを使い中村亮太に代えて小暮大器藤山智史に代えて江口直生を投入する。

81分には群馬も動き、高木友也に代えて城和隼颯田中稔也に代えて風間宏希を投入。

この交代により5-3-2へと変更し、最終ラインは右から岡本城和藤井川上山中ということに。

岩上祐三がアンカーとなり、その前に風間細貝を並べるという…ある意味夢の3ボランチ。

明確にこの1点を守りきるという指示がベンチから出された形となったわけだが、この4分後の85分にも再び交代カードを切る。

時間稼ぎの意味合いもあるだろうが、鈴木国友に代えて平松宗を投入し前線で少しでもボールが収まるようにという交代だろう。

また最前線にフレッシュな選手を置くことで、前からプレスをかけて後ろを少しでも楽にするという意図もある。

 

95分、この前のプレーでもサイドでキープに入り完全に逃げ切りに入った群馬ではあったが…北川柊斗がキープしきれず失ったところから早い攻撃を受けかける。

しかし武颯に縦パスが入り前を向いたところで藤井悠太のスライディングタックルが決まる。

ここで繋がれるとピンチとなるシーンだっただけに、ハーフラインを少し超えたところにもかかわらず見事な判断で飛び出して攻撃の芽を潰したと言える。

そしてこれを岩上祐三が前に蹴りだして試合終了かと思いきや…まだ試合は続く。

 

その後も群馬左サイドを運ばれるが、山中惇希がしっかりとブロックしてサイドラインに逃れる。

これまた良い対応であり山中自身もガッツポーズを見せるが、ここでも笛は鳴らず。

確かにアディショナルタイムでもファールがありプレーが止まり、更にそのシーンで川上優樹が靴紐を結び直す…なんて時間をかけたシーンはあったが…。

そしてこのスローインには田中雄大まで上がってきてパワープレーとなるが、ニアへのスローを選択。

リターンを更に後ろに下げてからゴール前にクロスを送り込むが、両チーム混戦となりボールは武颯に。

のシュートは風間宏希がブロックし、こぼれ球を山田晃士が回収したところで試合終了のホイッスル。

しかしリプレイを見るとこのクロスに田中雄大があとわずか…というところであり、終了間際に劇的な同点弾となっていた可能性もあった。

終盤は防戦一方となり、手放しで喜べる勝利ではないものの…大きな大きな勝点3を得ることとなった。

ピックアップポイント

不満の残る交代策

結果的には逃げ切りに成功したものの、多くの方がこの試合の交代策には疑問が残ったのではないだろうか?

まずは交代が遅い。

そして切るカードはそれで良かったのか?という2つの面があるが、妄想すると2つとも同じ結論に行き着くこととなった。

 

もちろん真相は大槻監督とスタッフのみが知るところではあるが、少し考えてみたい。

本文内でも書いたが、この試合は今までと戦い方が異なりロングボールの頻度が増えた。

また15分で先制したこともあり、しっかりと守ったあとのボールは無理に繋がずに前に蹴りだすというシーンが目立つ試合だったと言える。

ここで課題となったのはクリアボールがあまり収まらないこと。

もちろんFWだけの問題ではなく、蹴り手側にも問題があるわけだが…守備は上手くいっているだけにバランスを崩したくないので後ろは動かしたくなかったと思われる。

 

そのため、これまた本文内に書いたが平松宗を投入して前線に起点を作るかと思ったものの…投入されたのは北川柊斗

北川もある程度はポストになれるが、比較すればポストプレーが得意なのは平松だろう。

なぜ平松を使わなかったのか?

これは…想像でしかないが、それだけ平松のコンディションが悪いのだと思われる。

しばらくベンチ外が続いており、起用できるようなコンディションではなかったかと。

東京ヴェルディ戦後の記者会見でも「加藤純也はコンディション的にまだ難しいところがあったが使った」という発言をしており、KJがこの試合に起用されなかったのもコンディションが無関係では無いだろう。

KJを前に置くことでハイボールは期待できないが、技術の高さからくるキープ力と前線からの積極的な守備で後ろの負担を減らす策も取れたハズ。

こういった手を取らずに、最初の交代を69分まで引っ張り…2回目の交代が81分となったのは「選手のコンディション不良」というのが大きかったかと。

バランスを崩したくないという部分も大きかったとは思うが、それだけ平松KJのコンディションが良くないという事なのでは無いだろうか?

MOM

この試合のMOMは…藤井悠太としたい。

順当に考えると細貝萌となるかもしれないが、今回は藤井を推したいと思う。

 

先に細貝に触れよう。

試合後の真っ赤なヒートマップが示す通り、ベテランにもかかわらず90分を高い強度で戦ってくれた。

自身の球際はもちろん、セットプレーを中心に守備構築の面でも大きな役割を果たしたと言える。

精神的な支柱でもあり本当に代えが効かない選手だけに…残り5戦コンディションを落とさずに戦えるかどうかが大きなポイントになるだろう。

 

そして藤井だが、東京ヴェルディ戦で最後出場したものの…出場時間としては1分程度。

その前は第22節の長崎戦まで遡ることとなり、ハッキリと言えばスクランブルによって出場機会を得たと言える。

しかしながらこのチャンスを見事に活かし、90分を通して魂のこもったプレーを見せてくれた。

本文内でも書いたが、シュートブロック後にポストを叩いてのガッツポーズには心打たれるものがあった。

怪我がちで苦労した選手だけに、この試合をきっかけに良い流れを掴みたいところ。

誤解を恐れず言うならば…2021年の加入時にはスタメンの構想だったハズである。

畑尾大翔藤井悠太のコンビが考えられていたハズであり、バックアッパーとしてベテランの渡辺広大に2年目の川上優樹

ルーキーの城和隼颯は翌年以降を見据えて…という感じだったハズ。

(結果としては大武峻を補強する必要に迫られたが)

恐らく2年契約と思われるので、年齢的にもここが正念場。

是非とも踏ん張ってもらって、来シーズン以降も群馬での活躍が見たい選手である。

 

もう一人名前を挙げたいのが岩上祐三

ここしばらく目を覆いたくなるような出来だったが…今シーズンはまさに岩神。

いやこれが本来の岩上の姿であり、夏場の連戦で酷使されることとなった疲労が抜けてコンディションが整ってきただろうか?

この試合をきっかけに今までの輝きが戻れば、今節のように中盤は支配する時間が長い展開が期待できる。

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