※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第33節はホームでの奈良クラブ戦です。
これがホーム3連戦の最後となりますが、少し前にはアウェー4連戦と…今シーズンはやや不思議な日程な気がしますね。
各クラブの(特に競技場の)予定などの調整でこのようになっていると思われますが、それでも日程くんがかなり優秀で有利不利がないように調整していると思います。
前節はホームで福島を相手に、2失点から1点は返したものの…という形でした。
相手がどうの…ではなく、残留に向けてどの試合も最低でも勝点1を取らなくてはならない状況です。
そのため福島戦も(結果としては)評価できない試合となりましたが、内容としてはかなりの改善が見られたというのが個人的な印象です。
何より選手の勝利への気持ち、執念といった…今まであまり見られなかったがむしゃらさを感じられたのが大きいですね。
これがシーズンの序盤なら…といったところですが、少なくとも残留に向けて希望の灯を灯せた試合だったようには思います。
今節は再び上位でプレーオフ圏内を狙う奈良が相手と、難しいゲームとなることが予想されますが…ホーム戦でなんとか意地を見せたいところ。
今回はそんな奈良クラブ戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション

ザスパ群馬
スターティングメンバー
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 21 | キム ジェヒ |
| DF | 3 | 大畑隆也 |
| 8 | 山内陸 | |
| 22 | 高橋勇利也 | |
| 30 | 小柳達司 | |
| MF | 11 | 加々美登生 |
| 27 | 藤村怜 | |
| 37 | 瀬畠義成 | |
| FW | 4 | 船橋勇真 |
| 32 | 河田篤秀 | |
| 49 | 小竹知恩 |
ベンチ
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 13 | 近藤壱成 |
| DF | 14 | 菊地健太 |
| MF | 5 | 山口一真 |
| 7 | 西村恭史 | |
| 15 | 風間宏希 | |
| 36 | 安達秀都 | |
| FW | 18 | 田中翔太 |
| 20 | 下川太陽 | |
| 38 | 小西宏登 |
群馬は前節から7枚を入れ替えるという、大幅な変更を見せる。
近藤壱成、安達秀都、西村恭史、風間宏希、田中翔太、下川太陽、小西宏登がスタメンから外れベンチスタートに。
代わってキム ジェヒ、山内陸、加々美登生、藤村怜、瀬畠義成、船橋勇真、小竹知恩がスタメン起用となる。
スタメンの顔触れは大幅に変わったものの…ベンチも含めたメンバーを見ると、玉城大志がベンチ外となったのみ。(代わって船橋が出場停止から復帰)
注目としてはファン・サポーター待望の小竹知恩のスタメン起用だろうか?
ボールのコントロールや守備対応など、まだまだ改善すべきところは多い選手だが…ボールを持った時の仕掛けの能力は非常に魅力的。
いかにいい形で小竹に勝負させられるか…というのがポイントになりそうである。
同様に大活躍していたものの…出場機会が限られてしまっていた加々美登生のスタメン起用も注目。
更に今節は河田篤秀しかFWの選手がいないため、(機能しているとは言い難い)1トップに戻すのか、それとも2トップなのかが注目ポイントと言える。
2トップが上手くいきだしているので継続するのが定石だとは思うが、であれば誰がもう1枚となるのか…というのが気になるところ。
奈良クラブ
スターティングメンバー
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 15 | 岡田慎司 |
| DF | 3 | 澤田雄大 |
| 5 | 鈴木大誠 | |
| 16 | 奥田雄大 | |
| 40 | 吉村弦 | |
| MF | 7 | 田村亮介 |
| 14 | 中島賢星 | |
| 23 | 岡田優希 | |
| 25 | 神垣陸 | |
| 41 | 森田凜 | |
| FW | 11 | 百田真登 |
ベンチ
| ポジション | 背番号 | 選手名 |
| GK | 99 | 遠藤雅己 |
| DF | 13 | 津波優太 |
| 22 | 生駒稀生 | |
| MF | 10 | 山本宗太朗 |
| 17 | 田村翔太 | |
| 20 | 國武勇斗 | |
| 70 | 川谷凪 | |
| FW | 9 | 酒井達磨 |
| 24 | 山本駿亮 |
奈良は前節からスタメンの変更はなし。
ベンチでは田頭亮太に代えて生駒稀生の1枚のみの変更となっている。
ちなみに田頭は期限付き移籍という形になっているので、この群馬戦は契約上の関係で出場できない。
奈良へ移籍してから、なかなか出番に恵まれている…とは言えないものの、コンスタントにベンチ入りはしているようである。
注目はやはりチームトップスコアラーである岡田優希だろうか?
ちなみに岡田が11ゴール、ベンチスタートの田村翔太が7ゴール、最前線に入る百田真登も7ゴールと、非常に得点力のある選手が多い。
田村と岡田には前回対戦でもやられているのが思い出されるところか。
ベンチでは前回対戦後に加入している、元山口の山本駿亮と、先ほども名前が出た田村翔太が要注意となりそう。
個人的には都並優太が好きなのだが…最近はどうも出番が限られているようである。
試合経過
【0~15分】再び守備のやり方を変えた群馬
前半は奈良のキックオフでスタート。
この試合も群馬は紫のユニフォームを着用しての試合となる。
並びを見てみるとどうやら3-5-2を継続した様子で、最前線には河田篤秀と加々美登生が並ぶ形に。
確かに加賀美は岩手時代には中央でもプレーしていた選手。
FWと言うよりはトップ下的な位置だったと思うが、得点力もあるためこのメンバーでは理にかなっている気がする。
5分、群馬が右からのコーナーキックを得ると、今日のキッカーは山内陸。
ニアで高橋勇利也が頭で合わせたものの、これは枠の外に外れてしまう。
この時にふと思ったのだが…山内は左利きだったのかということ。(データを見ると左利きで間違いない)
あまり利き足を感じさせないプレーヤーである。
と言うか左利きという印象がなく、(右利きの印象もないが一般的に数が左利きより多い)右利きなのかと思っていた。
また、この辺りで気になるのが…どうにも今日の試合は後ろが4枚のように見えること。
具体的には右WBの船橋勇真が最終ラインに入ることで4枚を構成している。
逆側、左WBの小竹知恩はその前の列にいるのだが…山内陸はそれほど右に張り出しているとも言えず…。
攻撃時にはいつも通り後ろがCB2枚となり、船橋と小竹が高く上がる形。
更には瀬畠義成をアンカーに、山内と藤村怜が左右に…という形で変わりないようである。
この辺り…特に守備の形に関しては後ほど詳しく紹介したい。
結論だけ先に書くと、ボールが相手陣地等の高い位置にあるときは4-4-2で対応。
自陣のゴールに近い時には5-3-2でセット…となっていた。
14分、良い形でボールを回し、最後は船橋勇真がクロスを送り込むが…これが精度を欠きキーパーに直接収まってしまう。
この15分までに船橋は3本目だろうか?
短い時間で良い形のクロスのチャンスを作れているだけに、もう少し精度を上げていきたいところである。
【15~30分】カウンター一閃!
18分、左サイドで小竹知恩が良い仕掛けを見せると、縦へ抜け出して左足でクロスを送る。
しかしこれもキーパーに直接収まってしまう。
先ほどの船橋勇真のクロスもそうだが…特にこのシーンは中の人数もそろっていたため、あとは精度を上げていければ…と言ったところ。
23分、神垣陸のスルーパスが右サイドポケットに入ると、ここに抜け出した百田真登がダイレクトでシュートを放つ。
しかしこれはわずかに枠の外に外れてくれる。
…神垣のアウトサイドのスルーパスはえぐかったな。
24分、神垣陸の縦パスを山内陸がインターセプト。
ここから左足で一気にDFライン裏に放り込むと、抜け出したのは河田篤秀。
スライディングでカットしにいった鈴木大誠よりも先に河田が触り抜け出すと、完全にキーパーと1対1の形を作る。
澤田雄大も必死に戻ったが、河田がそのままニアを打ち抜いて先制に成功。
これシュートが非常に素晴らしいのだが…個人的に取り上げたいのがその前の内側を確認する首振り。
この時の状況では藤村怜も間に合っておらず、完全にゴール前には河田しかいなかったのだが…河田が内側を確認したことで澤田はゴール前への折り返しを考えて速度が落ちている。
状況的にもキーパーと1対1の状況のため、岡田慎司がシュートに対応し、パスであれば澤田が対応することになるだろう。
しかし後ろ向きで戻ることとなった澤田には逆サイドの状況は当然わからず、群馬の選手は誰もゴール前に上がれていなかったが…河田のフェイントに引っかかる形となったと言える。
澤田はあのままの速度で滑り込んでいればシュートブロックは間に合ったかもしれない…ということで河田の上手さが光った形となった。
(内側を見なければ、スライディングを見越して河田がシュートフェイントから切り返して左足で流し込んでいたかもしれないが…。)
余談だが、前節紹介した加々美登生のDF対応は…今回と近い形ではあったもののしっかりと中の状況を確認していたのがポイントであった。
そしてシュートは素晴らしいの一言。
あの状況でニアの高い位置に強いシュートをぶち込めるのは河田ならではであり、本当にこういった難しいゴールを簡単に決めてしまう選手である。
反面…なぜか簡単なシュートは外してしまう印象もあるが…。
【30~45分】まさかの?追加点
33分、群馬ボールのフリーキックは藤村怜が右サイド裏に蹴りこんでいく。
これは河田篤秀には通らず奥田雄大が回収。
そこから森田凜につなぐが、ここに瀬畠義成が良いプレスをかけてボール奪取に成功。
こぼれ球を船橋勇真がフジレンに繋ぎ、更に左サイドの小竹知恩に広げていく。
これを小竹がダイレクトで縦に流すと、前線に上がっていた高橋勇利也が難しい体勢ながらもダイレクトで枠に飛ばしたが…ここはキーパーに阻まれてしまう。
43分、下りてきた加々美登生から高橋勇利也に戻すと、勇利也は左サイドの小竹知恩に広げる。
小竹がそのまま縦に仕掛けると、吉村弦と神垣陸の2人に挟まれる形となるが…逆にこの間を抜けてカットイン。
ゴール前にパスを送ると、これを勇利也が右足で触ると…体勢を崩しながら伸ばした足だったためか…素晴らしいループシュートとなり岡田慎司の手の上を超えてネットに吸い込まれていく。
小竹の突破は素晴らしかったが、そのあとに中の状況もしっかり見ていたのがポイント。
パスがやや強かった印象があるので、もしかしたら勇利也のすぐ奥側にいた山内陸へのパスだったのかもしれない。
が、勇利也が咄嗟に足を伸ばしたことで…結果的に素晴らしいループシュートとなったと言える。
こうして先制点はおろか、終了間際にはまさかの追加点を奪って前半を終えることとなる。
キックオフ直後は群馬が前からプレスをかけて主導権を握ったが、20分頃からは逆に奈良のペースに持ち込まれていた。
そのタイミングでカウンターで先制点を取り切ったのが大きかっただろう。
【45~60分】ややプレス強度が落ちてきたか?
後半は群馬のキックオフでスタート。
ハーフタイムで群馬ベンチが動き、加々美登生に代えて安達秀都を投入する。
前半の加賀美の動きは悪くなかった…と言うか、むしろハイプレスを活性化させており素晴らしかったと思うが?
長らく試合から遠ざかっていたこともあり、コンディション的に最初から半分と決まっていたのだろうか?
そうでないとすると、前半16分のイエローカードが原因だろう。
あのカードはピンチを防ぐために仕方なかったと思う。
が、確かに前半で2枚目をもらいかねない雰囲気があったのは事実。
気合いの現れとは言えるが…1枚減るリスクを考慮して早めに交代した…と考えるのが妥当だろうか。
安達が入ることで藤村怜が前にいくかとも思ったが、どうやら安達がそのまま最前線に入る様子。
イエローカードと言えば、前半は先ほど書いた加々美登生の1枚。
しかし後半は早々に小柳達司が1枚もらっており、49分にも大畑隆也が1枚となっている。
特にこの大畑のところは…無理に止める必要はなかったのではないかという印象があるが…まぁそれだけ身体を張っているとは言えるだろうか?
この試合はややアフター気味のファールも多くなっており、ファールやカードは当然褒められることではないものの…この試合はそれだけしっかりと戦えているとは言える。
これまでの群馬に圧倒的に足りていなかった部分であり、これがいずれノーファールで刈り取れる守備に変わっていくだろう。
前節の福島戦でも思ったが…本当にこれがシーズン序盤なら…といったところ。
60分、左サイドからのコーナーキックを獲得すると、こちらのサイドは河田篤秀がキッカーとなる様子。
ファーに送られたボールに小竹知恩が飛び込んだが…当たったのは膝辺りとなり、威力なくボールはキーパーに収まってしまう。
しかし全く可能性を感じなかったセットプレーも、少し向上が見られてきただろうか。
【60~75分】謎の采配再び
62分、流れの中では奈良ベンチが先に動いたようにもDAZNでは見えたが、結果的には同じタイミングで両チームが交代カードを使う。
まずは奈良が澤田雄大に代えて生駒稀生、田村亮介に代えて田村翔太を投入。
群馬は藤村怜に代えて山口一真を投入する。
山口の投入は良いが…フジレンもかなり効いていたと思うのだが…。
この交代により山口は2トップの左側に入り、河田篤秀が右側に移動。
安達秀都がフジレンのいた左のインサイドハーフに入ることとなった。
68分、鈴木大誠からのロングボールで百田尚樹が右側のポケットを取ると、ここから低いボールをゴール前に折り返す。
これは瀬畠義成が跳ね返したものの、こぼれ球を森田凜が強烈なミドルシュート。
しかしキム ジェヒが右手一本で後ろに逸らせてコーナーキックに逃げることに成功する。
ややコースは甘かったが…強烈なミドルだっただけに、これはキムがナイスセーブを見せたと言っていいだろう。
70分、吉村弦が斜めに内側に入れたボールを、高橋勇利也が良い出足を見せてカット。
そのままスライディングで山口一真につなぐと、山口はDFライン裏にスルーパスを送り込む。
ここに河田篤秀が抜け出し、シュートを放ったが…ここは角度も厳しくキーパー正面に。
スピードに乗ったまま生駒稀生を振り切ってシュート…という狙いのため…というのは理解できるが、ややワンタッチが長く角度が厳しくなってしまった印象。
そしてこのプレーで河田は足を痛めてしまった様子…。
72分、河田篤秀が倒れていたため…治療と担架要請のためにプレーが止まっていた状態。
そのためプレー再開前に群馬が交代カードを使い、河田篤秀に代えて田中翔太、山内陸に代えて菊地健太を投入する。
河田は担架で運ばれる形となったが…もうFWがいないだけに、ここは大事無いことを願いたい。
これにより田中が最前線、健太がインサイドハーフに入る(要はそのまま)のかと思ったが…なんと最前線には船橋勇真。
船橋のいた右のWBに田中が入り、健太は左のインサイドハーフに。
安達秀都が左から右のインサイドハーフにスライドする形となった。
なぜ田中を前線で使わないのか?
前節は中央で存在感を見せていたと思うのだが…。
考えられるのは…前線に高さが欲しい…ということか?
山口一真はCFタイプではないため、最前線に強さと高さのあるタイプが欲しいということになるだろうか?
まぁ2点差でリードしていることを考えると、しっかり守り…ある程度雑にクリアしたボールが前線で収まってくれると後ろは楽になるが…。
ここにきてもポゼッションを崩さない(だいぶロングボールは増えてきたが)沖田監督がこういったことを考えているとは思いにくい。
また山内の代わりに健太というのも悩ましく…ベンチには西村恭史、風間宏希といるなかで中央で健太を使う意味はあるのか?
まぁここは3人の中では健太が最も守備が計算でき、このままリードが続けば終盤に小竹知恩を下げて健太を左WBに回して守備を強化…という筋書きが見えなくはない。
(別に西村を先に入れて、終盤の守備固めで健太を入れればいいのだが)
念のため断っておくが、自分は別に健太が嫌いなわけではない。
むしろどちらかと言えば推しのプレーヤーである。
問題視しているのは健太を中央で使うことであり、健太はどう考えても左サイドのプレーヤーだということである。
【75~90分】長かった勝利への道のり
75分、奈良ベンチが動く。
森田凜に代えて國武勇斗、岡田優希に代えて山本駿亮を投入する。
78分、群馬DFが奪い取ったかに見えたが…ややバタついたところで山本駿亮にミドルシュートを打たれてしまう。
しかしこれはキム ジェヒが良いセーブを見せ、こぼれ球は小竹知恩がタッチラインに蹴りだしてピンチを逃れる。
キムはここまで先発出場に応える形で、素晴らしいセーブを見せ続けてくれている。
このクリアのあとに…小竹が足を攣ったようで倒れこんでしまう。
当初は攣っただけかと思ったが…ベンチは交代を準備している様子。
80分、ここまでプレーは再開されず、小竹知恩は担架に乗せられる形で交代。
代わりに西村恭史が投入される。
時間帯や展開を考えると…小竹の交代は十分に考えられるし、時間を使うために要請された担架に乗って退場するのも考えられる。
あくまでも印象ではあるが…恐らく小竹は次節は出場できるのではないだろうか?
これで河田篤秀に続いて小竹も離脱となると…残りの試合がかなり厳しくなってしまう。
82分、山本駿亮が右のポケットを取ると、鈴木大誠から浮き球のパスが放り込まれる。
これを右足のタッチで後方(左足側)に戻し、対応した大畑隆也をかわすと、左足でシュートを放つが…これもキム ジェヒがファインセーブを見せコーナーに逃げる。
大畑も振り切られつつもコースは切っており、シュートコースはここしかなかった…とは言えるが、枠に行った良いシュートであり、これはキムのファインセーブだろう。
86分、奈良が最後のカードを切る。
奥田雄大に代えて酒井達磨を投入する。
この後はお互いに特に見せ場らしいシーンは作れず、群馬にとっては長い長い6分というアディショナルタイムを耐えきる形となった。
これにより8/16の第23節、FC大阪戦以来となる白星。
勝利無しを9で止めることに成功した。
この試合はいつも以上に全選手が走り、戦っていた印象がある。
その証拠にファール数は多く、カード枚数も多く、スライディング数も多かったと言える。
繰り返しになるが…ファールやカードが多いのは良いことではないが、それだけ球際を激しく戦ったという証拠ではあろう。
とは言え終盤はキム ジェヒのセーブに救われるシーンもあり、まだまだ課題が多いのも事実。
またカウンター一本の先制弾も、河田篤秀が決めていなかったらこの試合は大きく変わったようにも思う。
しかし勝ちは勝ちであり、これをきっかけに残留に向けて次節以の勝点を積むきっかけになってほしい。
ピックアップポイント
明らかに変わった守備対応
この試合は群馬の守備陣形について取り上げようと思う。
キックオフ時点ではいつも通りに3-5-2という形でスタートしていた。
比較的早い時間から後ろが4枚気味で守っていることには気づいたが、どうにも5枚になったり3枚になったりと定まらない印象もあった。
整理すると、相手のボールが自陣から遠い位置にある際には4-4-2で対応。(下図の通り)

右のWBである船橋勇真は最終ラインに戻り、左のWBである小竹知恩は2列目に入る形である。
右のインサイドハーフである山内陸が右のサイドハーフの役割となるが、攻撃時には内側でプレーしていることもあり、左に比べると右はやや大外のスペースが空いているシーンもあった。
だがしっかりと陣形を整えられた時の動きをみると、山内が右のサイドハーフの役割だったとみて間違いないだろう。
このようにオーソドックスな4-4-2で対応しつつ、押し込まれた時には小竹知恩も最終ラインに加わって5-3-2に可変。
流れの中からこの形になるシーンもあったし、高い位置でのスローインなどでは最初からこの形となるシーンも。(下図)

こちらに関しては今まで通りと言えるので、特に書くことはないかと思う。
攻撃に関してもやり方には今までと大きな変化はない。
小柳達司と大畑隆也の2枚プラス、キーパーのキム ジェヒを中心にビルドアップ。
高橋勇利也が高い位置を取る…といういつも通りのやり方となっていた。
(もちろん以前に比べるとロングボールが多用されたりと、部分的な変化は見られるが)
今回のこの4-4-2のだが、恐らくここ数試合は高橋勇利也の攻撃参加が影を潜めていたため…ではないかと思う。
勇利也が最終ラインからゴール前まで上がってくることで、相手DFとしては非常に対応が難しく、攻撃時のキーになっていたのは事実。
しかし奪われてひっくり返された際には、この勇利也のポジションがポッカリと空いているわけで…後ろはCBが2枚しかおらずカウンターでやられるシーンが課題だったと言える。
上手くいっていた時期にはボランチの瀬畠義成や安達秀都が上手いことスペースを埋めていたのだが…ここしばらくの連敗時には上手く行っていなかったと言える。
これに対して運動量が豊富な船橋勇真が最終ラインに戻ることで、高橋勇利也を含めて4枚を構成。
勇利也が戻れない際には先ほど書いたように(この試合では)アンカーの瀬畠義成を中心に後ろ4枚となれる時間を増やしていた。
船橋がしっかりと最終ラインまで戻ってくれることで、勇利也も安心して積極的に攻撃参加が可能になったとなる。
前節辺りからやっと守備を構築してきた印象があったが、この試合で一つ未来の完成形がおぼろげに見えたと言えるかもしれない。
何度も同じことを書いてしまうが…本当にこれがシーズン序盤だったら…と思わずにはいられない。
攻撃的サッカーは結構だが、古来より守備をおろそかにして強かったチームは無い。
守備があっての攻撃であり、まずは守備から…というチームが強かったというのがサッカーの歴史ではないだろうか?
ということで個人的にはやっと守備が構築されてきて好ましい限りではあるのだが、一つだけ気になるのが今日の試合は小竹知恩をスタメン起用したからこの形…だった可能性である。
小竹の攻撃力を生かすために、前になるべく残すためにこの形だった…というわけではないことを願いたい。
別に必ずしも4バックである必要はないと思うし、この形にこだわる必要もないと思うが…今日くらいに守備の意識をしっかりとしていきたいところである。
MOM
この試合のMOMは河田篤秀としたい。
今回は久しぶりに良い意味でMOMを誰にするか迷ったが…やはりゲームの流れを引き戻した河田の一発を高く評価したい。
ゴールシーンは試合展開で書いてしまったので割愛するが、やはりあの時間帯は奈良に流れが移っていた時間。
ここで河田が決めていなかったら…違う形のゲームになった可能性は十分に考えられる。
続いてはスタメン起用に見事にこたえた形となった、小竹知恩とキム ジェヒ。
小竹は2点目のアシストの突破を中心に、存分に持ち味を見せたと言っていいだろう。
今後守備対応が向上し、クロスの精度が上がると更に驚異的なプレーヤーになるだろう。
それまでには清水に戻ってしまうだろうことが悲しいが…。
キムはもはや言うことはないだろう。
少なくとも3つのファインセーブでチームを救ってくれた。
キーパーだけの功績ではないが、1つ決まっていたらゲームが違う形に動いた可能性もあるだろう。
他にはピックアップポイントで書いたように、高橋勇利也の攻撃参加が増えたのもポイント。
これは船橋勇真が最終ラインに入って4枚で対応したことが大きいと考える。
勇利也は値千金の追加点を記録し、船橋は終盤にはFW起用とチームのために汗をかいてくれた。

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