※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。
第31節はホームでのヴァンラーレ八戸戦です。
前節はアウェーで岐阜を相手に、先制したものの前半で追いつかれ…後半に逆転を許してしまう展開でした。
これに伴い今節の前に2度目の声明が発表され、明確に目標が残留争いということに。
重要なのは「昇格を目指す」とか「まだプレーオフが狙える」とか、「残留するために」とかの言葉ではなく、どういったプレーでそれを実現するのか…です。
首位の八戸と、非常に強いチームが相手の試合となりますが…残留に向けての今後の戦い方が見られるかどうか…それがポイントとなりそうです。
今回はそんなヴァンラーレ八戸戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
ザスパ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 近藤壱成 |
DF | 3 | 大畑隆也 |
22 | 高橋勇利也 | |
30 | 小柳達司 | |
36 | 安達秀都 | |
MF | 7 | 西村恭史 |
8 | 山内陸 | |
33 | 櫻井文陽 | |
FW | 9 | 青木翔大 |
14 | 菊地健太 | |
38 | 小西宏登 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | キム ジェヒ |
DF | 4 | 船橋勇真 |
MF | 5 | 山口一真 |
15 | 風間宏希 | |
27 | 藤村怜 | |
37 | 瀬畠義成 | |
49 | 小竹知恩 | |
FW | 20 | 下川太陽 |
32 | 河田篤秀 |
群馬は前節から3枚を入れ替え。
野瀬翔也、瀬畠義成、下川太陽に代わり、小柳達司、山内陸、小西宏登がスタメン起用となった。
野瀬は累積による出場停止のためベンチ外となり、瀬畠、下川はベンチからのスタートということになる。
ベンチは玉城大志が外れ、船橋勇真と藤村怜がメンバー入りとなった。
注目は久々のスタメン出場となる、古巣対決の山内陸…と言いたいのだが…このメンバーを見ると1アンカーに入ることが予想される。
前々節より3-1-4-2になっており、守備時にも明確に1アンカーの2インサイドハーフ。
恐らく…ここでは山内は活きない。
山内の技術、パスセンス…要は展開力に期待してアンカーに置くのはアリだと思うが…その場合はせめてインサイドハーフの1枚に守備力の高い選手が必要だろう。
せっかくだからここで書いてしまうが、根本的に今の群馬にはボールを刈り取れるタイプのDMFがいないのである。
昨今だと細貝萌のようなタイプの選手…というとイメージが付きやすいか。
中盤の底でプレー可能で守備力がある選手となると、高橋勇利也、瀬畠義成、あとは…まぁこのチームなら玉城大志か?
玉城まで含めれば3枚いるものの、全員球際にガツンと行けるタイプではない。
(良い悪いではなく得手不得手の話)
そもそもが中盤でボールを保持し続けて失わないことが前提となっているため、強度の高い中盤の選手が存在しない。
上手くいっていればそれで良かったのだが…ビルドアップは上手くいっておらず、中盤の守備強度が足りないためにあっさりと失点する…となってしまっている。
にもかかわらず、この試合で瀬畠義成を外して山内陸を入れるというのは…正直理解できない。
「古巣対決だから気合い入っていつも以上の良いプレーをしてくれるだろう」くらいしか理由がないのではないかと思ってしまうが…。
と山内に対してかなり厳しく書いたが、個人的には彼も戦術の被害者ではあると思う。
もっと前で使うべきか、ボランチに置くなら先ほど書いたように細貝萌のようなタイプと組ませて使うべきだろう。
長くなってしまったが…もう一点気になるのは小西宏登のスタメン起用。
前節下川太陽は悪くなかったと思うのだが…?
怪我後の小西は良いところを見せられておらず、正直ここもスタメンに戻る理由がわからない。
コンディションが戻ってきており、今週の練習では怪我前のようなパフォーマンスを見せていた…というのなら納得なのだが。
ヴァンラーレ八戸
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 13 | 大西勝俉 |
DF | 11 | 雪江悠人 |
20 | 蓑田広大 | |
22 | 白井達也 | |
MF | 5 | 稲積大介 |
7 | 佐藤碧 | |
8 | 音泉翔眞 | |
26 | 高橋耕平 | |
80 | 永田一真 | |
99 | 中野誠也 | |
FW | 9 | 澤上竜二 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 25 | 谷口裕介 |
DF | 29 | 柳下大樹 |
39 | 近石哲平 | |
MF | 14 | 妹尾直哉 |
16 | 鏑木瑞生 | |
27 | 國分将 | |
30 | 井波勇太 | |
61 | 安藤由翔 | |
FW | 17 | 佐々木快 |
八戸は前節から3枚を入れ替え。
柳下大樹、國分翔、安藤由翔に代わり蓑田広大、稲積大介、佐藤碧がスタメン起用となった。
柳下、國分、安藤はベンチスタートとなる。
ベンチを見ると脇坂崚平と高尾流星がベンチ外となっている。
この試合は石崎信弘監督が家庭の事情により不在となっており、高橋勇菊コーチが監督代行ということに。
注目としては蓑田広大が戻ったことで、いつもの3枚となった3バック。
八戸は非常に固い守備を持ち味としており、ここをどう崩すことができるのか…となるだろう。
またチームトップスコアラーの澤上竜二と、それに続く5ゴールの中野誠也も注目ポイント。
しばらく複数得点がないチームだが、決して破壊力がないわけではない。
試合経過
【0~15分】序盤はやや群馬優勢も…
前半は群馬のキックオフでスタート。
今節の群馬は紫ベースの3rdユニフォームの着用となったが…なんだろう、このどことなく感じるエヴァ初号機感。
群馬は予想通り山内陸をアンカーに据えた3-5-2となっているが、八戸は守備時は澤上竜二を前に出して1トップ気味。
DAZNでは3-1-4-2のやや不思議なフォーメーション図ではあったが、両WG(音泉翔眞と稲積大介)はやはりWBの役割と言え、守備時には後ろに帰って5枚を作っていると言える。
2トップのうち中野誠也がやや後ろで中央を埋める形を取り、ボールが少しサイドに流れた時には佐藤碧と永田一真が前に追う形を取っているようである。
10分、小西宏登が持ち味である足下の技術から突破を見せる。
縦に持ち出してクロスという形をとったが、ここはブロックされてコーナーキックに。
ブロックはされてしまったものの、久々に小西らしい突破が見られたような気もしないでもない。
もちろん怪我前に比べるとまだまだだが、コンディションは上がってきていそうであり、これがスタメン奪還に繋がったかもしれない。
12分、高橋勇利也からの縦パスを西村恭史が受けると、外に流れながら大外の菊地健太へ。
健太のクロスを小西宏登が頭で落とすと、山内陸が左足で狙っていくが枠を捉えられず。
ドフリーで良い位置に入り込んでいただけに、ここは枠に送りたかったところ。
やや力んでアウトサイドに引っかかり過ぎてしまったか…。
【15~30分】ゲームが壊れた瞬間。青木の負傷退場
16分、青木翔大がボールを収め右サイドに広げようとしたところで、高橋耕平が後ろからボールを狩りにいく。
このスライディングで…結果的に蟹挟み状態となってしまい、青木は担架で負傷退場となってしまう。
後ろからのスライディング、足裏を見せたタックルと危険度は高かったが…個人的には怪我に繋がったのはそこではないと思っている。
足裏は…よろしくないが、後ろからにもかかわらずタックルで伸ばした左足はしっかりボールに向かっていた。
しかし後ろからとなったために、畳んだ後ろ足が青木の足首を巻き込む形となってしまい、更には伸ばしてボールを蹴りにいった足とで挟む形となってしまったのが怪我の理由。
まぁ「後ろからという、やや無謀なタックル」と言えば違いないが…。
個人的には高橋には「潰してやろう」とか「無理してタックルにいった」というものではなく、「不運な偶然が重なってしまった」と解釈している。
が、問題なのはここでの大坪主審の対応…。
なぜかこのタックルに対してノーカードとなり、これが要因となってこの後のプレーでの接触強度が増していくこととなる。
賛否はあると思うが、その基準にいち早く理解し、やや危険なプレーも今日はノーファールとして対応したのが八戸。
対応できず球際厳しく行けなかった群馬…という構図が試合結果にも繋がったとも言えるだろうか。
あくまでも主観だが、きっちりと見れていれば高橋はレッドカードが出ていてもおかしくはなかったと思う。
最低でもイエローカードは必要なタックルであり、後ろ足で蟹挟みになっていなくてもイエローカードは出て良いだろう。
18分、青木翔大の治療と担架要請のために少し時間がかかったこともあり、群馬ベンチでは河田篤秀のウォーミングアップが間に合った形となる。
青木の負傷退場に合わせて選手交代を行い、河田が投入される。
25分、群馬がいつも通り後方からビルドアップしていたが、西村恭史のパスを中野誠也が回収。
澤上竜二に当てると、落としを佐藤碧か?に打たれてしまうも、このシュートは枠を外れてくれる。
26分、山内陸と高橋耕平の接触でどちらも立ち上がれずにプレーが中断。
リプレイを見ると…高橋は後から左足を振り抜く形で山内を蹴り飛ばしているように見えるが…。
どちらかと言えば痛がっているのは山内よりも高橋だったが…これもリプレイの角度で見る限りでは高橋にカードが出てもおかしくないかと。
【30~45分】悪夢の3失点
32分、群馬が後ろからビルドアップしていたが…小柳達司から右サイドライン際に降りてきた河田篤秀へ。
既にこの段階でかなり苦しい状況になっており、河田も一度は収めたものの…ラインを割りそうなところで焦りもあったか、ややタッチが大きくなったところを雪江悠人に奪われてしまう。
雪江から永田一真に繋ぐと、再び左サイドに上がっていった雪江に戻り、低いクロスを中央に折り返す。
これを澤上竜二がトラップから良いシュートを流し込んで先制を許してしまう。
直接的には河田のミスから…ではあるが、その前の段階からかなりビルドアップが苦しい状況になっていたとは言えるだろう。
何よりも残留に向けての2回目の声明が出された後にもかかわらず、全く同じように自分達のミスからショートカウンターで失点を許す…というのが頂けない。
39分、稲積大介からのパスを中野誠也が良い位置で受けると、横の永田一真に落とす。
永田がそのまま縦に突破からポケットの位置まで侵入すると、ファーにシュートを狙っていくが大畑隆也が頭でブロック。
跳ね返りを中野が収めると、ややこのコントロールが足下に入り過ぎた感はあったが…右に少し持ち出してなんとかシュートで終える。
このシュートはミートしなかったか、威力はなく近藤壱成が危なげなくセーブ。
41分、音泉翔眞、佐藤碧、澤上竜二の3枚で右サイドを突破。
ダイレクト2本で音泉が右サイド裏のスペースに抜け出すと、ここからのクロスは小西宏登が稲積大介に競り勝つ。
しかし大きくは跳ね返せず、ほぼ真上に上がったボールは稲積が後方の永田一真に落とす。
永田のトラップは足下に収まり過ぎたか、シュートは打てなかったものの…それでもきっちりキープして失わず、フォローに入った佐藤に落とす。
佐藤のシュートは小柳達司に当たってコースがやや変わったものの、これに反応した近藤壱成がビッグセーブを見せてコーナーキックに。
うーん…なんとなくだが1失点目の時といい、小柳はコースには入っているもののブロックを作れておらず避けているように見えるのが…。
逆に間に合ってはいないものの、菊地健太は気迫あふれるスライディングブロックを見せていた。
43分、このコーナーは防ぎ、今度は逆サイドからのコーナーキックとなる。
この2本目のコーナー、ファーを狙ったボールは高橋勇利也の頭を超え、その奥の雪江悠人がシュート。
誰が止めたかはわからなかったが、これは群馬DF陣が身体を張ってブロック。
しかしこのこぼれ球を中野誠也が回収し、永田一真から右外の稲積大介へ。
稲積が縦に仕掛けると、山内陸と櫻井文陽と2枚いたにもかかららず剥がされてしまい、ファーへクロスを上げられてしまう。
これを蓑田広大が頭で合わせるもポスト直撃!
しかし跳ね返りを澤上竜二に押し込まれて追加点を許してしまう。
うーん…セットプレーから直接ではないものの、これもいつも通りセットプレーの流れから…とは言える。
とにかくセットプレーの立ち位置というか、守備の約束事が今季は今一つとなっており、通常時と立ち位置が変わるとマークの受け渡しなどがスムーズにいっていない印象がある。
46分、河田篤秀からのパスを受けた西村恭史が強引な突破を見せ、やや遠目からながらもシュートを放ってコーナーを獲得。
やや強引ながらも、持ち味の身体の強さを見せたシーンと言える。
個人的にはコーナーを獲得していることもあり、一度戻して作り直し…より遥かにこちらの方が評価できる。
しかし50分、再び八戸が右サイドからコーナーを得ると、稲積大介のボールはファーへ。
先ほどのコーナーに比べるとプラス寄りのボールではあったが、同様に高橋勇利也と蓑田広大の頭を超えて雪江悠人が折り返す。
ここに白井達也が詰めるも、大畑隆也がブロック。
しかし再び白井が押し込んで追加点を許してしまう。
このニアに人を集め過ぎてファーで相手の選手が浮いている…というのも一向に改善されない…。
こうして前半のうちに3点を失い、もはや万事休すとなってしまった形ではある。
しかし残留争いということで得失点差も大きなファクターになるため、後半はこれ以上の失点を避け、1点でも返すことを考えなければならない。
【45~60分】早々に決定機を作るも…
後半は八戸のキックオフでスタート。
ハーフタイムで群馬ベンチが動き、菊地健太に代えて船橋勇真を投入する。
恐らくだが…これは健太の出来が悪かった…というよりは、もう点を取りに行くしかない状況のため攻撃力のある船橋を入れるということだろう。
45分、安達秀都の回収からチャンスを作る。
西村恭史、櫻井文陽、河田篤秀と繋ぐと、河田がDF間に素晴らしいスルーパスを通す。
ここに西村が抜け出したが…トラップが長くなってしまい角度が無くなり、シュートを放つもブロック後に自分に当たりゴールキックとなってしまう。
トラップが決まれば決定機であったが…。
とは言え、これである。
パスを出したら走る、当たり前のことだが…その当たり前が今季の群馬は全くできていない。
安達からパスを受けた西村が、櫻井へのパス後に長い距離を走ったことでチャンスが生まれているのである。
51分、良い形でカウンターのチャンスを迎える。
大畑隆也が良いブロックを見せ防ぐと、クリアボールは西村恭史が収める。
西村から高橋勇利也に渡すと、勇利也がそのまま持ち上がってから前線の河田篤秀へ。
河田から斜めに中央へ入った船橋勇真に送るが…これはややズレてしまうも船橋がなんとか触って櫻井文陽に残す。
櫻井がここから左サイド裏に素晴らしいスルーパスを送るも…誰も感じておらずそのままタッチラインを割ってしまう。
恐らく櫻井は見えてはおらず、スペースに勇利也が走り込んでいるだろう…でパスを出したのだとは思う。
そのため結果的には櫻井のパスミスとなるが…これはどちらかと言えば、感じていなかった勇利也の問題だろう。
なぜ勇利也は走っておらず…むしろ戻りかけていたのか?
そのまま上がって勇利也が受けていれば、良い形のカウンターで左サイドを抜け出せたのだが…。
櫻井もパスがラインを割ってから首を傾げるような仕草を見せており、なぜ感じていないのか…といった表情。
正直櫻井は技術も高いが、何よりサッカーIQが高い選手だと思う。
56分、大畑隆也から安達秀都がパスを受けると…恐らく2タッチ目が触れなかったのだろう…。
足が届かなかったところを永田一真に狙われて奪われてしまう。
そのまま永田が自ら持ち運び、並走する大畑も抑え込んでシュートを放つ。
しかしこれは近藤壱成が良いセーブを見せてなんとか追加点は許さなかった。
【60~75分】どちらも交代カードを切る時間帯
63分、八戸ベンチが動く。
中野誠也に代えて佐々木快を投入すると、佐々木は最前線に。
澤上竜二が半列降りて中野のいたトップ下に入る形となるようである。
64分、群馬ベンチも動く。
安達秀都に代えて風間宏希、西村恭史に代えて山口一真を投入する。
山口の投入は異論ないが…1番得点の匂いがしていた西村を下げるか…。
71分、小西宏登が早めのタイミングで、左足に持ち替えてゴール前にクロスを送り込む。
ここに船橋勇真が入り込み頭で合わせるが…しっかりと身体を寄せられており、このシュートは枠を捉えられず。
73分、再び八戸ベンチが動く。
佐藤碧に代えて國分将を投入する。
【75~90分】ダメ押し弾と退場劇
76分、群馬ベンチが動く。
山内陸に代えて瀬畠義成を投入する。
最後の交代がなぜ瀬畠なのだろうか?
いや瀬畠が悪いというわけではないが、3点を追う展開でなぜ瀬畠なのか?
ベンチには小竹知恩、下川太陽と攻撃的なカードがあり、中央では藤村怜もいる。
その攻撃的なカードを差し置いて瀬畠を入れるような展開なのか?ということ。
あまり効いていたとは言えない山内を下げることに異論はないが、であれば先ほどの交代の際に西村ではなく山内を下げるべきだった。
風間宏希をアンカーに入れ、安達のいた右のインサイドハーフに西村を入れるということも可能だっただろう。
この試合での得失点差を-3から-2、-1とすることよりも、-3が-4にならないことを優先したのだろうか?
82分、八戸ベンチも動く。
稲積大介に代えて安藤由翔、澤上竜二に代えて井波勇太を投入。
まだ4枚目ではあるが、交代回数3回ということでこれで使い切りになる。
85分、山口一真が良い守備対応を見せてボールを奪うと前線にロングボールを放り込む。
これをきっちりと河田篤秀へ通すと、河田も3人を相手にしながらキープ。
最後はファールを貰ってきっちりとマイボールにするという素晴らしい働きを見せた。
もう終盤で3点を追うという厳しい展開ではあるが…他の選手はもう少し早くフォローに上がりたいところ。
87分、瀬畠義成からの縦パスを船橋勇真が櫻井文陽にフリック。
狙いは非常に良かったが、これがややマイナスとなったか…櫻井の踵に当たる形となり通らず。
白井達也が回収すると、佐々木快、國分将と繋ぐ。
國分が外を上がった音泉翔眞を囮に、ゴール方向にドリブルからスルーパス。
これを佐々木がきっちりと決めて4点目を許してしまう。
うーん…確かに枚数は足りていないんだけど、群馬のDF陣の対応もこれで良いのか?
これは後ほど取り上げることとする。
93分、良い形で攻撃を作ったが…跳ね返されたボールを大畑隆也が収めきれず。
というか…この時間この展開でまだ5点目を狙っている八戸の姿勢が素晴らしい。
大畑がコントロールしきれなかったところ、佐々木快が奪い抜け出していく。
これを後ろから戻った船橋勇真が手をかける形で倒し、一発レッドの判定となってしまう。
ゴールまでの距離はまだまだかなりあったものの、まぁDOGSOで一発レッドは妥当な判断だろう。
残留に向けた得失点差のことを考えると、この船橋のプレーは無謀ではない。
むしろ最終的にここで-1を詰まなかったことが報われてほしいところ。
とは言え理想を言えば…まだゴールまでかなり距離があり、大畑も戻れたため…倒さないレベルで手をかけてドリブルの速度を遅らせる…というのが正解だっただろう。
ファールがなければ独走してキーパーと1対1を作れただろうからDOGSOは間違いないが、今日の主審なら倒さないレベルでならば笛は鳴らなかっただろう。
横には井波勇太もいたため、遅らせたところで2対2で防ぎきれたかはまた別の問題ではあるが…。
言いたい事としては…冷静に考えるとレッドで防ぐほどのシーンではなかったが、その判断に至っても理解はできる…というところ。
特に船橋は先ほどの4失点目に自らのミスという形で絡んでしまっているだけに、「なんとか止めなきゃ」という思考回路になることは十分理解出来る。
とにかくチームとして次節は船橋の献身に応えたい。
退場する船橋に対して(選手で)最初に声をかけたのが、相模原戦でわずか4分で同じくDOGSOで退場となった藤村怜というのが泣かせる…。
こうして最後まで得点は奪えず、首位の八戸ということで苦しむことは予想できたが…予想以上のスコアとなってゲームは終わることとなった。
ピックアップポイント
87分、4失点目のシーン
今回はダメ押しの1撃となった4失点目のDF対応を考えたい。
まず瀬畠義成の縦パスを船橋勇真が横の櫻井文陽に叩くわけだが、狙いは良かったものの…これが櫻井の踵に当たる形で通らなかった。
そのこぼれ球を白井達也が回収し、佐々木快、國分将と繋ぐ。
國分には最初瀬畠が対応したが、大外を音泉翔眞が上がったことで、ここに対応するために瀬畠はポジションをやや外に移動させる。
まずこの対応が早すぎる。
船橋が戻りかけていたが戻り切れていたとは言えず(事実この隙間が空いたのを見た國分が加速したところで船橋は間に合わなかった)、外へのパスよりも中央への突破の方が怖いので…瀬畠はもう少し國分への対応をするべきだっただろう。
この瀬畠の対応を見た國分は、外を上がった音泉を使わずに自らドリブルで侵入する選択をする。
船橋が間に合わなかったことで単独でペナルティエリア内に侵入されてしまうため、これを防ぐために大畑隆也がスライドして対応。
これは良い。
問題は大畑がスライドしたにもかかわらず、中央の高橋勇利也とその奥(右サイド側)の小柳達司がスライドしていないこと。
船橋が間に合わずにかわされたことで3対4の数的不利になっていたことは事実だが、であればこそしっかりスライドしてニア側から潰していかないといけない。
大畑が國分にスライドしたのだから、勇利也は大畑の見ていた佐々木にスライドし、小柳も勇利也が見ていた白井達也にスライドしなければいけない。
枚数が足りないのでどこか捨てないといけないのは確かだが…捨てるなら大外なのはDFのセオリーではないだろうか?
これがいわゆる「絞り」ということなのだが…今は違うのか?
ニアよりもファーは距離が長くなるため、パスの難易度が(多少)上がること。
距離が長くなるためパスが出てから通るまで(次のプレーまで)の時間が長くなること。
この2点から危険度が高いのはニア…というよりゴール方向に向かうプレーであり、まずはそこを潰す。
大外は戻ってくる選手に任せる…もしくはパスが出てから(遅れることにはなるが)対応し、優先すべきはゴールに近い選手。
このシーンで言えば(DF陣として)最も許されざるはそのまま國分にシュートを打たれること。
続いて佐々木へのパスであり、その次に白井へのパス。
その次が中央ややマイナスの非常に良い位置にいた井波勇太。
大外の安藤由翔と、右サイド側の音泉翔眞が順にその後にせざるを得ない対応となる。
つまり白井へのパス辺りまで対応し、その先のプレーを選択されてゴールを奪われた場合は…もはや守備対応に難があったというよりは攻撃側の精度を誉めるレベルとなってくる。
どうしても守備の枚数が足りなかったために、白井辺りまで対応したら残りは捨てざるを得ない状況なのは確かであった。
しかしやられたのは佐々木であり、この理屈では2番目にやられてはいけないところ。
開幕前から「守備練習をしていない」という発言があったが…最近はやっているようであるものの…根本的に守備が構築できていないのが今シーズン。
とは言え組織的な部分というよりは、DFのセオリーの部分でもあるような気がするのだが…。
ちなみに自分はこの考え方を小学生の少年団時代には仕込まれている。
最近はセオリーが変わってきているのだろうか?
MOM
この試合のMOMは山口一真としたい。
正直該当なしで良いかと思うのだが…山口が入ってからやや可能性を感じさせたところを評価したい。
事が事なだけにじっくりと順調に進めるべきだとは思うが…チームとしてはもはやそうも言っていられない状況なだけに、次節は思い切ってスタメン起用にしてほしいところ。
あとは正直いつも通りという感じであり…少し意識に残ったのは良い方では小西宏登、菊地健太、西村恭史の3人。
小西は完全回復ではないが、明らかに前節までよりは戻ってきている印象を感じさせてくれた。
健太はこれといったプレーは無かったが、「勝たなくてはいけない」という気迫は見せていたと思う。
西村は後半早々のチャンスを決めれば評価は大きく異なると思うが…それを差し引いても戦う姿勢を見せていた数少ない選手という意味では評価したい。
悪かった方では小柳達司、高橋勇利也、山内陸、河田篤秀辺りか。
小柳はゲームに入り損なったか、終始安定感がなくポジションが怪しいシーンが。
勇利也はいつも通りと言えばいつも通りだが…CBでプレーするなら守備対応をしっかりと学び直す必要があるだろう。
能力は高いのでしっかりと守備を叩きこめば左利きの良いCBになるとは思うのだが…。(ボランチで使うのも面白そうだが)
山内は…スタメン・フォーメーションで書いた通り。
使うポジションもしくは使い方が間違っている。
河田は攻撃面では良さも見られたものの、やはり悪癖とも言える献身性の無さ。
特に先制点は奪われた後に粘りを見せていれば変わったかもしれない…と思ってしまうところ。
最後に青木翔大の名前を挙げたい。
負傷退場後は別のチームになったといえ、プレー面でも精神的な部分でもやはり大きな存在感を発揮していたと言える。
映像を見る限りだと足首が折れたか外れたか…。
恐らく今シーズン終了となってしまうと思うが、なんとか無事に復帰してくれることを祈りたい。
300試合記念マッチで負傷しこのまま引退…なんてことになってはいけない。
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