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【2025 J3第36節】アスルクラロ沼津 対 ザスパ群馬【レビュー】

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※ザスパ群馬ファンによる、ザスパ群馬贔屓のマッチレビューです。

 

第36節はアウェーでのアスルクラロ沼津戦です。

前節はアウェーで宮崎を相手に見事な逆転勝利!

2試合連続での逆転勝利で3連勝となりました。

今節は残留争いに向けて、直接対決とも言える沼津戦。

他の試合の結果から、この試合で引き分け以上であれば群馬の残留が確定することとなりました。

 

今回はそんなアスルクラロ沼津戦をレビューします。

スタメン・フォーメーション

アスルクラロ沼津

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 30 ジローン ゲギム
DF 2 宮脇茂夫
5 篠崎輝和
7 沼田航征
34 宮嵜海斗
MF 13 渡井翔琉
14 徳永晃太郎
22 一丸大地
24 柳町魁耀
35 向井ひな太
FW 23 白輪地敬大

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 21 前田宙杜
DF 16 三原秀真
28 井上航希
MF 10 佐藤尚輝
11 森夢真
18 菅井拓也
77 エンリック マルティネス
FW 19 斎藤学
20 川又堅碁

 

沼津は前節からスタメンに変更はなし。

ベンチではルーカス セナが外れ、佐藤尚輝が入るという1枚のみの変更となった。

 

注目はやはり8ゴールを記録している柳町魁耀だろうか?

最前線に白輪地敬大、その後ろにこの柳町と向井ひな太が並ぶ形が予想されるが、ここを群馬の3バックでどのように対応するか…というのが注目ポイントになるだろう。

また中盤でゲームを作る徳永晃太郎も、個人的には注目している選手。

 

ベンチを見ると…やはりネームバリューという意味では斎藤学と川又堅碁の2枚か。

どちらも大ベテランの域に入っており、出場時間は限られているものの…やはり出てくると何かしらの仕事をやってのける怖さを持っている。

 

とにかく沼津としてはもう後がなく、かなり厳しい状況ではあるが…なんとか群馬を降格圏に巻き込みたいところ。

何よりもその必死の状況…というものが1番怖いと言えるだろう。

ザスパ群馬

スターティングメンバー

ポジション 背番号 選手名
GK 21 キム ジェヒ
DF 3 大畑隆也
8 山内陸
14 菊地健太
43 野瀬翔也
MF 11 加々美登生
27 藤村怜
37 瀬畠義成
FW 4 船橋勇真
7 西村恭史
49 小竹知恩

ベンチ

ポジション 背番号 選手名
GK 13 近藤壱成
DF 30 小柳達司
MF 5 山口一真
15 風間宏希
19 モハマド ファルザン佐名
36 安達秀都
FW 18 田中翔太
20 下川太陽
48 中島大嘉

 

群馬は前節から1枚を変更。

累積による出場停止となった高橋勇利也に代えて、菊地健太がスタメン起用となった。

ベンチでは小西宏登が外れ、下川太陽と中島大嘉がメンバー入り。

 

注目はやはり高橋勇利也の位置に入ることが予想される菊地健太だろう。

現行のシステムは勇利也がかなりフィットしているが…個人的にはこの左CBに健太は合っていないと考えている。

ボランチをやらせたりと、中央でもプレーは可能であり…左利きということも考慮すると健太以外に代役はいないのだが。

健太は左SBのプレーヤーだと思うのだが…現システムではSBは置かれていないことと、守備時に4バックを採用すればここがSBとなること。

そして先ほども書いたように、他に代役がいないのである。

ということで、健太には勇利也にはない持ち味をこの試合ではしっかりと見せてほしい。

(具体的には勇利也よりも外を上がった際には破壊力がある。中央での位置取りは勇利也の方が上手い)

 

ベンチではやっと帰ってきた中島大嘉に期待がかかるか。

怪我明けということで…恐らく5人目の交代となり、プレー時間は短いことが予想される。

しかし勝っていれば前線からの守備や前からの圧力を、負けているなら得点力を期待したい選手である。

試合経過

【0~15分】開始早々の先制弾

前半は沼津のキックオフでスタート。

すると開始早々の2分、山内陸のパスがやや短くなりボールを奪われてしまうも…自ら良いプレスで奪い返す。

そこから左サイドのスペースにスルーパスを送ると、小竹知恩が良いワンタッチでペナルティエリア内まで侵入。

右アウトサイドでゴール前に折り返すと、これを西村恭史が流し込んで先制に成功。

ジローン ゲギムも良い反応でボールを触りコースを変えたが…枠の外までは変えることができず。

山内のスルーパス、小竹の推進力とクロスの質、更には西村のシュートの質と素晴らしいのはもちろんだが、ボールに関わっていないので忘れがちな加賀美登生の貢献もポイント。

ゴール前ニアに駆け上がったことでDFを引っ張り、ややマイナスで待っていた西村をフリーにした。

 

4分、キム ジェヒからの浮き球は収められずにボールを失ってしまう。

渡井翔琉か?から柳町魁耀にパスを付けると、柳町がペナルティエリア内に侵入。

群馬DF陣も身体を張ったが…柳町が粘りに粘って最後は右の白輪地敬大にパスをつなぐ。

白輪地が良いタッチで背負った大畑隆也を半分外してシュートを放つが、これはキムがしっかりとセーブする。

 

今日の守備陣形を見ていると、最近多かった4-4-2ではなく3-5-2をベースにしているように見える。

守備の際には5-3-2と言え、小竹知恩が今までよりもしっかりと戻って最終ラインに加わるシーンが多い。

この試合は引き分け以上の結果で残留が確定するということで、やや守備に重きを置いた形を採用したのだろうか?

【15~30分】西村惜しくもハットならず

16分、群馬がチャンスを作ったが…シュートまでは持ち込めずにボールを失ってしまう。

しかしすぐに切り替えてハイプレス。

沼田航征の浮き球を加賀美登生が頭でインターセプトし、これを藤村怜につなぐ。

フジレンがゴール前の西村恭史にパスを送ると、これを西村が豪快に叩き込んで追加点。

やや加賀美からのボールがズレてしまったが、これを上手くコントロールして素晴らしいパスを通したフジレンが見事。

そしてやや外に逃げながら、利き足とは逆の左足であのシュートを叩き込んだ西村は凄かった。

割とフカしがちな難しい体勢からのシュートと言え、ストライカー顔負けのスーパーゴールと言って良いだろう。

 

23分、右からのコーナーキックのチャンスを得ると、ここはショートコーナーを選択。

山内陸からの縦パスで瀬畠義成がポケットを取ると、藤村怜に落としてクロスをゴール前に送り込む。

ファーで野瀬翔也が折り返すが、ここには誰もおらず…一丸大地が頭でクリア。

これを西村恭史がミドルシュートを狙っていくが…ジローン ゲギムが素晴らしい反応を見せて、右手一本で上にコースを変えて再びコーナーに。

ゲギムが逆を取られたかのような反応に見えたが…リプレイを見ると西村のシュートは篠崎輝和に当たってコースを変えていると思われる。

となると…これに反応したゲギムは凄いの一言だな…。

残念ながら西村はハットトリックはならずとなったが、十分に可能性を感じさせるシュートであった。

 

しかし群馬が良かったのはここまで…となってしまう。

この後は2点差ということもあってか、やや重心が後ろに下がった状態に。

沼津も攻撃が上手くいっているとは言えず、群馬DF陣が身体を張って守れていることもありピンチらしいピンチは迎えなかったが…気持ちが守りに入っているようにも見えてしまう。

【30~45分】やや受けに回る時間帯

この時間帯も展開は変わらず、大きな動きはないまま時間が過ぎていく。

どちらかと言えば沼津ペースで進んでいると言えるが、群馬DFもしっかりと対応しておりなかなか前進できず。

しかし群馬も奪ったところからチャンスを作り出すまでには至らず…といったところ。

やはりやや消極的と言うか、受けに回ってしまっている印象がよろしくない気がする。

残留のかかった試合ということで、慎重になってしまうのはわかるが…2点差というサッカーでは非常に怖い点差でもあるので、ハーフタイムでしっかりと引き締めたいところだろう。

【45~60分】ハーフタイムを挟んでも流れは変わらず

後半は群馬のキックオフでスタート。

ハーフタイムで沼津ベンチが動き、渡井翔琉に代えてエンリック マルティネスを投入する。

2点のリードと結果だけを見れば群馬が良い形で前半を終えたのだが…内容としては、特に終盤の締め方が悪かったの一言。

ハーフタイムで立て直したかったのだが、後半もペースは沼津に持っていかれてしまう。

特に前半は沼津は前からあまりプレスにこなかったが、後半は積極的にハイプレス。

元々後半勝負の作戦だったのか…2点差によりもう前から行くしかない…なのかは不明だが、自陣からのビルドアップを持ち味とする群馬としてはハイプレスはあまり嬉しくないと言える。

(もちろんいなせて剥がせればチャンスになるのだが…自滅からの失点というのが今シーズン何回あったことか…)

 

48分、柳町魁耀が右サイドでボールを受けると、内側の白輪地敬大へ送る。

白輪地のシュートは野瀬翔也がブロックしたが…こぼれ球を回収した瀬畠義成からのパスが繋がらず。

これをインターセプトしたエンリック マルティネスがペナルティエリアすぐ外からシュートを放つが、キム ジェヒがセーブしてコーナーに。

 

54分にもエンリック マルティネスが遠目から狙っていくが、ここもキム ジェヒがセーブ。

こぼれ球は小竹知恩がクリアして難を逃れる形となる。

 

57分、両チームが同じタイミングで交代カードを用意。

まずは群馬が加賀美登生に代えて安達秀都藤村怜に代えて山口一真を投入する。

沼津は白輪地敬大に代えて川又堅碁柳町魁耀に代えて森夢真を投入。

沼津のコーナーキックでのリスタートだったが、群馬もこのタイミングで交代を使ってきた。

これにより山口加賀美のいた最前線に入り、安達フジレンのいたインサイドハーフに入るが…山内陸と左右を入れ替える形となる。

攻撃に非常に効いているフジレンを下げてしまって…これが今後どうなるであろうか?

確かにハードワークしてくれるタイプの選手だが、まだスタミナ的には引っ張れそうな感じもあるのだが。

個人的には西村恭史の方が最前線から追い回してくれたために、運動量が落ちてきている印象がある。

【60~75分】やや2回目の交代が遅いか?

68分、森夢真のスルーパスに向井ひな太が抜け出してシュートを放つが、これは枠の上に外れてくれる。

その手前の川又堅碁のところで接触があったが、向井に繋がったためにプレーオンで流した様子。

しかし川又はなかなか痛そうな接触となってしまったが、怪我がなかったようで何よりである。

 

72分、沼津ベンチが動く。

向井ひな太に代えて斎藤学を投入。

これで残りは1回1枚ということに。

 

73分、西村恭史が前線でキープから船橋勇真にパスをつなぐ。

船橋は一度潰されかけるが…それでも強引な縦への突破からクロスをゴール前に供給。

ここに逆サイドの小竹知恩が飛び込んだが…わずかに触れず。

非常に惜しいシーンとなった。

 

このリスタート前に群馬ベンチが交代カードを使う。

小竹知恩に代えてモハマド ファルザン佐名西村恭史に代えて田中翔太を投入する。

これでいつも通り、田中が右WBに入り船橋勇真が最前線に上がる形となる。

西村は前半2得点、更には3点目もあり得たと非常に状態が良かったが…やや引っ張り過ぎた印象がある。

【75~90分】耐えきれず失点を許すも、逃げ切り

77分、森夢真川又堅碁とのワンツーからドリブルで仕掛け、ペナルティエリア外からシュートを狙っていくが…これは枠の外に外れてくれる。

 

80分、沼津が右からのコーナーを得ると、キッカーは宮脇茂夫

このボールに中央ややファーで両チームがどちらも触れず、その外の斎藤学がニアに流し込んで1点を返されてしまう。

相変わらずこのファーが1枚余ってしまう守備は改善した方が良いと思うのだが…。

ずっと流れの悪い中で、ついにゴールを許してしまった群馬だが…このまま以前のようにズルズルと行ってしまうのか?

それともこの1点で目を覚まし、改めてしっかりとゲームを作っていくことができるのか?

 

この斎藤学のゴール後のリスタート前に沼津ベンチが動く。

宮脇茂夫に代えて佐藤尚輝を投入。

直後の81分には群馬ベンチも動き、船橋勇真に代えて中島大嘉を投入する。

船橋はこの少し前に足を攣っていた様子もあり、かなりハードワークしてくれたので仕方がないが…代えるのはここじゃない。

瀬畠義成山内陸のところもかなりガス欠気味になっており、1点を守り切って逃げ切るためにはこっちの交代を優先した方が良かったのではないだろうか?

 

82分、安達秀都が頭でのクリアを中島大嘉につなぐと、中島田中翔太に落とす。

これを田中が狙っていくが…枠の上に外れてしまう。

 

85分、田中翔太が右サイドから粘りを見せてペナルティエリア内に侵入。

最後は倒れてしまうも、こぼれ球を中島大嘉が強烈なシュートで狙っていくが…枠の右に外れてしまう。

これは枠に送りたかったところ。

 

アディショナルタイムは5分となったが、このままなんとか群馬が逃げ切り、4連勝と共に残留を確定させることとなった。

ピックアップポイント

残留のかかった難しいゲーム

今回は勝ったものの…特に前半20分以降は完全に負け試合となった不思議な展開を振り返りたいと思う。

まずはこの試合の前までの状況で、群馬としては引き分け以上で自力残留が決まるという試合であった。

そのため、勝って4連勝がベストではあるものの…最悪引き分けでも良いという思いがある試合だったのではないだろうか?

非常にプレッシャーのかかる試合だけに、残留争い上はかなり有利ではあるが…負けて残留が時節に伸びるのは避けたかっただろう。

 

という心理状況が関係しているかはわからないが…この試合はここ3試合に比べると言葉が正しいかはわからないがビビッてプレーしている印象があった。

特に前半の早い時間に2点を奪ったこともあり、あとはこれを守り切れば残留が決まる…というのも影響があったのではないだろうか?

沼津に対してビビッている…というよりは、自分のミスに対してビビッているという印象であり、つまらないミスをおかして失点に繋がるのは避けたい…というような心理状況に見えた。

 

こうして残りの70分近くは沼津ペースで試合が進むこととなったが、この心理状態もあってかスタミナ切れとなった選手が多かったのも印象的である。

もちろん3連勝した試合と同様に、この試合も非常によく走れておりスタミナ切れとなるのも仕方ないと言えるのだが…それでもここ3試合に比べてガス欠が目立つ試合であった。

特に印象的だったのは途中から入った山口一真

群馬としては最初の交代で投入されており、プレー時間も30分強と決して短くはないのだが…途中出場とは思えないくらいバテて見えたのである。

もちろん、入ってからは最前線でボールを追い回しており走行距離は多かったであろうことは事実。

そしてシーズン前の状況から、コンディション的にはまだ万全でないのも事実ではあるだろうが。

 

他には瀬畠義成も完全にガス欠状態と言えた。

特に瀬畑に関してはなぜ90分引っ張ったのか…という思いが強い。

船橋勇真のアクシデントにより最後は前線を入れ替えざるを得なかった…とも言えるかもしれないが。

 

とこのように、やや不可解なくらいにガス欠の選手が目立った印象があった試合であった。

これが残留争いのプレッシャーによるものなのか、沼津ペースで進み走らされたことが原因なのかはわからないが…。

 

ある意味では1点は失ったものの、こういった完全に内容で負けたゲームを落とさなかったのは成長と言える。

今までのチームであればあのままズルズルと同点、逆転を許していた可能性も十分にあっただろう。

奈良戦での勝利が良い特効薬となったか、金沢戦も宮崎戦も先制を許しながらも逆転に持って行けたのはチームとして大きな成長であったと言える。

 

ということで、次節の松本戦で真価を問いたいところ。

残留争いのプレッシャーから解放され、強いザスパに進化して5連勝となるか?

それとも残留争いという緊張の糸が切れて、みっともない試合を披露することになるか?

そして考えたくはないが…残留が決まったことで、監督がまた再び以前のようなサッカーに戻す…という可能性もゼロではない。

 

そして松本戦と言えば、山口一真が期限付きのため出場不可というのもポイントになるだろう。

順当に考えると、今まで山口を途中で入れていたタイミングで復帰した中島大嘉を入れる形になると思うが…果たして。

MOM

この試合のMOMは西村恭史としたい。

圧巻の2ゴールであった。

そのどちらも決して簡単なゴールではなく、残留のかかった大事な試合で貴重なゴールを記録してくれたと言える。

 

次に名前を挙げたいのは藤村怜

西村へのアシストはもちろんだが、彼が下がってから攻撃の形が作れなくなった印象が強い。

試合展開でも書いたが、ハードワークしてくれるタイプであり90分は持たないのかもしれないが…いつも交代は早過ぎる気がしてならない。

 

他には素晴らしい抜け出しからアウトサイドでアシストした小竹知恩

ゴールに迫る惜しいシーンもあり、本人としてもそろそろJ初ゴールを決めたいところではないだろうか?

 

個人的に注目していたのは菊地健太

目に見える形で結果を残すことはできなかったが、しっかりと高橋勇利也不在の穴を埋めてくれたと言えるだろう。

超版などでは人気のない選手だが…個人的には好きな選手であったりする。

やや戦術の被害者と言え、左SBであればもっと輝く気がするのだが…。