※ザスパクサツ群馬ファンによる、ザスパクサツ群馬贔屓のマッチレビューです。
前節は甲府を相手に0-3での敗戦。
前回対戦を含めると甲府には本当にコテンパンに叩きのめされた形ではありますが、ゲーム内容的にはかなりの改善が見られるのも確か。
今節は上位のFC琉球が相手と、これからは上位陣が多く厳しい戦いが続くことになります。
しかし絶対残留というためには、ここアウェーで上位琉球といえど勝ち点1は持って帰りたいところです。
そんな第30節、FC琉球戦をレビューします。
Contents
スタメン・フォーメーション
※いつもはホームチームを左側にしますが、琉球がエンドを変えたため上記画像にします。
FC琉球
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 26 | 田口潤人 |
DF | 4 | 岡崎亮平 |
14 | 沼田圭悟 | |
22 | 上原牧人 | |
35 | 金井貢史 | |
MF | 8 | 風間宏矢 |
10 | 富所悠 | |
20 | 上里一将 | |
23 | 池田廉 | |
37 | 武田英寿 | |
FW | 16 | 阿部拓馬 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 31 | 猪瀬康介 |
DF | 2 | 鳥養祐矢 |
MF | 6 | 風間宏希 |
13 | 清武功暉 | |
FW | 18 | 清水慎太郎 |
21 | 上原慎也 | |
24 | 赤嶺真吾 |
前節の京都戦からは恐らく負傷とみられる李栄直に代えて上原牧人の1人のみの交代。
上原はそのままCBに入るかと思い、DAZNの予想もそうだったが今回は右SBに入った。
琉球は群馬同様にDF陣の故障者が多く…非常にやりくりに困っている様子。
反面攻撃陣は本当に豪華で阿部拓馬を中心に、池田廉や青森山田高校からいきなり浦和レッズ加入となった武田英寿、風間宏矢と並ぶ。
中盤には支柱の上里一将に、やられる印象が強い富所悠が。
ベンチを見ても元ザスパの風間宏希、清武功暉、清水慎太郎、赤嶺真吾と豪華なメンバーが並ぶ。
ザスパクサツ群馬
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 1 | 清水慶記 |
DF | 3 | 畑尾大翔 |
15 | 金城ジャスティン俊樹 | |
25 | 小島雅也 | |
40 | 大武峻 | |
MF | 8 | 岩上祐三 |
16 | 久保田和音 | |
18 | 進昂平 | |
41 | 中山雄登 | |
FW | 10 | 青木翔大 |
39 | 高木彰人 |
ベンチ
ポジション | 背番号 | 選手名 |
GK | 21 | 清水慶記 |
DF | 24 | 光永祐也 |
32 | 渡辺広大 | |
MF | 6 | 内田達也 |
11 | 田中稔也 | |
FW | 9 | 北川柊斗 |
50 | 大前元紀 |
群馬は離脱していた大前元紀、田中稔也、渡辺広大が復帰。
この辺り復帰直後はどうなるかと思っていたが、まずはベンチからということに。
そして外れたのが吉永昇偉、高橋勇利也、白石智之となる。
ベンチのバランスを考えればこうなるのも理解はできるが…白石は本当に序列が低い。
加藤潤也が離脱中の今、自らドリブルで相手を切り崩せる選手は白石しかおらず、自分が監督であればベンチには置いておきたいのだが…。
スタメン起用もほとんどなく、途中出場も残り10分程度ということが多く…素人の自分にはわからない致命的な欠点があるのだろうか?
公式Twitter上では藤井悠太も復帰しているようで、彼ならばCBもSBも高いレベルでプレー可能。
同様に光永祐也も最近はCBでプレーしている。
更には内田達也もCBでプレーが可能ということで、無理に渡辺広大を入れずに攻撃の枚数を1枚増やすという選択肢があっても良かったように思うが。
試合経過
立ち上がりはいつも好調のザスパ
前半は群馬のキックオフでスタート。
DAZNの映像からの判断ではあるが、恐らく琉球がエンドの交代を選んだようである。
そして前節FW起用でかなり良さを見せていた進昂平は左SMFに入り、右に久保田和音、FWには青木翔大が入っている。
良かった形を敢えて変えてきたということで、琉球対策の何かがあるのか…練習中に良い連携があったか、この采配がどう出るのか楽しみなところ。
開始早々はなぜか好調なことが多いザスパクサツ群馬だが、今日も良い形で入れ5分にはジャスティンが右サイドからクロスを供給。
これはDFにクリアされるも、わずか5分の間に既にジャスティンは2本目のクロスを上げている。
7分には岩上祐三がミドルシュートを放つもこれは枠を大きく外れる。
ちょっと出しどころがなく、打つしか選択肢が無かった状態のようにも見えるが…シュートを打つことは大事だろう。
8分には久々に右サイド起用となった久保田から、DFライン裏に抜け出た青木にアーリークロスが入る。
これを青木は高木彰人に落とすが、どうやら青木がラインから出ていたようでオフサイドの判定。
オフサイドにはなったが、非常に良い形の攻撃でありオフサイドがなければ高木は十分にゴールを狙えた良いポストプレーだった。
対する9分には琉球の反撃もあり、阿部拓馬が振り向きざまに強烈なシュートを放つ。
これは枠を外れるも、この選手はこういった強引にでもシュートに持ち込む怖さを持っている。
ザスパのFW陣にもこういったストライカーらしいプレーは期待したいところ。
11分には群馬の左サイドを深く使われ、クロスを上げられる。
このクロスはDFに当たるものの、このこぼれ球を阿部がシュートするも、これはDFがブロックしコーナーキックとなる。
危ないシーンではあったが、今日もザスパの4バックは集中して守れているようではある。
14分にはセンターサークル辺りから池田蓮が一気に大きなサイドチェンジで、群馬右サイドの風間宏矢へ。
ペナルティエリアの角付近と非常に良い位置にいた風間はダイレクトで頭で阿部に。
阿部もダイレクトで中に入り込んできた風間に再び落とすが、これは大武峻が必死にブロック。
こぼれ球を武田英寿が拾うがなぜかダイレクトで打たず、打とうかトラップか悩んだかボールは中途半端に前に。
これが風間へのパスへの形となり、風間が再び武田に折り返し、武田はシュートを打つも利き足ではない右だったからか力なくキーパーへ収まる。
いやぁ…相手チームながら非常に良い形の攻撃だった。
大武のブロックからのルーズボールを武田に左足でダイレクトに打ち込まれていたら…危なかっただろう。
見事なカウンター。最大の功労者は中山
続く19分、琉球の陣地深くからのロングボールを大武峻が頭でクリアするも、ジャスティンには合わず。
これを風間宏矢に拾われ、中にドリブルで切り込んでシュートを打たれる。
これはわずかに枠を外れ助かるが、ジャスティンの対応が軽いのが気になるところ。
右サイドに抜ける池田廉は久保田和音が、前にいた阿部拓馬は畑尾大翔が対応しており、大武が余っていたので…もっと距離を詰めて打たせないディフェンスでも良かったように思う。
21分には琉球がボールを奪ったセンターライン付近から、武田英寿が一気にボールを運び風間にパスを送る。
武田はワンツーをもらうべく走りこんだが、風間はそれをデコイに自らシュートを選択するもこれは枠の外に。
今日の風間は本当に積極的にシュートを打ってきており厄介な存在。
そしてルーキー武田は本当に良い選手だな…。
青森山田時代から大注目を浴びており、いきなり浦和レッズ加入ということもあり…良い選手なのは知っていたものの20歳でこのレベルか…。
22分には右サイドから琉球の攻撃を受けるが、中へのパスを池田廉がトラップミス。
これを中山雄登が拾い、ダイレクトで縦の高木彰人へ送る。
高木は少しドリブルで運び、青木翔大に付いていたDFが自分に食いついたところで青木にスルーパス。
これを青木がトラップから見事にゴールに突き刺す先制点!
青木はこれが今シーズン初ゴールとなり、ここから一気に波に乗ってくれることに期待したいところ。
しかも青木は過去に琉球に所属していたこともあり、見事な恩返し弾となった。
このシーンはもちろん後から振り返りたい。
28分、武田と上原牧人の見事なコンビネーションから、上原が一気にザスパ左サイドを切り崩す。
ここからのグラウンダーのクロスは中央で風間宏矢が受けるも、久保田和音がしっかり対応していたことで一度後ろに。
受けた富所悠は群馬右サイドの沼田圭悟を使い、ダイレクトで上げたクロスを風間が頭で合わせるもキーパーの正面に。
このシーンは気になる点が2つある。
風間が富所に落とした際に、富所へのプレスが遅いのが1点。
ベンチからも久藤監督だろうか?「出ろ!出ろ!」という声が聞こえるが、ここはもう少し岩上祐三が距離を詰めてミドルシュートを打たせないようにしたいところ。
そしてフィニッシャーとなった風間への久保田の対応の悪さがもう1点。
沼田へのパスの時点で久保田はボールウォッチャーになっており、背後から前に抜け出す風間に気付いていない。
クロスが自分のところに来てから慌てて対応しているので、簡単に風間に頭で打たせてしまったということになる。
以前からこの久保田のマーカーを失う守備の難は気になっており、何度か書いていると思うが…やはりサイドに置く選手じゃなくてセンターに置きたい選手であろう。
ネットが揺れるもオフサイドに救われる
34分、池田廉からの縦パスが畑尾大翔の隙間を抜ける形で風間宏矢に入ってしまう。
風間はそのままシュートに持ち込みネットを揺らすも、これはオフサイドの判定で救われる形に。
風間にはジャスティンが付いており、ジャスはラインから一歩は後ろにズレていたため…際どいオフサイドだった。
38分にも群馬の右サイドの深い位置から沼田圭悟にクロスを上げられ、収めたところから落としてシュートを打たれるかと思ったものの…その前にオフサイドの笛が鳴る。
かなり危ないシーンは作られているが、最後の最後は集中して守り切れている…という見方もできるだろうか?
ただ最後の最後の部分なので、これがこのまま試合終了までとなるとこじ開けられる可能性も高い。
もう一つ前のところで止められるように、ハーフタイムではしっかり修正したいところだが…。
とにもかくにもこうなってくると、先制点が取れたことが非常に大きい。
45分には右サイドのスローインから、青木が収めジャスティンにリターン。
ジャスのクロスはクリアされるも、セカンドボールを拾った岩上がポーンと高いボールをゴール前に供給。
これがキーパーが出れない絶妙な位置に入り、高木彰人が競り勝ちヘディングシュート。
これまたヘディングのお手本とも言えるキーパーの手前に叩きつけるシュートとなり、田口潤人も体で止めるのが精いっぱい。
こぼしたボールを進昂平が詰めるも、これは一足先に田口が拾う。
しかし進の動きは見事の一言。
FWとして当然ではあるが、やはりストライカーのセンスを感じさせる動きであるので後ほど振り返りたい。
右サイドを深くえぐられるシーンが増えてきた
後半は琉球のキックオフ。
このハーフタイムで琉球はゴールキーパーを交代し、田口潤人に代えて猪瀬康介が入る。
前半終了間際での進昂平との接触による負傷だろうか?
接触後には右手を振っていたシーンがあったので、進に右手を蹴られたのだろう。
イーブンのルーズボールだったので進に非は無いが…シュートを打ちに足を振り切っているだけに当たりどころが悪ければ折れているか…。
田口は16節で指を骨折しており、比較的復帰した直後のようで…軽症であることを願いたい。
50分、自陣で奪ったボールをカウンターで運び青木翔大がキープ。
左サイドを上がってきた進を使い、進はクロスを中に供給するもこれは精度を欠く。
最後の精度の部分は問題だが…1点リードしており実力差を考えると堅く守ってカウンターという、こういう形になっていくだろうしそれで良いだろう。
51分には群馬右サイドを阿部拓馬に使われ、中に折り返しそのまま逆サイドへ。
池田廉が少し溜めてから左足を振りぬくも、これは枠の外へ。
続く53分には中盤から群馬左サイドの武田英寿に良いパスが入り、その外をまわった上原牧人を選択。
上原は右足を振りぬくが、これはボール1つ分ほどポストを逸れる。
この試合最大のピンチとも言えたが、武田にサイドバックである小島雅也が付いたミスマッチになったが、畑尾大翔がしっかりとその外を回る上原へのカバーに入ったことが勝因か?
畑尾の必死のスライディングブロックが目に入り、精度を欠いたのかもしれない。
とにもかくにもフリーでやらせないことが大切で、多少遅れていても最後までブロックに行けばこういうことが起こる。
続く55分にも上里のミドルシュートを浴び、57分にも同じく上原のボレーを浴びるが…どちらも枠を外れて命拾い。
更には60分、良い位置でフリーキックを与えてしまい…壁に当たってこぼれたところを武田に打たれるが高木がナイスブロックで難を逃れる。
両チームの立ち位置と点差を考えると、こういった押し込まれる展開になるのは仕方ないが…ちょっとこのままでは残り時間防ぎきるのは難しいだろう。
ハッキリ言ってしまえば琉球の決定力不足に救われている。
後半は防戦一方。虎の子の1点を守り切れるか
63分には左右に揺さぶられる形からシュートまで持ち込まれるも、シュートが力なく清水慶記のもとに。
後半始まってから完全に押し込まれている状態であり、体を張って最後の最後は守っているものの…これが45分続くのは無理だろう。
解説も言っているがプレスの強度が落ちてきていることで、DFライン全体が下がり気味になっていることが原因。
そしてどうしても起こるプレスの強度が落ちる時間の凌ぎ方、戦い方や交代策を含めて、この時間をいかに少なくしていくかがずっと群馬の課題と言えるだろう。
66分には群馬の右サイド、ペナルティエリアの角付近から風間宏矢が低く速いクロスを供給。
これを金井貢史がバックヘッド気味に合わせ、枠を捉えるが清水慶記がファインセーブでコーナーキックに逃れる。
どうやら金井はコーナーキックで上がってきたまま残っていたようで、非常に危ないシーンだったが清水に救われた形に。
慶記もコンディション不良かしばらくベンチ外になっていただけに、ここでしっかりアピールして守護神の座をガッチリ掴んでおきたいだろう。
67分にはやっと群馬ベンチが動く。
高木彰人に代えて内田達也を投入するが、高木は数分前にしばらく倒れていたので…戦術的な交代なのか負傷によりイレギュラーな交代なのか…。
高木を下げ内田を入れたことで、青木翔大のワントップにし、4-5-1の形に。
中央に岩上祐三が入り、その脇を内田と中山雄登が固めるトリプルボランチとでも言うのだろうか?
これにより残り時間は耐えて、あわよくばカウンターで引き離すという戦い方がベンチから指示されたことに。
明確に戦い方を示したこともあり、この後も琉球の猛攻を受け続けることになるが…今日は交代策が遅いのが気になるところ。
やられてはいるがギリギリのところでは守っており、交代することでマークのズレなど…バランスが崩れることを気にして動けないのだろうか?
しかし進、久保田の両サイドハーフの運動量は落ちてきており…フレッシュな選手がもう少しプレスをかけられると後ろは楽になると思うが…。
大前・田中・渡辺復帰。采配も光る
ワントップに変えたことで、しばらくは4-5-1気味で4-4-2の時と変わらない2ラインの形に見えたが…その後は4-1-4-1になっているようである。
岩上が2ライン間、少し低く位置取りに変えているように見える。
これにより、危ないところを通されていた縦パスの軌道上に岩上がいることになり…セカンドボールを拾われ打たれるスペースも埋めるということか。
この変更は選手間での判断なのか、ベンチから指示が行っているのか?
岩上が勝手にポジションを取り直したのなら、岩上の戦術理解度の高さと言うか修正力の高さが凄い。
ベンチからの指示であれば、監督コーチ陣が的確に試合中にも修正できているということに。
どちらにせよ監督交代以前にはあまり見られないシーンであり、これはシーズン残りに向けて朗報だろう。
73分には琉球ベンチも動き、阿部拓馬に代えて清水慎太郎を投入。
実況によると今期は頭で5ゴール挙げており、これはリーグトップのスコアとのこと。
サイドからクロスは供給できているので、空中戦の強い清水ということだろうか。
76分にはやっと群馬の2回目の交代。
久保田和音に代えて大前元紀、進昂平に代えて田中稔也を投入。
これによりシステムをどうするかと思ったが、大前を最前線に残し、青木が右に入る形に。
青木は体力面ではかなりキツイだろうが、青木の献身的なプレスは外せないということか。
78分には琉球も2回目の交代を使い、風間宏矢に変えて清武功暉、武田英寿に代えて上原慎也を投入。
大前が入ったことで琉球は攻撃時にCBが上がりにくくなった効果はあるだろうか?
しかしこの展開であれば、相手ボールの時にはもう少しボールを追ってもらいたいのだが…。
追う選手じゃないので1番前なのだろうし、カウンター時には何かやってくれる可能性がある選手だが…守り切り目的ならば北川柊斗でも良かった気もする。
85分には琉球が最後の交代枠を使い、富所悠に代えて風間宏希を投入。
87分には群馬も最後の交代枠を使い、中山雄登に代えて渡辺広大を投入。
これにより3CBとなり実質5バックに。
ボランチが1枚減り5-4-1という形になった。
このタイミングでジャスティンと光永祐也も代えるかと思ったが、今日はジャスはフル稼働のようである。
ここも守備強度を考えると左のウィングバックに光永を入れて、小島を右に回すということで良いと思うのだが…。
91分にはDFが少し重なったところからクリアが不完全になり、風間宏希にシュートを打たれるも枠の外に。
このプレーに絡んでいない位置で、大武峻が激怒していたが…こういった詰まらないミスを減らしていきたいところ。
特に守備固めで枚数が増えているだけに…他人任せにしてしまい人数はいたものの…というシーンがサッカーにはつきもの。
このままアディショナルタイムの4分も守り切り、虎の子の1点を守り切った形で勝ち点3を獲得。
まさに金星と言って良い勝利だった。
ピックアップポイント
22分 パス良し判断良しシュート良し
まずは22分、群馬の得点シーンを振り返りたい。
群馬の右サイド、センターライン辺りから最前線に流れた池田廉にパスが入る。
これを池田はトラップミスか後ろに落としたが誰もいなかったか…とにもかくにも足元から離れることに。
中山雄登が回収するが、フリーだったこともありボールを回収しに寄りながらきっちりと前方を視野に入れているのがポイント1。
ここで高木彰人が琉球の両ボランチ、上里一将と富所悠の間に下りてきてポジションを取ったのがポイント2となる。
この最高の楔のパスを反転しながら受けた時の各ポジションが下記。
琉球としては沼田が戻ってきているものの、2対2と言って良い状況。
左サイドからは進が猛ダッシュで上がってきており、そこには上原が対応。
高木は少しドリブルで運び、金井が挟みにきたところで股抜きのパスを青木に通す。
これなんで金井が進に食いついたのか…個人的には謎であり、群馬としてはラッキーだった。
なぜ金井が進にいったかと言えば、当然岡崎が当たらなかったからではあるが…岡崎はまだディレイで良いと判断したのか進の上がりが気になって出れなかったのか。
とっさの判断になるので難しいのは事実だが、進へのディフェンス(上里と上原)は間に合わなかった可能性が高いが…高木から進にパスが出ても岡崎は体の向きを変えて対応できたと思う。
金井としては沼田の帰りが間に合っていないので、青木を捨てて高木に当たってはいけないシーン。
岡崎が当たるべきであり金井は青木をケアできる位置にいないといけない。
左を上がる進に出た場合は岡崎が進をケアしないといけないので、高木へのリターンをケアするために金井は中に絞る必要が出てくるが…パスが左に出てからで良いハズである。
このように琉球のディフェンスのズレというラッキーはあったが、高木のパスが金井の股を通したこともあってか青木のランより少しマイナスに。
しかし青木は左足のトラップで自らの前にボールを持ってこれたので、スピードロスを最小限に抑えられたのがポイント3である。
このトラップが決まったことで前を向け、ゴールキーパーの位置も確認でき、取れないコースにシュートを打ち込むことができた。
解説も語るように転がさずに浮かせたのも、結果論ではあるが正解であった。
キーパーの顔の高さという取りにくいコースに打ったことがポイント4である。
ボールに絡んだ3人、中山のパス良し、高木の判断良し、青木のトラップ良しシュート良しと完璧な得点シーン。
そして忘れちゃいけないのが左サイドを駆け上がった進の存在。
彼がいなかったら岡崎が高木に当たり、金井は青木をマークし続けることができたことになるだろう。
45分 進のストライカーとしての嗅覚
続いて45分プラスの前半最後のシーンを振り返りたい。
右サイドのスローインが青木に入り、そこからリターンを受けたジャスティンが中にクロスを上げる。
このクロスはDFにクリアされるが、不完全で高く上がったクリアボールを岩上がフィフティーフィフティーな高いボールを中に放り込む。
この時の立ち位置が下記である。(中山を書き忘れたが、実際には武田と上里の間に中山がいる)
進はジャスティンのクロスにスライディングで飛び込んだこともあり、このタイミングでは完全にオフサイドのポジションに残っていた。
岩上がダイレクトで上げたことで戻る時間がなかったため、自分がオフサイドであることを認識してプレーに関与しない姿勢を見せながらDFラインまで戻ろうとする。
しかし戻る途中で高木がハイボールを競ることを確認すると、一気にスピードを上げてDFラインに吸収された直後に左サイドに展開。
高木は前を向いていたこともあり直接シュートを狙ったが、後ろ向きで競れば進のポジションにボールを落とした可能性が高い。
また、高木とDFの競り合いが引き分けに終わり、どちらも決定的に勝てなかった場合にはこの辺りにこぼれる可能性も高い。
そして結果的にそうなったように、高木がニアにシュートを打った場合こぼれ球を詰められる位置でもある。
これは本当にストライカーらしい、ゴールへの嗅覚を感じさせるプレー。
今日は左サイドハーフでの起用であったが、やはり進という選手はゴールに近いところに置きたい。
しかし結果的にこの試合は青木のFW起用が当たっただけに、今後もコンディションや相手によってポジションを変えるものと思われる。
MOM
この試合のMOMは青木翔大を選びたい。
後半の45分全て…と言って良いほどの猛攻をしのぎ切ったDF陣も素晴らしかったが、やはり値千金のゴールということで青木をチョイス。
DF陣は大武の加入で安定した印象が強いが、それ以前の広大と畑尾のコンビも終盤は安定してきており、目に見えて失点が少なくなったのが大きい。
清水もファインセーブでチームを救ったし、清水の仕事はこの1セーブしかさせなかったとも言えるDF陣は素晴らしかった。
話を青木に戻すが、得点シーンのトラップとシュートは先ほど説明したように本当に素晴らしいプレー。
そして今シーズン初ゴールということで、これを機にもっと貪欲にゴールを狙う姿勢が出てくると青木は本当に怖いFWになるだろう。
今まではゴール前で他人を選択するシーンが多く、もっと自分でゴールを狙ってほしいと思っていたが良いきっかけになるだろうか?
加入初年度の2019年には怪我で離脱したにも関わらず10ゴールを挙げているし、30節までゴールが無いなんて選手じゃないハズ。
そしてゴール意外での献身性の高さはいつも通りで、この試合も前線から非常によくボールを追い続けた。
最後はかなり苦しかったと思うが、右サイドハーフにポジションを変えてからも90分しっかりとボールを追い続けたのはさすが青木と言ったところ。
攻撃面でもポストプレーはさすがのもので、足元の上手さもかなりの水準。
物足りなかったのはゴールだけであり、このゴールから一気に得点を増やしていくことを期待したい。
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